JPH0233689Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンパクト容器に関するものであり、
特に化粧料を充容した中皿の交換時における離
脱、装着を容易に、しかも充容した化粧料を損傷
することなく行うことができるカートリツジタイ
プのコンパクト容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、カートリツジタイプのコンパクト容器
は、実開昭59−193303号公報、実開昭58−104106
号公報、実開昭57−129510号公報等に記載されて
いる。

前記実開昭59−193303号公報に記載されたコン
パクト容器は、容器本体の中皿収納部に、中皿を
嵌入し、この中皿の前部壁体の下部を係合突子で
係止し、後部壁体を弾性板で係止したものであ
る。

前記実開昭58−104106号公報に記載されたコン
パクト容器は、容器本体の底板に立設した立上り
係合片の内側に中皿を嵌入し、中皿の外周部に設
けた垂れ下がり係合片の係合突子を、前記立上り
係合片の係合突子に係止したものである。

前記実開昭57−129510号公報に記載されたコン
パクト容器は、容器本体内に緩衝溝を設けた緩衝
体を嵌入し、この緩衝体内に化粧料を収容した中
皿の前後の壁体を嵌入して止着したものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来のコンパクト容器は、係合突子や弾性
体、或は撓むことのできる緩衝体を設けて中皿を
収納し止着するように形成したので、中皿の交換
が容易であり便利である。

ところで、最近はコンパクト容器を携帯し易く
するため、コンパクト容器の容器本体や中皿を薄
肉に形成して軽量化することが行なわれている。

そして、中皿等を薄肉に形成すると、前記従来
のコンパクト容器は、中皿の前部壁体と後部壁体
の係合突子を設けた部分や弾性体で係止する部
分、或は、緩衝体等を同時に撓めて中皿を前記中
皿収納部に嵌入するので、中皿の嵌入操作が難し
く、かつ、中皿に大きな力が加わり、中皿内に収
容した固形化した粉末化粧料を損傷する虞れがあ
る。

本考案は前記事項に鑑みなされたものであり、
容器本体に中皿を嵌合するとき、容易に嵌入で
き、かつ、中皿に大きな力が加わらず、固形化し
た粉末化粧料が損傷しないコンパクト容器とする
ことを技術的課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は底板１の周囲に左右の側板２，３と、
前後の側板４，５を設けて容器体６を形成し、前
記左右の側板２，３間に、前記底板１より立設し
た立上り係合片８を設け、この立上り係合片８に
よつて、前記容器体６の後側を中皿収納部９に形
成すると共に、前側を塗布具収納部１０に形成
し、そして、前記立上り係合片８の上部外面に
は、係合突起７を設け、前記後側板５の上部内面
には、突条１３を突設し、さらに、前記中皿収納
部９には、中皿１１を嵌入し、この中皿１１の前
部壁体１４の上部外側には、指掛片１５を設け、
この指掛片１５には、係合突子１６を設けた垂下
がり係合片１７を設け、そして、前記中皿１１
は、後部壁体１２の上部外面より前部壁体１４の
上部外面までの長さが、前記中皿収納部９の後側
板５の上部内面より立上り係合片８の上部内面ま
での長さより短く形成して、前記中皿収納部９の
前後方向の内面と、中皿１１の前後方向の外面間
に、上部が幅広に形成されたテーパー状の間隙１
８を形成し、さらに、前記中皿１１は、後部壁体
１２の上縁を前記突条１３の下側に挿入すると共
に、前記垂下がり係合片１７の係合突子１６を、
前記立上り係合片８の係合突起７に係止してコン
パクト容器とした。

〔作用〕

本考案は、中皿１１の前部壁体１４側を容器体
６の立上り係合片８の上方に位置させ、中皿１１
の後部壁体１２側を中皿収納部９内に挿入し、前
記後部壁体１２の上縁を、前記中皿収納部９の後
側板５の上部内面に突設した突条１３の下側に挿
入し、次に、中皿１１の前部壁体１４側を降下さ
せると、中皿収納部９と中皿１１の間には、上部
が幅広に形成されたテーパー状の間隙１８が形成
されているので、中皿１１は強く圧迫されること
なく中皿収納部９内に納まり、立上り係合片８の
係合突起７に、垂下がり係合片１７の係合突子１
６が係止される。そして、中皿１１の後部壁体１
２の上縁は、突条１３により脱出を抑止される。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例の説
明用の図であり、第１図は平面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線
断面図である。

この実施例のコンパクト容器は、底板１の周囲
に左右の側板２，３と、前後の側板４，５を設け
て容器体６を形成し、前記左右の側板２，３間に
前記底板１より立設した可撓性を有する立上り係
合片８を設け、この立上り係合片８によつて前記
容器体６の後側を中皿収納部９に形成すると共
に、前側を塗布具収納部１０に形成し、そして、
前記立上り係合片８の上部外面には、係合突起７
を設け、前記後側板５の上部内面には突条１３を
突設してある。

さらに、前記中皿収納部９には、中皿１１を嵌
入し、この中皿１１の前部外側には、指掛片１５
を設け、この指掛片１５には、係合突子１６を設
けた垂れ下がり係合片１７を設け、そして、前記
中皿収納部１１の後側板５の内側には、上部が深
くなるように形成されたテーパー状の凹部を設
け、前記中皿１１の後部壁体１２の上部外面より
前部壁体１４の上部外面までの長さが、前記中皿
収納部９の後側板５の上部内面より立上り係合片
８の上部内面までの長さよりも短かくなるように
形成して前記中皿収納部９の前後方向の内面と、
前記中皿１１の前後方向の外面間に、上部が幅広
に形成されたテーパー状の間隙１８を形成してあ
る。

さらに、前記中皿１１は、後部壁体１２の上縁
を、前記突条１３の下側に挿入すると共に、前記
垂下がり係合片１７の係合突子１６を、前記立上
り係合片８の係合突起７に係止してある。

また、符号１９は容器体６の後側板５に形成し
た蓋体取付軸支持片、２０は塗布具収納部１０の
底板１に必要に応じて形成する通気孔、２１は立
上り係合片８の両側に底板１より形成した隔壁、
２２は立上り係合片８の両側に形成した切欠部
で、立上り係合片８に可撓性を与えるものであ
る。

前記のように構成した本考案は化粧料を充容し
た中皿１１を斜め上方より中皿収納部９に後部よ
り挿入し、中皿１１の後部壁体１２の外側を容器
体６の後側板５の内面に形成した突条１３の下側
のテーパー状間隙１８内に嵌入し、次で中皿１１
の前部壁体１４の中央部を圧下すると、立上り係
合片８の係合突起７と垂下がり係合片１７の係合
突子１６との当接により垂下がり係合片１７を前
方に湾曲し係合突起７を乗り越えて係合突起７の
下部に位置し、係合突起７と係合突子１６とは係
合し、容器体６の中皿収納部９より中皿１１の自
由脱出を防止するものであり、中皿１１を中皿収
納部９より取出すときは、指掛片１５の前端縁を
摘み上方に持ち上げ指掛片１５を上方に湾曲し、
垂下がり係合片１７の下端を前方に移動すると、
垂下がり係合片１７の下端の係合突子１６と立上
り係合片８の上端の係合突起７との係合は解か
れ、さらに指掛片１５を持ち上げ、中皿１１の底
部前端の偶角部を立上り係合片８の先端より離脱
したとき前方に引張り中皿１１の後部壁体１２を
突条１３の下面より引抜くことによつて中皿１１
を中皿収納部９より離脱することができるもので
ある。

本考案は前記したように、化粧料を充容した中
皿１１を容器体６の中皿収納部９に装着するに当
たつて中皿１１の前部壁体１４の上面を圧下する
とき、あるいは指掛片１５を摘み持ち上げて中皿
１１を中皿収納部９より離脱するとき、指掛片１
５と垂下がり係合片１７の可撓性によつて中皿１
１特に中皿１１の前部壁体１４と後部壁体１２の
上部に外力が殆んど加えられないかから、中皿１
１の特に開口部付近に変形を生ずることなく、中
皿１１に充容した化粧料の特に表面に損傷を与え
ることのないものである。

第４図に示す別の実施例について説明する。

第４図は部分断面図であり、容器体６の後側板
５の内面にテーパー状凹部を形成する代わりに中
皿１１の後部壁体１２の外面に上部を前方に傾斜
したテーパー状凹部１８を形成したものであり、
前記実施例と同一符号は同一部位を示すものであ
り、前記実施例と同様な作用効果を有するもので
ある。

第５図、第６図、第７図、第８図に示す他の実
施例について説明する。

第５図は平面図、第６図は第５図Ｅ−Ｅ線断面
図、第７図は第５図Ｆ−Ｆ線断面図、第８図は第
５図Ｇ−Ｇ線断面図であり、底板１の周囲に左右
の側板２，３と前後の側板４，５を形成した容器
体６の左右の側板２，３間に底板１より先端に係
合突起７を有し可撓性を有する複数の立上り係合
片８を形成し、立上り係合片８によつて容器体６
に中皿収納部９とパフの如き塗布具を収納する塗
布具収納部１０を形成し、中皿収納部９内に着脱
可能に形成した中皿１１の後部壁体１２の上面と
容器体６の後側板５の上面より前方に突出形成し
た突条１３の下面とを当接して容器体６の後側板
５と中皿１１の後部壁体１２とを離脱可能に係合
し、中皿１１の前部壁体１４の外側上面に可撓性
を有する指掛片１５を形成し、指掛片１５の下端
面に、立上り係合片８の係合突起７と離脱可能に
係合する係合突子１６を有する可撓性の複数の垂
下がり係合片１７を形成してなるものであり図中
１８は複数の立上り係合片８の後面を前方に傾斜
して形成したテーパー状間隙、１９は容器体６の
後側板５に形成した蓋取付軸支持片、２０は塗布
具収納部１０の底板１に必要に応じて形成する通
気孔、２２は複数の立上り係合片８の両側に形成
した切欠部で、立上り係合片８に可撓性を与える
ものです。

前記のように構成した本考案は前記実施例と同
様に、中皿１１を中皿収納部９内に装着すると
き、あるいは中皿１１を中皿収納部より離脱する
ときに、中皿１１の前部壁体１４の下端の隅角部
と複数の立上り係合片８の上部後面と当接すると
き、複数の立上り係合片８の可撓性と後面のテー
パー状間隙１８とによつて前方に僅かに湾曲し、
隅角部を僅かに押圧し、中皿１１の後部壁体１２
の上部を容器体６の後側板５に僅かに押圧する程
度であり、中皿１１の後部壁体１２を変形するこ
となく、中皿１１内の化粧料の表面に損傷を生じ
ないものであり、前記実施例の作用効果と同様な
作用効果を有するものである。

〔考案の効果〕

本考案は中皿収納部９の後側板５の上部内面に
突条１３を突設し、中皿収納部９と中皿１１の間
には、上部が幅広に形成されたテーパー状の間隙
１８を形成したので、中皿１１を中皿収納部９内
に収納するとき、中皿１１に力を加わえることな
く、中皿１１の後部壁体１２を、前記後側板５の
前記突条１３の下側に挿入し、その後で、中皿１
１の前部壁体１４を、中皿収納部９内に嵌入でき
るものであり、係止時に中皿１１を撓める係止突
子も、前部壁体１４側にのみ設けられているの
で、中皿１１に大きな力を加わえずに係止でき、
中皿１１の嵌合の操作が容易であり、かつ、中皿
１１に固形化した粉末化粧料を収容しても、化粧
料を損傷する虞れが少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
第１図のＡ−Ａ線の断面図、第３図は第１図のＢ
−Ｂ線の断面図、第４図は別の実施例の部分断面
図、第５図は他の実施例の平面図、第６図は第５
図Ｅ−Ｅ線の断面図、第７図は第５図のＦ−Ｆ線
の断面図、第８図は第５図のＧ−Ｇ線の断面図。 １……底板、２……左側板、３……右側板、４
……前側板、５……後側板、６……容器体、７…
…係合突起、８……立上り係合片、９……中皿収
納部、１０……塗布具収納部、１１……中皿、１
２……後部壁体、１３……突条、１４……前部壁
体、１５……指掛片、１６……係合突子、１７…
…垂下がり係合片、１８……テーパー状間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板１の周囲に左右の側板２，３と、前後の側
   板４，５を設けて容器体６を形成し、前記左右の
   側板２，３間に、前記底板１より立設した立上り
   係合片８を設け、この立上り係合片８によつて、
   前記容器体６の後側を中皿収納部９に形成すると
   共に、前側を塗布具収納部１０に形成し、そし
   て、前記立上り係合片８の上部外面には、係合突
   起７を設け、前記後側板５の上部内面には、突条
   １３を突設し、さらに、前記中皿収納部９には、
   中皿１１を嵌入し、この中皿１１の前部壁体１４
   の上部外側には、指掛片１５を設け、この指掛片
   １５には、係合突子１６を設けた垂下がり係合片
   １７を設け、そして、前記中皿１１は、後部壁体
   １２の上部外面より前部壁体１４の上部外面まで
   の長さが、前記中皿収納部９の後側板５の上部内
   面より立上り係合片８の上部内面までの長さより
   短く形成して、前記中皿収納部９の前後方向の内
   面と、中皿１１の前後方向の外面間に、上部が幅
   広に形成されたテーパー状の間隙１８を形成し、
   さらに、前記中皿１１は、後部壁体１２の上縁を
   前記突条１３の下側に挿入すると共に、前記垂下
   がり係合片１７の係合突子１６を、前記立上り係
   合片８の係合突起７に係止したコンパクト容器。