JPH0346134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用開閉体、とりわけバツクドア
やトランクリツド等、車体後部開閉体のロツク装
置に関する。

従来の技術 車体後部開閉体のロツク装置は周知のように車
外側からシリンダーロツク機構の操作によるロツ
ク解除の他、車室側からの遠隔操作によつてもロ
ツク解除を行えるようにして使用性の向上を図つ
ている。第１〜３図はこのような車体後部開閉体
のロツク装置を示すもので、１は車体Ｂ側に配設
されてその略水平な開口部下縁b₁に後斜方向に突
出配置したストライカ、２は車体後部開閉体、例
えばバツクドアＤの下縁に配設したロツク機構を
示し、底壁３ａ、後壁３ｂおよび左右側壁３ｃを
有するベースフレーム３、該ベースフレーム３の
後壁３ｂ内面に回動自在に軸支されて前記ストラ
イカ１と係脱するラツチ４とこのラツチ４と係脱
するロツキングレバー５およびラツチ４とロツキ
ングレバー５とに跨つて配設され、ラツチ４をス
トライカ１と非係合方向に付勢すると共に、ロツ
キングレバー５をラツチ４と係合する方向に付勢
するセツトスプリング６とから大略構成されてい
る。

ロツキングレバー５の上部自由端にはバツクド
アＤ内に突出するアーム部８を延設し、このアー
ム部８にロツド９を連結してバツクドアＤに配設
される図外のシリンダーロツク機構の車外側から
の操作により該ロツド９を牽引、押動してロツキ
ングレバー５とラツチ４との係脱、即ち、、施解
錠を行えるようにしてある。また、ロツキングレ
バー５の下部自由端にもベースフレーム３の後壁
３ｂに向けて略直角に曲折成形されて、該後壁３
ｂを貫通するアーム部７を直状に延設してある。

一方、車体Ｂ側には前記アーム部７に対応し
て、図外の車室内操作レバーによつて遠隔操作さ
れるオープンレバー１０を配設し、このオープン
レバー１０の回動により該オープンレバー１０が
アーム部７端に係合してロツキングレバー５をロ
ツク解除方向に回動し、車室内側からもロツク解
除できるようにしてある。前述のロツキングレバ
ー５下側のアーム部７はオープンレバー１０との
係合状態を保つて十分にロツク解除ストロークで
きるように、ベースフレーム３の後壁３ｂからの
突出量ｌを大きくとつてある。なお、第３図中１
１はストライカ１とラツチ４との係合時の金属衝
撃音の防止と、これら両者の係合状態時のガタツ
キを防止する樹脂製のスライダを示す。

ところが、かかる従来の構造では、車体Ｂの開
口部下縁b₁にはベースフレーム３の底壁３ａと後
壁３ｂとでなす側面略Ｖ字状の下縁およびアーム
部７の進入用の開口部b₂を形成するのであるが、
前述のようにロツキングレバー５下側のアーム部
７の突出量ｌを後壁３ｂより大きく設定してある
と、これらベースフレーム３下縁、アーム部７の
進入軌跡はバツクドアＤの図外の上部ヒンジを中
心とする弧状を描く一方、車両仕様諸元で車体全
長が決定される関係上、前述の車体開口部下縁b₁
の前後方向寸法が制約されることから、この制約
された開口部下縁b₁の寸法範囲内で前記アーム部
７との干渉を避けるためにロツク機構を可及的に
車体前後方向前側に設置すると共に、前記開口部
b₂の前後方向寸法を十分に大きく設定していた。
この結果、開口部b₂が大きくなつて、シール上お
よび車外騒音侵入防止上非常に不利となつてしま
うのみならず、ストライカ１の車体開口部下縁b₁
からの突出量が大きくなつて荷物の積み降しに大
きな障害となつてしまう不具合があつた。

考案の目的 本考案はかかる従来の実状に鑑み、特に車室側
からのロツク解除作動に支障を来すことなく前記
開口部を可及的に小さくすることができる自動車
用開閉体のロツク装置を提供することを目的とす
るものである。

考案の構成 前記目的を達成するため、本考案にあつてはベ
ースフレームの底壁と一方の側壁とのコーナー部
を傾斜成形して傾斜壁を形成する一方、ロツク機
構のロツキングレバー下部自由端のアーム部をこ
の傾斜壁に向けて略直角に曲折成形して、該傾斜
壁を貫通して直状に突出配置し、該アーム部の前
記ベースフレームの底壁と後壁とでなす側面略Ｖ
字状の下縁からの突出をなくしてある。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共にバツクドア
用ロツク装置を例に採つて前記従来の構成と同一
部分に同一符号を付して詳述する。

即ち、本考案にあつては第４，５図に示すよう
に、略水平な車体開口部下縁b₁より後斜方向に突
出して配設したストライカ１と、底壁３ａ、後壁
３ｂおよび左右側壁３ｃを有するベースフレーム
３の後壁３ｂ内面に前記ストライカ１と係脱する
ラツチ４および該ラツチ４と係脱するロツキング
レバー５を軸支し、前記ベースフレーム３を介し
てバツクドアＤの下縁に配設されるロツク機構２
とからなり、かつ、前記ロツキングレバー５の下
部自由端にベースフレーム３の下方に突出し、車
体Ｂ側に配した遠隔操作されるオープンレバー１
０によりロツク解除方向に作動されるアーム部７
Ａを延設した構造にあつて、前記ベースフレーム
３の底壁３ａと一方の側壁３ｃとのコーナー部を
傾斜成形して傾斜壁３a₁を形成する一方、前記ア
ーム部７Ａをこの傾斜壁３a₁に向けて略直角に曲
折成形して、該傾斜壁３a₁を貫通して直状に突出
配置し、該アーム部７Ａの前記ベースフレーム３
の底壁３ａと後壁３ｂとでなす側面略Ｖ字状の下
縁からの突出をなくしてある。

前記アーム部７Ａの傾斜壁３a₁からの突出量l₁
は、アーム部７Ａ端が前記側面略Ｖ字状の下縁か
ら突出しない範囲で大きく確保して、オープンレ
バー１０との係合を保つた状態で十分にロツク解
除ストロークできるようにしてある。オープンレ
バー１０は一般にはストライカベースに組付けら
れるが、ストライカベースとは別のブラケツトに
組付けて車体Ｂ側に固定するようにしてもよい。

以上の実施例構造によれば、アーム部７Ａのベ
ースフレーム３下縁からの突出をなくしてあるた
め、このアーム部７Ａ端のバツクドアＤ開閉時の
回動軌跡はベースフレーム３下縁の回動軌跡線に
一致、もしくは該回動軌跡線よりも内側となる。
この結果、車体開口部下縁b₁にベースフレーム３
下縁およびアーム部７Ａの進入用開口部b₂を形成
する場合に、該開口部b₂の前後方向寸法を小さく
でき、以つてシール性の向上と車外騒音防止を徹
底することができるのである。また、該開口部b₂
の前後方向寸法を小さくできることは、ベースフ
レーム３を前後方向後方へ取付けでき、このた
め、ストライカ１を車体開口部下縁b₁から僅かな
突出量で取付けることができる。

なお、前記実施例ではバツクドア用ロツク装置
を例示したが、この他、トランクロツク装置にも
同様に適用することができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、ロツク機構のロ
キングレバー下部自由端のアーム部をベースフレ
ームの傾斜壁より直状に突出配置することによつ
て、遠隔操作されるオープンレバーと係合し得る
に十分なアーム部の突出量を確保した上で、開閉
体開閉時の車体開口部下縁に対するアーム部端の
回動軌跡をベースフレーム下縁の回動軌跡の内側
にさせることができて、その分、進入用の開口部
b₂の地上高を極力小さくすることができる。この
ため、ロツク機構を可及的に車体前後方向後方に
設置できるので、ストライカ１を車体開口部下縁
b₁から僅かに突出させるだけでよい。仍つて、該
開口部b₂を容易に覆えるために見映えをよくする
ことができ、且つシール性の向上と車外騒音進入
防止効果を高めることができ、品質感、信頼性を
一段と向上することができるという実用上多大な
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロツク装置の配設状態を示す側
面図、第２図は同ロツク機構のロツキングレバー
のアーム部とオープンレバーとの関係を示す斜視
図、第３図は同ロツク機構の背面図、第４図は本
考案の一実施例の配設状態を示す側面図、第５図
は同ロツク機構の背面図である。 １……ストライカ、２……ロツク機構、３……
ベースフレーム、３ａ……底壁、３a₁……傾斜
壁、３ｂ……後壁、３ｃ……側壁、４……ラツ
チ、５……ロツキングレバー、７Ａ……アーム
部、１０……オープンレバー、Ｂ……車体、Ｄ…
…開閉体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略水平な車体開口部下縁より後斜方向に突出し
   て配設したストライカと、底壁、後壁および左右
   側壁を有するベースフレームの後壁内面に、前記
   ストライカと係脱するラツチおよび該ラツチと係
   脱するロツキングレバーとを軸支し、前記ベース
   フレームを介して開閉体下縁に配設されるロツク
   機構とからなり、かつ、前記ロツキングレバーの
   下部自由端にベースフレームの下方に突出し、車
   体側に配した遠隔操作されるオープンレバーによ
   りロツク解除方向に作動されるアーム部を延設し
   た構造にあつて、前記ベースフレームの底壁と一
   方の側壁とのコーナー部を傾斜成形して傾斜壁を
   形成する一方、前記アーム部をこの傾斜壁に向け
   て略直角に曲折成形して、該傾斜壁を貫通して直
   状に突出配置し、該アーム部の前記ベースフレー
   ムの底壁と後壁とでなす側面路Ｖ字状の下縁から
   の突出をなくしたことを特徴とする自動車用開閉
   体のロツク装置。