JPH0341302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はテープ引出し装置、とくに小型の
VTR（ビデオテープレコーダ）に適したテープ引
出し装置に関するものである。

従来のこの種のものには種々の装置が提案され
ているが、いずれも一長一短があつた。

この考案は、コンパクトで、回転ヘツド用シリ
ンダの周面に装架されたテープが安定して走行す
るようにテープをリールから引出して装架させる
テープ引出し装置を提供することを目的とするも
のである。

この考案を図面に示す実施例を参照して説明す
る。

第１〜５図はこの考案を適用したVTRの一実
施例を示し、１はモータ、２はモータ１の回転軸
に取付けられた歯車、３は歯車２と噛合う歯車、
４は歯車３と一体に回転するウオーム、５はウオ
ーム４と噛合うウオーム歯車、６はウオーム歯車
５と噛合う歯車、７は歯車６と噛合う歯が周面に
形成され、ローデイング時は時計方向に回転し、
またアンローデイング時は反時計方向に回転する
ローデイングリング、８はローデイングリング７
の上面にねじ止めされて一体に回動するベースリ
ング、９はベースリング８の上面に水平な支軸１
０を介して傾動可能に枢着されてベースリング８
と一体に回動するドラムベースであつて、ドラム
ベース９には、中央付近に回転ヘツド用シリンダ
１１が取付けられ、またシリンダ１１を挟んで支
軸１０の反対側にテープ引出し用先導ローラ１２
が上向きに立設されるとともに、ドラムベース９
をベースリング８に対して所定の間隙を保つた状
態に下向きに付勢する図示しないばねが取付けら
れていて、先導ローラ１２付近に下向きに突設し
たガイドピン１３が、ドラムベース９の時計方向
回転の後半においてドラムベース９とベースリン
グ８との間隙に配設された円弧状の傾斜プレート
１４に乗上げてその傾斜に沿つて前記ばねの付勢
力に抗して徐々に上昇していくことによつて、ド
ラムベース９は時計方向回転の終端において所定
の傾斜角度をなすように構成されている。１５は
ローデイングリング７の下面に同心的にかつロー
デイングリング７とは別個に回動可能に設けられ
たタイミングリングであつて、タイミングリング
１５には、傾斜ローラ１６が上向きにかつ所定角
度傾斜して立設され、支軸１７にばね１８を介し
て基部が枢着された支持プレート１９の作動部に
傾斜ポスト２０が上向きにかつ所定角度傾斜して
立設され、駆動片２１が外向きに突設され、また
ローデイングリング７に下向きに突設した駆動ピ
ン２２をその時計方向回転の前半において支障な
く案内する円弧状のガイド溝２３が形成されてい
て、タイミングリング１５は、ローデイングリン
グ７の時計方向回転の後半において駆動ピン２２
がガイド溝２３の端部２４に当接するとローデイ
ングリング７とともに時計方向に回転して、傾斜
ローラ１６を第１図の鎖線位置から実線位置へ移
動させ、かつ傾斜ポスト２０をメインシヤーシ２
５に形成したガイド溝２６に沿つて回転中心から
離隔する方向に変位させながら第１図の鎖線位置
から実線位置へ移動させてストツパ２７に圧接さ
せるとともに、その時計方向回転の終期において
駆動片２１が突起２８を押してギヤプレート２９
を反時計方向に回転させるように構成されてい
る。ギヤプレート２９が反時計方向に回転する
と、図示しない適宜の伝動部材を介してピンチロ
ーラ３０を第１図の鎖線位置から実線位置へ移動
させてキヤプスタン３１に圧着させ、またギヤプ
レート２９に連結されたスライドプレート３２を
左方へ移動させて図示しない適宜の伝動部材を介
してテンシヨンローラ３３を第１図の鎖線位置か
ら実線位置へ移動させるようになつている。そし
てローデイングリング７が時計方向回転の終端に
達すると、ベースリング８の周面に形成された凹
所３４にスイツチプレート３５が入り込むことに
よつてモータ１が停止し、またこの状態からモー
タ１を逆方向に回転させた場合にはすべての部材
が初期位置に復帰したのち、ベースリング８の周
面付近に形成された駆動ピン３６がスイツチプレ
ート３７を押圧することによつてモータ１が停止
するようになつている。３８〜４１はドラムベー
ス９に立設されたテープガイド、４２〜４４はメ
インシヤーシ２５に立設されたテープガイド、４
５はリール４６，４６に巻かれたテープ４７を内
蔵したカセツトである。

上記のVTRは、カセツト４５を装填したとき、
第１図に鎖線で示す初期位置にある先導ローラ１
２、傾斜ローラ１６、傾斜ポスト２０、ピンチロ
ーラ３０およびテンシヨンローラ３３のすべて
が、第１図に１点鎖線で示す初期位置にあるテー
プ４７の背面側に入り込む。モータ１が回転して
ローデイングリング７を時計方向に回転させる
と、その回転にともなつてまず先導ローラ１２が
テープ４７を引出していき、時計方向回転の後半
においてドラムベース９とともにシリンダ１１お
よび先導ローラ１２が所定角度まで傾斜する一
方、傾斜ローラ１６および傾斜ポスト２０が所定
位置まで移動してテープ４７を案内し、ピンチロ
ーラ３０がテープ４７をキヤプスタン３１に圧着
させ、またテンシヨンローラ３３がテープ４７に
所定のテンシヨンをかけ、それによりテープ４７
は第１図に２点鎖線で示すようにシリンダ１１の
周面および所定の走行経路に沿つて装架されるこ
ととなる。そしてこの走行経路において、傾斜ロ
ーラ１６は先導ローラ１２の傾斜角度と実質的に
等しい傾斜角度にテープ４７を案内し、また傾斜
ポスト２０は傾斜ローラ１６と垂直のテープガイ
ド４３との中間において円滑な傾斜をテープ４７
に付与するように的確に案内し、それによりテー
プ４７は走行経路を安定して走行できることとな
る。また傾斜ポスト２０の初期位置は、所定のテ
ープ案内位置に対してただ単に回動中心のまわり
に角度変位するだけでなく、回動中心に接近する
方向にも変位するから、傾斜ポスト２０は初期位
置においてコンパクトに格納されることとなる。

この考案は上記のように構成したので、コンパ
クトで、回転ヘツド用シリンダの周面に装架され
たテープが安定して走行するようにテープをリー
ルから引出して装架させることができ、そのため
小型のVTRに好適であり、また小型のオーデイ
オテープレコーダにも適用することができる等の
すぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用したVTRの一実施例
を示す平面図、第２図は要部の平面図、第３〜５
図はそれぞれ異なつた要部の立面図である。 １：モータ、２，３，６：歯車、４：ウオー
ム、５：ウオーム歯車、７：ローデイングリン
グ、８：ベースリング、９：ドラムベース、１
０，１７：支軸、１１：シリンダ、１２：先導ロ
ーラ、１３：ガイドピン、１４：傾斜プレート、
１５：タイミングリング、１６：傾斜ローラ、１
８：ばね、１９：支持プレート、２０：傾斜ポス
ト、２１：駆動片、２２，３６：駆動ピン、２
３，２６：ガイド溝、２４：端部、２５：メイン
シヤーシ、２７：ストツパ、２８：突起、２９：
ギヤプレート、３０：ピンチローラ、３１：キヤ
プスタン、３２：スライドプレート、３３：テン
シヨンローラ、３４：凹所、３５，３７：スイツ
チプレート、３８〜４４：テープガイド、４５：
カセツト、４６：リール、４７：テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転ヘツド用シリンダと、テープをリールから
   引出して前記シリンダの周面に装架させるテープ
   引出し用先導ローラとを具えたベースを、回動可
   能に、かつその回動にともなつて回動終期におい
   て所定の傾斜角度をなすように傾動可能に設けて
   なるテープ引出し装置。