JPH0333210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、左右後車輪間に運転座席が配設され
ているとともに、牽引作業装置に対するローリン
グ制御機構が設けられている農用トラクタに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、ローリング制御機構付農用トラクタにお
いては、ローリング制御を行うための電気回路を
内装したケースと、ローリング制御を起動させる
スイツチ、制御の設定変更を行うダイヤル等を備
えたケースとを有するものが存在し、このように
２つのケースを有するものでは、電気回路を内装
したケースを運転座席の下方位置等に配置し、ダ
イヤル等を備えたケースを、作業者の手許の近傍
位置となるフエンダーの上面に配置することも多
い。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前述のように２つのケースを分離して
配置する場合には、２つのケースを電気的に接続
するコード類の寸法が大きくなり、電気的ノイズ
を拾つて誤作動の原因になることもあり、特に、
コード類にカプラーが介装されているものでは、
車体の振動等によりカプラーの接点で電気的ノイ
ズを発生させやすいことから改善の余地がある。

又、ダイヤル等を備えたケースをフエンダーの
上面に配置したものでは、作業者が車体後方を振
り返る際等に、作業者の腕や肘が、ダイヤル等に
触れるばかりで無く、ケースそのものに触れるこ
ともあり、意志に反してダイヤルが操作された
り、作業者に不快感を与えることもあり、この点
も改善の余地がある。

本考案の目的は、ノイズに起因する誤作動を生
じ難く、作業時には誤操作を生じ難く、しかも、
作業者に不快感を与え難い構造のローリング制御
機構を合理的に得る点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、左右後車輪間に運転座席が配
設されているとともに、牽引作業装置に対するロ
ーリング制御機構が設けられている農用トラクタ
において、前記左右後車輪に対するフエンダーを
平坦な上壁材と、この上壁材の前部から前方下方
に傾斜する前壁材とで構成し、又、その前部上面
に人為操作部を備えて前記ローリング制御機構の
電気回路部を内装するケースを構成すると共に、
前記前壁材の上部に開口を形成し、この開口を介
して露出する前記人為操作部が、前記上壁材の上
面レベルより下方となり、しかも、フエンダー内
において上壁材と隣接するよう、ケースの配置位
置を設定して成る点にあり、その作用、及び、効
果は次の通りである。

〔作用〕

上記特徴を例えば第２図に示すように構成する
と、ダイヤル、スイツチ等を備えた人為操作部Ｂ
が、ローリング制御用の電気回路部Ａを収めるケ
ース１５に対して一体的に形成されるので、人為
操作部Ｂと電気回路部Ａとを接続するコード類の
寸法が極めて小さくなり、又、このコード類がケ
ース１５に収められているので、カプラーは不要
となり、しかも、外部からのノイズはケース１５
を透過する際に減衰することになる。

又、人為操作部Ｂがフエンダー１Ａの上壁材１
ｔの上面レベルより下方に位置させてあるので、
フエンダー１Ａの上面を滑らかな状態に維持で
き、しかも、作業者が車体の後方を振り返る際に
も、腕や肘がスイツチ、ダイヤル等に接触し難い
ものとなる。

〔考案の効果〕

従つて、ローリング制御時には、ノイズに起因
する誤作動を生じ難く、作業時には誤操作を生じ
難く、しかも、作業者に不快感を与え難い構造の
ローリング制御機構が合理的に構成されたのであ
る。

特に、本考案では、本来デツドスペースである
フエンダー内部にケースを配置するので、運転座
席近傍等にケース配置用の空間を特別に確保する
必要が無く、しかも、ケースが単一なのでケース
の取付けに手間が掛からないという効果も奏す
る。

〔実施例〕

以下、本考案構成の実施例を図面に基づいて説
明する。

左右後車輪１，１間に運転座席２が配設されて
いるとともに、左右一対のロアーリンク３，３と
トツプリンク４とを介して昇降並びにローリング
自在に装着させた牽引作業装置５に対する昇降制
御機構とローリング制御機構とが設けられている
農用トラクタであつて、これは、前記ロアーリン
ク３，３の対応するものに夫々、リフトロツド
６，６を介して連結していて、油圧シリンダ７を
介して上下に揺動させられることにより、ロアー
リンク３，３を上下に揺動させる。つまり、牽引
作業装置５を昇降する左右一対のリフトアーム
８，８を有する。

前記リフトロツド６，６のうち、一方のもの
は、前記左右のロアーリンク３，３を相対上下揺
動させて牽引作業装置５をローリングさせるべく
油圧シリンダ９を介して伸縮並びに固定自在に構
成されている。尚、前記ローリング用油圧シリン
ダ９は、リフトロツド６の一部を兼用構成するも
のである。

前記ローリング制御機構は、手動スイツチ１０
の操作に基づいて牽引作用装置５をローリングさ
せる手動ローリング制御状態と前記手動スイツチ
１０操作に基づくローリングを優先させる状態
で、農用トラクタの対地左右傾斜を検出する第１
センサ１１と、農用トラクタに対する牽引作業装
置５の左右傾斜を検出する第２センサ１２との検
出結果に基づいて、牽引作業装置５の対地左右傾
斜姿勢が設定範囲内に維持されるように牽引作業
装置５を自動的にローリングさせる自動ローリン
グ制御状態とに切替自在に構成されている。

前記第１センサ１１は水準器利用のものであ
り、第２センサ１２は、リフトロツド６の長さを
もつて傾斜を検出するものである。

前記ローリング制御機構の電気制御回路部Ａ
は、板金製の下部ケース本体１３と合成樹脂製の
上部蓋体１４とから成るケース１５に内装されて
おり、前記回路部Ａに対する人為操作部、つま
り、手動スイツチ１０と手動・自動切替ダイヤル
１６及び傾斜姿勢設定ダイヤル１７とを備えた人
為操作部Ｂは、前記ケース１５の前部上面に備え
られている。

又、前記左右の後車輪１，１に対するフエンダ
ー１Ａ，１Ａは夫々とも平坦な上壁材１ｔと、こ
の上壁材１ｔの前部から前方下方に傾斜する前壁
材１ｆとで成り、この前壁材１ｆの上部に形成し
た開口に対してフエンダー内方から前記人為操作
部Ｂを挿通させる状態で、かつ、上壁材１ｔの下
面に隣接する位置にケース１５を配置すること
で、人為操作部Ｂを上壁材１ｔの上面レベルより
少し下方に位置させている。

尚、ケース１５はフエンダー１Ａに対してビス
１８‥を介して取付けてあり、ケース本体１３と
蓋体１４とは複数のネジ１９‥を介してフランジ
接合され、前壁材１ｆとケース１５との間には塩
化ビニール製のモール２０でシールされている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るローリング制御機構付農用
トラクタの実施例を示し、第１図は要部の斜視
図、第２図は要部の一部切欠き拡大側面図、第３
図は第２図での−線断面図、第４図は第２図
での−線矢視図である。 １……後車輪、１Ａ……フエンダー、１ｆ……
前壁材、１ｆ……上壁材、２……運転座席、５…
…牽引作業装置、１１，１２……センサ、１３…
…下部ケース本体、１４……上部蓋体、１５……
ケース、Ｂ……人為操作部、Ａ……電気制御回路
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 左右後車輪１，１間に運転座席２が配設され
   ているとともに、牽引作業装置５に対するロー
   リング制御機構が設けられている農用トラクタ
   において、前記左右後車輪１，１に対するフエ
   ンダー１Ａ，１Ａを平坦な上壁材１ｔと、この
   上壁材１ｔの前部から前方下方に傾斜する前壁
   材１ｆとで構成し、又、その前部上面に人為操
   作部Ｂを備えて前記ローリング制御機構の電気
   回路部Ａを内装するケース１５を構成すると共
   に、前記前壁材１ｆの上部に開口を形成し、こ
   の開口を介して露出する前記人為操作部Ｂが、
   前記上壁材１ｔの上面レベルより下方となり、
   しかも、フエンダー内において上壁材１ｔと隣
   接するよう、ケース１５の配置位置を設定して
   成るローリング制御機構付農用トラクタ。 ２ 前記ローリング制御機構が、農用トラクタの
   対地左右傾斜を検出するセンサ１１と、農用ト
   ラクタに対する牽引作業装置５の左右傾斜を検
   出するセンサ１２との検出結果に基づいて前記
   牽引作業装置５の対地左右傾斜姿勢が設定範囲
   内に維持されるように牽引作業装置５を自動ロ
   ーリング制御する機構である実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載のローリング制御機構付農
   用トラクタ。 ３ 前記ケース１５が、板金製の下部ケース本体
   １３と合成樹脂製の上部蓋体１４とから構成さ
   れたものである実用新案登録請求の範囲第１項
   又は第２項に記載のローリング制御機構付農用
   トラクタ。