JP2960875B2 - 嵌殺窓のサッシ枠 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は嵌殺窓のサッシ枠に
関する。

【０００２】

【従来の技術】嵌殺窓は採光窓や室内空間の広がり、室
外側の眺望を目的として建物躯体の開口部に設けられる
ものであるが、その嵌殺窓のサッシ枠の形態は、建物躯
体の開口部内に左右竪枠材と上下枠材を連結した窓枠体
を取り付け、その窓枠体の内周面側に周回して形成した
凹溝にガラス板をタイト材を介して嵌殺に固定している
ものである。また、ガラス板は建物躯体の開口部内に窓
枠体を先に取り付けてから後嵌めすることが多く、この
場合は、内周面側の凹溝成形部分の内外いずれか一方に
押縁材を利用する手段（図２参照）により施工されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の嵌殺窓のサッシ
枠は、建物躯体の開口部内に断面方形の窓枠体を取り付
け、その窓枠体の内周面側に設けた凹溝にタイト材を介
してガラス板を固定してあるので、窓枠体の下枠材の上
面に水平面があって、その室外側上面に風によって運ば
れてきた塵や埃がたまり易く、また、雨が降ると、その
雨水によってたまっていた塵や埃がサッシ窓の下の壁面
に流されて壁面を汚してしまうものであった。そのた
め、サッシ窓の下の壁面は時々清掃する必要があるが、
嵌殺窓は建物の高い位置にあることが多く室外からは勿
論室内からもサッシ窓やサッシ窓下の壁面に手が届かな
いことが多いので、サッシ窓の下の壁面等は清掃しにく
いものであった。

【０００４】また、従来のサッシ枠は、室内においても
窓枠体の下枠材の上面の水平面に埃がたまり易く、拭掃
除をする必要のあるものであるが、前述の通りサッシ枠
の掃除をするのも困難なことであった。

【０００５】本発明は、下枠材に塵や埃等が溜まりにく
い嵌殺窓のサッシ枠を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明における解決手段
は、左右に起立する竪枠材の上端部間と下端部間に上下
枠材を連結して窓枠体を形成し、その窓枠体の内周面側
の略中央部に凹溝を周回して設け、該凹溝にガラス板
を、タイト材を介して嵌めてある嵌殺窓のサッシ枠にお
いて、前記の各枠材の内、少なくとも下枠材の前記凹溝
成形部より室外側を該凹溝の基端部から外側壁下端部に
向かって円弧状断面のアールを描く曲面壁で形成してあ
ることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明を図面に基いて説明する。
本発明のサッシ枠は、左右の竪枠材３，４の上端部間に
上枠材５を下端部間に下枠材６を連結して窓枠体２を構
成してある。それら各枠材３，４，５，６は、図１のよ
うに、底面に基板１１があり、その基板１１の外周面側
に窓枠体２を支持するＬ型脚部１２を設けてある。そし
て、基板１１の内周面側の中央部には、凹溝７の側壁と
なる２枚の内壁１３，１３が、互いに間を開けて垂直に
突出しており、そして、内壁１３の頂端と基板１１の側
端とを、円弧状断面のアールを描く曲面壁８で連結して
ある。

【０００８】窓枠体２の建物躯体１への取り付けは、Ｌ
型脚部１２の足部１４を建物躯体１に接し、その足部１
４をアンカー金物１５の爪片１６で押さえ、そのアンカ
ー金物１５を建物躯体１の壁中の鉄筋１７に溶接して固
定するものである。

【０００９】枠材３，４，５，６のそれぞれの内周面側
の中央部には、間の開いた２枚の内壁１３及び基板１１
によって内周面側が開口した凹溝７が形成されており、
それらは窓枠体２の内周面側を周回して形成されてい
る。

【００１０】前記窓枠体２の凹溝７にガラス板９の四辺
の端部を嵌め込み、隙間にタイト材１０を詰めてガラス
板９を固定する。その時、タイト材１０を、ガラス板９
に接する側を盛り上げて、タイト材１０の上面が窓枠体
２の曲面壁８から連続した曲面を構成することが好まし
い。

【００１１】尚、ガラス板９の取り付けの作業性を考え
て、図２のように、窓枠体２に取外しのできる押縁材１
８を設定してあっても良い。

【００１２】本発明は、窓枠体２の室外側のみでなく、
室内側も曲面壁８に構成することによって、室外のみな
らず室内の埃もたまり難くなるので、窓枠体２及び周辺
の壁面の清掃の回数が減るものである。また、下枠材６
だけでなく、上下左右全ての枠材３，４，５，６を曲面
壁８で構成することによって、窓枠体２全体のデザイン
に統一感が出るものである。

【００１３】本発明は、窓枠体２の室内側の曲面壁８も
前記のように円弧を描いて構成することによって窓枠体
２の室内側にも埃がたまり難くなり一層効果が高まるも
のであるが、窓の室内側は寒い時期にガラス板９が結露
してその水滴がガラス板９を伝わって下に落ちるもので
あり、そのままではガラス板９を落ちてきた水滴が窓枠
体２を伝わって窓下の壁面まで伝わり落ち、壁面が汚れ
てしまうことになる。そこで、下枠材６の室内側には上
に突出した凸条１９を設けて、結露した水滴が窓下の壁
面まで落ちないようにすることが好ましい。

【００１４】尚、図１及び図２は鉄筋コンクリート造り
の建造物における嵌殺窓として実施した例を示したもの
であるが、本発明は、木造等の他の建造物の嵌殺窓にも
同様に実施することができるものである。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、窓枠体の室外側側壁を円弧を
描く曲面に形成してあるので、下枠材の室外側上面に埃
等が溜まらず、そのためサッシ窓下の壁面に汚れを含ん
だ雨水が流れない。そのため、従来よりサッシ窓の下の
壁面が汚れにくくなり、壁面の清掃の回数が減るもので
ある。

【００１６】また、本発明は、下枠材の室内側側壁も円
弧を描く曲面に形成してあるので、下枠材の室内側上面
にも埃がたまり難く、窓枠体の拭掃除の回数が減るもの
である。

【００１７】そして、本発明は、サッシ枠に尖った頂辺
がないので、幼児がぶつかった時等に頂辺で大怪我をす
ることがない。

【００１８】また、本発明は、曲面を描く軟らかいライ
ンが、本来冷たく感じるサッシ枠に優しい感じを与える
ものであり、そのためサッシ枠のデザインの幅が広がる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサッシ枠の構造を示す縦断面図であ
る。

【図２】本発明のサッシ枠の他の構造を示す縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 建物躯体 ２ 窓枠体 ３ 左枠材 ４ 右枠材 ５ 上枠材 ６ 下枠材 ７ 凹溝 ８ 曲面壁 ９ ガラス板 １０ タイト材 １１ 基板 １２ Ｌ型脚部 １３ 内壁 １４ 足部 １５ アンカー金物 １６ 爪片 １７ 鉄筋 １８ 押縁材 １９ 凸条

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に起立する竪枠材（３，４）の上端
   部間と下端部間に上下枠材（５，６）を連結して窓枠体
   （２）を形成し、その窓枠体（２）の内周面側の略中央
   部に凹溝（７）を周回して設け、該凹溝（７）にガラス
   板（９）を、タイト材（１０）を介して嵌めてある嵌殺
   窓のサッシ枠において、前記の各枠材（３，４，５，
   ６）の内、少なくとも下枠材（６）の前記凹溝（７）成
   形部より室外側を、該凹溝（７）の基端部から外側壁下
   端部に向かって円弧状断面のアールを描く曲面壁（８）
   で形成してあることを特徴とする嵌殺窓のサッシ枠。