JPH0334345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ミツシヨンケース後部に耕耘装置を
備えた歩行型耕耘機における走行装置用変速レバ
ー、及び、耕耘装置用変速レバーの配置、連係構
造に関する。

〔従来の技術〕

前述の配置、連係構造の一例が、実開昭56−
163031号公報に開示されているが、これは走行装
置用変速レバーと耕耘装置用変速レバーの両者共
に、中間連動部材等を介して上方の操縦ハンドル
付近にまで延出し、この操縦ハンドル付近で両変
速レバーが互いに近接する位置に後進耕耘牽制機
構を設ける構造としていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

歩行型耕耘機における後進耕耘牽制機構とは、
機体後部の耕耘装置が作動している場合には後進
側に変速操作できないように、又、後進時には耕
耘装置を作動側に操作できないようにして機体後
方の操縦者の安全を確保する為の機構であるが、
この機構は走行装置用変速レバーと耕耘装置用変
速レバーの互いの動きを機械的に牽制する機構で
あるので、前述のように走行装置及び耕耘装置か
ら離れた位置に後進耕耘牽制機構を設けると、走
行装置及び耕耘装置の変速部での操作位置誤差が
走行装置用変速レバー及び耕耘装置用変速レバー
下手側で積算された状態で後進耕耘牽制機構が作
動することになる為、大きくなつた変速部での操
作位置誤差によつて後進耕耘牽制機構が正常に作
動しなくなるおそれがあつた。

ここで本考案の目的は歩行型耕耘機の後進耕耘
牽制機構が常に、正常に作動するように前記両変
速レバーの配置を変更改良することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴は、ミツシヨンケース後部に耕耘
装置を備えた歩行型耕耘機において、前記ミツシ
ヨンケースから耕耘装置上部の耕耘装置用変速レ
バー基部近傍を通つて走行装置用変速レバーを後
方に延出すると共に、前記耕耘装置用変速レバー
基部に後進耕耘牽制機構を設け、かつ、前記後進
耕耘牽制機構を覆うカバーに前記両変速レバーに
対する変速ガイド部を設けてあることにあり、そ
の作用及び効果は次のとおりである。

〔作用〕

前述のような構造とすれば、耕耘装置の変速部
近くに後進耕耘牽制機構が位置し、操作位置誤差
がほとんどない耕耘装置用変速レバー基部付近の
動きと走行装置用変速レバーの動きによつて後進
耕耘牽制機構が作動することになると共に、この
後進耕耘牽制機構は前記両変速レバーの変速ガイ
ド部を持つカバーによつて保護されることとな
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、耕耘装置用変速レバーか
らは操作位置誤差のほとんどない基部から動きを
取出して後進耕耘牽制機構が作動するように構成
したと同時に、カバーによつて枝、草等の後進耕
耘牽制機構への巻き付き等を防止することによつ
て後進耕耘牽制機構の稼動率が向上し、歩行型耕
耘機の安全性が向上した。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例である歩行型耕耘機につ
いて図面に基づいて説明する。

第５図に示すように、ミツシヨンケース１下部
に駆動自在に車輪２，２を軸支し、ミツシヨンケ
ース１から前方に延出したフレーム３にエンジン
４を塔載すると共に、機体後部にロータリ耕耘装
置５及び耕耘装置カバー６、機体上部に操縦ハン
ドル７を備えて歩行型耕耘機を構成している。

第３図に示すように、ミツシヨンケース１上部
からは、走行装置用変速レバー８をロータリ耕耘
装置５上部の耕耘装置用変速レバー９基部近傍を
通し後方に延出している。そしてこの耕耘装置用
変速レバー９基部に、この耕耘装置用変速レバー
９と前記走行装置用変速レバー８の両者の動きに
連動して作動する後進耕耘牽制機構１５を設ける
と共に、この後進耕耘牽制機構１５の前後及び上
部を覆うカバー１１に走行装置用変速レバー８及
び耕耘装置用変速レバー９に対する変速ガイド部
１６ａ，１６ｂを設けている。

次に、後進耕耘牽制機構１５及び走行装置用、
耕耘装置用の変速操作について詳述すると、第１
図及び第２図に示すように、ミツシヨンケース１
のブラケツト１７に後方へ向けて延出した走行装
置用変速レバー８を機体前後方向に摺動可能、及
び左右方向に回動可能に支持し、走行装置用変速
レバー８の先端に設けた操作アーム１８をミツシ
ヨンケース１上部から横方向に突出した２本の変
速操作軸１ａ，１ａに撰択係合させ、係合した変
速操作軸１ａをミツシヨンケース１から出退操作
することによつて前進３段（F₁，F₂，F₃）、後進
１段（Ｒ）の変速操作を行うのである。

前記カバー１１の天井部には第６図に示すよう
に、走行装置用の変動ガイド１６ａを開孔し、走
行装置用変速レバー８に設けた支標部８ｂを前記
変速ガイド部１６ａに係入して、操縦者が変速位
置を確認できるようにしている。ロータリ耕耘装
置５上部には耕耘装置用変速レバー９が縦軸芯
P₁周りに揺動自在に軸支されており、第７図に
示すように、カバー１１後面に開孔された耕耘装
置用の変速ガイド部１６ｂを通し斜後方に延出し
て、正転Ａ、逆転Ｂに切換変速可能に構成されて
いる。

第１図及び第２図に示すようにこの耕耘装置用
変速レバー９の支持ボス部に機体前後方向に長穴
１０ａを開孔した牽制板１０を取付けている。
又、この後進耕耘牽制機構１５を覆うカバー１１
の縦壁の横軸芯P₂周りに前記牽制板１０に対す
る接当部材１２を軸支しており、この構造につい
て詳述すると第４図に示すように前記牽制板１０
の長穴１０ａに係入する矩形板片１２ｄを有する
部材１２ａ、Ｌ字状部材１２ｂ、及び、後述する
走行装置用変速レバー８の押圧部材８ａより接当
押圧される部材１２ｃの３つの部材をボルト締め
固定して、前記横軸芯P₂周りに３者一体で回動
るように軸支して接当部材１２を構成している。
又、前記部材１２ｃ及びＬ字状部材１２ｂは長穴
を介してボルト締め固定できるようにして組付位
置の調整ができると共に、接当部材１２はつる巻
きバネ１３によつて上方揺動側に付勢され、か
つ、Ｌ字状のピン１４によつて上方への揺動を設
定位置で接当阻止されているのである。

後進位置での耕耘牽制は、前記耕耘装置用変速
レバー９の中立停止位置Ｎに操作し、牽制板１０
の長穴１０ａを接当部材１２の矩形板片１２ｄの
下方に位置させてから、前記走行装置用変速レバ
ー８を前方に押し操作し、後進位置Ｒ側へ揺動操
作すると、走行装置用変速レバー８の押圧部材８
ａが接当部材１２の上部を下方に接当押圧して矩
形板片１２ｄが長穴１０ａに係入されて、走行装
置用変速レバー８の後進位置Ｒ側への移行が許さ
れるのである。

以上のようにして、ロータリ耕耘装置５が中立
停止状態の場合にのみ、走行装置用変速レバー８
を後進位置Ｒへ変速操作できるのである。又、走
行装置用変速レバー８を後進位置Ｒへ変速操作し
てしまえば、矩形板片１２ｄが牽制板１０の長穴
１０ａに係入してしまつているので、この場合に
は耕耘装置用変速レバー９を正転位置Ａ又は逆転
位置Ｂに操作できないのである。

〔別実施例〕

記耕耘装置用変速レバー９としては、上記のよ
うに正逆転切換え用の他に、高低速の切換え用の
ものであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型耕耘機の実施例を示
し、第１図は後進耕耘牽制機構の平面図、第２図
は後進耕耘牽制機構の側面図、第３図は後進耕耘
牽制機構付近の概観斜視図、第４図は接当部材の
分解斜視図、第５図は農用トラクタの全体側面
図、第６図は走行装置用変速レバーの変速ガイド
部、第７図は耕耘装置用変速レバーの変速ガイド
部である。 １……ミツシヨンケース、５……耕耘装置、８
……走行装置用変速レバー、９…耕耘装置用変速
レバー、１１……カバー、１５……後進耕耘牽制
機構、１６ａ，１６ｂ……変速ガイド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミツシヨンケース１後部に耕耘装置５を備えた
   歩行型耕耘機であつて、前記ミツシヨンケース１
   から耕耘装置５上部の耕耘装置用変速レバー９基
   部近傍を通つて走行装置用変速レバー８を後方に
   延出すると共に、前記耕耘装置用変速レバー９基
   部に後進耕耘牽制機構１５を設け、かつ、前記後
   進耕耘牽制機構１５を覆うカバー１１に前記両変
   速レバー８，９に対する変速ガイド部１６ａ，１
   ６ｂを設けてある歩行型耕耘機。