JPH0342131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、凍結防止のために量水器を深く埋設
する地域において量水器筐本体と底体との間に挿
入して量水器筐の深さを調節する量水器筐用調節
枠に関する。

（従来の技術） 従来、凍結防止のために量水器を地中に深く埋
設する場合は、深型の量水器筐を使用する場合
と、普通の量水器筐本体と底体間に調節枠を挿入
してその深さを調節する場合がある。そして普通
の量水器筐本体に調節枠を挿入する場合は、調節
枠の上下のフランジを夫々量水器筐本体と底体の
フランジと重ね合せ位置決めした後接着剤で接着
して連結した構成が採られていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように調節枠を用いた構成は深型の量水
器筐を別個に製作するより経済的ではあるが、外
周にフランジが突出しているため地表近くの凍結
によつてフランジが持ち上げられ量水器筐が量水
器を伴つて押し上げられてしまうという問題があ
る。また、調節枠として周壁を中空の二重壁構造
にして断熱材を充填したものもある。この場合は
二重壁を下方に向つて稍拡開させ、この二重壁間
に下方に連結される連結体の二重壁の上端を挿入
し、さらに、調節枠の上端を上方に連結される連
結体の二重壁の下部に挿入して重積し夫々の重ね
合せた部分を外面よりリベツト止めするという方
法もあるが、外観が悪く、作業性も悪いという問
題がある。

本考案の目的は深型の量水器筐を簡単な操作で
形成でき、また外部に結合部材が突出しない量水
器筐調節枠を提供するものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の量水器筐調節枠は、外壁面を下方に向
つてテーパー状に拡開され上端が端面板で連結さ
れ下端を開口した中空二重壁よりなる筒形調節枠
本体の下端四隅の内壁より内方に水平方向の突片
を突設し、上端に近い四隅の内壁に水平方向の凹
所を形成し、この凹所に基部を嵌挿したコマ片の
係合部を前記突片に対向させて内壁より内方に突
出させ、複数段重積された前記調節枠本体の上下
に重積された突片とコマ片の係合部を結合させる
結合部材を具備したものである。

（作用） 本考案の量水器筐調節枠は、中空二重壁よりな
る調節枠本体を上下に重積し、内壁より突出した
突片とコマ片を結合部材で結合して連結するもの
である。

（実施例） 本考案の実施例を添附図面について説明する。

１は合成樹脂製調節枠本体で、上下を開口した
中空の略角筒状をなし、内外壁２，３で中空二重
壁が構成され、外壁３は下方に向つてテーパー状
に稍拡開されて開口し、上端は水平な端面板４で
一体に連結されている。さらに、内壁２の四隅の
下端より内方に水平方向の突片５が突設されまた
内壁２の四隅の上端から前記突片５の厚さ分だけ
下つた位置に水平方向の凹所６が形成されてい
る。凹所６の周囲は上壁部７が特に肉厚に形成さ
れている。

また中空二重壁よりなる内外壁２，３間には適
当間隔で補強壁８が張設されこの補強壁８の下端
は突片５の上面よりも稍上方に位置し、内外壁
２，３の間隔は、上端の外面間の距離l₁と下端の
内面間の距離l₂がl₁＜l₂で下端開口が上端部に外
接嵌着されるようになつている。さらに内外壁
２，３間の空間部には発泡ポリウレタンよりなる
断熱材が充填されるようになつている。また、下
端の前後相対位置には、内外壁２，３を貫通した
水道管挿通孔１１，１１が形成されている。そし
て端面板４には左右の外壁３上に位置させた舌片
状の突出片１０，１０が突設され、この突出片１
０，１０が上段に重積される同形の調節枠本体１
の水道管挿通孔１１、または、後述の量水器筐本
体の水道管挿通孔を閉塞するように構成されてい
る。

また端面板４には適当間隔で位置決め用小突起
１２やビス孔１３が形成されているが、これは量
水器筐本体が中空二重壁でなく一重壁で下端にフ
ランジを有する構造のものを連結する場合に、端
面板４上に重ね合せたフランジを小突起１２で位
置決めし、ビス孔１３位置でビス止めするもので
ある。

１４は合成樹脂製コマ片で、前記調節枠本体１
の凹所６に嵌挿される基部１５と内壁２より前記
突片５と上下に相対して突設される突出部１６と
より成り、前記突片５と突出部１６には結合部材
としのタツピングねじ１７が挿通されて螺着され
る同軸の通孔１８と螺孔１９がそれぞれ形成され
ている。

調節枠本体１が中間に挿入される量水器筐は量
水器筐本体２０と底体２１とよりなり、量水器筐
本体２０は調節枠本体１と同様に左右に水道管挿
通孔１１を開口した中空二重壁を構成する内外壁
２２，２３と、補強壁２４、下端の突片２５、上
部の凹所２６を備えている。また底体２１は、上
端にフランジ２７を備えた一重壁より構成されて
いる。

次に上述の実施例の作用を説明する。

調節枠本体１，１を上下に連結する場合は、上
段の調節枠本体１の下端開口を下段の調節枠本体
１に被嵌する。このとき下段の調節枠本体１の四
隅の凹所６には予めコマ片１４を嵌着しておけ
ば、上段の調節枠本体１の突片５が下段の調節枠
本体１のコマ片１４上に重ね合され、突片５の通
孔１８とコマ片１４の螺孔１９が同軸に重ね合さ
れるからタツピングねじ１７を螺着して上下を結
合させる。このときねじ１７で強く締付けられた
コマ片１４の基部１５は凹所６の上壁部７に圧着
されるが上壁部７は肉厚のため変形するようなこ
とがない。尚、突片５とコマ片１４による結合部
が複数段ある場合はタツピングねじ１７によらず
結合部材として長尺のボルトを用い一連に挿通し
て結合させることもある。

また量水器筐本体２０と底体２１間に調節枠本
体１を挿入する場合は第１図に示すように、調節
枠本体１の上端部に量水器筐本体２０の二重壁の
下端開口を嵌合させ量水器筐本体２０の突片２５
と調節枠本体１のコマ片１４を重ね合せてねじ１
７で止着する。また底体２１のフランジ２７上に
調節枠本体１の下端を載置し必要に応じて接着剤
で一体に接着固定する。

また、図示されていないが量水器筐本体２０が
一重壁で下端にフランジを有するものである場合
は、調節枠本体１の端面板４上に量水器筐本体２
０のフランジを重ね合せ、小突起１２で位置合せ
し、ビス孔１３位置でビス止めして調節枠本体１
上に量水器筐本体２０を固定する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、外壁面が下方に向つてテーパ
ー状に拡開され上端が端面板で連結され下端を開
口した中空二重壁よりなる筒形調節枠本体の下端
四隅の内壁より内方に水平方向の突片を突設し、
上端に近い四隅の内壁に水平方向の凹所を形成
し、この凹所に基部を嵌挿したコマ片の係合部を
前記突片に対向させて内壁より内方に突出させ、
複数個重積された前記調節枠本体の上下に重ね合
された前記突片とコマ片の係合部を結合させる結
合部材を備えたため上下に重積した中空二重壁よ
りなる調節枠本体の二重壁を嵌合させると内壁よ
り突設した突片とコマ片が重ね合されるから、こ
れを結合部材で結合させることにより簡単な操作
で上下を連結させることができる。また突片、コ
マ片、結合部材は調節枠本体の外部に突出されな
いから、体裁が良く、さらに、中空二重壁よりな
る調節枠本体は外面にリブやフランジが突出され
ず平滑面になつているから、地面の凍結によつて
押し上げられるおそれもなく、寒冷地での使用に
適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す調節枠を組込
んだ量水器筐の一部を切欠いた側面図、第２図は
同上調節枠の一部を切欠いた正面図、第３図は同
上側面図、第４図は同上平面図、第５図は同上上
下連結部の拡大縦断側面図、第６図は同上分解斜
視図である。 １……調節枠本体、２……内壁、５……突片、
６……凹所、１４……コマ片、１５……基部、１
６……係合部、１７……結合部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外壁面が下方に向つてテーパー状に拡開され上
   端が端面板で凍結され下端を開口した中空二重壁
   よりなる筒形調節枠本体の下端四隅の内壁より内
   方に水平方向の突片を突設し、上端に近い四隅の
   内壁に水平方向の凹所を形成し、この凹所に基部
   を嵌挿したコマ片の係合部を前記突片に対向させ
   て内壁より内方に突出させ、複数個重積された前
   記調節枠本体の上下に重ね合わされた前記突片と
   コマ片の係合部を結合させる結合部材を具備した
   ことを特徴とする量水器筐調節枠。