JPH0333089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、前面開口の箱体の開口部に取付ける
前面パネルに、音響機器の表示部、操作部を装着
したブロツクを一体化して成る音響機器用ケース
に関する。

（従来の技術） 一般に、アンプ、チユーナ、テープデツキ、グ
ラフイツクイコライザー等の音響機器の回路部を
収納し、表示部等を装着するために、種々の音響
機器用ケースが提案されており、その一例とし
て、前面側が開口する扁平な直方体形状の箱体
と、該箱体の前面開口部を塞ぐと共に、前記表示
部、操作部を取付ける前面パネルとにより構成す
るようにしたものがある。

従来、上記音響機器用ケースへの表示部、操作
部の取付構造としては、例えば、第５図に示すよ
うに、箱体１の下側シヤーシ２と上側カバー３と
を合せた状態における前面開口部１ａに装着する
前面パネル４に、表示部、操作部を取付けてい
る。この前面パネル４は、開口部１ａの前面側に
位置する例えばアルミニウム合金等により成るフ
ロントパネル５と、該フロントパネル５の後面部
に重ね合せ状態で一体化される例えばABS樹脂
等より成る飾り部材としてのエスカツシヨン６と
により構成され、該エスカツシヨンには表示操作
部としてのツマミ（図示せず）等を保持するブロ
ツク７が取付けられる。前記ブロツク７の上端面
には係止溝７ａが形成され、該係止溝７ａをフロ
ントパネル５の後面に長手状に突出した挾持片５
ａに形成した係止片５ｂ，５ｂを係合させてか
ら、ブロツク７の下端側の両側をねじ８，８によ
りエスカツシヨン６に螺着して、前面パネル４に
一体化している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、ブロツク７をエスカツシヨン６
に取付けるときには、ブロツク７をエスカツシヨ
ン７に宛がい、ねじ孔を合せてねじ８を締付けな
ければならないため組付時間がかかり、さらに、
これを量産ライン内で行なうと作業が粗雑になり
易く、そのためにガタツキが発生するという問題
点があつた。

本考案は、以上の問題点に鑑みてなされたもの
で、品質を低下させることなく量産性を向上させ
ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決し、目的を達成するための
手段として、表示部、操作部を装着したブロツク
の上部に下向きに向けて設けた舌片を、フロント
パネルの上端に沿つて箱体方向に突出形成した突
出片に穿設した溝孔に挿通させるとともに、前記
ブロツクの下端に穿設した係止溝に、前記フロン
トパネル後面に一体化されたエスカツシヨンの下
端面に沿つて箱体方向に突出し、かつ先端側を下
方に折曲された弾性係止片を係合させて、前記前
面パネルにブロツクを一体化したものである。

（作用） 以上の構成とすると次のように作用する。

まず、フロントパネルの上端に沿つて箱体方向
に突出形成した突出片に穿設した溝孔に、ブロツ
クに下向きに向けて設けた舌片を挿入させること
によりブロツクの前後方向の係止を行なわせ、ブ
ロツクの下端に穿設した係止溝にエスカツシヨン
の弾性係止片を係合させることによりブロツクの
上下方向の係止を行なわせることによりブロツク
は前後上下から前面パネルに係止され一体化され
る。

（実施例） つぎに、本考案の実施例を第１図ないし第４図
を用いて説明する。

前面パネル９は、フロントパネル１０にエスカ
ツシヨン１１を重ね合せて一体化させてなるもの
であつて、フロントパネル１０の上下端部に沿つ
て後方に突出成形された突出部１０ａ，１０ｂの
それぞれに穿設されている孔１０ｃ…（下側の突
出部１０ｂの孔は図示せず）にエスカツシヨン１
１の係合爪１１ａを係合させて取付けられてい
る。

フロントパネル１０の上部の突出部１０ａに
は、突出片１２…が形成されており、該突出片１
２…には溝孔１２ａ…が穿設されている。また、
エスカツシヨン１１の下部には後方に突出し、か
つ先端側が下方に折曲された弾性係止片１３…が
形成されている。

一方、図示しない表示部、操作部を装着された
ブロツク１４の上部には、前記突出片１２…の溝
孔１２ａ…に対応する位置に下向きに向けて舌片
１５…が設けられており、下方には、前記弾性係
止片１３…が係合可能な係止溝１６が穿設されて
いる。

以上の構成において、ブロツク１４を前面パネ
ル９に取付ける場合、まず、ブロツク１４の上部
の舌片１５…をフロントパネル１０の溝孔１２ａ
…に挿入させ、ブロツク１４を突出片１２を上方
に撓ませて持ち上げ、ブロツク１４の前面とエス
カツシヨン１１の後面とを当接させる。そしてそ
の状態でブロツク１４を下降させて、弾性係止片
１３を撓ませ下側突出部１０ｂの上面まで押し込
む。（第３図参照） こうしてブロツクが押し込まれると、弾性係止
片１３が復元しブロツク１４の係止溝に係合する
とともに、下側突出部１０ｂに設けられている凸
部１０ｄとエスカツシヨンの下端１１ｂとでなる
凹部１７に嵌められることになる。そして、第４
図で示すように、ブロツク１４は上部で舌片１５
が溝孔１２ａに挿入され前後方向の係止が行なわ
れ、下部で、係止溝１６に弾性係止片１３の先端
を係止させ上下方向に係止が行なわれることとな
り、さらにブロツク１４の下部はフロントパネル
１０の下側突出部１０ｂの凸部１０ｄにより前後
方向にも係止される。

このようにしてブロツク１４は前面パネル９に
ワンタツチで強固に取付けることができる。

（考案の効果） 本考案は、以上詳細に説明したように、ブロツ
クの舌片をフロントパネルの溝孔に挿入させて、
前後方向の係止を行ない、ブロツクの係止溝にエ
スカツシヨンの弾性係止片を係合させて上下方向
の係止を行なわせることにより、ねじ等の他の部
品を使うことなく容易に、かつ強固にブロツクを
前面パネルに取付け一体化することができる。

そのため、量産ラインにおいて組付ける場合に
おいても品質を低下させることなく量産性を向上
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例でブロツクを前面パ
ネルに取付ける前の分解斜視図、第２図は、ブロ
ツクの組付け状態を示す拡大斜視図、第３図は、
ブロツクの組付け途中の状態を示す縦断面図、第
４図は、組付け後の縦断面図、第５図は、従来の
ブロツクと前面パネルの組付け手段を示す分解斜
視図である。 ９……前面パネル、１０……フロントパネル、
１１……エスカツシヨン、１２……突出片、１３
……弾性係止片、１４……ブロツク、１５……舌
片、１６……係止溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 音響機器の回路部を収納し、下側シヤーシに上
   側カバーを被せて一体化した前面開口の箱体と、
   前記箱体の前面開口部を塞ぐと共に、フロントパ
   ネル及びエスカツシヨンを重ね合せ一体化して音
   響機器の表示部、操作部を取付ける前面パネル
   と、から成る音響機器用ケースにおいて、 前記表示部、操作部を装着したブロツクの上部
   に下向きに向けて設けた舌片を、フロントパネル
   の上端に沿つて箱体方向に突出形成した突出片に
   穿設した溝孔に挿通させるとともに、前記ブロツ
   クの下端に穿設した係止溝に、前記フロントパネ
   ル後面に一体化されたエスカツシヨンの下端面に
   沿つて箱体方向に突出し、かつ先端側を下方に折
   曲された弾性係止片を係合させて、前記前面パネ
   ルにブロツクを一体化したことを特徴とする音響
   機器用ケース。