JPS6341639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、磁気テープを内蔵するカセツト筐体
内から移動し、その移動に伴ない前記カセツト筐
体から前記磁気テープを引き出し、テープガイド
ローラに前記磁気テープを所定の角度だけ巻付け
る磁気テープ引き出し装置に関するもので、前記
テープガイドローラに対する磁気テープ巻付け角
度が、ローデイング完了後においてはテープテン
シヨンの変動によつて変化することを防止し、ま
たローデイング時には磁気テープの異常な張力を
軽減することを目的とするものである。

従来より、テープガイドローラへ磁気テープを
所定の角度巻付け、その磁気テープの走行に伴な
つて前記テープガイドローラを回動せしめるよう
構成し、かつそのテープガイドローラに磁気テー
プの走行量に比例してパルス信号を発生する装置
を設けることで、磁気テープの走行制御を行なう
ことが考えられている。その場合、たとえばテー
プカセツト筐体から磁気テープを引き出し、前記
テープガイドローラに磁気テープを所定の角度巻
付ける手段として、後述するテープ引き出しアー
ムが考えられる。そのテープ引き出しアームの機
構は、ローデイング時には磁気テープに生じる急
激なテンシヨンの変動を軽減することが望まれ
る。すなわち、ローデイング時磁気テープに急激
なテンシヨンが生じた際、前記テープ引き出しア
ームがそのテンシヨンを軽減する方向に動くこと
が必要である。一方、ローデイング終了後、磁気
テープ走行中にも磁気テープのテンシヨンは随時
変化する。しかしその磁気テープのテンシヨン変
化に伴ない、前記引き出しアームが磁気テープに
引つぱられて振動してしまうと、前記テープガイ
ドローラへの磁気テープ巻付け角度も変化してし
まう。この磁気テープ巻付け角度の変化は、磁気
テープと当接して、その磁気テープの走行により
回動しているテープガイドローラの回転数に磁気
テープのスリツプ等により変化を与え、前述した
磁気テープの安定した走行制御が困難となる。そ
のためローデイング終了後には前記テープ引き出
しアームの動きはテープのテンシヨン変化にかか
わらず、固定される必要がある。

本考案は上記のような、ローテイング時には磁
気テープの急激なテンシヨン変化を軽減し、ロー
デイング終了時にはテープガイドローラへの磁気
テープ巻付け角度を一定に保つ磁気テープ引き出
し装置を提供するものである。

次に本考案の一実施例を説明する。

第１図において、１はハブ２及び３に巻回され
ている磁気テープ４を内蔵するカセツト筐体で、
前記磁気テープ４はローデイングの際に前記カセ
ツト筐体１内の前面部に植設されたポスト５及び
６により架張されて、ローデイング終了後にはキ
ヤツプスタン７及びピンチローラ部８により駆動
される。又９及び１０はそのローデイングの際磁
気テープ引き出し手段を構成する磁気テープ４の
引き出しポストで、カセツト筐体１が磁気記録再
生装置に装着された際、カセツト筐体１の前面部
に設けられた開口部１１及び１２に挿通され、ロ
ーデイング時に磁気テープ４を引き出しながらロ
ツクベース１３及び１４の位置までローデイング
モータ２２の駆動（駆動装置は図示せず）により
移動し、該位置にて動きをそれぞれロツクベース
１３及び１４によりロツクされて磁気テープ４の
ローデイングを終了する。そして引き出しポスト
９及び１０によりローデイングされた磁気テープ
４は、磁気ヘツド（図示せず）を有するヘツドシ
リンダ１５に所定の角度だけ巻付けて、映像信号
を記録再生する。その後、磁気テープの走行量に
比例してパルス信号を発生するように構成された
フオトカツプラ１６を有するテープガイドローラ
１７に対し、引き出しアーム１８を回動せしめ、
その引き出しアーム１８に植設されたポスト１９
により磁気テープ４を適当な角度だけ巻付けるよ
う構成されている。次に、本考案の特徴であるそ
のテープ巻付け機構についてさらに詳しく述べ
る。

テープガイドローラ１７の下部には、そのテー
プガイドローラと一体に回転をする円板１７ａが
設けられており、その円板１７ａには等間隔にス
リツト１７ｂが設けられている。そしてそのスリ
ツト１７ｂの回転時の通過数に応じて、円板１７
ａの上方に位置するフオトカツプラ１６はパルス
信号を発生し、そのパルス信号を利用して磁気テ
ープの走行制御（その走行制御装置は図示せず）
を行なう。さて前記テープガイドローラ１７は、
磁気テープ４との摩擦係合により回動するように
構成されているので、引き出しポスト１９が植設
された引き出しアーム１８は支軸２０を中心に回
動して、磁気テープ４をテープガイドローラ１７
に所定の角度巻き付ける必要がある。

前記引き出しアーム１８は以下に説明される構
成により回動可能とされている。まず２１はロー
デイングモータ２２のモータプーリで、ベルト２
３を介して、回転角度により支軸２５ａからの距
離が連続的に変化するカム溝２４を有し支軸２５
ａにより回動自在に支持された回転プーリ２５と
係合されている。そのカム溝２４には、スライド
板２６に植設されたポスト２７が貫通されてお
り、又そのスライド板２６には、カセツト筐体１
の前面部と平行な方向（同図におけるＡ又はＢ方
向）に複数の長孔２８を有しており、それらの長
孔２８にはそれぞれ磁気記録再生装置本体に植設
された複数のポスト２９が貫通されている。さら
にスライド板２６の前側縁部には、引き出しアー
ム１８に植設されたピン３０がローデイング終了
後に係止される凹部３１が設けられているととも
に、その凹部３１に連続して前記ピン３０がロー
デイング最中に摺動するカム部３２が設けられて
いる。なお、前記引き出しアーム１８の発条止め
部３３と装置本体側に設けられた発条止めポスト
３４との間には、引き出しアーム１８を反時計方
向に付勢する発条３５が設けられ、前記ピン３０
がカム部３２あるいは凹部３１に当接するよう構
成されている。

さて上記のような構成においてローデイング時
には、ローデイングモータ２２の時計方向の回転
により、前記テープ引き出しポスト９，１０が移
動するとともに、回転プーリ２５も時計方向の回
転をする。その回転によりポスト２７はカム溝２
４に沿つて動き、回転プーリ２５の回転運動はス
ライド板２６のＡ方向への直線運動に変換され
る。そのため、スライド板２６は、長孔２８に沿
つてＡ方向へ移動する。すると第２図に示すよう
に、ピン３０がカム部３２の上傾斜面部に位置し
て、引き出しアーム１８の回動位置を規制してい
るローデイング前の最初の位置から、第３図に示
す如くピン３０がカム部３２の傾斜面下部に摺動
しながら位置して除々に引き出しアーム１８を反
時計方向に回動させる。そして第４図に示す如く
最終的にローデイング完了時にはピン３０が凹部
３１に位置して係止し、引き出しアーム１８はそ
の回動位置が規定され、その引き出しアーム１８
に植設されたポスト１９により、ガイドローラ１
７に対して磁気テープ４の所定角度の巻付けを完
了する。又ローテイングされている磁気テープ４
をカセツト筐体１内に収納するアンローデイング
の際にはローデイングモータ２２の反時計方向の
回転により、スライド板２６は直線運動であるＢ
方向へ移動する。そして引き出しアーム１８は、
前述のピン３０の逆の動作により引き出しアーム
１８は時計方向に回動してアンローデイングを行
なう。

このような構成を有していれば、ローデイング
完了時には第４図に示したようにピン３０が凹部
３１に位置して係止し、引き出しアーム１８の回
動を規制しているために、引き出しアーム１８上
のポスト１９により、テープガイドローラ１７に
巻付けられている磁気テープ４の巻付け角度は、
磁気テープ４のテープテンシヨンによつて変化す
ることはない。そのため安定した巻付け角度が引
き出しアーム１８により実現されるので、巻付け
角度の変化にともなう磁気テープ４のスリツプ等
の変化により、テープガイドローラ１７の回転を
変化せしめ、磁気テープの走行制御に悪影響を与
えるようなことはない。又テープローデイング時
に生じる磁気テープ４の急激なテンシヨン変化に
対しては、第３図に示す様に時計方向に急激な力
が生じた際発条３５の付勢に抗して、引き出しア
ーム１８は時計方向のみの回動が可能なので、急
激な時計方向のテンシヨンにより生じることのあ
る磁気テープ４の損傷を防ぐことができる。

本考案は以上のように、ローデイング完了後の
磁気テープ走行中にテープガイドローラに対し、
磁気テープの安定した巻付け角度を与えることが
できるのみならず、ローデイング時に生じる磁気
テープの急激な張力を軽減できるなどその効果は
大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を説明するための磁
気記録再生装置要部平面図、第２図、第３図及び
第４図は引き出しアームならびにスライド板のカ
ム部及び凹部との係合状態を説明するための要部
平面図である。 １……テープカセツト筐体、４……磁気テー
プ、１７……テープガイドローラ、１８……引き
出しアーム、１９……ポスト、２６……スライド
板、３０……ピン、３１……凹部、３２……カム
部、３５……発条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端にテープ引き出しのポストを有し、そのテ
   ープ引き出しのポストがテープカセツト筐体内に
   位置する第１の位置とテープガイドローラへの前
   記テープカセツトより引き出された磁気テープの
   所定角度の巻付けを完了する第２の位置との間を
   回動するテープ引き出しアームと、そのテープ引
   き出しアームに設けられたピンと、前記テープ引
   き出しアームを前記第１の位置から前記第２の位
   置へ弾性的に回動付勢する手段と、駆動源により
   可逆的に直線移動するスライド板と、前記ピンと
   当接し、前記引き出しアームの前記付勢方向への
   回動を規制しつつ、前記スライド板の移動に伴な
   い前記ピンを移動させて前記引き出しアームを回
   動させる前記スライド板上に設けられカム部と、
   そのカム部と前記スライド板上で連続的な位置に
   設けられ、さらに前記引き出しアームが前記第２
   の位置に回動したとき前記ピンと係合して前記引
   き出しアームの動きを規制する凹部とを有するこ
   とを特徴とするテープ引き出し装置。