JPH0448730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案はコンパクト容器に関するものであり、
より詳しくは化粧料収納部と化粧具収納凹所とを
有する容器本体と容器本体の周縁の一部を残して
容器本体を閉蓋する蓋体とをこれらの後縁部にお
いて蝶着してなるコンパクト容器に関するもので
ある。

《従来の技術》 従来、化粧料収納部と化粧具収納凹所とを有す
る容器本体と蓋体とをこれらの後縁部において開
閉自在に蝶着してなるコンパクト容器において
は、これに収納される化粧具の柄の部分が把持し
やすいような肉厚となつており、蓋体を閉止した
時にこの化粧具の柄の部分が蓋体と容器本体の間
に形成される中空部に収まるようにするため、蓋
体を閉止した状態でのコンパクト容器全体の肉厚
が大きくなつている。

さらに容器本体の化粧具収納凹所には化粧具を
取り出しやすいように指を差し込むためのスペー
スを設ける必要があつた。

また、前記コンパクト容器では蓋体を閉止した
状態において蓋体と容器本体は、蓋体前方部から
垂下した爪片内面に形成された係合突起と容器本
体前端縁部の切欠凹所奥面に形成された係合突起
により係合しており、蓋体を開放する時は容器本
体の前記切欠凹所内に指を差し込んで蓋体を押し
上げるか、又は前記切欠凹所内に押圧片を組み込
み、押圧片を押すことにより係合を解除してい
た。

《考案が解決しようとする問題点》 前記のようなコンパクト容器においては、蓋体
閉止時にその全体が肉厚となり携帯性に欠けると
ころがある。また、容器本体の化粧具収納凹所の
スペースも必要以上にとらねばならず、それだけ
化粧料の収納部が小さくなる。

さらに蓋体の閉止解除に関しては、容器本体前
端縁部の切欠凹所に指を差し込んで係合を解除す
る場合に指先に大きな力を必要とし、押圧片を前
記切欠凹所内に組み込み場合には生産コストがか
かるという欠点がある。

本考案の目的は、以上の欠点を解決すべく、蓋
体閉止時におけるコンパクト容器全体の肉厚が薄
く携帯性に優れ、容器本体の化粧具収納凹所のス
ペースを必要以上にとることもなく、化粧料収納
部を有効に使用でき、しかも収納された化粧具は
従来と変わりなく把持しやすく、また蓋体と容器
本体の係合解除が小さい力でも簡単にでき生産コ
スト面においても優れた薄形のコンパクト容器を
提供することにある。

《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するために本考案では化粧料収
納部と化粧具収納凹所とを有する容器本体と該容
器本体の周縁の少なくとも一部を残して該容器本
体を閉蓋する蓋体とをこれらの後縁部において開
閉自在に蝶着してなるコンパクト容器において、
該化粧具収納凹所の底面の一部を穿設して底面開
口を形成し、該底面開口に対向する該蓋体の一部
を切欠して切欠開口を形成し、該化粧具収納凹所
には肉厚柄部と肉薄柄部とを有する化粧具を収納
するようにしてなり、該蓋体を該容器本体に対し
て閉止した状態において該化粧具の該肉厚柄部の
下面が該底面開口から露出するとともに該化粧具
の該肉厚柄部の上面が該切欠開口から露出し、こ
の露出した該肉厚柄部の下面を指先で突き上げる
と該化粧具の該肉薄柄部の上面が該蓋体を押し上
げて該蓋体の閉止を解除するようにしてなるので
ある。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について添附図面
を参照にして説明する。

第１図は、本考案に係る薄形コンパクト容器の
蓋体を開放し、化粧具を取り出した状態を示す。

第１図において１は容器本体を示し、容器本体
１には後縁部を除く周縁を残すようにして凹部２
が広く浅く形成され、そこに化粧料収納部３，化
粧具収納凹所４が形成されるとともに鏡５が接着
されている。そしてこの容器本体１の後縁部には
蓋体６がピン７を介して開閉自在に蝶着されてい
る。

化粧具収納凹所４の底面の一部は穿設され、長
方形の底面開口８となつており、肉厚柄部９ａと
肉薄柄部９ｂから成る化粧筆９を収納するように
してなり、さらに化粧具収納凹所４の奥内壁に切
欠凹所１０を形成し、その奥面に第１の係合突起
１１を形成してなる。

蓋体６の底面開口８に対向する位置に底面開口
８と同形・同面積の切欠開口１２を形成し、蓋体
６の内面には爪片１３を垂下するとともに爪片１
３の内面に第２の係合突起１４を形成し、蓋体６
を閉じた時にこの爪片１３が切欠凹所１０に入
り、第２の係合突起１４と第１の係合突起１１が
係合して蓋体６は容器本体１に対して閉止位置を
占めるようになる。

この蓋体６を閉じる前には、予め化粧筆９を化
粧具収納凹所４内に収納し、この時肉厚柄部９ａ
が底面開口８側に位置するようにする。そして、
この肉厚柄部９ａの肉厚は容器本体１の肉厚と略
同一に形成されている。

蓋体６の外寸は容器本体１の外寸より小さく、
第２図に示すように、蓋体６の閉止位置において
蓋体６は容器本体１の後縁部を除く周縁を残すよ
うにして閉蓋し、また蓋体６の切欠開口１２から
は化粧筆９の肉厚柄部９ａの上面が露出し、蓋体
６の表面，容器本体１の周縁および切欠開口１２
より露出している化粧筆９の肉厚柄部９ａの上面
は同一平面となる。

このような閉止位置においては、第３図に示す
ように第１の係合突起１１と第２の係合突起１４
は、化粧具収納凹所４に収納されている化粧筆９
の肉薄柄部９ｂに近接した内方で係合しており、
化粧筆９は第４図で示すように肉薄柄部９ｂの下
面が化粧具収納凹所４の底面に当接するととも
に、上面は蓋体６内面に当接し、肉厚柄部９ａの
下面は底面開口８より露出し、上面は切欠開口１
２より露出してなる。

このような蓋体６の閉止位置からこれを開放す
るためには、例えば左手で容器本体１の両側縁部
を挟むようにして持ち、右手の親指で容器本体１
の底面開口８より露出している化粧筆９の肉厚柄
部９ａの下面を突き上げると、第５図に示したよ
うに、化粧筆９の肉薄柄部９ｂの上面が肉薄柄部
９ｂの下面先端を支点として蓋体６に作用して蓋
体６を押し上げ、第１の係合突起１１と第２の係
合突起１４の係合を解除し、蓋体６の閉止を解除
する。

《効果》 以上のように、本考案に係る薄形コンパクト容
器によれば、収納された化粧具肉厚柄部の上面お
よび下面が蓋体に形成された切欠開口および化粧
具収納凹所に形成された底面開口より露出してな
るため、化粧具柄部が従来のように把持しやすい
肉厚であつても、化粧具を収納し蓋体を閉止した
時、全体の肉厚が小さくなり携帯性に優れたもの
となる。蓋体の閉止解除は前記底面開口より露出
している化粧具の肉厚柄部を突き上げることによ
り、小さい力でも簡単にでき、そのため押圧片を
組み込む必要もないので生産コスト面においても
優れたものとなつている。また化粧具は、前記底
面開口より露出している化粧具の肉厚柄部を指で
突き上げ、取り出すことができるので化粧具収納
凹所に化粧具を取り出すために指を差し込むスペ
ースをとる必要もなくなり、化粧料収納部を有効
に使用できるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る薄形コンパクト容器の蓋
体を開放し化粧具を取り出した状態を示す斜視
図、第２図は蓋体を閉止した状態における斜視
図、第３図は蓋体を閉止した状態における前後方
向縦断面図、第４図は蓋体を閉止した状態の左右
方向縦断面図、第５図は第４図に示す状態より、
化粧具の肉厚柄部の下面を上へ突き上げ蓋体の閉
止を解除した状態の左右方向縦断面図である。 １……容器本体、４……化粧具収納凹所、６…
…蓋体、８……底面開口、９……化粧具、９ａ…
…化粧具肉厚柄部、９ｂ……化粧具肉薄柄部、１
２……切欠開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料収納部と化粧具収納凹所とを有する容器
   本体と該容器本体の周縁の少なくとも一部を残し
   て該容器本体を閉蓋する蓋体とをこれらの後縁部
   において開閉自在に蝶着してなるコンパクト容器
   において、該化粧具収納凹所の底面の一部を穿設
   して底面開口を形成し、該底面開口に対向する該
   蓋体の一部を切欠して切欠開口を形成し、該化粧
   具収納凹所には肉厚柄部と肉薄柄部とを有する化
   粧具を収納するようにしてなり、該蓋体を該容器
   本体に対して閉止した状態において該化粧具の該
   肉厚柄部の下面が該底面開口から露出するととも
   に該化粧具の該肉厚柄部の上面が該切欠開口から
   露出し、この露出した該肉厚柄部の下面を指先で
   突き上げると該化粧具の該肉薄柄部の上面が該蓋
   体を押し上げて該蓋体の閉止を解除するようにし
   てなることを特徴とする薄形コンパクト容器。