JPH0333298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧用パフを収納できるようにした
コンパクトケースに関する。

〔従来技術〕 一般に、コンパクトケースは化粧料充填皿が嵌
合されたケース本体と、該ケース本体の上側を覆
うようにして該ケース本体に回動可能に設けられ
た蓋体とから構成されている。そして、該ケース
本体内には化粧料充填皿の上側に位置して化粧料
を塗布するための化粧用パフを収容するようにな
つている。しかし、該パフを化粧料と直接接触さ
せた状態で収容した場合には、パフに付着した雑
菌によつて化粧料の表面が汚染されたり、該表面
にパフの臭が移つたりすることがあり、また、化
粧料の表面が削られて粉状になつた化粧料がコン
パクトケース内に飛散してしまうことがある。

このため、従来、化粧料の表面をほぼ全面的に
覆う合成樹脂製薄板からなる保護シートを化粧料
とパフとの間に介装したり、ケース本体と別体の
パフ収納ケースを該ケース本体に対し回動可能或
いは摺動可能に付設したコンパクトケースが提供
されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前述した従来技術のうち保護シートを
用いる方法は、ケース本体と保護シートが別体に
なつているため、化粧の度に化粧料の表面から保
護シートを取り除いて鏡台等の上に移しておき、
化粧終了後は再び保護シートを化粧料の上に載置
しなければならず、保護シートの取扱いが面倒で
あるし、保護シートが汚れたり紛失してしまうと
いう欠点がある。

一方、ケース本体に別体のパフ収納ケースを付
設する方法では、コンパクトケース全体が厚くな
るという欠点や、部品点数が多くなつて製造費が
嵩むという欠点がある。

本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、本考案が解決しようとする問題点は、
コンパクトケースを大型化したり部品点数を増や
したりすることなく、化粧用パフを確実に収納で
き、しかも容易に取扱うことができるようにする
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した問題点を解決するために、本考案によ
るコンパクトケースは、化粧料充填皿が嵌合され
る底部と該底部の上部側に前面部及び左，右側面
部によつて区画されたパフ収納部とが一体成型さ
れ、該パフ収納部の後端側が切欠部となつたケー
ス本体と、該ケース本体の上面側を覆う平板状の
蓋体と、該蓋体と一体成型され、施蓋時に前記ケ
ース本体の後端側の切欠部を閉塞するように該蓋
体の後端内側に形成された後板部と該後板部から
該蓋体の前端側に向けてほぼ平行に形成された挟
持板部とからなる略Ｌ字状のパフ挟持板と、該パ
フ挟持板と前記蓋体の内面との間に手前と左，右
が開口するように形成され、挿入されたパフを挟
持するパフ挟持部と、前記パフ挟持板の後端側を
前記ケース本体の左，右側板に回動可能に支持す
る支持ピンとからなり、前記蓋体を施蓋したとき
には前記パフ挟持部に挟持されたパフを前記パフ
収納部内に収納するように構成したことにある。

〔作用〕

このように構成することにより、蓋体とパフ挟
持板は一体成型されているから、全体としてはケ
ース本体との２部材によつて構成でき、しかも蓋
体は平板状でパフ挟持部は手前側と左，右側が開
口しているから、パフの出入れが容易である。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳述す
る。

図において、１はコンパクトケース、２は該コ
ンパクトケース１のケース本体で、該ケース本体
２は厚肉の底部３、前面部４、左，右側面部５，
５によつて底部３の上部側がパフ収納部２Ａにな
り、後面側が開口した方形容器状に成型されてい
る。そして、該底部３上面３Ａには円皿状に形成
され、内部にはメイクアツプ化粧料６が充填され
た化粧料充填皿７が嵌合されており、また、該上
面３Ａ後端には左，右側面部５，５に向けて湾曲
状の切欠部８が形成されている。

９は後述のパフ挟持板１１を介して前記ケース
本体２の後部側に回動可能に支持された蓋体で、
該蓋体９はケース本体２の上側を全面的に覆う平
板体からなつている。そして、該蓋体９の内面９
Ａには円形の鏡体１０が該内面９Ａと同一平面を
なすように埋設されている。

１１は前記蓋体９内面９Ａとの間に手前側と
左，右側が開口したパフ挟持部１２を形成するた
めに該蓋体９の内面９Ａ後端から前端側に向けて
略Ｌ字状に、かつ、該蓋体９と一体成型により突
出形成されたパフ挟持板を示す。パフ挟持板１１
は化粧用パフＡの厚さとほぼ同じ横幅を有し、施
蓋時にはケース本体２の後側開口を閉塞するよう
になつた後板部１１Ａと、パフＡの直径の約３分
の１の高さを有して該後板部１１Ａの先端から蓋
体９の前端側に向けてほぼ平行に延出し、上端縁
には鏡体１０の輪郭に沿つた湾曲状の切欠部１３
が形成された挾持板部１１Ｂとからなつており、
該パフ挟持板１１は後端角隅においてケース本体
２の左，右側面部５，５に支持ピン１４を介して
回動可能に支持されている。

なお、図中１５は前記蓋体９をケース本体２に
開閉可能に係止するために該蓋体９の前端中央に
突出形成した係止片で、該係止片１５はケース本
体２の前面部４中央に凹設した係合凹部１６に嵌
合係止するようになつている。

本実施例によるコンパクトケース１は上述の如
く構成されており、化粧用パフＡは非使用時に
は、蓋体９内面９Ａとパフ挟持板１１とによつて
パフ挟持部１２内に挟持されている。そして、蓋
体９をケース本体２の上側に施蓋した時には、化
粧用パフＡはパフ挟持板１１の挟持板部１１Ｂに
よつて支えられた状態でケース本体２のパフ収納
部２Ａ内に収納されており、化粧料６の表面から
は若干離間した非接触状態に支持されている。

一方、化粧料６の使用時に蓋体９を開蓋する
と、パフ挟持部１２内のパフＡは該蓋体９と共に
回転し、ケース本体２に対して立上つた状態にな
るから、パフ挟持部１２から突出している化粧用
パフＡの任意の箇所を把んで容易に取出すことが
できる。また、蓋体９は平面状に形成され、該蓋
体９とパフ挟持板１１との間に左，右の両側が開
口したパフ挟持部１２を画成しているから、パフ
Ａはパフ挟持部１２の手前側または左，右側のい
ずれの空間からも簡単に出入れすることができ、
かつパフＡを出入れするときの損傷も防止でき
る。さらに、蓋体９に設けた鏡体１０は蓋体９の
内面９Ａと同一平面をなすように埋設してあるか
ら、パフ挟持部１２から化粧用パフＡを取出す場
合や収納する場合に、該鏡体１０によつて挿脱が
円滑にいかなかつたり、パフＡが損傷を受けるの
を防止できる。

なお、本実施例ではパフ挟持板１１の挟持板部
１１Ｂは化粧用パフＡの直径の約３分の１の高さ
を有するものとして述べたが、鏡体１０の輪郭に
沿つた湾曲状切欠部１３を形成する限り、該挟持
板部１１Ｂの高さをパフＡの直径の半分の長さに
定めてもよく、要はパフＡの直径を考慮して該パ
フＡが出し入れし易いように挟持板部１１Ｂの高
さを定めればよい。

〔考案の効果〕 以上詳述した如く構成される本考案によれば、
パフ挟持部を形成する蓋体とパフ挟持板は一体に
成形したから、部品点数の減少と組立作業の能率
向上を図ることができる。また、化粧用パフはパ
フ挟持部内に挿入して保持するようにしたから、
コンパクトケースの携帯中に該パフが化粧料の表
面に接触して該表面を汚染したり、損傷するのを
防止できる。さらに、蓋体を平板状に形成し、該
蓋体の内面側にこれと平行にパフ挟持板を一体成
型し、パフを収納すべき手前と左，右開口のパフ
挟持部を形成したから、該パフ挟持部にパフを収
納しまたは取出すとき、当該パフは手前側や左，
右側の空間から簡単に出入れすることができ、操
作性が良好で、出入れ時のパフの損傷も防止しう
る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るコンパクトケ
ースの外観斜視図、第２図は第１図中の−矢
示方向断面図である。 ２……ケース本体、２Ａ……パフ収納部、７…
…化粧料充填皿、９……蓋体、１１……パフ挟持
板、１２……パフ挟持部、Ａ……パフ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料充填皿７が嵌合される底部３と該底部３
   の上部側に前面部４及び左，右側面部５，５によ
   つて区画されたパフ収納部２Ａとが一体成型さ
   れ、該パフ収納部２Ａの後端側が切欠部８となつ
   たケース本体２と、該ケース本体２の上面側を覆
   う平板状の蓋体９と、該蓋体９と一体成型され、
   施蓋時に前記ケース本体２の後端側の切欠部８を
   閉塞するように該蓋体９の後端内側に形成された
   後板部１１Ａと該後板部１１Ａから該蓋体９の前
   端側に向けてほぼ平行に形成された挟持板部１１
   Ｂとからなる略Ｌ字状のパフ挟持板１１と、該パ
   フ挟持板１１と前記蓋体９の内面９Ａとの間に手
   前と左，右が開口するように形成され、挿入され
   たパフを挟持するパフ挟持部１２と、前記パフ挟
   持板１１の後端側を前記ケース本体２の左，右側
   板５，５に回動可能に支持する支持ピン１４とか
   らなり、前記蓋体９を施蓋したときには前記パフ
   挟持部１２に挟持されたパフを前記パフ収納部２
   Ａ内に収納するように構成してなるコンパクトケ
   ース。