JPH0347096Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車におけるルーフドア開閉ロツク
装置に関するものである。

自動車において第１図に示すように左右のサイ
ドドアＡに加え該サイドドアＡ上方のルーフ部に
もルーフドアＢを設け、サイドドアＡを開くと共
にその上方のルーフドアＢをルーフ中央部を中心
として上方に回動させて開くことにより、乗員の
乗降用開口部がルーフ部まで広がり、乗降性の著
しい向上をはかるようにしたものが既に従来より
用いられている。

上記のようなルーフドアＢをもつた自動車にお
いては、ルーフドアＢの開閉操作がなかなか厄介
なる上に、該ルーフドアＢの閉時そのロツクを確
実に行わないと、走行時ルーフドアＢが大きく振
動したり雨天時には雨水が室内に侵入する等の不
具合が生じる。

本考案は上記ルーフドアの開閉を油圧シリンダ
装置にて行うよう構成すると共に、該油圧シリン
ダ装置に連動する部材により自動的にルーフドア
の施錠及び施錠解除を行い得るロツク装置を提供
することにより、上記のような従来装置の不具合
を解消することを目的とするもので、以下本考案
を附図実施例を参照して説明する。

第１，２図において、１は左右のセンターピラ
ー２，２の上部に両端を固着されたセンタレール
３とリヤレール４間を車体中心線上において跨ぐ
よう該センタレール３とリヤレール４に両端を固
着された強度部材であり、該強度部材１に左右の
ルーフドアＢ，Ｂが上方に回動可能なるよう蝶番
B′，B′にてそれぞれ取付けられる。

上記センタレール３又はリヤレール４には上記
ルーフドアＢの開閉制御用油圧シリンダ装置５が
ブラケツト６により装着され、該油圧シリンダ装
置５のピストンロツド５ａ先端は第３，４図に示
すようにリンク７を介してルーフドアＢに連結さ
れ、該油圧シリンダ装置５の作動によりピストン
ロツド５ａが伸縮作動しリンク７を介してルーフ
ドアＢを開閉作動させるよう構成されている。

ルーフドアＢの側端部近傍部分にはロツクロツ
ド８が車体前後方向に貫通し回動可能なるよう支
持されており、該ロツクロツド８の両端部分には
係合部材８１，８１がロツクロツド８の径方向に
突出した状態で固着されると共に、該ロツクロツ
ド８の一端にはレバー８２が突設されている。

上記センタレール３及びリヤレール４には、ル
ーフドア閉時該ロツクロツド８両端部分の係合部
材８１，８１が係合係止されるべき係止部材９，
９が固設されており、又上記油圧シリンダ装置５
の取付用ブラケツト６には、プツシユロツド１０
が軸方向にスライド可能なるよう取付支持されて
おり、該プツシユロツド１０の基端部は油圧シリ
ンダ装置５のピストンロツド５ａに連結され、該
ピストンロツド５ａの伸縮作動により該プツシユ
ロツド１０が軸方向にスライドし、該ピストンロ
ツド５ａの収縮作動の終期即ちルーフドアＢの全
閉位置附近において該プツシユロツド１０の先端
面１０ａがロツクロツド８の端部に突設したレバ
ー８２に当りこれを押圧してロツクロツド８を回
動させ係合部材８１，８１を車体側に固設した係
止部材９，９に係合させるよう構成されている。

ロツクロツド８はリターンスプリング８３によ
り係合部材８１，８１と係止部材９，９との係合
を解除する方向に回動力が附勢されている。

上記の構成において、油圧シリンダ装置５のピ
ストンロツド５ａが伸長しルーフドアＢを開状態
としている状態からピストンロツド５ａが収縮作
動してルーフドアＢが閉方向に回動すると第５図
イに示すようにルーフドアＢに設けたロツクロツ
ド８はルーフドアＢと共に下降して来ると同時に
プツシユロツド１０はａ矢印方向にスライド移動
し、ルーフドアＢがほぼ全閉に近い状態になつた
とき第５図ロに示すようにロツクロツド８の係合
部材８１が車体側の係止部材９に対向する位置と
なると共にプツシユロツド１０の先端面１０ａが
ロツクロツド８のレバー８２に当接する。更に油
圧シリンダ装置５のピストンロツド５ａが収縮す
るとルーフドアＢは全閉状態になると共にプツシ
ユロツド１０がレバー８２を押圧してロツクロツ
ド８をリターンスプリングのばね力に抗して回動
させ第５図ハに示すように係合部材８１が係止部
材９に係合したロツク状態として該プツシユロツ
ド１０がそのロツク状態を保持する。

次にルーフドアＢを開くときはピストンロツド
５ａの伸長に伴ないプツシユロツド１０がレバー
８２から離れるｂ矢印方向にスライドしロツクロ
ツド８がリターンスプリングによりロツク解除方
向に回動して第５図ハからロのように係止部材９
に係合していた係合部材８１が係止部材９より離
れると共に、ルーフドアＢが上方に回動し、ロツ
クロツド８は車体側の係止部材９及びプツシユロ
ツド１０から離れて第５図イの如く上方に移動
し、ルーフドアＢは全開となる。

上記油圧シリンダ装置５の作動制御は例えば運
転席近辺に設けたルーフドア開閉制御スイツチの
操作により行われることは言うまでもない。

尚第１，２図の実施例ではリヤのサイドドアの
上部にルーフドアを設けたものを示しているが、
フロントのサイドドアの上部にルーフドアを設け
たものにも本考案を適用可能なることは言う迄も
ない。

又第４図の実施例では油圧シリンダ装置５のピ
ストンロツド５ａ先端とルーフドアＢにリンク７
の両端部をそれぞれ枢着した構造のものを示して
いるが第６図に示すようにリンク７′の一端部を
車体側（例えばセンタレール３）に枢着すると共
に他端部に固設したピン７a′をルーフドアＢに設
た長穴B″にスライド可能なるよう嵌装し、該リ
ンク７′の中間部に油圧シリンダ装置５のピスト
ンロツド先端を直接又は他のリンクを介してピン
結合した構造としても良く、この第６図示の構造
とすればルーフドアＢの重量荷重がリンク７′の
車体側への枢着部７b′に分散されるので油圧シリ
ンダ装置５の荷重負担が低減し、開閉作動もスム
ーズとなる等の効果をもたらし得る。

上記のように本考案によれば、ルーフドアの開
閉が極めて楽となると共に、ルーフドア閉時は自
動的にロツクされロツク忘れによるルーフドアの
振動や埃り、雨水等の室内への侵入等の不具合は
完全に防止され且つルーフドアを開こうとすると
きは上記ロツクが自動的に解除されるので、ロツ
ク及びアンロツク操作は一切不要となり、構造簡
単でコスト低廉なることと相俟つて実用上多大の
効果をもたらし得るものであある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
は平面図、第３図及び第４図は油圧シリンダ部と
ルーフドアとの関係を示す平面図及び正面図、第
５図イ，ロ，ハはロツク作動状態を順次示す正面
説明図、第６図は油圧シリンダ装置とルーフドア
の連結構造の他の実施例を示す正面図である。 Ａ……サイドドア、Ｂ……ルーフドア、５……
油圧シリンダ装置、５ａ……ピストンロツド、
７，７′……リンク、８……ロツクロツド、８１
……係合部材、８２……レバー、９……係止部
材、１０……プツシユロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) サイドドアの上部のルーフ部にルーフドアを
   上方に回動させて開くよう取付けた自動車にお
   いて、車体側部材にピストンロツドの伸縮によ
   り上記ルーフドアを開閉作動させる油圧シリン
   ダ装置を設け、ルーフドアに係合部材とレバー
   とを固設したロツクロツドを回動可能に取付け
   ると共に車体側部材にルーフドア全閉状態にお
   いて上記ロツクロツドの係合部材が近接対向す
   る係止部材を固設し、上記油圧シリンダ装置の
   ピストンロツドの伸縮作動に連動して軸方向に
   スライド移動しルーフドア全閉状態附近におい
   て上記ロツクロツドのレバーに当接してロツク
   ロツドを押圧回動させルーフドア全閉状態にて
   ロツクロツドの係合部材を車体側部材に固設し
   た係止部材に係合ロツクさせるプツシユロツド
   を車体側部材に取付けたことを特徴とする自動
   車のルーフドア開閉ロツク装置。 (2) 油圧シリンダ装置のピストンロツドは、一端
   部を車体側部材に枢着し他端部に設けたピンを
   ルーフドアの長穴に嵌合させたリンクの中央部
   に、直接又は他のリンクを介して枢着されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載の自動車のルーフドア開閉ロツク装
   置。