JPH0337298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、カーテンウオールにおける雨仕舞
構造に関するものである。

〔従来の技術〕

互いに近接するカーテンウオール構成用パネル
間に外気が導入される空間を形成することにより
雨仕舞を行なうことはこの種カーテンウオールに
おいてすでに知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

この考案は、カーテンウオール構成用パネル間
の連結部の雨仕舞において、地震その他の原因に
よりカーテンウオール構成用パネル間に横方向の
層間変位が生じた場合でも、水密パツキンのタイ
ト不良が生じる危険を回避でき、かつ水密パツキ
ン支持体を取り外すことにより、水密パツキンに
塵埃等が付着した際の清掃及び水密パツキン自体
の清掃、並びに経年劣化時の新品との取り替えも
可能とすることを企画するものである。

〔課題を解決するための手段〕

ここにおいてこの考案は、上下に隣り合つて配
設されるカーテンウオール構成用パネル２，３間
に外気が導入されるよこ空間５を形成すると共
に、前記よこ空間５の室内側を気密タイト材９で
塞ぎ、室外側においては下側パネル３の上端に外
表面から室内側に向けて折り曲がる水平面３′と
さらに上方に向かつて立ち上がる立上壁３′ｂを
形成し、窓パネルである上側パネル２の下枠２ａ
はガラス支持部２ｃと、このガラス支持部２ｃか
ら室内がわに延出し、その先端が気密タイト材９
に接触する横壁２ｄと前記ガラス支持部２ｃから
垂下する外側垂下壁２ｅとを有し、この外側垂下
壁２ｅの室内側でこの外側垂下壁２ｅに対して着
脱自在にほぼ平行に配設される立上壁１１ｂを有
する水密パツキン支持体１１には前記下側パネル
３の立上壁３′ｂに向かつて延出し当接する水密
パツキン１２を取外し可能に装着してなるカーテ
ンウオールにおける雨仕舞構造を提案するもので
ある。

〔作用〕

上記構成において、カーテンウオール構成用パ
ネル間に水密パツキンを取外し可能に取り付けか
つ着脱自在の水密パツキン支持体を取り外すこと
により、カーテンウオール構成用パネル間の連結
部内の空間の保守点検及び清掃を行なえると共
に、この水密パツキン自体の清掃、交換を行なえ
るものである。

〔実施例〕

次にこの考案を図面に基づいて詳細に説明す
る。

図面は躯体１の外側面にガラス窓を構成するカ
ーテンウオール構成用パネル２（以下に窓パネル
という）と、この窓パネル２の腰部を構成するカ
ーテンウオール構成用パネル３（以下に腰パネル
という）とを上下方向に交互に取り付け、かつ、
左右方向に別のカーテンウオール構成用パネル４
（以下に柱パネルという）を介して前記窓パネル
２と腰パネル３との組み合わせ構造を連ねて成る
カーテンウオール構造を示すものである。

上記各パネル２，３及び４はその連結部に互い
に連通する等圧空間を形成し、かつたて・よこの
等圧空間は連通され、その一部に設けられた外気
導入孔を介して外気圧と等圧になつており、その
等圧原理によつて雨水等が室外から室内に侵入す
るのを防止する構造すなわち雨仕舞構造となつて
いる。

前記窓パネル２と腰パネル３の連結部には、第
２図に示すようによこ空間５が形成されており、
かように窓パネル２の下方に腰パネル３が位置す
る連結部においては、ブラケツト６で上端部を躯
体１側に取り付けられた腰パネル３の室外側上端
に連結枠３′が突設され、この連結枠３′は下側パ
ネル上端の外表面より室内側に向けて折り曲がる
水平面３′ａとさらに上方に向かつて立ち上る立
上壁３′ｂとで構成され、この連結枠３′の室外側
に一定間隔を置いて窓パネル２の下端部が重ね合
わされており、前記ブラケツト６に連結される補
助ブラケツト６ａに、ボルト、ナツト等の連結具
７で着脱可能で、かつこのブラケツト６ａに形成
した長孔６a′を介して、内外方向の圧着調整可能
な保持体８が装着され、この保持体８に嵌着され
る気密タイト材９によつて、窓パネル２と腰パネ
ル３の室内側連結部が塞がれている。また窓パネ
ル２の下枠２ａの外側垂下壁２ｅにねじ１０で装
着される水密パツキン支持体１１には、前記立上
壁３′ｂの前方位置に立ち上がる立上壁１１ｂに
取り付け溝１１ａを形成し、この取り付け溝１１
ａに装着された水密パツキン１２を介して、窓パ
ネル２と腰パネル３の室外側連結部が接触状態に
保たれ、これら窓パネル２と腰パネル３並びに気
密タイト材９と水密パツキン１２によつて、前記
よこ空間５が形成されている。この水密パツキン
１２は、例えばネオプレン等の合成ゴムで形成さ
れるもので、水密パツキン支持体１１の取り付け
溝１１ａに取外し自在に嵌着される基部１２ａ
と、この基部１２ａから腰パネル３の上端に配置
された連結枠３′に向かつて突出する舌片１２ｂ，
１２ｃとで構成され、かつ第６図ａ，ｂに示すよ
うな透孔１３ａあるいは切り欠き１３ｂ等の外気
導入孔１３を千鳥状に形成して成り、この外気導
入孔１３を介して、前記よこ空間５内が外気圧と
等圧となつている。なお水密パツキン１２は、上
記構造のほか、第７図ａ，ｂに示すように、基部
１２ａの上下端から突出する一対の舌片１２ｂ，
１２ｃの中間に、同じく基部１２ａから突出する
突出長さの短かい雨滴阻止片１２ｆを設けたもの
も考えられ、これら各水密パツキン１２における
舌片１２ｂ，１２ｃには、それぞれ前述と同様に
透孔１３ａ、あるいは切り欠き１３ｂ等の外気導
入孔１３が設けられている。

上記構造を有する水密パツキン１２を取外し自
在に嵌着する前記水密パツキン支持体１１は、そ
の上部に係合部１１ｂを有しており、この係合部
１１ｂを窓パネル２の下枠２ａに設けられた掛止
部２′に係合させていて、それ自体は、カセツト
として自由に着脱でき、前記よこ空間５内の保守
点検並びに清掃が容易に行なえるようにするもの
である。そして前記水密パツキン支持体１１の装
着時には、窓パネル２の下端部によこ空間１４が
形成される。１５は水密パツキン支持体１１に設
けられた外気導入孔を兼ねた雨水排水孔であつ
て、よこ空間１４内は外気圧と等圧にした雨樋の
役目を果している。また下枠２ａに枠廻り用の排
水孔１６を設けることにより、窓パネル２の下枠
２ａとガラス２ｂを支承するガラス支持部２ｃと
の間に形成される空間１７は、前記よこ空間１４
を介して外気圧と等圧にすることができるように
なつている。以上のとおり、気密タイト材９と水
密パツキン１２は共に、内外方向に向けて押圧さ
れる溝成となつている。

第３図及び第４図に示すように、気密タイト材
９′及び水密パツキン１２′でそれぞれ室内側及び
室外側に接触され、窓パネル２と柱パネル４及び
気密タイト材９′及び水密パツキン１２′、あるい
は第４図に示す腰パネル３と柱パネル４及び気密
タイト材９′及び水密パツキン１２′とで、それぞ
れのたて空間２６を形成している。そしてこのた
て空間２６は、前記よこ空間５と連通している。
なお前記気密タイト材９′又は水密パツキン１
２′を嵌着する保持枠８ａ又は水密パツキン支持
体８ｂ，８b′も、前述の保持部８，８′及び水密
パツキン支持体１１，１１′と同様に着脱可能に
なつており、気密タイト材９′、水密パツキン１
２′の交換時、及び前記空間５内部の保守点検と
清掃時の便宜を図つている。また保持枠８ａは長
孔８a′を介して内外方向に圧着調整自在となつて
いる。前記水密パツキン支持体８ｄとそのまわり
の構造を示したのが第９図であり、パツキン支持
体８b′とそのまわりの構造を示したのが第１０図
である。

なお、上記実施例では窓パネル、腰パネル及び
柱パネル等のカーテンウオール構成用パネルの一
方端部に組み付けたカーテンウオール構造につい
て説明してあるが、必ずしもこの種の構造に限定
されるものではなく、任意のカーテンウオール構
造のすべてに適用でき、同様の効果が得られるも
のである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案はカーテンウオ
ール構成用パネル間に水密パツキン支持体を着脱
自在に取り付けて成るもので、カーテンウオール
構成用パネル間の連結部内空間の保守点検及び清
掃が可能になる。また水密パツキンは水密パツキ
ン支持体に対して取外し自在であるので、塵埃等
が付着した時の清掃や、経年劣化により機能の低
下が生じた場合の取り替えが容易であるという、
保守点検及び清掃又は交換の容易性という特長が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の構造を示すカーテンウオー
ルの一例を示す正面図、第２図ないし第５図はそ
れぞれ第１図の−線、−線、−線及
び−線に沿う拡大断面図、第６図ａ，ｂ及び
第７図ａ，ｂはそれぞれ水密パツキンの異なつた
形態を示す斜視図、第８図ないし第１０図は４つ
の部分の水密パツキン支持体の分解斜視図、第１
１図は第４図のXI−XI線に沿う部分断面図であ
る。 なお図において、１…躯体、２…窓パネル（カ
ーテンウオール構成用パネル）、２ａ…下枠、２
ｃ…ガラス支持部、２ｄ…横壁、２ｅ…外側垂下
壁、３…腰パネル（カーテンウオール構成用パネ
ル）、３′…水平面、３′ｂ…立上壁、４…柱パネ
ル（カーテンウオール構成用パネル）、５…空間、
９…気密タイト材、１１…水密パツキン支持体、
１１ｂ…立上壁、１２…水密パツキンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下に隣り合つて配設されるカーテンウオール
   構成用パネル２，３間に外気が導入されるよこ空
   間５を形成すると共に、前記よこ空間５の室内側
   を気密タイト材９で塞ぎ、室外側においては下側
   パネル３の上端に外表面から室内側に向けて折り
   曲がる水平面３′とさらに上方に向かつて立ち上
   る立上壁３′ｂを形成し、窓パネルである上側パ
   ネル２の下枠２ａはガラス支持部２ｃと、このガ
   ラス支持部２ｃから室内がわに延出し、その先端
   が気密タイト材９に接触する横壁２ｄと、前記ガ
   ラス支持部２ｃから垂下する外側垂下壁２ｅとを
   有し、この外側垂下壁２ｅの室内側でこの外側垂
   下壁２ｅに対して着脱自在にほぼ平行に配設され
   る立上壁１１ｂを有する水密パツキン支持体１１
   には前記下側パネル３の立上壁３′ｂに向かつて
   延出し当接する水密パツキン１２を取外し自在に
   装着してなるカーテンウオールにおける雨仕舞構
   造。