JPH0336362B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、在来線の直上に更に高架構造物を構
築する施工方法に関するものである。

（従来技術とその問題点） 従来、営業線などの直上の高架構造物を構築す
る施工方法としては、在来線を跨いで移動可能な
作業構台を設け、この上に支保工、型枠を組み場
所打ちコンクリート打設により施工するか、また
は施工場所から離れた作業基地において製作され
たプレキヤスト部材を施工済の高架構造物上また
は沿道を利用して施工場所まで運搬し、大型クレ
ーンにて吊り上げ組立てるなどの方法が知られて
いる。

しかしこれらの施工方法では、場所打ちコンク
リーとで施工する場合には営業線直上で支保工お
よび型枠の組立て、解体、鉄筋組立、コンクリー
ト打設などの一連の繰返し作業となるため、運行
車輛に対する危険要因が多く、安全性の確保が難
しく、またプレキヤスト部材を用いた施工法では
プレキヤスト部材の長距離運搬および施工場所で
の重量物吊り上げ、移動などの作業において安全
性確保の対象範囲が広くなり、また場所打ちコン
クリート方法に較べてコスト高となる欠点があ
る。

（発明の目的） 本発明は、従来の施工方法の欠点を解決するも
のであり、在来線の直上に既設構造物を利用して
床版を組立て、これを順次送出し、門型架台を使
用して構築することにより、安全にして施工効率
のよい高架構造物構築の施工方法を提供するもの
である。

（発明の構成） 本発明は、在来営業路線を跨ぎ床版吊上げ装置
および床版移動用ガーダーの昇降引込み装置を備
えた路線に平行に敷設したレール上を走行する門
型架台を使用して、先ず前記路線の両側部に並行
して立設される支柱群に支えられた床版よりなる
第１ブロツクの構造物を構築したのちついで該構
造物上にて隣接する第２ブロツクの床版を築造す
るとともに第２ブロツクの支柱群を立設し、該支
柱群上に第１ブロツクに継合する床版移動用ガー
ダーを載置し、該ガーダー上にて前記床版を支柱
群上の所定位置まで移動し、前記門型架台にて床
版を吊上げたのち昇降引込み装置によりガーダー
を床版吊下げに支障のない位置まで移動し、床版
を吊下げ支柱群上に載架して第２ブロツクの構造
物を構築する工程を順次繰返して高架構造物を構
築することを特徴とする高架構造物の施工方法で
ある。

（発明の実施例） 本発明の一実施例は図面により説明すると、第
１図および第３図は施工方法を説明する側面図で
あり、第２図Ａ，Ｂは第１図のＡ−ＡおよびＢ−
Ｂより見た正面図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃは第３図Ｃ
−Ｃより見た正面図であり、施工順序を説明する
図面である。

先ず第１図、第２図Ａ，Ｂにおいて５は在来の
営業路線であり、鉄道または自動車道である。
１，１′は門型架台であり、本実施例にては２セ
ツト使用され、門型架台１，１′は路線５を跨ぎ
路線５の外側に平行に敷設されたレール２上に載
置されている。門型架台１，１′は、横桁３には
複数台の油圧シリンダにより作動する床版吊上げ
装置４を、脚柱３′には後述する床版移動用ガー
ダー１７をブラケツト６′上に収納する昇降引込
み装置６とを備えている。なお該昇降引込み装置
６は該床版移動用ガーダー１７を支柱１５上にて
支承調節する昇降ジヤツキ７と脚柱３′側に移動
させる引き込みジヤツキ８より構成されている。

先ず高架構造物構築の始点の位置に第１ブロツ
クの構造物１１が門型架台１，１′および其の他
のクレーンなどにより構築される。この第１ブロ
ツクの構造物１１は門型架台１，１′の跨間に路
線５の両側部に並行して一定間隔に立設される支
柱群１２およびこの支柱群１２の上面に築造載架
される床版１３よりなつている。

この第１ブロツクの構造物１１を基点として、
ついで路線５に沿い隣接する第２ブロツクの構造
物１４の支柱群１５が立設され、併行して第１ブ
ロツクの構造物１１上で第２ブロツクの構造物１
４の床版１６が築造される。

支柱群１５の立設および床版１６の築造に引続
き１対の床版移動用ガーダー１７が載架される。
該ガーダー１７は支柱群１５上に載架された昇降
引込装置６の昇降ジヤツキ７を介して支柱群１５
上に載置され、その後端部１８は第１ブロツクの
構造物１１の床版１３の先端に継合し、昇降ジヤ
ツキ７を調節して床版移動用ガーダー１７の上面
は床版１３の上面と同一平面に保たれ、脚柱３′
との間に転倒防止装置９が取付けられ床版移動用
ガーダー１７の垂直度が保たれる。ついで床版１
６は複数台の移動台車１９に載置され、第２ブロ
ツク側に牽引移動され、第３図の如く第２ブロツ
クの支柱群１５の所定位置まで運搬される。

床版１６の据付位置が確認されると、床版１６
は門型架台１，１′の床版吊上げ装置４により一
旦吊支され、（第４図Ａ参照）ついで前記の床版
移動用ガーダー１７は転倒防止装置９が取外され
昇降引込み装置６の引込みジヤツキ８により支柱
群１５および床版１３から外されて脚柱３′側に
引込まれ床版１６の吊下に支障がない門型架台
１，１′の脚柱３′のブラケツト６′上に預けられ
る。（第４図Ｂ参照）引続き第４図Ｃのように床
版１６は支柱群１５上に吊下げられ接合されて第
２ブロツクの構造物１４が完成する。

同様の方法により第３ブロツク、第４ブロツク
……の構造物を構築し、なお各高架構造物のブロ
ツク間は更に門型架台１，１′により連結桁２０
が順次連結され、連続した高架構造物が構築され
る。

（発明の効果） 以上説明した如く本発明の施工方法は、隣接す
る既設の構造物を利用し、床版を組立て、これを
床版移動用ガーダーを利用し所定の位置まで移動
し、設置する方法を採用しており、従つて場所打
ちコンクリートでありながらプレキヤストと同一
の効果を得ることができ、また設置のための大型
クレーン等は必要とせず、在来営業線の車輛往来
に何ら影響を及ぼさず、安全にして効率よく高架
構造物を構築できる施工方法である。なおこの施
工方法はコンクリート構造床版に止まらず鋼構造
縦通桁を有する床版に対しても適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の施工方法を説明する側面図、
第２図Ａ，Ｂは第１図のＡ−ＡおよびＢ−Ｂより
見た正面図、第３図は本発明の施工方法を説明す
る側面図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃは第３図のＣ−Ｃよ
り見た正面図であり、施工順序を説明する図面で
ある。 １，１′……門型架台、２……レール、３……
門型架台の横桁、３′……門型架台の脚柱、４…
…床版吊上げ装置、５……路線、６……昇降引込
み装置、６′……ブラケツト、７……昇降ジヤツ
キ、８……引込みジヤツキ、９……転倒防止装
置、１１……第１ブロツクの構造物、１２，１５
……支柱群、１３，１６……床版、１４……第２
ブロツクの構造物、１７……床版移動用ガーダ
ー、１９……移動台車、２０……連結桁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 在来営業路線を跨ぎ床版吊上げ装置および床
   版移動用ガーダーの昇降引込み装置を備えた路線
   に平行に敷設したレール上を走行する門型架台を
   使用して、先ず前記路線の両側部に並行して立設
   される支柱群に支えられた床版よりなる第１ブロ
   ツクの構造物を構築したのち該構造物上にて隣接
   する第２ブロツクの床版を築造するとともに第２
   ブロツクの支柱群を立設し、該支柱群上に第１ブ
   ロツクに継合する床版移動用ガーダーを載置し、
   該ガーダー上にて前記床版を支柱群上の所定位置
   まで移動し、前記門型架台にて床版を吊上げたの
   ち昇降引込み装置によりガーダーを床版吊下げに
   支障のない位置まで移動し、床版を吊下げ支柱群
   上に載架して第２ブロツクの構造物を構築する工
   程を順次繰返して高架構造物を構築することを特
   徴とする高架構造物の施工方法。