JPS5818542Y2 - 二重サツシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は浴室９台所など湯水が使用される部屋の窓に
取付けられる二重サツシに関するものである。

浴室９台所などでは、他の部屋に比べて湿度が非常に高
く、大きい動作音が生じ、また、浴室では裸で生活する
。

従って、窓への結露量を軽減し、動作音の外部への漏洩
を少なくシ、浴室内の保温性を高めて快適な入浴を可能
にするため、これらの窓にも断熱性、遮音性に優れた二
重サツシが用いられる傾向にある。

しかしながら、従来の二重サツシは単一の窓枠に引違い
障子を二重に建付けただけのもので、下枠の基板は室内
側端部から一連に室外方向に下り傾斜し、又は降段状に
形成されている。

二重サツシにおいては、外側の引違い障子が煤塵を含ん
だ雨の吹き付けにより汚れたり、下枠の室外側半分に塵
埃が付着、堆積し易い。

内側の引違い障子は室内側面に多少の塵、油煙等が付着
するが、汚れの程度は室外側部分よりもはるかに少ない
。

従って、従来の二重サツシでは、強風雨などにより、室
外側部分の汚れが室内側部分にまで移動侵入し、あるい
は室外側部分のみ清掃しようとすると、塵埃又は掃除水
が室内側部分に入り込み、清掃を容易迅速に行なうこと
ができず、結局、室内側部分まで一緒に掃除しなければ
ならない。

また、各別に枠組みした内・外部つのサツシを連結して
なる二重サツシが浴室以外の窓に用いられているが、従
来のこの種の二重サツシの下枠の連結部は雨仕舞いに劣
っているため、従来の二重サツシを浴室等に用いた場合
は、内側の引違い障子及び窓枠に生じた結露水又は清掃
のために障子にかけて流下した水又は下枠にかけた水が
内・外サツシの下枠の連結部から壁に浸透してしみ発生
、早期腐朽を起こさせる欠点があった。

この考案は上記欠点を除去した二重サツシを提供するこ
とを目的とする。

次に、この考案を図示の実施例について詳述する。

この考案に係る二重サツシは、外側の引違い障子ｄ１．
ｄ２を摺動自在に保持する外側サツシＡと、内側の引違
い障子Ｄ４．Ｄ５を摺動自在に保持する内側サツシＢと
を各別に枠組みしたのち、外側サツシは室外側から、内
側サツシは室内側がらそれぞれ、窓木枠１により構成さ
れた窓開口部２に嵌合し、外側サツシの室内側端部に設
けた連結縁ａと、内側サツシの室外側端部に設けた連結
縁すとをその間に断熱パツキンＰを介在させてビス２９
で結合してなるものである。

外側サツシＡの上部連結縁ａ１は、上枠Ａ１の、内障子
ｄ１の上端部を嵌合する案内溝３を形成する垂直縁４又
は窓木枠当接縁５の上端部から室内方向に突出され、下
部連結縁ａ２は下枠Ａ２の室内側端部に設けられた障壁
６の上端部がら室内方向に突出され、また縦部連結縁ａ
３は縦枠Ａ３の内障子戸当り溝７を形成する突縁８又は
窓木枠当接縁９から室内方向に突出されている。

また、外側サツシの下枠の基板１０は前記障壁６の下端
から室外方向に順次低くなる降段状に形成され、各段部
上面に前記障子ｄ１．ｄ２及び必要に応じて建付けられ
る網戸ｄ３を支持するレール１１，１２．１３が突設さ
れている。

各段部上面も室外方向にわずかに下り傾斜されていると
ともに、各レールの長手方向両端部が切欠されており、
これにより、外側サツシに建付けた引違い障子に沿って
流れた雨、又は下枠上面に降った雨が、基板１０の上面
に沿って速やかに室外方向に流れ易くなっている。

１４は障壁６の下方延長上に形成された支持脚であり、
１５は必要により付加された支持脚である。

外側サツシＡにはさらに室外側端部外周に共通の垂直面
に沿って延びる鍔状の取付縁１６が設けられており、室
外側から窓開口部に嵌合し、前記取付縁１６を窓木枠１
の室外側面に当接して針１７を打って、外側サツシを建
物に固定する。

内側サツシＢの上部連結縁ｂ１は上枠Ｂ１の、外障子ｄ
５の上端部を嵌合する案内溝１８を形成する垂直縁１９
の上端部から室外方向に突出され、下部連結縁ｂ２は下
枠Ｂ２の室外側端部に設けられた障壁２０の上端部から
室外方向に突出され、また、縦部連結縁ｂ３は縦枠Ｂ３
の基板２１の室外方向延長上に形成されている。

また、下枠の基板２２は障壁６の下部から室内方向に順
次低くなる降段状に形成されており、かつ、障子ｄ４．
ｄ５を支持するレール２３．２４の長手方向両端部が切
欠されており、これにより、内側の障子ｄ４．ｄ５及び
内側サツシに生じた結露水、又は内側サツシにかけた掃
除水が基板２２上面を室内方向に流れ易くしである。

内側サツシを構成する上、下枠Ｂ１．Ｂ２及び縦枠Ｂ３
の室内側端部には内装仕上げ壁Ｃ１，Ｃ２，Ｃ３が一体
に形成されている。

上部内装仕上げ壁Ｃ１は上枠の基板２５の室内側端部か
ら室内方向、上方、及び室外方向上向きに傾斜折曲され
た額部２６と、額部から垂直に上方に延びる取付縁２７
とを一体に有し、下部内装仕上げ壁Ｃ２は下枠の基板２
２の室内側端部から室内方向、下方向及び室外方向に概
略コ字状に折曲された額部２６′と垂直に延びる取付縁
２７′を一体に有し、また、縦部内装仕上げ壁Ｃ３は縦
枠Ｂ３の基板２１の室内方向延長上に折曲された額部２
６″のみを有する。

縦枠Ｂ３にはまた、基板２１の背後に、取付縁２７″が
設けられている。

そして、前記取付縁２７．２７’、２７”は共通の垂直
面上に鍔状に設けられている。

もつとも、上下の取付縁２７゜２７′は第１図に点線で
示すように、それぞれ上枠の基板２５、下枠の基板２２
に接続させてもよく、この場合は、内装仕上げ壁Ｃ１，
Ｃ２は、内障子ｄ４が窓木枠１の室内側面よりも室内側
に張出して支持されるいわゆる肉付はサツシの場合にお
いて、内側サツシの障子荷重に対する強度を補強する効
果を発揮する。

内側サツシＢは室内側から窓開口部２に嵌合し、前記各
連結縁ｂ１〜ｂ３をそれぞれ外側サツシの連結縁ａ１〜
ａ３と窓開口部中心と窓木枠とを結ぶ方向において重ね
合わせ、内側サツシの連結縁に固着した断熱パツキンＰ
を両速結縁の間に圧縮密着介在させるとともに、前記内
側サツシの各取付縁２７〜２７″を窓木枠の室内側面に
当接して、釘２８で内側サツシＢを固定し、さらに、そ
れぞれ重ね合わされた連結縁を、窓開口部内側からねじ
込まれるねじ２９によって連結しである。

上部連結縁ａｌ、ｂｌを連結するねじ２９及び縦部連結
縁ａ３．ｂ３を連結するねじ２９は、窓木枠１にまでね
じ込まれて、二重サツシを建物に固定する作用をもして
いる。

また、図示の例では、下部の連結縁は外側の連結縁が高
く、内側の連結縁を低くしであるが、この関係を逆にし
てもよい。

さらに、外側サツシの連結縁ａと内側サツシの連結縁す
との重合位置は、窓木枠１の室内側面がら室外側面まで
の距離に依存する。

そこで、同距離のわずかの変動にかかわらずに、両速結
縁ａ、ｌ）をねじ２９で連結することができるように、
窓開口部内側に存する連結縁のねじ挿通孔は室内外方向
に長い長孔とされている。

このようにして、外側サツシと内側サツシとを連結して
二重サツシを取付けた後に、外装材Ｗ１及び内装材Ｗ２
が施されるが、内装材Ｗ２は前記内装仕上げ壁Ｃ１〜Ｃ
３が窓木枠の室内側面より室内方向に突出しているので
、施工が容易にできるとともに、内装材の窓開口部内周
面が内装仕上げ壁により被覆されるので、窓まわりの外
観体裁が優れ、とくに、仕上げ壁の額部２６，２６’、
２６”が窓周囲に連続し、額縁を取付けたと同様の内装
保護、装飾の効果が得られる。

さらに、前記各連結縁は、適宜室内方向に幅を有するか
ら、周囲連結縁によって内側サツシと外側サツシ間に遊
び空間ｅが形成され、この空間を外側引速い障子の内障
子に設けである手掛は部３０の移動空間とすることがで
きる。

以上の実施例では内外サツシの下枠の基板１０゜２２が
階段状に傾斜しているが、平面状に傾斜している場合に
も、同様の作用効果が得られる。

上述のように、この考案によれば、外側サツシの下枠に
はその下枠の基板の室内側端部から立上がる障壁を設け
るとともに、その障壁の上端部に室内方向に延出する連
結縁を形成し、かつ、内側サツシの下枠にはその下枠の
基板の室外側端部から立上がる障壁を設けるとともに、
その障壁の上端部に室内方向に延出する連結縁を形成し
て、上記二つの連結縁の間に断熱パツキンを介在させて
両速結縁を結合するようにしたから、第１に、下枠の連
結部が非常に大きな強度を有することとなるため、開窓
時において強い風圧が内・外の引違い障子に加わったと
きは、外側の内障子ｄ１が外側サツシ下枠の障壁に竪固
に支持され、又は内側の外障子ｄ５が内側サツシ下枠の
障壁に竪固に支持され、これら障子ｄ１．ｄ５のレール
１１．２４又はこれらの障子の戸車の変形が防止される
。

第２に、下枠の連結部が内・外サツシの下枠の基板より
も十分に高い位置に位置されるので、この二重サツシが
浴室、台所等の結露量が多い窓又は水洗いをされる窓に
用いられても、連結部から窓台又は壁に水が浸透するお
それがなく、雨仕舞いに優れている。

第３に、外サツシの下枠の基板は前記障壁より室外方向
に下り傾斜され、内サツシの下枠の基板は前記障壁より
室内方向に下り傾斜されているので、障壁を境として汚
れの多い外側サツシと外側の引違い障子、及び汚れの比
較的少ない内側サツシと内側の引違い障子を、各別に清
掃することができ、しかも、下枠には外側サツシと内側
サツシの間において立上がる障壁が設けであるので、強
風雨時に外側に付着・堆積した塵埃、汚れた雨水が室内
側に容易に浸入することがないとともに、外側サツシ清
掃時の掃除水が室内側に入り込むこともなく、それぞれ
外側サツシの掃除水、並びに内側サツシの結露水及び掃
除水をそれぞれ円滑に屋外側に又は室内側に排除するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す縦断面図、第２図は
一方の縦枠のみを示す横断面図である。 Ａ・・・・・・外側サツシ、Ｂ・・・・・・内側サツシ
、ｄ１〜ｄ５・・・・・・障子、Ａ２．Ｂ２・・・・・
・下枠、１０．２２・・・・・・基板、６．２０・・・
・・・障壁、ａ１〜ａ３・・・・・・連結縁、ｂ１〜ｂ
３・・・・・・連結縁、Ｐ・・・・・・断熱パツキン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 各別に枠組みされた外側サツシと内側サツシとを、外側
   サツシの室内側端部に形成された連結縁と内側サツシの
   室外側端部に形成された連結縁とにおいてその間に断熱
   パツキンを介在させて、連結してなる二重サツシにおい
   て、 （イ）外側サツシの下枠にその基板の室内側端部から立
   上がる障壁を設けるとともに、その障壁の上端部に室内
   方向に延出する連結縁を設け、（ロ）内側サツシの下枠
   にその基板の室外側端部から立上がる障壁を設けるとと
   もに、その障壁の上端部に室外方向に延出する連結縁を
   設けて、（ハ）前記両下枠の連結縁の間に断熱パツキン
   を介在させてあり、 （ニ）前記外側サツシの下枠の基板は前記障壁から室外
   方向に下り傾斜され、前記内側サツシの下枠の基板は前
   記障壁から室内方向に下り傾斜されていることを特徴と
   する二重サツシ。