JPH0338904B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は攪拌ミル、特に特許請求の範囲第１
項の従来技術部分に述べられるような攪拌ボール
ミルに関する。

（従来の技術） この型式のミルは公開西独出願明細書第
1757942号により公知である。

前述の型式の公知のミルにおいては、送入口が
実質的に円筒形のハウジングまたは粉砕容器の一
端にまたはそれに接近して配置されると共に、送
出口が他端にまたはその付近に配置されている。

（発明が解決しようとする問題点） 一般にミルは高い生産量を有し、かつ微細粉砕
を行なうこと、すなわち送出口における粗粒子量
が最少であることが望まれる。

高い生産量には、その工程に多量のエネルギー
を供給することが包含される。このエネルギーの
大部分は熱量に変換され、その結果の温度上昇に
より、生産量が制限されることになる。粉砕され
る材料が空気と共にミルへ供給されて、微細粉砕
物が空気と共に流出される場合は、この空気流は
冷却効果をもたらすが、この冷却−そして生産量
−は制限される。認識される欠点は、送出口が比
較的小さく、したがつて制限された生産量におけ
る運転においても、送出口における流動速度は比
較的高く、その結果、流動空気が比較的高い割合
で粗粒子を同伴流動してしまうという点である。

粗粒子は引続く空気圧セパレータにより除去さ
れ得るが、これには高い経費が包含される。その
ため既に、冷却された空気が同伴流体として利用
されており、また他のミルでは冷凍塊状の二酸化
炭素（ドライアイス）と共に供給されている。こ
れらの方法には高いコストが包含されている。

この発明の目的は、最初に述べた型式のもので
あり、小型で簡単であり、かつ送出口において微
細粉砕状態が保証されると共に、比較的高い生産
量が達成できる装置を提供することである。

（問題点を解決するための手段） この目的が達成される形態は、特許請求の範囲
第１項の特徴部分に述べられている。その構成に
おいては、送出口はハウジングの頂壁に設けられ
ており、攪拌シヤフトは、放射状に突出する複数
の攪拌部材を有し、並列および／または重ね合せ
に水平配置されているとともに攪拌部材のフライ
ト円が重なり合つている。送出口はハウジングの
頂壁の実質的に全長および全幅にわたつて適切に
延びている。

望ましい形態としては、前記送出口に平行に隔
置された傾斜排除ブレード１４が排除格子体とし
て設けられているものである。

さらに望まくは、前記送出口の上方に空気圧遠
心セパレータ１５，１５ａからなるセパレータが
設けられているものである。

さらに望ましくは、前記送入口が前記攪拌シヤ
フト８に対して平行であると共に、実質的に前記
攪拌シヤフト８の全長にわたつて延びているもの
である。

さらに望ましくは、前記攪拌シヤフト８がそれ
ぞれ３本のシヤフトを有する２列に配置されてい
るものである。

さらに望ましくは、前記１本または複数の攪拌
シヤフト８が中空であると共に、ハウジング外に
少なくとも一つの空気取入れ開口と、ハウジング
内に少なくとも一つの流出開口１６とを備えてい
るものである。

さらに望ましくは、前記攪拌部材９が中空であ
ると共に、少なくとも一つの空気流出開口１７，
１８を備えているものである。

さらに望ましくは、前記攪拌要素９の流出開口
１７，１８がバルブ座２９およびバルブボール３
０からなるバルブ２８の前に設けられると共に、
前記バルブボール３０が前記バルブ座２９と前記
流出口１７，１８との間に配置されているもので
ある。

さらに望ましくは、前記ハウジングは少なくと
もその一部が２重壁に形成され、少なくとも一つ
の空気流入口２５，２５ａが外壁２ａ〜７ａに設
けられると共に、ミルの内部に通じる複数の流入
口２６が内壁に設けられるか、あるいは内壁が有
孔形状に形成されているものである。

（作用） 本発明は上記構成により、送出口がハウジング
の頂壁の実質的に全長および全幅にわたつて適切
に延びているため、比較的高速の空気が比較的低
速で大きい送出口を流動することができ、しか
も、放射状に突出する攪拌部材を有しハウジング
内に水平配置される複数の攪拌シヤフトとを備
え、攪拌シヤフトは並列および／または重ね合わ
せに設けられ、隣接した前記攪拌部材のフライト
円が重なり合うので、ミルおよび粉砕される材料
は効果的に冷却され、大きな送出口を通る流動速
度は比較的低く、かつ一様であるから、得られた
微細粉砕物は比較的均一であると共に、一様な粒
子サイズ分布を有している。

（実施例） この発明の実施例を図面を参照して説明する。

図示実施例において、この発明のミルは実質的
に箱状のハウジング１を備えており、これは斜方
六面体の形状を有すると共に、２つの垂直端部壁
２，３、底部壁４、頂部壁５および２つの傾斜側
壁６，７を包含している。傾斜側壁と底部壁と頂
部壁との間の端部分は丸く形成されている。横断
面が斜方六面体（第１図）の形状を有するこのハ
ウジングは６つの攪拌シヤフト８を収容してお
り、このシヤフト８は攪拌部材としての攪拌アー
ム９を備えると共に、それぞれ３つのシヤフトを
有して２列に配置されている。相隣接するシヤフ
ト８は攪拌アームのフライト円（旋回領域）が重
なつており、かつ攪拌アームはシヤフト８から放
射状に突出するように配置されている（第１およ
び２図参照）。上列の攪拌シヤフトは下列のもの
に対して、その中心間距離の半分だけ片寄つて配
置されている。側壁６，７の傾斜はこの軸心方向
の片寄り量に対応している。ハウジングの丸めら
れた長手方向端部分は、攪拌アームのフライト円
に対応している。粉砕される材料の送入口１０は
ミルの傾斜長手方向壁部７に設けられると共に、
シユートを構成しており、このシユートはミルの
実質的に軸心方向全長にわたつて延びている（第
１および２図参照）。前記送入口は前記傾斜側壁
７に設けられ、この側壁７はミル内部で、底部壁
４に関して90°を越える角度を形成している。シ
ユートの外部壁１１は傾斜内部側壁７に対して平
行であると共に、底部壁４に対して曲率１２で併
合している。内部側壁７は底部壁４の上方の少し
離れたところで終つている。

送出口１３はハウジング１の頂部壁５に設けら
れると共に、ハウジングの頂部壁の実質的に全長
および全幅にわたつて屈曲部分まで延びている。
その結果、送出口１３の幅は外側攪拌シヤフト８
の中心間隔とほぼ同じ大きさを有している。傾斜
ロツドまたはブレード１４からなる格子体が、前
記大きな送出口開口内に挿入されている。空気圧
セパレータのハウジング１５が、傾斜排除ブレー
ドからなる格子体の上方に取付けられると共に、
空気圧遠心セパレータのフアンホイール１５を包
含している。アダプタ１５ｂが四角形の送出口開
口１３と円筒形のセパレータハウジング１５との
間の遷移部を形成している。微細粉砕物はフアン
ホイール１５ａの内部へ矢印方向に流入し、引続
くフイルタにより通常の方法で分離空気から分離
される。

粗粒子はミル内に落下し、そこでさらに所定サ
イズまで縮小される。

第５図に示される実施例において、粗粒子は、
空気圧セパレータハウジングの底部に取付けられ
たホツパー３２と、傾斜パイプ３３またはシユー
トとを介して、粉砕される材料の送入口へ再循環
される。空気圧セパレータはミルの上方の十分に
高い位置に配置されると共に、ダクト３４により
送出口１３またはアダプター１５ｂに連結されて
いる。

シヤフト８は中空またはチユーブ状で、ミル内
部で半径孔１６が設けられている。攪拌アーム９
も中空またはチユーブ状で、半径孔を介して攪拌
シヤフト８の内部に連通している。攪拌アーム９
は横開口１７を有し、および／またはその外端部
に開口１８を設けられている。その結果、ミルの
内部は包囲気圧に連通している。

ミルの頂部および／または引続く空気圧セパレ
ータにおいて、空気圧セパレータ１５，１５ａに
適用される準大気圧により、空気が外部からミル
および中空シヤフト８および攪拌アーム９を介し
て吸引される。多数の攪拌シヤフト８と攪拌アー
ム９を設けることにより、空気は粉砕される材料
床全体に十分かつ一様に分配される。これによ
り、非常に大きい送入口１０と、非常に大きい送
出口１３とを設けることができる。攪拌アーム９
と、粉砕される材料床へ同時に流入する空気とに
より、粉砕される材料床がゆるめられ、粉砕要素
２０の可動性が改善される。微細粉砕物は形成さ
れるやいなや、粉砕される材料床から外方へ実質
的に初期状態において吹飛ばされる。粉砕される
材料床およびミル全体が冷却され、加熱が避けら
れることが特に重要な点である。この冷却によ
り、複数の攪拌シヤフト８が重ねられた列をなし
て配置させることができる。前に温度上昇により
もたらされた制限は省略されるから、長さ、幅お
よび高さに関してミルの寸法には実質的に何の制
限もない。粉砕要素および粗粒子は排除ブレード
１４により保持される。

吸引される空気はベアリングをも冷却する。各
攪拌シヤフト８は別のギアモータ２２により、
別々に駆動できる。第３図に概略的に示されると
共に、対応して大型モータと分配伝動装置を備え
る駆動系よりも、個々の駆動系の方が安価であ
る。

すべてのミルにおいて、微細粉砕物および／ま
たはほこりがミルの内部から漏出することは防止
しなければならない。この要求により、シヤフト
とハウジングとのシールに関する問題が生じる。
ミル内部の準大気圧は、微細粉砕物の漏出に対抗
するものである。さらに、圧縮空気がシヤフトシ
ールに与えられる。このため図示実施例の端部壁
２および３は２重壁とされ、それぞれが内壁およ
び外壁２ａまたは３ａと対応周壁部分とから構成
される。圧縮空気が圧縮空気ポート２５を介し
て、画定された空気室２３，２４内へ吸込まれ
る。圧縮空気は継続的に内端部壁２，３のシヤフ
トシールを通過して吹き、、したがつて微細粉砕
物の漏出はさらに妨げられる（第２図）。

粉砕される材料は、空気の排除と共に、あるい
は追加の同伴空気により粉砕または攪拌室内へ供
給される。

空気はハウジング全体にわたつて分配供給され
る。そのため、各周壁は傾斜側壁６，７、底部壁
４および頂部壁５から構成され、頂部壁５は２重
壁、すなわち内壁と内壁から隔置された外壁４
ａ，５ａ，６ａまたは７ａから構成されている。
側壁により画定される空所２７は、外壁６ａに取
付けられたチユーブ状ポートを介して圧縮空気を
供給されるようになつている。内壁には開口２６
が空気を放出するために設けられている。空気流
入開口２６は主として底部壁４に設けられている
が、ミルの上部にはほとんど、または全く開口は
設けられていない。これまで述べた粉砕される材
料床内へ空気を供給する構成は個々に、あるいは
組合せて配置することができる中空攪拌シヤフト
および中空攪拌部材を介して空気を供給すること
が、最も効率的であるものと信じられる。別の特
徴として、攪拌アームは挿入されたバルブを包含
して、各攪拌アームがその回転運動の上方部分に
ある時、空気の放出を遮断するように構成されて
いる。その場合、攪拌部材からの空気流は上向き
というよりむしろ、実質的に下向きとなり、ミル
容積全体にわたつて一様な粉砕作用が促進され
る。第４図は攪拌アーム９に備えられたチエツク
バルブ２８を示している。

各攪拌アームは、バルブボール３０または類似
バルブ部材のための座２９を包含している。バル
ブ座は半径方向内方に配置されると共に、バルブ
ボールは半径方向外方に配置されている。その結
果、攪拌アーム９が回転運動の上方部分にある
時、バルブボール３０は、遠心力作用および攪拌
アーム９内の高い空気圧に抗して、重力によりバ
ルブ座に強制されて、空気の漏出が防止される。
攪拌アームがその回転運動の下方部分にある時
は、バルブボール３０の重量が遠心力および圧力
と同じ意味で作用し、したがつてバルブボールは
バルブ座から隔置されて、空気が下方へ、そして
ミルの下部分内へ流入できる。バルブボール３０
の重量およびサイズを最小にするため、そしてバ
ルブ２８が信頼性をもつて閉鎖されるように、第
４図に示される圧縮スプリング３１が設けられ
て、バルブのストロークを制限する作用をも行な
うようになつている。

（発明の効果） 以上説明したように本発明は、ハウジング内に
吹き込まれる空気が高速であつても送出口が大き
いので、これを通過する空気は比較的低速であ
る。このため粗粒子を伴うことなく微細粉砕物の
みを排出できる。また攪拌シヤフトを小さなスペ
ース内に複数個収容するとともに攪拌部材のフラ
イト円の重なり合いにより、粉砕要素と空気の滞
留を防止して攪拌を均一にする。

その結果、空気を一様に分布させてハウジング
内の温度上昇を抑えるので、粉砕される材料の生
産量を制限することなく増大させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、頂部に空気圧セパレータを備えるミ
ルを示す、攪拌シヤフトを横断する第２図の−
線に沿う垂直断面図、第２図は第１図の−
線に沿う軸心方向断面図、第３図は第１および２
図のミルを示す斜視図、第４図は第２図にで示
される部分の攪拌アーム詳細図、第５図は修正例
を示す垂直断面図である。 １……ハウジング、５……頂部壁、８……（攪
拌）水平シヤフト、９……攪拌および／または粉
砕部材（攪拌アーム）、１０……送入口、１３…
…送出口、１４……傾斜排除ブレード、１５……
セパレータハウジング、１５ａ……フアンホイー
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粉砕される材料と空気のための１つ以上の送
   入口１０および微細粉砕物と空気のための送出口
   １３を有するハウジング１と、放射状に突出する
   攪拌部材９を有し前記ハウジング内に水平配置さ
   れる複数の攪拌シヤフト８とを備え、該攪拌シヤ
   フトは並列および／または重ね合わせに設けら
   れ、隣接した前記攪拌部材のフライト円が重なり
   合い、さらに前記微細粉砕物と空気のための送出
   口が、前記ハウジングの頂部壁のほぼ全長および
   全幅にわたつて延びていることを特徴とする攪拌
   ボールミル。 ２ 平行に隔置された傾斜排除ブレード１４が、
   排除格子体として送出口１３に設けられているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の装
   置。 ３ 送出口１３の上方に空気圧遠心セパレータ１
   ５，１５ａからなるセパレータが配置されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の装
   置。 ４ 送入口１０が攪拌シヤフト８に対して平行で
   あるとともに実質的に前記攪拌シヤフト８の全長
   にわたつて伸びていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の装置。 ５ 攪拌シヤフト８がそれぞれ３本のシヤフトを
   有する２列に配置されていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の装置。 ６ １つの以上の攪拌シヤフト８が中空であると
   ともに、ハウジング外に少なくとも１つの空気取
   入れ開口２５ａと、ハウジング内に少なくとも１
   つの流出開口１６とを備えていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の装置。 ７ 攪拌部材９が中空であるとともに、少なくと
   も１つの空気流出開口１７，１８を備えているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の装
   置。 ８ 攪拌部材９の流出開口１７，１８がバルブ座
   ２９およびバルブボール３０からなるバルブ２８
   の前に設けられるとともに、前記バルブボール３
   ０が前記バルブ座２９と前記流出開口１７，１８
   との間に配置されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第７項記載の装置。 ９ ハウジングは少なくともその一部が２重壁に
   形成され、少なくとも１つの空気流入口２５，２
   ５ａ外壁２ａ〜７ａに設けられるとともに、ミル
   の内部に通じる複数の流入口２６が内壁に設けら
   れるか、あるいは内壁が有孔形状にされているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の装
   置。