JPH0341540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は既設の平屋根にレンガブロツクを敷設
施工する際に使用される枠体に係り、特に湾曲縁
を上縁に有する複数個のアングル材を用いて組み
立てた枠体に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、既設の平家根にレンガブロツクを敷設施
工するに当たつては、平屋根上に木材やコンクリ
ートブロツク材を枠組みして枠体を形成し、この
枠体の内部に砂とレンガブロツクとを順に積層す
ることによつて、施工するのが一般的であつた。

また、上述の如く、木材やコンクリートブロツ
ク材を組み立てて枠組みする外に、平家根上に形
成した仮枠の中に、コンクリートを流入すること
によつて形成したコンクリート枠も使用されてい
た。

〈考案が解決しようとする課題〉 然るに、前者の木材やコンクリートブロツク材
を組み立てて枠体を形成する技術は、複数個の枠
材を相互に接合して枠組みする作業に手間取り、
更に各枠材を相互に強固に接合させることが困難
であるために、長年の間には、この枠材の接合部
が剥離する問題があつた。

また、後者の平家根上にコンクリートを流して
コンクリート枠を形成する技術は、仮枠の構成に
手間取ると共に、仮枠内に流入させたコンクリー
トが完全に固化するためには、日数がかかる等の
問題があつた。

本考案に係る屋上レンガ敷用枠体は、従来の前
述の問題点に鑑み開発された技術であつて、特に
特定の形状を有するアングル材をジヨイナーを介
して枠組みすることによつて、全体の構成を強固
にすると共に、作業を極めて容易にした全く新規
な技術に関するものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係る屋上レンガ敷用枠体は、前述の従
来の問題点を根本的に改善した技術であつて、そ
の要旨は起立片と水平片とよりなる複数個のアン
グル材を既設の平屋根上に直線状に隣接したり或
いは所定の角度を保つて隣接して組み立てて構成
した枠体に於いて、該アングル材の起立片の上縁
は枠内側に折り曲げられて湾曲縁を形成すると共
に、該起立片には排水孔が穿設され、かつ複数個
のアングル材の前記隣接部分の湾曲縁内にはＬ型
ジヨイナー及びカギ型入隅ジヨイナーの上部が挿
入されて該湾曲縁によつて挟持固定されているも
のである。

〈作用〉 本考案に係る屋上レンガ敷用枠体は、上述のよ
うに、枠体を複数個のアングル材と、これ等の相
互に連結し得るジヨイナーとで構成したので、極
めて簡単に組み立てることが出来ると共に、既設
の平家根上の任意の場所に枠体を起立することが
出来る。

本考案の枠体の組立に使用されるアングル材
は、上縁が内側に折り曲げられて湾曲縁を形成し
ているので、この湾曲縁の中にジヨイナーの上縁
を安定した状態で挿入して固定することが出来
る。

枠体の内周面に被覆される透水シートも枠体の
アングル材の湾曲縁に挿入することが出来、かつ
湾曲縁をつぶすことによつて、透水シートを枠体
に強固に固定することが出来る。

前記枠体のアングル材には排水孔が穿孔されて
いるので、枠体内に侵入した雨水を、この排水孔
より枠体外にスムーズに排出することが出来る。

〈実施例〉 図により、本考案に係る屋上レンガ敷用枠体の
一実施例を具体的に説明すると、第１図は本考案
に係る枠体を用いて、平家根上にレンガ敷を施工
する場合の一部切欠平面説明図、第２図及びは第
３図Ｌ型ジヨイナーを使用して複数のアングル材
を連結する状態の説明図、第４図はアングル材に
透水シートを取り付ける状態の説明図、第５図は
カギ型入隅ジヨイナーを使用して２個のアングル
材を連結する状態の説明図、第６図及び第７図は
夫々枠体のコーナー部に透水シートを取り付ける
状態の説明図である。

第１図乃至第５図に於いて、１は本願の枠体を
構成するアングル材であつて、水平片と起立片と
よりなり、その起立片の上縁は内方にカールされ
て湾曲縁２を形成している。又このアングル材１
の起立片の所定位置には排水孔３が穿設されてい
る。

４はＬ型ジヨイナーであつて、金属片をＬ型に
折り曲げることによつて形成され、かつその上部
は前記アングル材１の湾曲縁２に挿入し得る厚み
を持つて構成されている。

５はカギ型入隅ジヨイナーであつて、金属片を
所定の角度を持つたカギ型に折り曲げることによ
つて形成され、かつその上部はＬ型ジヨイナーと
同様にアングル材１の湾曲縁２に挿入し得る厚み
を持つて構成されている。

前記Ｌ型ジヨイナー４は複数のアングル材１を
直線上に連結する際に使用され、また、カギ型入
隅ジヨイナー５は、２個のアングル材１を異なる
方向に連結する際の入隅部に使用されるように構
成されている。

本考案に係る枠体の組立構成について説明する
と、次の通りである。

既設の平屋根上に並列された２個のアングル材
１を直線状に接合するに当たつては、第２図乃至
第４図に示す如く、両者の間にＬ型ジヨイナー４
を介在せしめ、このＬ型ジヨイナー４の上部を並
列された２個のアングル材１の夫々の湾曲縁２に
差し込み、該湾曲縁２を外側から押圧してつぶす
ことによつて、２個のアングル材１をＬ型ジヨイ
ナー４を介して、相互に強固に連結せしめること
が出来る。

次に２個のアングル材１を、所定の角度に接合
する場合には、第５図及び第６図に示す如く、隣
接した両者の間に所定の角度を持つたカギ型入隅
ジヨイナー５を介在せしめ、このカギ型入隅ジヨ
イナー５の上部をアングル材１の湾曲縁２に差し
込み固定することによつて、両者を相互に強固に
連結せしめることが出来る。

上述の如く、アングル材１より構成された枠体
の内周壁に透水シート６を取り付けるに当たつて
は、第４図、第６図及び第７図に示す如く、透水
シート６の外縁をアングル材１の湾曲縁２内に挿
入し、この湾曲縁２を外側からつぶすことによつ
て、強固に取付固定することが出来る。

上述の構造を有する本考案の枠体を用いて、既
設の平屋根上にレンガブロツクを敷設施工する場
合には、第１図に例示するように、アングル材１
で構成された枠体を透水シート６で覆うと共に、
上述の如く、透水シート６の外縁をアングル材１
の湾曲縁２に取付固定し、次に枠体内に砂７及び
レンガブロツク８を順に積層して敷設することに
よつて、レンガ敷構造体を構成することが出来
る。

〈考案の効果〉 本考案に係る屋上レンガ敷用枠体は、上述の如
き構造と作用とを有するので、複数個のアングル
材と各種のジヨイナーとを用いることによつて、
既設の平家根に簡単に枠体を組立構成することが
出来る。

アングル材の上縁に形成された湾曲縁にはジヨ
イナーを差し込み、この湾曲縁をつぶしてアング
ル材にジヨイナーを固定することが出来るので、
両者を強固に取付固定することが出来る。

折曲角度の異なるカギ型入隅ジヨイナーを選択
することによつて、矩形、三角形、八角形等の
種々の形状を持つた枠体を形成することが出来
る。

アングル材には排水孔を設けたので、枠体内に
侵入した雨水を枠外に容易に排出することが出来
る。

更に枠体内に敷設された防水シートも、前記ジ
ヨイナーと同様にアングル材の湾曲縁に差し込み
挟持することによつて、容易かつ確実に取付固定
することが出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る枠体を用いて、平家根上
にレンガ敷を施工する場合の一部切欠平面説明
図、第２図及び第３図Ｌ型ジヨイナーを使用して
複数のアングル材を連結する状態の説明図、第４
図はアングル材に透水シートを取り付ける状態の
説明図、第５図はカギ型入隅ジヨイナーを使用し
て２個のアングル材を連結する状態の説明図、第
６図及び第７図は夫々枠体のコーナー部に透水シ
ートを取り付ける状態の説明図である。 １はアングル材、２は湾曲縁、３は排水孔、４
はＬ型ジヨイナー、５はカギ型入隅ジヨイナー、
６はシート、７は砂、８はブロツクである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 起立片と水平片とよりなる複数個のアングル材
   を既設の平屋根上に直線状に隣接したり或いは所
   定の角度を保つて隣接して組み立てて構成した枠
   体に於いて、該アングル材の起立片の上縁は枠内
   側に折り曲げられて湾曲縁を形成すると共に、該
   起立片には排水孔が穿設され、かつ複数個のアン
   グル材の前記隣接部分の湾曲縁内にはＬ型ジヨイ
   ナー及びカギ型入隅ジヨイナーの上部が挿入され
   て該湾曲縁によつて挟持固定されていることを特
   徴とした屋上レンガ敷用枠体。