JPH0329429B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は前記特許請求の範囲第１項の上位概念
に記載されたミシン用緊締装置に関する。

〔従来の技術〕

ホース状の材料を緊締しかつ案内するためのミ
シン用緊締装置は、例えばドイツ連邦共和国特許
出願公告第1072871号明細書によつて既に公知と
なつている。この装置は、ホース状材料の開口縁
を緊締し案内する作業を容易ならしめる補助装置
として用いられる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ドイツ連邦共和国特許出願公告第2514794号明
細書によれば、緊締された材料縁を自動的に案内
する試みが提案されている。この装置において
は、案内面外壁の特殊な形態により、材料縁の均
等な経過曲面を得る努力ななされている。確か
に、この装置は手で材料を案内する作業を不要な
らしめてはいるものの、縫い工程開始に先立つて
時間のかかる材料緊締および案内工程を必要と
し、これが当該装置を不経済なものにしている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2730291号明
細書（特開昭54−14857号公報）によれば、縫い
位置に対して生地縁を調整するため、、アクチブ
な制御位置を有する装置が公知となつている。こ
の装置においては、縫い工程開始前に作業員が材
料縁を正確に調整する必要がないので、材料の緊
締にはあまり時間を要さない。然しこの場合材料
の緊締後には、材料縁を縫い位置に対し調整する
ため、通常何回も材料を空回転させなければなら
ない。従つて緊締作業で短縮された時間も、その
後の工程で相殺されることになる。

本出願人は上記公知技術を改良すべく新規な構
成のミシン用緊締および自動調整装置を既に開発
し特公昭64−1155号に記載した。この発明の課題
は、従来の形式の装置に改良を加えて調整機能を
改善し、ひいては材料開口縁の自動位置調整作業
を迅速に行なわせることである。

上記先願発明によれば緊締部材に加えて、縫い
方向に対し横方向に作用する被制御調整部材を配
置することによつて、材料縁を縫い方向に対し横
方向で強力に摺動させることが可能ならしめら
れ、これによつて目標位置への材料送り並びにこ
の位置がずれた場合の後修正が極めて短い間隔で
行なわれる。この場合、緊締部の周りに環状に配
置された回動可能な調整部材の利点として、該部
材は縫い方向に対する各横方向で制御なしに作用
可能であり、材料の全巻付き角度に亘つて有効で
あり、比較的容易に制御されうることが挙げられ
る。

調整部材は回動する緊締部の周りに位置固定的
に配置可能であるが、これが緊締部と共に回動す
る場合に完全に機能を発揮する。緊締部は自由回
転しうるように支承可能であり、ミシンの送りに
より材料を介して駆動される。然し有利には、緊
締部と調整部材とがそれぞれ一つの駆動装置と結
合されていて、この場合調整部材は緊締部と共に
回動する。

上記先願発明において、該緊締部材と調整部材
の各々はそれ自体を回転させる駆動源を備え、更
に加工材料縁部の緊締部材送り方向に関して横方
向の位置決めを監視し検知する光源と光電子素子
等の手段を設けており、この監視・検知手段は各
駆動源に連結されて緊締部材および位置調整部材
の相対回転速度を制御するが、かかる監視・検知
手段の構成・作用は本発明の主題外でありその詳
細は前記特公昭64−1155号に記述されている。

上記先願発明は前記公知技術の諸問題点を解決
したのであるが、縫製作業に不可避である糸屑そ
の他の塵埃環境における緊締・調整部材およびそ
の駆動機構に対する防塵効果において未だ問題を
残した。

〔問題を解決するための手段〕

本発明は前記特公昭64−1155号に開示された加
工材料緊締および自動位置調整装置の下記の構成
による改良に関し、いかなる塵埃充満環境におい
ても長期間使用できる防塵型加工材料緊締位置調
整装置を提供するものである。

ホース状または筒状の材料を受容しかつ縫おう
とする材料開口縁を縫い位置に対して自動的に調
整して送るミシン用緊締装置において、該材料の
送り方向に一般に直交する方向に伸びる軸の周り
を回転するように配置された、少なくとも２個の
円筒形回転体であつて、該材料の開口縁をループ
状に保持しながら支持かつ移動する緊締部材、該
緊締部材の少なくとも一個と共軸的に配置され、
該材料の開口縁の位置において該材料と接触し、
多数の環状に配列された歯車からなる調整部材で
あつて該多数の歯車の各々の面が該緊締部材の回
転方向と直交する方向に環状をなして配列され該
環状列全体の直径が、上記円筒形回転体緊締部材
の直径より大に形成された調整部材、該調整部材
を構成する歯車それぞれに回転運動を与えて、該
材料の開口縁を、該緊締部材の回転方向と直交す
る横方向に移動させる駆動モータ、および該歯車
に与える回転運動を、該開口縁に対して横方向の
移動の監視および制御下に調整し、それにより該
材料開口縁の、縫製送り方向に対して横方向の移
動を実施するセンサー手段からなる装置におい
て、上記調整部材を駆動するモータ１６および上
記緊締部材を上記軸周りに回転させる駆動モータ
１７が、緊締部材内部に同軸的に位置して配置さ
れ、一方のモータ１６の軸が調整部材７と歯車係
合の状態にあり、そして他方のモータ１７の軸２
２が固定筒状スリーブ２と非回転的に結合されて
いることを特徴とする緊締装置。

実施例 本発明は回動可能な緊締部および材料位置調整
部材からなる。

より特定的にはこのコンパクトな組立体は固定
筒状スリーブ２を含み、該スリーブ２はボルト４
を備えてミシン本体との強固な連結を容易にして
いる。

本発明における材料位置調整部材は管状駆動軸
１の自由端に位置し、この材料位置調整装置の一
部を形成する部材として有孔フランジ５があり、
これは該管状駆動軸１上に回転可能に取り付けら
れている。該管状駆動軸１は固定筒状スリーブ２
内に軸受３により回転可能に支持され、第２の有
孔フランジ６が上記有孔フランジ５にねじ８によ
り固着されている。一連の歯車７が上記第１と第
２の有孔フランジ５，６の衝合面間に環状に、ピ
ンまたは軸によりそれぞれ回転的に保持されてい
る。歯車７は上記各フランジに設けた孔内に位置
し、該孔の各々は緊締部本体１の回転軸の半径方
向の各面内に延びている。

上記材料位置調整部材の前方に離隔して延びて
回動可能な材料緊締支持部材があり、この材料緊
締は縫製されるべき筒状またはホース状加工材料
の少なくとも一部分を受けてその加工材料の縁部
を縫製するようにミシンの縫製位置に向けて供給
する作用をする。この材料緊締支持部材は、一端
が第２の有孔フランジ６に固定されたロツド１１
の回りを回転できるように構成され、そして加工
材料の進行方向にほぼ直角な方向に駆動軸から離
隔方向に共軸的に伸びている。図示の形状におい
て、緊締支持部材はＶ形状の延長部１２、円筒形
ジヤケツト１４および半球形キヤツプ１５を包含
し、この延長部１２はフランジ６と共に回転可能
に固定支持される。半球形キヤツプ１５は上記ロ
ツド１１の末端に螺着されて上記支持部材各構成
要素を整列関係に保持する。ここに上記材料位置
調整装置の歯車７の全部を包含する最小円は上記
材料緊締支持部材の最大直径よりも大に形成され
る。即ち各歯車７の外周の一部は該緊締支持部材
の外周を超えて従つて該材料位置調整装置全体の
外周が該緊締支持部材の外周径より大となる。こ
の装置において、材料支持および位置調整装置を
駆動する手段は実質的に防塵状態に特別に配置さ
れしかも装置をコンパクトに構成できる。

駆動手段としてはモータ１６，１７を管状駆動
軸１内に共軸的に配置しそしてこれらは該駆動軸
１にねじのような固着部材１８，１９で固着され
る。モータ１６は材料位置調整装置のみを作動
し、一方モータ１７は緊締部材および位置調整装
置を含む作動部材全体を作動する。

モータ１６の作動端にはウオームギア２１が設
けられこれがモータ１６と各歯車７を駆動的に組
み合わせる回転作動部材を形成する。モータ１７
の出力軸は２４においてカプリング部材２３とピ
ン連結し、該カプリング部材２３はそれ自体筒状
スリーブ２の端部キヤツプ上に設けた固定蓋２５
にボルト２６およびピン２７により固着されてい
る。このようにしてモータ１７の出力軸２２は筒
状スリーブ２に非回転的に固定される。このよう
な構成で塵や埃が本装置に侵入することが防止さ
れかくして各モータは防塵下に運転できる。

モータ１６と１７の駆動を可能にするため共動
スリツプリングが設けられ、該スリツプリングは
モータ１７のハウジングの円筒延長部２９を含
む。その外周の回りには一連のスリツプリング３
１が設けられ筒状スリーブ２の端部キヤツプ内に
保持されたプラグ３３には一連のブラツシ接触子
３２が設けられこれらは通常方法でエネルギを伝
えるのに共動する。適切なリード３４はスリツプ
リング組立体のブラツシ接触子３２に連結する。
適当な電線溝３５を通つて延長するモータリード
線もまた同一の接触子３２に連結されてモータ１
６と１７を励起する。

本発明においては、モータ１７の励起または作
動は、材料位置決めおよび支持装置を一体として
駆動しかくしてエネルギの消費を節約できる。こ
の効果はモータ１７の出力軸２２を静止ハウジン
グに固定すると共に、出力軸１を両モータのケー
シングに固定することにより達成される。出力軸
の回転もまたモータ１６の、連結１８による回転
を生ずる。モータ１６は入力駆動軸１の回転と調
時的に回転させることができ、歯車７それぞれの
軸に対する回転は、モータ１６が励起されない限
り生せず、即ち歯車７と材料支持組立体は共に同
一回転方向に回転する。モータ１６は材料位置決
めモータと同一方法で制御できる。即ち加工材料
の縁部の予め定めた点に関しての横方向位置を前
記特公昭64−1155号に詳述する方法により検知す
ることにより、モータ１６にモニタ手段から精確
なデータを供給し、該モニタ手段それ自体調節部
材２１を制御して、上記予め定めた位置からの加
工材料縁部の変位に従つて前記の回転方向に垂直
な方向に各歯車に回転運動を与え材料縁部に相対
移動運動を伝達する。かかる方法で加工材料縁部
は加工ステーシヨンを経て連続的に供給されるけ
れども同時に該加工材料の横方向移動もまた達成
できる。

追加の関係 本発明は特許第1529138号の発明であるミシン
用緊締装置における構成に欠くことのできない事
項の主要部をその構成に欠くことのできない事項
の主要部とする発明であるから、特許法第31条第
１号の要件を具備するものである。

【図面の簡単な説明】

図は緊締部を通る縦断面図である。 １……駆動軸、２……固定筒状スリーブ、３…
…軸受、４……ボルト、５，６……有孔フラン
ジ、７……歯車、８……ねじ、１０……止めね
じ、１１……ロツド、１２……Ｖ形延長部、１３
……キヤツプ、１４……ジヤケツト、１５……半
球形キヤツプ、１６，１７……モータ、１８，１
９……連結、２１……ウオームギア、２２……出
力軸、２３……カツプリング部材、２４……ピ
ン、２５……蓋、２６……ボルト、２７……ピ
ン、２８……ねじ、２９……円筒延長部、３１…
…スリツプリング、３２……ブラツシ接触子、３
３……プラグ、３４……リード、３５……電線
溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ホース状または筒状の材料を受容しかつ縫お
   うとする材料開口縁を縫い位置に対して自動的に
   調整して送るミシン用緊締装置において、該材料
   の送り方向に一般に直交する方向に伸びる軸の周
   りを回転するように配置された、少なくとも２個
   の円筒形回転体であつて、該材料の開口縁をルー
   プ状に保持しながら支持かつ移動する緊締部材、
   該緊締部材の少なくとも一個と共軸的に配置さ
   れ、該材料の開口縁の位置において該材料と接触
   し、多数の環状に配列された歯車からなる調整部
   材であつて該多数の歯車の各々の面が該緊締部材
   の回転方向と直交する方向に環状をなして配列さ
   れ該環状列全体の直径が、上記円筒形回転体緊締
   部材の直径より大に形成された調整部材、該調整
   部材を構成する歯車それぞれに回転運動を与え
   て、該材料の開口縁を、該緊締部材の回転方向と
   直交する横方向に移動させる駆動モータ、および
   該歯車に与える回転運動を、該開口縁に対して横
   方向の移動の監視および制御下に調整し、それに
   より該材料開口縁の、縫製送り方向に対して横方
   向の移動を実施するセンサー手段からなる装置に
   おいて、上記調整部材を駆動するモータ１６およ
   び上記緊締部材を上記軸周りに回転させる駆動モ
   ータ１７が、緊締部材内部に同軸的に位置して配
   置され、一方のモータ１６の軸が調整部材７と歯
   車係合の状態にあり、そして他方のモータ１７の
   軸２２が固定筒状スリーブ２と非回転的に結合さ
   れていることを特徴とする緊締装置。 ２ 緊締部のための駆動モータ１７のモータケー
   シングが円筒延長部２９を備え、この延長部２９
   が２つのモータ１６，１７に供給される駆動エネ
   ルギーを伝えるためのスリツプリング３１を有す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   緊締装置。