JPH0336441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば自動車の内装部品を所定位置
に取付けるための内装部品の取付構造に関るもの
である。

〔従来技術及びその問題点〕

従来の内装部品の取付構造としては、例えば実
開昭55−27146号に開示のものがある。

即ち第７図に図示した様に、断面ｕ字状溝壁２
１を有するクリツプ２０に、溝壁２１の側部に設
置され内方かつ傾斜状に延出した爪２２が内装部
品に一体成形されている突起体２５を強制押圧し
て溝壁２１に挿着したときに前記突起体２５の外
面に係着して前記クリツプ２０を固定しその後パ
ネル板２６の穿設穴２７に前記一体化したクリツ
プ２０を挿入すれば、クリツプ２０の具備する外
方へ伸長した係合部２３が穿設穴２７の周縁２８
で係止し、更に溝壁２１の開放端で外方へ向け一
体で伸長したフランジ２４がパネル面に係着する
構成となつている。

しかし、このような構成によるときは内装部品
の突起体２５にクリツプ２０の溝壁２１を挿入
し、溝壁２１の有する爪２２のみによつて係止さ
れ、一方パネル板２６はばね２９の有する係合部
２３のみでそれぞれ独立して係止されているため
クリツプ２０の突起体２５に対する固着能力が弱
く、パネル板２６の穿設穴２７から離脱するとき
クリツプ２０が穿設穴２７に嵌着したままの状態
で突起体２５から離脱する場合がある。

またクリツプ２０の突起体２５に対する挿着方
法によつては取付精度に問題があり傾斜状あるい
は部分的に遊離状となるなど再使用の面からも問
題があつた。

上記の様な問題点を解決するために第８図に図
示の特開昭58−164454号が開示された。

即ち、金属製クリツプ３０は断面ｕ字状の溝壁
３１を有し、溝壁３１には開放端より外方に伸長
した一体形状のフランジ３２と中間部にあつて外
方に延出し突出部３４と係合部３５とを有するば
ね３３とより成り、内装部品に設置され前記クリ
ツプ３０の溝壁３１内に挿着するための突起４０
と、突起４０の両側に平行状に並列し前記フラン
ジ３２を係止するための係止部４２を有する脚４
１と、更に前記クリツプ３０を突起４０の側面か
ら摺動して挿着し所定位置で係止するための挿入
口４４が突起４０と直角方向に連設されたストツ
パー４３と共に形成された構成となつている。

そしてこれらを取付けるには、クリツプ３０の
溝壁３１を突起４０の側面から横方向に摺動して
ストツパー４３位置まで押圧挿着すれば、フラン
ジ３２が係止部４２内面に係止する。

その後パネル板３６の穿設穴３７にクリツプ３
０の底面部より押圧挿入すればばね３３の有する
突出部３４によつて固着される。

しかし、このような構成によるときは金属製ク
リツプ３０を突起４０の側面から横方向に摺動し
て挿着しなければならず、このために作業能力が
低下し量産加工性に無理があつた。

また金属製クリツプ３０の有するフランジ３２
を並列状の脚４１に形成された係止部４２に挿着
する構成であるために金型構造上複雑となり価格
上の不利を招来した。

更にストツパー４３の存在のため取付方向が規
制され内装部品の形状あるいは取付位置によつて
は不都合な場合が起つた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は斯る従来技術の問題点を有効に解決す
るために開発されたものであつて、断面ｕ字状の
溝壁と溝壁の中間部に設置されて車体パネル穴の
周縁に係着する係着部及びｕ字状溝壁の外方へ突
出して底部に結合している突出部を有するばねと
溝壁の開放端に設けられてｕ字状溝壁の内方へ相
互に曲折し、曲折した先端部が相互に当接する状
態になつている係止部とより成る取付部材と、内
装部品の裏面に立設され前記溝壁に挿入される所
定幅を有する受台とにより構成され、受台の底面
は受台を支承する側壁体により前記係止部を受容
する貫通空間を形成することにより、従来技術に
比し格段に高い取付効果を期待できるものを提供
することができた。

〔作用〕

依つて、本考案にあつては、断面ｕ字状の溝壁
の開放端にあつて溝壁内方へ相互に曲折した係止
部を内装部品に立設された受台底面の貫通空間に
強圧挿通する構成を採つたので、簡単な上下方向
からの摺動作用と係止作用による取付構造を得る
ことができた。

〔実施例〕

以下、本考案を図示する実施例に基づいて説明
する。

本考案になる自動車内装部品の取付構造は第１
図乃至第３図に図示するように取付部材１及び受
台１０とより成る。

即ち、取付部材１は金属薄板のばね材を断面ｕ
字状に曲折し第１図の様に溝壁２を形成する。

溝壁２には溝壁２の中間部に設置されて車体パ
ネル穴の周縁に係着する係着部６とｕ字状溝壁２
の外方へ突出して底部４に結合している突出部５
を共に連続して有するばね３と溝壁２の開放端に
設けられてｕ字状溝壁２の内方へ両端から相互に
曲折し、曲折した先端部８が相互に当接する状態
に近接して伸長している係止部７を有している。

なお、係止部７は、溝壁２の幅方向全体が伸長
していてもよく、また中間部のばね３の幅間隔だ
け削除された両端幅のみが伸長していてもよい
が、いずれにしても底部４方向に円曲し、溝壁２
間隔の中央部で先端部８が当接する状態になつて
いることが好ましい。

第４図は内装部品１４の概念図を示し、長尺状
の成形樹脂材より成り、裏面の所定位置には所定
間隔を保持した複数個の受台１０が一体成形され
ている。

受台１０は第３図に図示する様に、前記溝壁２
の幅間隔とほぼ同一幅を有する板状体より成り、
受台１０の両側は受台１０の幅間隔より広い幅を
有する側壁体１１を一体で成形している。

そして前記側壁体１１は拡幅部１１ａを形成す
ることが望ましい。

そして受台１０の底面１２は側壁体１１によつ
て貫通空間１３が形成され、この部分だけが浮上
つた状態となつている。

なお、第５図は取付部材１の他の実施例を示す
図で、本取付部材１ａの相違点は溝壁２ａの高さ
寸法がばね３ａ長さよりも短くなつていることで
ある。

次に作用について説明する。

上記した様に、第４図に示す内装部品１４の裏
面には一体成形された受台１０が複数個所定間隔
に配置されており、取付けに際しては先ず取付部
材１の係止部７を受台１０に対向させ、第６図Ａ
の様に押圧挿着すれば、係止部７は溝壁２内の上
方向に傾斜しているため挿着ガイドの役割を得て
先端部８が拡幅し受台１０を容易に受け入れるこ
とになる。

そして更に押圧すれば係止部７は拡幅した状態
のままで底面１２に至り、次いで貫通空間１３に
嵌着し、従来形状通りの縮幅された係止体７にも
どる。

そして先端部８はＢ図の様に当接状態となり、
これによつて取付部材１の反対方向への移動を阻
止することになる。

上記条件によりすべての受台１０に取付部材１
が取り付けられたあと穿設穴１６を有するパネル
板１５が取付部材１に対して挿入されることにな
る。

このときパネル１５は拡幅部１１ａに当接し、
内装部品１４と間隔を画成することができる。

なお、側壁体１１は取付部材１を挿着するとき
の導入路を示す作用を持つものである。

〔効果〕

以上、本考案は断面ｕ字状の溝壁と溝壁の中間
部に設置されて車体パネル穴の周縁に係着する係
着部及びｕ字状溝壁の外方へ突出して底部に結合
している突出部を有するばねと溝壁の開放端に設
けられてｕ字状溝壁の内方へ相互に曲折し、曲折
した先端部が相互に当接する状態に近接した係止
部を有する取付部材と、所定幅を有する受台とに
より成り、受台の底面には前記係止部を受容する
貫通空間を形成した構成を提供するものであり、
次のような効果を奏する。

(1) 取付部材を受台に挿着する際、受台には側壁
体が、取付部材には傾斜状の係止部がそれぞれ
形成されているので、取付工数が簡略化され
る。

(2) 取付部材は上下方向だけの摺動で取り付けら
れるので作業性がよく、また成形条件も簡略化
され、量産効果が高い。

(3) 係止部が曲折し、しかも受台の底面で受ける
構成を採用したので反対方向への脱落が起り得
ない。

(4) 係止部間の間隔拡縮により固定作用を与える
ので、節度感が高く、発生音により取付完了が
理解できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案になる内装部品の取
付構造を説明する図で、第１図は取付部材の正面
図、第２図は同斜視図、第３図は取付部材を挿着
する受台の斜視図、第４図は内装部品の部分概略
図、第５図は取付部材の他の実施例を示す正面
図、第６図のＡは取り付け途中の状態を示す正面
説明図、同Ｂは取り付け完成状態の正面説明図、
第７図乃至第８図は従来技術になるクリツプの組
付構造を示す斜視説明図である。 １……取付部材、２……溝壁、３……ばね、４
……底部、５……突出部、６……係着部、７……
係止部、８……先端部、１０……受台、１１……
側壁体、１２……底面、１３……貫通空間、１４
……内装部品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面ｕ字状の溝壁２と溝壁の中間部に設置され
   て車体パネル穴の周縁に係着する係着部６及びｕ
   字状溝壁の外方へ突出して底部４に結合している
   突出部５を有するばね３と溝壁の開放端に設けら
   れてｕ字状溝壁の内方へ相互に曲折し、曲折した
   先端部８が相互に当接する状態になつている係止
   部７とより成る取付部材１と、内装部品１４の裏
   面に立設され前記溝壁に挿入される所定幅を有す
   る受台１０とにより成り、受台１０の底面１２は
   受台を支承する側壁体１１により前記係止部を受
   容する貫通空間１３とで構成されていることを特
   徴とする自動車内装部品の取付構造。