JPH0341345B2 - - Google Patents
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- JPH0341345B2 JPH0341345B2 JP61003991A JP399186A JPH0341345B2 JP H0341345 B2 JPH0341345 B2 JP H0341345B2 JP 61003991 A JP61003991 A JP 61003991A JP 399186 A JP399186 A JP 399186A JP H0341345 B2 JPH0341345 B2 JP H0341345B2
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、建材用等のアルミニウム合金製型材
に、合成樹脂製のプリントシートを貼着する方法
に関する。 (従来の技術) アルミニウム合金製型材(以下アルミ型材と略
称することがある)は、一般に陽極酸化皮膜形成
工程と、その上のアクリルメラミン系熱硬化塗膜
(以下塗膜と略称することがある)形成工程とよ
りなる表面処理が行われる。このようなアルミニ
ウム型材に直接溶剤型接着剤を用いて、塗膜を介
して他の物を貼着することは、接着強度を確保し
えず密着不良を招くため従来不可能と考えられて
いた。例えば、実公昭57−25985号公報では、表
面の塗膜をワイヤーブラシで除去して、接着強度
を向上させることが提案され(公報第1頁右欄第
34行乃至第37行参照)、或いは、特開昭59−
123656号公報では、塗膜が密着不良の原因となる
ことが指摘され(公報第4頁左上欄第1乃至第5
行参照)、沸騰水又は水蒸気封孔による耐食性向
上差措置を施した未塗装の陽極酸化皮膜に直接合
成樹脂プリントシートを貼着する方法が提案され
ている。(同第9行乃至第13行他参照)。かよう
に、従来、アルミ型材への合成樹脂プリントシー
ト(以下プリントシートと略称することがある)
を貼着するには、塗膜のない未塗装陽極酸化皮膜
をベースとするか、或いは、既に存在する塗膜を
機械的或いは化学的に除去して、陽極酸化皮膜を
露出させ、これをベースとする方法によるしかな
く、従つて、例えば、表面処理済アルミ型材のま
まのものと、プリントシート貼着品を同一セクシ
ヨンのアルミ型材で得ようとするとき、各別に生
産ロツトを設定するか、陽極酸化皮膜形成工程或
いは塗膜形成工程後のストツクを持ち、これに
夫々応じた、塗膜形成工程か、塗膜除去工程を入
れるという方法によらざるを得ず、生産の煩雑化
を招き、また、コストアツプの要因となり、多品
種少量生産時代の工場生産の隘路となつていた。 (発明の目的) 本発明は、従来のかかる工場生産上の隘路を取
り除き、高度な接着強度を得ることを、塗膜上へ
の直接の貼着により実現せんとするものである。 (発明の構成) 本発明者等は、上記目的に添つて鋭意研究した
ところ、特定条件下において、従来不可能とされ
ていた塗膜への直接貼着が、高度な接着強度を得
て実現しうることを見い出した。本発明は、かか
る事実に基づくもので、発明の要旨を、陽極酸化
皮膜上にアクリルメラミン系熱硬化塗膜を有する
アルミニウム合金製型材の上記塗膜を除去するこ
となく、該塗膜上に酢酸エチル又は塩化メチレン
溶剤濃度を、10w%以上50w%以下に規制した、
ポリウレタン系又はウレタンゴム系の溶剤型接着
剤により、合成樹脂製プリントシートを貼着せし
めることを特徴とするアルミニウム合金製型材の
合成樹脂貼着方法として完成したものである。 本発明における、アルミ型材の合金組成は問わ
ないが、このアルミ型材には陽極酸化皮膜とその
上のアクリルメラミン系熱硬化性塗膜を有するも
のが用いられる。建材用等のアルミ型材の場合、
一般に約9〜10μの陽極酸化皮膜(金属塩水溶液
中の二次電解着色が施されていることが多い)
と、略同じ膜厚の塗膜が形成される。本発明で
は、これをそのまま使用すればよく、塗膜又は陽
極酸化皮膜の形成に際し、特に特別の条件を要し
ない。 このアルミ型材は、塗膜を有したまま、これを
除去することなく、即ちそのままの状態でプリン
トシートの貼着を行うベースとして使われる。も
とより、塗膜上の塵、汚れ或いは塗膜の劣化はそ
れ自体密着不良の原因となるため、長期間屋外に
保存されたアルミ型材等については、塗膜表面の
清浄化を行うことが必要であり、また、場合によ
り、粗面化による劣化部分の除去が必要になると
きがある。 本発明におけるプリントシートは、合成樹脂ベ
ース、例えば塩化ビニールシートに、木目、柾目
等の木質様模様の他、建材に使われる他の材質の
模様、人工の連続模様その他の適宜の模様をプリ
ントしたものが広く用いられるが、貼着の都合上
からは、ロール巻きした長尺のものを用いるのが
望ましい。合成樹脂ベースは塩化ビニールシート
が安価で且つプリント技術も確立されていること
から当面使用し易いが、これに限らず、その耐候
性を確保するため、更に、アクリルコートを施し
たものを用いたり、或いは他の合成樹脂材質の樹
脂ベースを用いることが勿論可能である。 一方、本発明において用いる接着剤は、アルミ
型材と合成樹脂シートの双方に良好な接着強度性
能を示すポリウレタン系又はウレタンゴム系のも
のが用いられる。金属と合成樹脂の接着強度を共
に満足するものは、他に、エポキシ樹脂が挙げら
れるが、耐衝撃性が比較的劣るために、建材用等
に用いられる本発明においては余り望ましくな
い。そして、このポリウレタン系又はウレタンゴ
ム系接着剤の溶剤としては、これらの溶剤として
通常使用される酢酸エチル又は塩化メチレンを主
にしたものが使用される。 ところで、これら酢酸エチル又は塩化メチレン
溶剤は、一般には、接着剤中に70w%程度含まれ
ている。これは、接着剤の粘度を低く抑えて、コ
ート作業をスムーズ且つ均一に行うためである
が、本発明者等の研究によれば、上記の従来塗膜
上への貼着が不可能とされたのは、この高い溶剤
濃度にあるものと考えられる。即ち、溶剤濃度が
高いと溶剤が熱硬化している塗膜を溶解し、その
内部にまで浸透して、塗膜膨潤による塗膜破壊を
来し、その結果陽極酸化皮膜と塗膜との密着不良
を招来するに至るものと予想される。 本発明は、このため、接着剤中の溶剤濃度を規
制して、プリントシートの貼着をしようとするも
ので、これを10w%以上50w%以下の範囲とする
ものである。 本発明において、溶剤濃度が50w%を超えると
きは、比較例に示すように、エリクセン試験、ゴ
バン目試験では良好な結果を示すが、常温及び加
熱下での引張り荷重に対して、プリントシートの
剥離が生じ易く、直射日光を受ける態様での使用
が予想されるアルミ型材としては実用上問題を生
じるため、望ましくない。一方、溶剤濃度が10w
%以下のときは、接着剤としてのタツク性が減少
し、また、工業的に溶剤の濃度規制をし難くなり
望ましくない。このため、本発明は、上記溶剤濃
度を50w%以下10w%以上に限定するものであ
る。 上記溶剤濃度範囲において、直接塗膜上へプリ
ントシートを貼着し得て、その接着強度も優れる
メカニズムは必ずしも明らかではないが、溶剤濃
度が50w%以下とされたとき、溶剤による塗膜溶
解が塗膜厚(9乃至10μ)の極く表層において生
じるに止まるとともに、このとき、塗膜中に僅か
であるが分散状に残存すると見られる塗膜熱硬化
処理時の未架橋の官能基、即ち、ヒドロキシル基
(−OH)、カレボキシル基(−COOH)、アミド
基(−CONH2)と、接着剤成分中のイソシアネ
ート基が反応結合し、もつて、極めて強固な接着
強度が得られるためと推定される。いわば、溶剤
濃度による塗膜溶解程度の差異が、接着強度の優
劣を決定する要因になつているということができ
る。 溶剤濃度を規制する手段としては、接着剤固形
分に対して、溶剤添加量をコントロールする方法
も可能であるが、一般的には、上記70w%程度含
有する接着剤の溶剤を揮散させる手段によるのが
簡便である。この溶剤揮散手段としては、以下に
示すように、例えば、熱風室を用いるのがよく、
このとき、その雰囲気温度、送入エア風速、プリ
ントシートの送りスピード等をフアクターとして
条件を決定することになる。また、常温によるエ
アの連続吹付、清浄工場雰囲気内での自然風乾、
加熱促進揮散、接着剤内へのエア吹入撹拌による
揮散等が幅広く利用でき、工場での実情に合わせ
て適宜任意に選定することができる。 なお、溶剤高濃度の状態でコートした後、揮散
させる場合には、高濃度のまま塗膜接触すること
を避けるため、コートをプリントシートに対して
行わなければならない。 そして、例えば第1図に示す如きラツピング装
置を使用すれば、本発明を自動化して実施するこ
とができる。即ち、矢印方向に順次供給されるア
ルミ型材1はヒーター8により予熱され、プリン
トシートロール2から連続的に供給されるプリン
トシート3に会合し、ワークテーブル11上で貼
着が行われるとともに、アルミ型材1の形状に合
せて、その全面に亘るよう配置された多数の圧着
ローラー4…により順次圧着が行われる。このと
きプリントシート3はローラ2から供給され、ガ
イドローラー7によつて案内され、次いで、これ
に接着剤タンク5から供給された高濃度溶剤を含
む接着剤がコートされる。そして、このプリント
シート3は、熱風室6内を所定速度で通過するこ
とにより、その熱風により溶剤揮散が行われて、
所望の溶剤濃度に調整されつつ、ガイドローラー
10…に案内されてアルミ型材1に自動的に貼着
される。 なお、接着剤の供給は、ロールコーターの他公
知の各種コート法によることが充分可能であり、
また、圧着ローラー4…は、アルミ型材1の形状
及び貼着箇所に添つて上面のみとしたり、前後の
側面にも設けたりすることができる。図中9は、
プリントシート3をアルミ型材1の端縁に添つて
切断するカツターである。 本発明は、以上の例を含めて発明の要旨に反し
ない限り様々に実施することが可能であり、アル
ミ型材の形状、塗膜の形成方法、溶剤濃度の規制
手段、プリントシートの種類等は以上に限られる
ものではない。 (発明の効果) 本発明は、以上の構成によるものであるので、
従来不可能とされていた、アルミ型材上のアクリ
ルメラミン系熱硬化塗膜へのプリントシート直接
貼着を強固な接着強度を得て行うことができる。
このため、予め、塗膜形成工程を含む表面処理を
完了後、必要に応じた量だけにプリントシートを
貼着することができる一方、その余は、表面処理
剤の製品としてそのまま市場供給でき、同一セク
シヨンのアルミ型材で複数の外観品という需要な
多様化と、これに伴う多品種少量生産に対応でき
る。 また、溶剤濃度を規制するという簡単な方法に
よる、これを実現できるうえ、その接着強度は極
めて良好で、長期に耐久性ある製品を得ることが
可能である。 一方、アルミ型材自体通常日本工業規格又はそ
れ以上の性能を有する塗膜をそのまま有している
ことから、プリントシートを貼着しない露出部分
や、貼着不可能な極めて複雑な細溝等の露出部分
があつても、上記の塗膜自体が耐食性耐久性を有
するため、この種のプリントシート貼着アルミ型
材の用途を屋外を含め様々に拡大することができ
る。 (実施例及び比較例) 厚さ180μの塩化ビニール製のプリントシート
に、コニシ株式会社製ポリウレタン系2液型接着
剤(主剤KU−2NA、硬化剤KU−662、配合比
100:6)を60μ厚に塗付し、これを各溶剤濃度
に揮散せしめて、然る後、陽極酸化皮膜9乃至
10μ上に、アクリルメラミン系熱硬化塗膜9.5乃至
11.5μを備えたアルミ型材の前記塗膜上に直接貼
着し、剥離試験、耐熱剥離試験、エリクセン試
験、ゴバン目試験を行つた。その結果は、以下に
示すとおり、エリクセン試験、ゴバン目試験で
は、実施例、比較例に差は認められないが、剥離
試験、耐熱剥離試験においては、顕著の差が認め
られた。
に、合成樹脂製のプリントシートを貼着する方法
に関する。 (従来の技術) アルミニウム合金製型材(以下アルミ型材と略
称することがある)は、一般に陽極酸化皮膜形成
工程と、その上のアクリルメラミン系熱硬化塗膜
(以下塗膜と略称することがある)形成工程とよ
りなる表面処理が行われる。このようなアルミニ
ウム型材に直接溶剤型接着剤を用いて、塗膜を介
して他の物を貼着することは、接着強度を確保し
えず密着不良を招くため従来不可能と考えられて
いた。例えば、実公昭57−25985号公報では、表
面の塗膜をワイヤーブラシで除去して、接着強度
を向上させることが提案され(公報第1頁右欄第
34行乃至第37行参照)、或いは、特開昭59−
123656号公報では、塗膜が密着不良の原因となる
ことが指摘され(公報第4頁左上欄第1乃至第5
行参照)、沸騰水又は水蒸気封孔による耐食性向
上差措置を施した未塗装の陽極酸化皮膜に直接合
成樹脂プリントシートを貼着する方法が提案され
ている。(同第9行乃至第13行他参照)。かよう
に、従来、アルミ型材への合成樹脂プリントシー
ト(以下プリントシートと略称することがある)
を貼着するには、塗膜のない未塗装陽極酸化皮膜
をベースとするか、或いは、既に存在する塗膜を
機械的或いは化学的に除去して、陽極酸化皮膜を
露出させ、これをベースとする方法によるしかな
く、従つて、例えば、表面処理済アルミ型材のま
まのものと、プリントシート貼着品を同一セクシ
ヨンのアルミ型材で得ようとするとき、各別に生
産ロツトを設定するか、陽極酸化皮膜形成工程或
いは塗膜形成工程後のストツクを持ち、これに
夫々応じた、塗膜形成工程か、塗膜除去工程を入
れるという方法によらざるを得ず、生産の煩雑化
を招き、また、コストアツプの要因となり、多品
種少量生産時代の工場生産の隘路となつていた。 (発明の目的) 本発明は、従来のかかる工場生産上の隘路を取
り除き、高度な接着強度を得ることを、塗膜上へ
の直接の貼着により実現せんとするものである。 (発明の構成) 本発明者等は、上記目的に添つて鋭意研究した
ところ、特定条件下において、従来不可能とされ
ていた塗膜への直接貼着が、高度な接着強度を得
て実現しうることを見い出した。本発明は、かか
る事実に基づくもので、発明の要旨を、陽極酸化
皮膜上にアクリルメラミン系熱硬化塗膜を有する
アルミニウム合金製型材の上記塗膜を除去するこ
となく、該塗膜上に酢酸エチル又は塩化メチレン
溶剤濃度を、10w%以上50w%以下に規制した、
ポリウレタン系又はウレタンゴム系の溶剤型接着
剤により、合成樹脂製プリントシートを貼着せし
めることを特徴とするアルミニウム合金製型材の
合成樹脂貼着方法として完成したものである。 本発明における、アルミ型材の合金組成は問わ
ないが、このアルミ型材には陽極酸化皮膜とその
上のアクリルメラミン系熱硬化性塗膜を有するも
のが用いられる。建材用等のアルミ型材の場合、
一般に約9〜10μの陽極酸化皮膜(金属塩水溶液
中の二次電解着色が施されていることが多い)
と、略同じ膜厚の塗膜が形成される。本発明で
は、これをそのまま使用すればよく、塗膜又は陽
極酸化皮膜の形成に際し、特に特別の条件を要し
ない。 このアルミ型材は、塗膜を有したまま、これを
除去することなく、即ちそのままの状態でプリン
トシートの貼着を行うベースとして使われる。も
とより、塗膜上の塵、汚れ或いは塗膜の劣化はそ
れ自体密着不良の原因となるため、長期間屋外に
保存されたアルミ型材等については、塗膜表面の
清浄化を行うことが必要であり、また、場合によ
り、粗面化による劣化部分の除去が必要になると
きがある。 本発明におけるプリントシートは、合成樹脂ベ
ース、例えば塩化ビニールシートに、木目、柾目
等の木質様模様の他、建材に使われる他の材質の
模様、人工の連続模様その他の適宜の模様をプリ
ントしたものが広く用いられるが、貼着の都合上
からは、ロール巻きした長尺のものを用いるのが
望ましい。合成樹脂ベースは塩化ビニールシート
が安価で且つプリント技術も確立されていること
から当面使用し易いが、これに限らず、その耐候
性を確保するため、更に、アクリルコートを施し
たものを用いたり、或いは他の合成樹脂材質の樹
脂ベースを用いることが勿論可能である。 一方、本発明において用いる接着剤は、アルミ
型材と合成樹脂シートの双方に良好な接着強度性
能を示すポリウレタン系又はウレタンゴム系のも
のが用いられる。金属と合成樹脂の接着強度を共
に満足するものは、他に、エポキシ樹脂が挙げら
れるが、耐衝撃性が比較的劣るために、建材用等
に用いられる本発明においては余り望ましくな
い。そして、このポリウレタン系又はウレタンゴ
ム系接着剤の溶剤としては、これらの溶剤として
通常使用される酢酸エチル又は塩化メチレンを主
にしたものが使用される。 ところで、これら酢酸エチル又は塩化メチレン
溶剤は、一般には、接着剤中に70w%程度含まれ
ている。これは、接着剤の粘度を低く抑えて、コ
ート作業をスムーズ且つ均一に行うためである
が、本発明者等の研究によれば、上記の従来塗膜
上への貼着が不可能とされたのは、この高い溶剤
濃度にあるものと考えられる。即ち、溶剤濃度が
高いと溶剤が熱硬化している塗膜を溶解し、その
内部にまで浸透して、塗膜膨潤による塗膜破壊を
来し、その結果陽極酸化皮膜と塗膜との密着不良
を招来するに至るものと予想される。 本発明は、このため、接着剤中の溶剤濃度を規
制して、プリントシートの貼着をしようとするも
ので、これを10w%以上50w%以下の範囲とする
ものである。 本発明において、溶剤濃度が50w%を超えると
きは、比較例に示すように、エリクセン試験、ゴ
バン目試験では良好な結果を示すが、常温及び加
熱下での引張り荷重に対して、プリントシートの
剥離が生じ易く、直射日光を受ける態様での使用
が予想されるアルミ型材としては実用上問題を生
じるため、望ましくない。一方、溶剤濃度が10w
%以下のときは、接着剤としてのタツク性が減少
し、また、工業的に溶剤の濃度規制をし難くなり
望ましくない。このため、本発明は、上記溶剤濃
度を50w%以下10w%以上に限定するものであ
る。 上記溶剤濃度範囲において、直接塗膜上へプリ
ントシートを貼着し得て、その接着強度も優れる
メカニズムは必ずしも明らかではないが、溶剤濃
度が50w%以下とされたとき、溶剤による塗膜溶
解が塗膜厚(9乃至10μ)の極く表層において生
じるに止まるとともに、このとき、塗膜中に僅か
であるが分散状に残存すると見られる塗膜熱硬化
処理時の未架橋の官能基、即ち、ヒドロキシル基
(−OH)、カレボキシル基(−COOH)、アミド
基(−CONH2)と、接着剤成分中のイソシアネ
ート基が反応結合し、もつて、極めて強固な接着
強度が得られるためと推定される。いわば、溶剤
濃度による塗膜溶解程度の差異が、接着強度の優
劣を決定する要因になつているということができ
る。 溶剤濃度を規制する手段としては、接着剤固形
分に対して、溶剤添加量をコントロールする方法
も可能であるが、一般的には、上記70w%程度含
有する接着剤の溶剤を揮散させる手段によるのが
簡便である。この溶剤揮散手段としては、以下に
示すように、例えば、熱風室を用いるのがよく、
このとき、その雰囲気温度、送入エア風速、プリ
ントシートの送りスピード等をフアクターとして
条件を決定することになる。また、常温によるエ
アの連続吹付、清浄工場雰囲気内での自然風乾、
加熱促進揮散、接着剤内へのエア吹入撹拌による
揮散等が幅広く利用でき、工場での実情に合わせ
て適宜任意に選定することができる。 なお、溶剤高濃度の状態でコートした後、揮散
させる場合には、高濃度のまま塗膜接触すること
を避けるため、コートをプリントシートに対して
行わなければならない。 そして、例えば第1図に示す如きラツピング装
置を使用すれば、本発明を自動化して実施するこ
とができる。即ち、矢印方向に順次供給されるア
ルミ型材1はヒーター8により予熱され、プリン
トシートロール2から連続的に供給されるプリン
トシート3に会合し、ワークテーブル11上で貼
着が行われるとともに、アルミ型材1の形状に合
せて、その全面に亘るよう配置された多数の圧着
ローラー4…により順次圧着が行われる。このと
きプリントシート3はローラ2から供給され、ガ
イドローラー7によつて案内され、次いで、これ
に接着剤タンク5から供給された高濃度溶剤を含
む接着剤がコートされる。そして、このプリント
シート3は、熱風室6内を所定速度で通過するこ
とにより、その熱風により溶剤揮散が行われて、
所望の溶剤濃度に調整されつつ、ガイドローラー
10…に案内されてアルミ型材1に自動的に貼着
される。 なお、接着剤の供給は、ロールコーターの他公
知の各種コート法によることが充分可能であり、
また、圧着ローラー4…は、アルミ型材1の形状
及び貼着箇所に添つて上面のみとしたり、前後の
側面にも設けたりすることができる。図中9は、
プリントシート3をアルミ型材1の端縁に添つて
切断するカツターである。 本発明は、以上の例を含めて発明の要旨に反し
ない限り様々に実施することが可能であり、アル
ミ型材の形状、塗膜の形成方法、溶剤濃度の規制
手段、プリントシートの種類等は以上に限られる
ものではない。 (発明の効果) 本発明は、以上の構成によるものであるので、
従来不可能とされていた、アルミ型材上のアクリ
ルメラミン系熱硬化塗膜へのプリントシート直接
貼着を強固な接着強度を得て行うことができる。
このため、予め、塗膜形成工程を含む表面処理を
完了後、必要に応じた量だけにプリントシートを
貼着することができる一方、その余は、表面処理
剤の製品としてそのまま市場供給でき、同一セク
シヨンのアルミ型材で複数の外観品という需要な
多様化と、これに伴う多品種少量生産に対応でき
る。 また、溶剤濃度を規制するという簡単な方法に
よる、これを実現できるうえ、その接着強度は極
めて良好で、長期に耐久性ある製品を得ることが
可能である。 一方、アルミ型材自体通常日本工業規格又はそ
れ以上の性能を有する塗膜をそのまま有している
ことから、プリントシートを貼着しない露出部分
や、貼着不可能な極めて複雑な細溝等の露出部分
があつても、上記の塗膜自体が耐食性耐久性を有
するため、この種のプリントシート貼着アルミ型
材の用途を屋外を含め様々に拡大することができ
る。 (実施例及び比較例) 厚さ180μの塩化ビニール製のプリントシート
に、コニシ株式会社製ポリウレタン系2液型接着
剤(主剤KU−2NA、硬化剤KU−662、配合比
100:6)を60μ厚に塗付し、これを各溶剤濃度
に揮散せしめて、然る後、陽極酸化皮膜9乃至
10μ上に、アクリルメラミン系熱硬化塗膜9.5乃至
11.5μを備えたアルミ型材の前記塗膜上に直接貼
着し、剥離試験、耐熱剥離試験、エリクセン試
験、ゴバン目試験を行つた。その結果は、以下に
示すとおり、エリクセン試験、ゴバン目試験で
は、実施例、比較例に差は認められないが、剥離
試験、耐熱剥離試験においては、顕著の差が認め
られた。
【表】
試験方法
(1) 剥離試験
25mm幅プリントシートの一端側を人為的にア
ルミ型材より剥離し、これを180度方向に折曲
させ、常温で引張試験器により引張速度200
mm/分で引張り荷重を加えて、剥離時の荷重を
測定した。 (2) 耐熱剥離試験 同様に25mm幅のプリントシートの一端側を人
為的にアルミ型材より剥離し、雰囲気温度60℃
で1時間、90度方向に500gの荷重を加えた後、
剥離長さを測定した。 (3) エリクセン試験 中心線の両側2.5mmの距離に、長さ50mmの縦
横各2本のカツターによる陽極酸化皮膜に達す
る切断を行い、エリクセン試験機により、背面
側からポンチを6mm押し込み、剥離の有無を調
べた(JISK67448・2方法) (4) ゴハン目試験 プリントシート面に1mm間隔で切り込みを入
れ、100個のゴバン目を作り、これに、幅12mm
のセロハン粘着テープを指で押し付けた後、真
上方向に強く引き剥して、剥れの有無と数を調
べた。剥れのないものを100/100とした。
ルミ型材より剥離し、これを180度方向に折曲
させ、常温で引張試験器により引張速度200
mm/分で引張り荷重を加えて、剥離時の荷重を
測定した。 (2) 耐熱剥離試験 同様に25mm幅のプリントシートの一端側を人
為的にアルミ型材より剥離し、雰囲気温度60℃
で1時間、90度方向に500gの荷重を加えた後、
剥離長さを測定した。 (3) エリクセン試験 中心線の両側2.5mmの距離に、長さ50mmの縦
横各2本のカツターによる陽極酸化皮膜に達す
る切断を行い、エリクセン試験機により、背面
側からポンチを6mm押し込み、剥離の有無を調
べた(JISK67448・2方法) (4) ゴハン目試験 プリントシート面に1mm間隔で切り込みを入
れ、100個のゴバン目を作り、これに、幅12mm
のセロハン粘着テープを指で押し付けた後、真
上方向に強く引き剥して、剥れの有無と数を調
べた。剥れのないものを100/100とした。
第1図は、本発明に用いうる貼着用装置の例を
示す側面図である。 1……アルミ型材、2……プリントシートロー
ル、3……プリントシート、4……圧着ローラ
ー、5……接着剤供給タンク、6……熱風室、7
……ガイドローラー、8……ヒーター、9……カ
ツター、10……ガイドローラー、11……ワー
クテーブル。
示す側面図である。 1……アルミ型材、2……プリントシートロー
ル、3……プリントシート、4……圧着ローラ
ー、5……接着剤供給タンク、6……熱風室、7
……ガイドローラー、8……ヒーター、9……カ
ツター、10……ガイドローラー、11……ワー
クテーブル。
Claims (1)
- 1 陽極酸化皮膜上にアクリルメラミン系熱硬化
塗膜を有するアルミニウム合金製型材の上記塗膜
を除去することなく、該塗膜上に、酢酸エチル又
は塩化メチレン溶剤濃度を、10w%以上50w%以
下に規制した、ポリウレタン系又はウレタンゴム
系の溶剤型接着剤により、合成樹脂製プリントシ
ートを貼着せしめることを特徴とするアルミニウ
ム合金製型材の合成樹脂シート貼着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61003991A JPS62161527A (ja) | 1986-01-11 | 1986-01-11 | アルミニウム合金製型材の合成樹脂シ−ト貼着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61003991A JPS62161527A (ja) | 1986-01-11 | 1986-01-11 | アルミニウム合金製型材の合成樹脂シ−ト貼着方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62161527A JPS62161527A (ja) | 1987-07-17 |
JPH0341345B2 true JPH0341345B2 (ja) | 1991-06-21 |
Family
ID=11572485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61003991A Granted JPS62161527A (ja) | 1986-01-11 | 1986-01-11 | アルミニウム合金製型材の合成樹脂シ−ト貼着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62161527A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3939628B2 (ja) * | 2002-10-16 | 2007-07-04 | Ykk Ap株式会社 | シート貼着アルミニウム形材の製造方法及び装置 |
JP2010214825A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Toppan Cosmo Inc | アルミニウム化粧部材 |
JP2010253858A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Toppan Cosmo Inc | アルミニウム化粧部材 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5680454A (en) * | 1979-12-05 | 1981-07-01 | Toyo Kohan Co Ltd | Thermoplastic resin coated metallic plate having excellent anticorrosive property |
JPS57140120A (en) * | 1981-02-24 | 1982-08-30 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | Bonding method of plastic sheet to steel material |
JPS59123656A (ja) * | 1982-12-28 | 1984-07-17 | ワイケイケイ株式会社 | 模様付きアルミニユウム材 |
-
1986
- 1986-01-11 JP JP61003991A patent/JPS62161527A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5680454A (en) * | 1979-12-05 | 1981-07-01 | Toyo Kohan Co Ltd | Thermoplastic resin coated metallic plate having excellent anticorrosive property |
JPS57140120A (en) * | 1981-02-24 | 1982-08-30 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | Bonding method of plastic sheet to steel material |
JPS59123656A (ja) * | 1982-12-28 | 1984-07-17 | ワイケイケイ株式会社 | 模様付きアルミニユウム材 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62161527A (ja) | 1987-07-17 |
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