JPH0752945Y2 - 開口部両側の水切り構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家屋のはき出し開口部両端に配される側枠材
下端に、その側面の壁パネル下端の水切り板に連続した
水切り板を設けることによって、家屋の見映えと防水性
とを高めうる開口部両側の水切り構造に関する。

〔従来技術〕

近年、壁、床等をパネルを用いて形成するいわゆる乾式
工法の建築物が多用されている。

他方、家屋は雨水の侵入を防止するのが必須の要件であ
り、例えば布基礎上面との間に間隙を有して下端が取付
けられ家屋の１階部分の外壁をなす該パネルは、その下
端に布基礎から外に突出する水切り板を取付け、下端の
雨仕舞を行っている。しかしこのような外壁パネルが、
家屋の出入り口、とくに床面からゴミを直接はき出しう
るはき出し用の出入口の両側に立設されているときに
は、従来、第６図に例示するように、外壁パネルａの開
口部に向く側面に、開口部サッシ取付け用の側枠材ｄが
布基礎上面に近接して立設されるとともに、外壁パネル
ａの下端の水切り板ｂは、前記間隙ｅに沈めて、つまり
外壁パネルの外壁面より屋内側に偏位して取付けられ、
かつ水切り板ｂの開口部側の端縁は、該端縁に嵌着する
キャップｃで終端し、側枠材ｄには、水切りのための処
理が施されてはいなかった 〔考案が解決しようとする課題〕 しかしこのような従来の構造のものにあっては、側枠材
ｄの下端において水切り板が途切れて見映えに劣る他、
側枠材ｄと布基礎との間への雨水の侵入を防止しえず、
雨仕舞の効果に劣るものであった。

本考案は、側枠材の下端かつ外面に外壁パネルの下端と
上面が同高の欠落部を設けることを基本として、該欠落
部に水切り継ぎ板を固着させ、前記外壁パネルの水切り
板に連続させることを可能とし、これによって家屋の見
映えを向上しうるとともに側枠材と布基礎との間への雨
水の侵入を防止しうる開口部両側の水切り構造の提供を
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために本考案の開口部両側の水切り
構造は、家屋外壁のはき出し開口部に並んで配されかつ
布基礎に固定する固定金具の立片により前記布基礎上面
との間に間隙を有して下端が取付けられる外壁パネルの
前記開口部に向く側面に、開口部サッシを取付けできか
つ前記立片を嵌入する深溝を下面に具えることにより下
端が布基礎上面に近接する側枠材を配するとともに、前
記側枠材の下端かつ外面に前記外壁パネルの下端と上面
が同高の欠落部を設ける一方、垂下部と、その下端で布
基礎から外に突出する突出部とを有し布基礎に沿って配
される水切り板の前記垂下部を、前記間隙に沈めて取付
けるとともに、前記欠落部に取付く垂直な固定部の下端
に前記水切り板の突出部と断面略同形の張出し部を有す
る水切り継ぎ板を、前記水切り板に側部を重ねてかつ前
記固定部を欠落部に固着することにより取付けている。

〔作用〕

布基礎上面に間隙を有して下端が取付けられた外壁パネ
ルの開口部に向く側面に、下端が布基礎上面に近接する
側枠材を配するとともに、側枠材に欠落部を設け、該欠
落部に水切り継ぎ板を固着している。これにより側枠材
における布基礎との間の雨仕舞がされる。又外壁パネル
下端の前記間隙に沈められて固定された水切り板に、前
記水切り継ぎ板の側部を重ねることにより、両水切り板
を連続している。これにより外観を向上するとともに、
水切り板を布基礎屋外面の開口部に近接して連続させる
ことにより、さらに水切り効果を向上する。

〔実施例〕 以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

図において本考案の開口部両側の水切り構造は、外壁パ
ネル２が、家屋外壁Ａの出入り用のはき出し開口部３に
並んで配され、かつ布基礎４に固定する固定金具５によ
り該布基礎４上面Ｂとの間に間隙６を有して下端Ｃが取
付けられるとともに、前記外壁パネル２の開口部３に向
く側面Ｄに、開口部サッシＥを取付けでき、かつ下端Ｆ
を前記布基礎４上面Ｂに近接する側枠材７を配する。又
開口部両側の水切り構造は、該布基礎４に沿って配され
る水切り板９の垂下部10を前記間隙６に沈めて取付ける
とともに、前記側枠材７の下端Ｆかつ外面Ｇに設けられ
た欠落部12に固着する水切り継ぎ板13の側部Ｈを、前記
水切り板９に重ねている。

布基礎４は、地中のフーチング部30から立上がる立上げ
部31を有し、又前記開口部３に位置して踏台32が一体に
設けられる。又第１図に示すように、床形成用の床パネ
ルＰが、例えば布基礎４に固定される取付金具によって
配設される。

前記外壁パネル２は、上、下の枠材20の両側端を縦の枠
材21により連結した矩形の枠組の両面に面材22A、22Bを
添着し、前記下の枠材20には、第２図に詳示するよう
に、外側即ち屋外側の下端に欠切部23を形成するととも
に、前記面材22Aの下端は、欠切部23上面に整一させ
る。本例では、該欠切部23上端が外壁パネル２の前記下
端Ｃを形成する。又下の枠材20の下面には条溝24を設
け、かつ外壁パネル２は、布基礎４に仕上げモルタルを
介してボルト止めにより固定されたＬ字の前記固定金具
５の立片15上端が前記条溝24に嵌着することによって、
布基礎４上面Ｂとの間に前記間隙６を有して下端Ｃが支
持される。

他方、前記側枠材７は、前記外壁パネル２の縦の枠材21
と同巾を有した縦支材26の両面に面材27A、27Bを添着
し、該縦支材26の下面には、第３図に詳示するように、
深溝16を具えることにより、該側枠材７は、外壁パネル
２の前記開口部３に向く側面Ｄに当接しつつ、その下端
Ｆを前記布基礎４上面Ｂに近接して支持される。そし
て、側枠材７には、その開口部３側に、前記開口部サッ
シＥが布基礎４上面Ｂに沿って取付けられる。

又外面をなす面材27Aは、その下端を前記外壁パネル２
の下端Ｃと整一して添設され、これにより、該外壁パネ
ル２下端Ｃと上面Ｋが同高の前記欠落部12が形成され
る。そして欠落部12には、前記水切り継ぎ板13が固着さ
れ又外壁パネル２の前記欠切部23には水切り板９が固定
される。

水切り板９は例えばアルミニウム等の押出し形材であっ
て、前記欠切部23奥面に上部が固定される垂下部10の下
端に前記布基礎４の外に突出する突出部11を設ける。

前記垂下部10は、第４図に示すように前記奥面に釘着等
により固定される垂直な固着片40の下端に外方かつ水平
にのびる水平片41を介して垂下片42を設けており、又垂
下片42には、内向きの飾り用の凹部を形成している。な
お垂下片42は、前記欠落部12の外面より僅かに突出して
いる。

前記突出部11は、前記垂下片42の下縁から外方かつ斜め
下方に布基礎４の外、つまり屋外側上方にのびる庇片43
と該庇片43の外縁から垂下する前片44とからなる。又前
片44には水切り板９の下部を固定する支持部11Aを設け
る。

該支持部11Aは、前記前片44の内面中間高さから布基礎
４に向って水平にのびる基片45の内側に、布基礎４に釘
着等により固定される固定片49を設けかつ前片44と固定
片49との間に２つの内外の突片46、47を垂設している。

水切り板９は、その固着片40を欠切部23の奥面に釘着す
ることにより、前記間隙６に沈めて取付けられるととも
に、該水切り板９は、前記外壁パネル２の終端で途切れ
る。

前記水切り継ぎ板13は、本実施例では前記欠落部12に位
置して配される水切り継ぎ板本体13Aと、水切り板９側
に配され、該水切り板９と重なる連結カバー35と、開口
部３側に配される端部キャップ79とからなる。

前記水切り継ぎ板本体13Aは、前記欠落部12に釘着等に
より固定される垂直な固定部14の下端に張出し部17を有
してなり、該張出し部17は、前記水切り板９の突出部11
と断面略同形に形成され、庇片50と前片51と該前片51の
下端から内方かつ水平にのび布基礎４外面に当接する支
持部52とを具える。又固定部14の外面は、前記水切り板
９の垂下片41外面に整一するとともに、その巾は前記欠
落部12の外面に巾より小として、前記側枠材７の横巾に
応じて適宜スライドさせて固定される。

又水切り継ぎ板13は、前記した如く水切り板９側に、水
切り継ぎ板本体13Aの固定部14、張出し部17と、前記水
切り板９の垂下片42、突出部11とを連結する連結カバー
35を有している。

連結カバー35は、第４図に示すように該固定部14、垂下
片42、前記庇片50、43及び前片51、44の外面に接して折
曲がる、垂下片36とその下端の斜片37とその下端の垂片
39とを設けた例えば合成樹脂板の折曲げ体からなる。又
垂片39の下端には内向きの折返し片70を設けるととも
に、連結カバー35の内面には、該連結カバー35と直角に
突起片71を設けている。連結カバー35は、該突起片71の
水切り板９側かつ連結カバー35内面の前記側部Ｈを水切
り板９に重ねて、該水切り板９、固定部14、張出し部17
に接着剤を用いて接合される。又水切り継ぎ板本体13A
の開口部３側外面には、前記連結カバー35と同一断面に
形成され、垂片90、斜片91、前片92、折返し片93を有す
る端部キャップ79が接着される。前記端部キャップ79
は、その開口部３側端縁に目隠し用の隠蔽片94を設けて
いる。

本実施例では前記外壁パネル２の水切り板９と布基礎４
下方の受金具53との間には化粧板54を配し布基礎４の外
面を化粧している。

受金具53は、前記踏台32の両側の布基礎４下方位置に配
される。

又受金具53は、布基礎４の屋外面に釘着等により固定さ
れ上下にのびる固定片55に、屋外に突出する受部56を設
ける。受部56は前記固定片55に連なる水平な基片57の上
面に、前記水切り板９の支持部11Aに設ける各２つの突
片46、47と向き合う内外２つの突片59、60を立上げてい
る。

前記化粧板54は、横長矩形の板体であり、又化粧板54は
前記固定片55と外の突片60との間の長さと同巾、かつ上
面、下面には内の突片46、59に嵌合する条溝61、61が前
長に亘って凹設される。

なお化粧板54は、陶板、セラミック板及び表面を化粧仕
上げしたコンクリート板等の耐久性、耐火性、見映えに
優れる板材が利用される。

従って化粧板54は、外壁パネル２の水切り板９の突出部
11と、前記受金具53の受部56との間に、化粧板54の上下
の条溝61、61に内の突片46、59を夫々嵌合させることに
より布基礎４の屋外面を覆いつつ取付けでき屋外面を化
粧する。又従来のモルタル仕上げの工法に比して施工能
率が向上しかつ耐久性に優れる。

なお化粧板54の上、下面にはパッキン80を介在させると
ともに、踏台32両側の受金具53は、地面82内に埋着され
る。

又前記水切り継ぎ板13下方には、該化粧板54と整一して
モルタルが塗着され布基礎４の屋外面を覆っている。

〔考案の効果〕

このように本考案の開口部両側の水切り構造は、開口部
に並んで配される外壁パネル下端に固定された水切り板
を、開口部サッシが取付く側枠材下端に固着された水切
り継ぎ板と連続している。従って、水切り板を開口部近
傍位置まで延設でき見映えを向上するとともに、側枠材
下方に水切り継ぎ板を設けることによって、はき出し開
口部両側の側枠材と布基礎との間の雨仕舞を良好とし防
水性を高める。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図はその
外壁パネルの箇所で切断した縦断面図、第３図はその側
枠材の箇所で切断した縦断面図、第４〜５図はその分解
斜視図、第６図は従来構造を示す斜視図である。 ２……外壁パネル、３……開口部、４……布基礎、５…
…固定金具、６……間隙、７……側枠材、９……水切り
板、10……垂下部、12……欠落部、13……水切り継ぎ
板、14……固定部、Ｅ……開口部サッシ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】家屋外壁のはき出し開口部に並んで配され
   かつ布基礎に固定する固定金具の立片により前記布基礎
   上面との間に間隙を有して下端が取付けられる外壁パネ
   ルの前記開口部に向く側面に、開口部サッシを取付けで
   きかつ前記立片を嵌入する深溝を下面に具えることによ
   り下端が布基礎上面に近接する側枠材を配するととも
   に、前記側枠材の下端かつ外面に前記外壁パネルの下端
   と上面が同高の欠落部を設ける一方、垂下部と、その下
   端で布基礎から外に突出する突出部とを有し布基礎に沿
   って配される水切り板の前記垂下部を、前記間隙に沈め
   て取付けるとともに、前記欠落部に取付く垂直な固定部
   の下端に前記水切り板の突出部と断面略同形の張出し部
   を有する水切り継ぎ板を、前記水切り板に側部を重ねて
   かつ前記固定部を欠落部に固着することにより取付けて
   なる開口部両側の水切り構造。