JPH0344347Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 この考案は、板材にバーリング加工を行なうバ
ーリング金型に関するものである。

ｂ 従来の技術 従来板材にバーリング加工を行なう金型は、パ
ンチとダイとが対をなしているものであり、パン
チとダイとを選択的に組合せて使用することがで
きないものであつた。

ｃ 従来技術の問題点 従来のバーリング金型は、パンチとダイが対を
なすものであつたから、パンチとダイとの間のク
リアランスは常に一定であり、このクリアランス
に応じた板厚の板材のバーリング加工を対象とす
るものであつた。すなわち、従来は、板厚に対応
してパンチとダイを用意しなければならないとい
う問題があつた。

ｄ 問題点を解決するための手段 前述のごとき従来の問題点に鑑みて、本考案
は、板材にバーリング加工を行なうバーリング金
型にして、Ｃ形フレームにおける上部アームの先
端部に回転自在に支承された円板状のパンチホル
ダに径の異なる複数のバーリングパンチを上下動
自在に装着して設け、Ｃ形フレームにおける下部
アームの先端部に回転自在に支承された円板状の
ダイホルダに、径の異なる複数のダイを装着して
設け、前記板材の板厚に対応して各バーリングパ
ンチと各ダイとを個別に選択して組合せるべく前
記パンチホルダとダイホルダとを個別に割出し固
定自在に設けてなるものである。

ｅ 作用 上記構成において、パンチホルダを適宜に回転
し、かつダイホルダを適宜に回転して、適宜のバ
ーリングパンチとダイとを上下に対向せしめるこ
とにより、バーリングパンチとダイとの組合せを
選択できるものである。したがつて、バーリング
パンチとダイとの間のクリアランスを板材の板厚
に対応せしめることができ、板厚に対応してのバ
ーリング加工を迅速かつ容易に行なうことができ
るものである。

ｆ 実施例 第１図は本考案に係るバーリング金型の実施例
を示すもので、総括的に示す符号１はＣ形をした
金型ホルダで、そのＣ形フレーム３における上部
アームの先端部に、円板状のパンチホルダ５を回
転自在に支承し、下部アーム先端部に円板状のダ
イホルダ７を回転自在に支承している。

第１図において、パンチホルダ５を回転させ、
所望のバーリング用パンチを加工位置Ａ−Ａ線上
に位置決めする。ダイも同様に、ダイホルダ７を
回転させ、パンチ及び加工板材Ｗの板厚に対応し
たダイを選択し加工位置へ位置決めする。この場
合、バーリング寸法が同一で、板厚が異なる加工
の場合には、ダイホルダ７のみを回転させ所望の
ダイを選択すればよい。

前述したように、金型ホルダ１は、Ｃ形フレー
ム３とその上部アームに設けたパンチホルダ５
と、下部アームに設けたダイホルダ７等から構成
されている。パンチホルダ５及びダイホルダ７を
個別に割出し固定自在であるように、パンチホル
ダ５及びダイホルダ７の外周には、それぞれ割出
しピン９及び１１が、パンチ又はダイの数だけ設
けてあり、割出しレバー１３又は１５の先端に設
けた孔１７，１９に嵌合して位置決めされ、レバ
ー１３及び１５はそれぞれ割出しストツパ２１，
２３によつて固定される。

パンチホルダ５には例えば第２図のように、適
数のパンチ即ち、５個の径の異なるバーリングパ
ンチ２５（M2.6、M3、M4、M5、M6）及び、
１個のセンタポンチ２７（CP）が同一円周上に
等ピツチで設けてある。それぞれのバーリングパ
ンチ２５及びセンチポンチ２７は、案内部材２９
と一体的に固定されており、この案内部材２９
は、パンチホルダ５に設けられた案内孔３１に嵌
合し、圧縮ばね３３によつて上下動自在に支持さ
れている。バーリングパンチ２５及びセンタポン
チ２７の下部にはウレタンゴム３５、トツプキヤ
ツプ３９からなるストリツパ４１が固定してあ
る。また前記の案内部材２９は押え板４３、皿ね
じ４５により抜け止めされている。

パンチホルダ５は、その中心部に上下に設けら
れたスラストベアリング４７、ベアリング押え４
９，５１を介して、パンチシヤンク５３に回転自
在に設けられている。パンチシヤンク５３の上部
は、第１図のようにＣ形フレーム３の上部アーム
の先端に、パンチブロツク５５、取付けボルト５
７及び押え板５９によつて固定されている。

タイホルダ７は、第１図のようにＣ形フレーム
の下部アームに設けられた半円形溝６１と、左端
部に取付ボルト６３によつて固定されたダイブロ
ツク６５の半円形溝６７に、回転自在に嵌合して
おり、ダイブロツク６５には、板材の加工かすの
落下孔６９が設けてある。ダイホルダ７には、例
えば第３図のように、複数のダイ即ち、５個の径
の異なるダイ７１（M2.6、M3、M4、M5、M6）
及びセンタポンチのダイ７３（CP）がパンチホ
ルダ５と同一径の円周上に等ピツチで設けてあ
る。また、ダイホルダ７の上面には、銘板７５が
取付けてある。

このように構成されているので、パンチとダイ
を組合せるときは、まず割出しレバー１３を引い
て、パンチホルダ５を解放し、これを回転して、
所望のバーリング用パンチを加工位置Ａ−Ａ線上
に位置させ、割出しレバーを押し、その先端の孔
１７を割出しピン９に嵌合させ位置決めをする。
次に、ダイホルダ７も同様に、割出しレバー１５
を引き、ダイホルダを回転させ、パンチ及び加工
板材Ｗの板厚に対応したダイを選択し、加工位置
へ位置させ、割出しレバーを押し位置決めする。
こように容易に金型の選択組合せができるもので
ある。

第４図に、参考例を示してある。この例ではＣ
形フレーム３の上部に、１個のバーリング用パン
チを設け、下部に、前記の実施例の同様なダイホ
ルダ７を設けたものである。この構造にすると、
バーリング寸法が一定で、加工板材の板厚が異な
る場合に便利である。バーリング寸法が変る場合
には、パンチ、ダイ共交換する必要があるが、そ
の交換は容易である。

ｇ 考案の効果 以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案は、板材Ｗにバーリング加工
を行なうバーリング金型にして、Ｃ形フレーム３
における上部アームの先端部に回転自在に支承さ
れた円板状のパンチホルダ５に径の異なる複数の
バーリングパンチ２５を上下動自在に装着して設
け、Ｃ形フレーム３における下部アームの先端部
に回転自在に支承された円板状のダイホルダ７
に、径の異なる複数のダイ７１を装着して設け、
前記板材Ｗの板厚に対応して各バーリングパンチ
２５と各ダイ７１とを個別に選択して組合せるべ
く前記パンチホルダ５とダイホルダ７とを個別に
割出し固定自在に設けてなるものである。

上記構成より明らかなように、本考案において
は、Ｃ形フレーム３の上部アームに支承されたパ
ンチホルダ５に装着した径の異なる複数のバーリ
ングパンチ２５と、下部アームに支承されたダイ
ホルダ７に装着した径の異なる複数のダイ７１と
を、板材Ｗの板厚に対応して選択組合せ自在に設
けてあるので、板材Ｗの板厚に対応してバーリン
グ加工を極めて迅速かつ容易に行ない得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１つの実施例の正面断面
図、第２図ａ及びｂはそれぞれ第１図のパンチホ
ルダの平面図及び正面断面図、第３図ａ及びｂは
それぞれ第１図のダイホルダの平面図及び正面断
面図（１部省略）、第４図は参考例の正面断面図
である。図面中同一符号は同一物又は相等物を示
す。 図面中の主要な部分を表わす符号の説明、１…
…金型ホルダ、３……Ｃ形フレーム、５……パン
チホルダ、７……ダイホルダ、２５……バーリン
グパンチ、７１，７３……ダイ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板材Ｗにバーリング加工を行なうバーリング金
   型にして、Ｃ形フレーム３における上部アームの
   先端部に回転自在に支承された円板状のパンチホ
   ルダ５に径の異なる複数のバーリングパンチ２５
   を上下動自在に装着して設け、Ｃ形フレーム３に
   おける下部アームの先端部に回転自在に支承され
   た円板状のダイホルダ７に、径の異なる複数のダ
   イ７１を装着して設け、前記板材Ｗの板厚に対応
   して各バーリングパンチ２５と各ダイ７１とを個
   別に選択して組合せるべく前記パンチホルダ５と
   ダイホルダ７を個別に割出し固定自在に設けてな
   ることを特徴とするバーリング金型。