JPH0345157B2 - - Google Patents

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JPH0345157B2
JPH0345157B2 JP59164464A JP16446484A JPH0345157B2 JP H0345157 B2 JPH0345157 B2 JP H0345157B2 JP 59164464 A JP59164464 A JP 59164464A JP 16446484 A JP16446484 A JP 16446484A JP H0345157 B2 JPH0345157 B2 JP H0345157B2
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coated paper
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Noritoshi Watanabe
Kazuyuki Takada
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、キヤスト塗被紙の製造方法に関し、
特に優れた印刷適性及び白紙品質を有するキヤス
ト塗被紙を極めて効率よく製造し得る方法に関す
るものである。 「従来の技術」 キヤスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢塗被紙
の製造法としては、湿潤状態の塗被層を加熱ドラ
ム面に圧接して光沢仕上げするウエツトキヤスト
法、湿潤状態の塗被層をゲル状態にして加熱ドラ
ム面に圧接して光沢仕上げするゲル化キヤスト
法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥又は半乾燥した
後再湿潤により可塑化して加熱ドラム面に圧接す
るリウエツトキヤスト法等が知られている。 これらのキヤスト仕上げ方法は、いずれも湿潤
状態にある顔料及び接着剤を主成分とする塗被層
を加熱ドラム面に圧接乾燥し剥離させる点で共通
しており、かかる湿潤塗被層の支持体としては、
上質紙のように全く塗被層を設けていない原紙も
使用されるが、キヤスト塗被面或いは裏面側の品
質および印刷適性等を一層改良した高品質のキヤ
スト塗被紙を得るべく、顔料及び接着剤を主成分
とする乾燥塗被層を片面或いは両面に設けた原紙
を使用する方法が提案されている。 ところが、キヤスト仕上げ方法は、上記の如く
湿潤状態の塗被層を加熱ドラム面に圧接して乾
燥、剥離せしめる仕上げ方法であるため、湿潤塗
被層中の水分は原紙層中を透過して裏面に蒸発、
逸散する必要がある。その際、原紙として上記の
如く乾燥塗被層を片面或いは両面に設けたものを
使用すると、乾燥塗被層が水分の蒸発を遮蔽する
ため、著しい操業速度の低下を来す。また、急激
な水分の蒸発によつてキヤスト塗被層と原紙層と
の間に「フクレ現象」を生じたり、キヤスト塗被
面にピンホール状の欠陥が発生する。さらに、剥
離後キヤスト塗被層の一部が加熱ドラム面に残る
所謂「ドラムピツク現象」も発生するため、必ず
しも満足すべき結果が得られていないのが現状で
ある。 「発明が解決しようとする問題点」 かかる現状に鑑み、本発明者等は湿潤塗被層の
支持体として、顔料及び接着剤を主成分とする乾
燥塗被層を片面或いは両面に設けた原紙を使用し
ても、上記の如きフクレ、ピンホール、ドラムピ
ツクといつた欠陥が発生せず、しかも操業速度の
低下も最小限に留め得るキヤスト塗被紙の製造方
法の開発について鋭意研究の結果、特に乾燥塗被
層を構成する接着剤として、特定のモノマー組成
から成り、且つ特定のゲル含有率を有する共重合
体ラテツクスをを使用すると、かかる目的が効率
良く達成されることを見出し本発明を完成するに
至つた。 「問題点を解決するための手段」 本発明は、顔料及び接着剤を主成分とする湿潤
塗被層を、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光
沢仕上げするキヤスト塗被紙の製造方法におい
て、該湿潤塗被層の支持体として、下記の如きモ
ノマーを乳化重合させて得られる共重合体ラテツ
クスでゲル含有率が45〜65%であるラテツクスを
接着剤成分として含有する、顔料及び接着剤を主
成分とする乾燥塗被層を少なくとも片面に有する
原紙を使用することを特徴とするキヤスト塗被紙
の製造方法である。 (a) 脂肪族共役ジオレフイン系モノマー20〜45重
量部、 (b) モノオレフイン芳香族系モノマー24〜79重量
部、 (c) エチレン系不飽和カルボン酸モノマー1〜5
重量部及び (d) これらと共重合可能なモノオレフイン系モノ
マー30重量部未満。 「作用 本発明では、上記の如く湿潤塗被層の支持体と
して、45〜65%のゲル含有率を有する特定の共重
合体ラテツクスを接着剤成分として含有する乾燥
塗被層を少なくとも片面に有する原紙を使用する
ものであるが、ゲル含有率が45%未満では接着力
が不充分となり、フクレが発生する。一方、65%
を超えると耐水性が低下してくるのみならず、フ
クレ、ピンホール、ドラムピツクなどの改良効果
が低下し、結果的に操業速度を下げざるを得なく
なつてしまう。 なお、本発明でいう共重合体ラテツクスのゲル
含有率は、室温でラテツクスを乾燥して得られた
フイルムを約0.5g精秤採取し、これを200mlのベ
ンゼン中に48時間浸漬した後ベンゼンに不溶の部
分を測定し、採取したフイルムに対する重量割合
(%)で表した値である。 本発明で用いられる共重合体ラテツクスの製造
に際し使用されるモノマーのうち、脂肪族共役ジ
オレフイン系モノマーとしては、1,3−ブタジ
エン、イソプレン等が挙げられる。通常これらの
モノマーは共重合体の造膜性、適度な弾性を維持
するために20〜45重量部の範囲でなければなら
ず、20重量部未満では造膜性が不充分となりバイ
ンダーとしての良好な接着力が得られない。一
方、45重量部を超えると柔らかくなり過ぎ、耐水
性が悪くなつてフクレ、ピンホール、ドラムピツ
クが発生する。 モノオレフイン芳香族系モノマーとしては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ジメチルスチレン等が挙げられ、これらのモノマ
ーは24〜79重量部の範囲で使用される。24重量部
未満では共重合体が柔らかくなり過ぎ、耐水性が
劣化し、フクレ、ピンホール、ドラムピツクの改
良効果が失われてしまう。逆に、79重量部を超え
ると硬くなり過ぎて造膜性が不充分となりバイン
ダーとしての機能が低下する。 エチレン系不飽和カルボン酸モノマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、及びジカルボン酸の無水
物またはモノアルキルエステル等が挙げられる。
これらのモノマーは1〜5重量部の範囲で使用さ
れなければならないが、1重量部未満では期待す
る接着力が発揮されないだけでなく、得られる共
重合体ラテツクスの機械安定性も損なわれてしま
う。一方、5重量部を超えると耐水性が劣化し、
フクレ、ピンホール、ドラムピツクの改良効果が
劣つてくる。 これらと共重合可能なモノオレフイン系モノマ
ーは30重量部を超えると耐水性が低下し、フク
レ、ピンホール、ドラムピツクの発生を抑えるこ
とができなくなる。このモノオレフイン系モノマ
ーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、グリシジルアクリレートな
どで例示されるアクリレート系モノマー、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ートなどで例示されるメタクリレート系モノマ
ー、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
で例示されるシアン化ビニル系モノマー、さらに
はアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミドなどで例示されるエチレン系不飽和カル
ボン酸アミド等が挙げられる。 本発明で使用する上記の如きモノマー組成を有
し、且つ45〜65%のゲル含有率を有する特定の共
重合体ラテツクスを得るには、通常アクロレイ
ン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エ
チルヘキシルチオグリコールや、オクチルメルカ
プタン、ドデシルメルカプタン、第三級ドデシル
メルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭
素、四臭化炭素などの連鎖移動剤の一種または二
種以上が用いられる。これらの連鎖移動剤は、一
活添加法あるいは連続添加法など通常の添加方法
によつて重合系に添加されるが、その際、連鎖移
動剤は単独で添加してもあるいは各モノマーと混
合して添加してもよい。 なお、共重合体ラテツクスのゲル含有率の調節
は、一般に上記の如く連鎖移動剤を用いる方法が
採用されるが、重合転化率を低く抑えたり、より
低い温度で重合するなどの方法も採用可能であ
る。何れにしろ上記特定のモノマー組成を有し、
且つゲル含有率が45〜65%である共重合体ラテツ
クスでありさえすれば本発明の所望の効果を期待
できるものである。 本発明で使用する共重合体ラテツクスを得るた
めに、乳化剤としてはアニオン性のものが適当で
あり、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル
アリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩およびその誘導体、アルキルスルホン酸
塩、アルキルサクシネートのスルホン酸塩、非イ
オン活性剤の硫酸エステル並びにリン酸エステル
塩等が例示されるが、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフエノ
ールエーテル、ポリエチレングリコールの脂肪酸
エステル等の非イオン型乳化剤を併用することも
できる。 重合開始剤としては過硫酸塩、過酸化水素等の
無機過酸化物或いはキユメンヒドロパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシド、ジイソブチルベン
ゾイルパーオキシド等の有機過酸化物、さらには
酸化触媒と次亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒ
ドのスルホン酸塩等の還元剤と併用する所謂レド
ツクス型触媒等が挙げられる。 共重合体ラテツクスの重合時には上記の乳化
剤、重合開始剤、さらには必要に応じて各種電解
質、重合促進剤、キレート化剤等を使用してもよ
い。また、反応の形式はいわゆる高温重合でもレ
ドツクス型重合開始剤を用いた低温重合でもよ
く、更にはモノマー或いは乳化安定剤を必要に応
じて重合途中に逐次添加し連続重合しても良い。 本発明の方法では、かくして得られた上記特定
のモノマー組成を有し、且つゲル含有率が45〜65
%である共重合体ラテツクスを、湿潤塗被層の支
持体として用いる原紙の少なくとも片面に形成さ
れる乾燥塗被層の接着剤成分として含有せしめる
ものであるが、乾燥塗被層は顔料及び接着剤を主
成分として構成される。 乾燥塗被層を構成する顔料としては、例えばク
レー、カオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、タル
ク、硫酸カルシウム、コロイダルシリカ、プラス
チツクピグメント等一般の塗被紙用顔料の一種以
上が用いられる。 また、接着剤としては、上記の如く特定のモノ
マー組成及びゲル含有率を有する共重合体ラテツ
クスが含有せしめられるものであるが、かかる特
定の共重合体ラテツクスは少なくとも全接着剤量
の10重量%以上、より好ましくは20〜100重量%
程度使用されるのが望ましい。 上記特定の共重合体ラテツクスと併用される他
の接着剤としては、例えば酸化澱粉、エーテル化
澱粉、エステル化澱粉、陽性澱粉等の澱粉類、カ
ゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類、一般の各種共重
合体ラテツクス、ポリビニルアルコール、カルボ
キシ変性ポリビニルアルコール、オレフイン・無
水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系
接着剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体等、一
般の塗被紙用接着剤が単独或いは併用して用いら
れる。 これらの接着剤は顔料100重量部当り5〜50重
量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で
使用される。なお、分散剤、消泡剤、耐水剤、防
腐剤、着色剤、流動変性剤等各種の助剤が必要に
応じて適宜添加される。 かくして調製された塗被組成物は一般の塗被紙
製造に用いられているブレードコーター、エヤー
ナイフコーター、ロールコーター、ブラシコータ
ー、カーテンコーター、チヤンプレツクスコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター、サイズプ
レスコーター等の塗被装置を設けたオンマシン或
いはオフマシンコーターによつて原紙上の少なく
とも片面に単層或いは多層塗被される。 その際の塗被組成物の固形分濃度は、一般に70
〜70重量%程度であるが、操業性を考慮すると45
〜65重量%の範囲が好ましい。また、燥塗被層の
乾燥度合は少なくとも含有水分が15重量%以下、
好ましくは8重量%程度以下となるように調節さ
れるのが望ましい。なお、原紙としては一般の印
刷用塗被紙やキヤスト塗被紙に用いられる米坪30
〜400g/m2のペーパーベース或いはボードベー
スの原紙が用いられる。 これらは酸性或いはアルカリ性抄紙で抄造され
る原紙であり、高歩留パルプを約10重量%以上含
む中質原紙も勿論使用出来る。 かかる原紙への塗被組成物の塗被量は乾燥重量
で片面当り5〜30g/m2程度塗被されるが、得ら
れるキヤスト塗被紙の白紙品質、キヤスト塗被速
度の改良効果の点で10〜20g/m2の範囲で調節さ
れるのが最も好ましい。 本発明の方法では、キヤスト塗被紙用の原紙と
して、かくして得られる特定の乾燥塗被層を少な
くとも片面に有する原紙が用いられるものである
が、キヤスト仕上げ方式自体については特に限定
されるものではなく、従来のウエツトキヤスト
法、リウエツトキヤスト法、ゲル化キヤスト法等
が適宜選択して用いられるものである。 「実施例」 以下に本発明の実施例を記載するが、勿論これ
らに限定されるものではない。また、例中の部及
び%は特に断らない限り、それぞれ重量部及び重
量%を示す。 (共重合体ラテツクスの合成−1) 窒素ガスで置換したオートクレーブ中に、表−
1に示す各モノマー及び連鎖移動剤とドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ2部、炭酸水素ナトリウ
ム0.5部、過硫酸カリウム0.8部、水120部の混合
物を仕込み、撹拌しながら65℃で反応させ14時間
後に反応停止剤を添加し、重合転化率が全て98%
以上の共重合体ラテツクスを得た。これらのラテ
ツクスを苛性ソーダでPH6.5に調整した後、スチ
ームストリツピングして未反応モノマーを除去
し、表−1に示すようなゲル含有率を有する5種
類の共重合体ラテツクスを得た。 (共重合体ラテツクスの合成−2) 窒素ガスで置換したオートクレーブ中に、表−
2に示す各モノマー及び連鎖移動剤とドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ1.5部、炭酸水素ナトリ
ウム0.8部、過硫酸アンモニウム1.0部、水150部
の混合物を仕込み、撹拌しながら65℃で反応させ
14時間後に反応停止剤を添加し、重合転化率が全
て98%以上の共重合体ラテツクスを得た。これら
のラテツクスを苛性ソーダでPH6.5に調整した後、
スチームストリツピングして未反応モノマーを除
去し、表−2に示すようなゲル含有率を有する5
種類の共重合体ラテツクスを得た。
【表】 (注)
・連鎖移動剤1…第三級ドデシルメルカプ
タン
【表】 実施例1〜4、比較例1〜6 カオリン70部、重質炭酸カルシウム30部、酸化
澱粉10部と表−1及び表−2に記載の共重合体ラ
テツクス15部(固型分)から成る濃度78%の塗被
液を調製した。 得られた塗被液を50g/m2の原紙の両面に乾燥
塗被量が片面当り14g/m2となるようにオンマシ
ンブレードコーターで塗被し、含有水分が7%と
なるように乾燥して両面に乾燥塗被層を有する10
種類のキヤスト塗被紙用原紙を得た。 一方、キヤスト仕上げ用塗被液としてカオリン70
部、軽質炭酸カルシウム30部、接着剤としてアン
モニアで溶解したカゼイン13部(固型分)、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体ラテツク
ス(固型分)11部、消泡剤としてトリブチルフオ
スフエート0.5部、離型剤としてステアリン酸ア
ンモニウム1.0部から成る濃度53%の塗被液を調
製した。 上記キヤスト塗被紙用原紙を使用し、第1図に
示す装置にてウエツトキヤスト仕上げを行つた。
即ち、10種類の原紙1に乾燥重量が13g/m2とな
るように上記のキヤスト仕上げ用塗被液をコータ
ー2で塗被し、直ちに90℃に加熱されたキヤスト
ドラム3に圧接し、テークオフロール4でキヤス
トドラムから剥離してキヤスト塗被紙5を製造し
た。 各実施例及び比較例の操業状況および得られた
キヤスト塗被紙の品質評価結果を表−3に記載し
た。
【表】
【表】 表−3の結果から明らかなように、本発明の各
実施例ではフクレ、ドラムピツクなどの発生を伴
うことなく安定して強光沢を有するキヤスト塗被
紙を得ることができた。 然し乍ら、ゲル含有率が67%、40%及び75%の
共重合体ラテツクスを用いた比較例1、比較例2
及び比較例3では、フクレの発生が十分に抑制さ
れず、しかもドラムピツクやピンホールが発生
し、キヤスト操業速度を下げる必要があり、得ら
れたキヤスト塗被紙の白紙品質も劣つていた。 また、比較例4ではラテツクスHのメチルメタ
クリレート含有量が33部と多いため、フクレ、ド
ラムピツク、ピンホールの発生を抑えることがで
きず、白紙品質の劣つたキヤスト塗被紙しか得ら
れなかつた。 比較例5ではラテツクスIのスチレン含有量が20
部と少ない上にメチルメタクリレートとアクリロ
ニトリルの含有量が多いため、フクレ、ドラムピ
ツク、ピンホールの発生が著しく、低速での操業
でも白紙品質の劣つたキヤスト塗被紙しか得られ
なかつた。 さらに、比較例6ではラテツクスJのブタジエ
ン含有量が50部と多いため、やはりフクレ、ドラ
ムピツク、ピンホールの発生を抑えることができ
ず、白紙品質の劣つたキヤスト塗被紙しか得られ
なかつた。 実施例5、比較例7 カオリン80部、重質炭酸カルシウム20部、酸化
澱粉15部と表−1に記載の共重合体ラテツクスA
又はDがそれぞれ10部(固型分)から成る濃度41
%の塗被液を調製した。 得られた塗被液を80g/m2の原紙の片面に乾燥
塗被量が12g/m2となるようにエアーナイフコー
ターで塗被し、含有水分が7%となるように乾燥
して片面に乾燥塗被層を有する2種類のキヤスト
塗被紙用原紙を得た。 一方、カオリン70部、軽質炭酸カルシウム30
部、ポリアクリル酸ソーダ0.5部をコーレス分散
機を用いて水中に分散し、濃度60%の顔料スラリ
ーを調製した。これに消泡剤としてトリブチルフ
オスフエート0.5部、離型剤としてオレイン酸ア
ンモニウム1.0部、接着剤としてアンモニアで溶
解したカゼイン水溶液(濃度15%)10部及びスチ
レン・ブタジエン共重合体ラテツクス18部(固型
分)を添加混合し、最後に水を加えて固型分濃度
46%のキヤスト仕上げ用塗被液を調製した。 上記キヤスト塗被紙用原紙及びこの塗被液を用
いて第2図に示す装置によりリウエツトキヤスト
仕上げを行つた。 即ち、片面に乾燥塗被層を有する原紙11の塗
被面上に乾燥重量が18g/m2となるように上記キ
ヤスト仕上げ用塗被液をエアーナイフコーター1
2で塗被し、乾燥機13で水分が6%になるよう
に乾燥した。次いでゴムロール14とキヤストド
ラム15で形成されるプレスニツプ16に通紙
し、ここでノズル17から供給されたポリエチレ
ンエマルジヨンから成るリウエツト液(0.5%濃
度)によつて塗被層を再湿潤した後、表面温度
105℃キヤストドラム15に圧接し乾燥後、テー
クオフロール18でキヤストドラムから剥離し
た。 乾燥塗被層の接着剤として共重合体ラテツクス
Aを使用した実施例5では、フクレ、ドラムピツ
ク及びピンホールの発生を伴うことなく高速度で
強光沢(光沢度91%)を有するキヤスト塗被紙を
製造することができた。 しかし、乾燥塗被層の接着剤としてゲル含有率
が40%である共重合体ラテツクスDを使用した比
較例7では、著しいフクレの発生があり、ドラム
ピツク及びピンホールの発生によるドラム表面の
汚れも多く、キヤストドラムの温度を98℃まで下
げた低速操業を余儀無くされた。なお、比較例7
で得られたキヤスト塗被紙は光沢度が82%であつ
た。 実施例6、比較例8 カオリン70部、水酸化アルミニウム30部、酸化
澱粉10部と表−1に記載の共重合体ラテツクスA
又はEがそれぞれ15部(固型分)から成る濃度45
%の塗被液を調製した。 得られた塗被液を90g/m2の原紙の片面に燥塗
被量が10g/m2となるようにバーコーターで塗被
し、含有水分が6%となるように乾燥して片面に
乾燥塗被層を有する2種類のキヤスト塗被紙用原
紙を得た。 一方、カオリン70部、水酸化アルミニウム30
部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.5部、
ピロ燐酸ソーダ0.5部をコーレス分散機を用いて
水に分散し、濃度70%の顔料スラリーを調製し
た。これに消泡剤としてトリブチルフオスフエー
ト0.5部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム
1.0部、接着剤としてアンモニアで溶解したカゼ
イン13部及びスチレン・ブタジエン共重合体ラテ
ツクス11部(固型分)を添加混合し、最後に水
を加えて固型分濃度55%のキヤスト仕上げ用塗被
液を調製した。 この塗被液を用いて第3図に示す装置によりゲ
ル化キヤスト仕上げを行つた。 即ち、片面に乾燥塗被層を有する上記原紙21
の塗被面上に乾燥重量が20g/m2となるように上
記塗被液をロールコーター22で塗被し、次いで
濃度0.5%の蟻酸カルシウム水溶液23に接触さ
せて塗被層をゲル化した後、表面温度98℃のキヤ
ストドラム24に圧接乾燥後、テークオフロール
25でキヤストドラムから剥離した。乾燥塗被層
の接着剤として共重合体ラテツクスAを使用した
実施例6では、フクレ、ドラムピツク及びピンホ
ールの発生を伴うことなく高速度で強光沢(光沢
度88%)を有するキヤスト塗被紙を製造すること
ができた。 しかし、乾燥塗被層の接着剤としてゲル含有率
が75%である共重合体ラテツクスEを使用した比
較例8では、フクレの発生が多く、しかもドラム
ピツクやピンホールの発生によつてドラム表面の
汚れが目立ち、キヤストドラムからの剥離性も悪
いため低速操業を余犠無くされた。なお、比較例
8で得られたキヤスト塗被紙は光沢度が80%であ
つた。 「効果」 本発明の方法によれば、各種のキヤスト塗被紙
の製造法において、湿潤塗被層の支持体として、
乾燥塗被層を片面或いは両面に有する原紙を使用
しても、フクレ、ピンホール及びドラムピツクと
いつた欠陥が発生せず、高速度で高品質を有する
キヤスト塗被紙が極めて効率良く製造されるもの
である。 かかる優れた作用効果の得られる理由について
は必ずしも明確ではないが、本発明者等の推測に
よれば、上記特定のモノマー組成を有し、且つ45
〜65%というゲル含有率を有する特定の共重合体
ラテツクスを接着剤成分として使用することによ
つて、乾燥塗被層の蒸気透過性が極めて均一化さ
れ、且つ透過性自体も効率良く改良され、しかも
かかる特定の共重合体ラテツクスが接着剤として
充分にその機能を発揮するため、結果的に乾燥塗
被層の形成に伴う操業速度の低下が最少限に抑え
られ、塗被層形成による原紙表面の改質効果が有
効にキヤスト塗被紙表面の改質に寄与したものと
思われる。 なお、かかる作用効果は湿潤塗被層を設ける原
紙面上に上記の如き特定の乾燥塗被層を形成した
場合に最も顕著であるが、例えば原紙の裏面側の
みにこれを適用しても効果が発現される。従つ
て、上記特定の乾燥塗被層を少なくとも片面に有
する原紙を湿潤塗被層の支持体として使用する限
り、全て本発明に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本発明の実施例1〜6及び
比較例1〜8を実施するのに使用した各種キヤス
ト装置の概略図である。 1,11,21……原紙、2……コーター、
3,15,24……キヤストドラム、4,18,
25……テークオフロール、5……キヤスト塗被
紙、12……エアーナイフコーター、13……乾
燥機、14……ゴムロール、16……プレスニツ
プ、17……ノズル、22……ロールコーター、
23……蟻酸カルシウム水溶液。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 顔料及び接着剤を主成分とする湿潤塗被層
    を、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢仕上
    げするキヤスト塗被紙の製造方法において、該湿
    潤塗被層の支持体として、下記の如きモノマーを
    乳化重合させて得られる共重合体ラテツクスでゲ
    ル含有率が45〜65%であるラテツクスを接着剤成
    分として含有する、顔料及び接着剤を主成分とす
    る乾燥塗被層を少なくとも片面に有する原紙を使
    用することを特徴とするキヤスト塗被紙の製造方
    法。 (a) 脂肪族共役ジオレフイン系モノマー20〜45重
    量部、 (b) モノオレフイン芳香族系モノマー24〜79重量
    部、 (c) エチレン系不飽和カルボン酸モノマー1〜5
    重量部、及び (d) これらと共重合可能なモノオレフイン系モノ
    マー30重量部未満。
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