JP4164184B2 - ロールフィーダのリリーシング装置 - Google Patents

ロールフィーダのリリーシング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4164184B2
JP4164184B2 JP02704699A JP2704699A JP4164184B2 JP 4164184 B2 JP4164184 B2 JP 4164184B2 JP 02704699 A JP02704699 A JP 02704699A JP 2704699 A JP2704699 A JP 2704699A JP 4164184 B2 JP4164184 B2 JP 4164184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
cam
movable member
cams
release
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02704699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000225427A (ja
Inventor
智彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amada Orii Co Ltd
Original Assignee
Orii and Mec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Orii and Mec Corp filed Critical Orii and Mec Corp
Priority to JP02704699A priority Critical patent/JP4164184B2/ja
Publication of JP2000225427A publication Critical patent/JP2000225427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4164184B2 publication Critical patent/JP4164184B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス機械に対してコイル材を繰出すロールフィーダのローラを、コイル材からリリースするリリーシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鋼やアルミニウム等よりなる薄板帯状の素材(帯状材)を連続的にプレス機械に供給して、プレス加工や切断加工を行う加工工程においては、帯状材をコイル状に巻回したもの(コイル材)を使用し、このコイル材を巻き戻し方向に回転させてその外周から帯状材を随時繰り出して、プレス機械に供給する。
このようにコイル材から帯状材を供給する設備としては、例えば特開平2−152848号公報などに示された、いわゆるアンコイラと称される設備が従来知られている。このような設備においては、上記公報にも記載されているように、巻き出されたコイル材の先端側(即ち、コイル材の供給端側)を挟み付けて回転する少なくとも一対のローラ(フィードローラ)よりなる送り装置(即ち、ロールフィーダ)が、通常設けられる。
【0003】
というのは、この種の加工工程においては、コイル材から巻き出された帯状材をプレス機械の金型に対して随時位置決めて停止させるために、プレス機械のクランクの回転に対応して所定のタイミングで所定量だけ帯状材を送る送り動作が必要になるが、このような急な加減速を伴う送り動作は、重いコイル材を巻き戻し方向に回転させる巻き出し動作の制御では不可能である。このため、通常はコイル材を一定の速度で回転させてコイル材の巻き出し動作を一定の速度で行い、コイル材の巻き出し部にたるみをもたせて巻き出し速度と送り速度の違いを吸収しつつ、巻き出されたコイル材の供給端側を上述したフィードローラの回転動作によってクランクの回転に対応させて随時繰り出して、上記送り動作を実現している。
【0004】
そして、このようなロールフィーダにあっては、通常、プレス機械のクランクの一回転周期における所定の期間に、前記フィードローラを、コイル材を挟み付けた状態から正確なタイミングでリリースする動作(リリース動作)が必要になる。というのは、プレス機械の昇降ヘッドがクランクの回転に伴って下降し、所定の加工型が作動して所定の加工が行われる際には、通常高い加工精度を得るために、予め帯状材に形成された位置決め孔に前記加工型の作動に先立って位置決めピンが差込まれ、最終的な帯状材の位置決め(停止位置の微修正)が行われる構成となっている。このため、加工時における少なくとも上記位置決めピンの差込み動作が行われている期間には、帯状材を開放して上記位置決めピンによる微修正(帯状材の微小な動き)を可能とすべく、前記フィードローラをコイル材を挟み付けた状態からリリースする必要が生じる。
【0005】
したがって、上述したようなロールフィーダには、上記リリース動作を実現するリリーシング装置が通常設けられるようになっており、このリリーシング装置としては、従来以下に説明する構成のものが知られている。
即ち、プレス機械のクランクの回転に連動して回転する単一のカムやリンクなどの機構によって、フィードローラの一方を相対的に後退させることにより、帯状材をフィードローラで挟み付けた状態を一時的に解除して、上記リリース動作を実現するものである。なお、上記カム等をクランクの回転に連動させて駆動する方式としては、上記カム等の駆動軸をギアなどの機械的伝達手段によってプレス機械のクランク軸に機械的に連結する方式の他に、サーボモータを使用する方式も知られている。これは、例えば前記クランク軸にこのクランク軸の絶対回転角度を検出するアブソリュートエンコーダを取付けるとともに、上記カム等を駆動するサーボモータを設け、このサーボモータを前記アブソリュートエンコーダの検出値に基づく値を指令値(目標回転位置)として作動制御することによって、前記カム等を前記クランク軸に追従させて略同一の角速度及び回転周期で回転させる方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のリリーシング装置では、プレス機械のクランク軸に連動して動作するカム等の機構によりリリース動作が実現されるため、理論的にはクランクの回転速度がいくら高速になっても、カム等の機械的仕様により一義的に決る所定の期間中(クランクの一回転周期中の所定の期間中)に確実にリリース動作を実行できる。しかし、このリリース動作を行う所定の期間の開始時期と終了時期(以下、リリース開始タイミング及びリリース終了タイミングという。)は、従来では単一のカム等の機械的仕様により一義的に決ってしまい、その後調整することは通常不可能である。このため、特にプレス機械のクランク回転速度が高速化した場合、実用的には適正な期間中に正確にリリース動作を行うことが困難であった。
【0007】
というのは、コイル材から巻き出された帯状材が完全にフリーになると、巻き出し部のたるみ部分に加わる重力によって帯状材の供給端側が送り方向と逆方向に引戻されてしまう恐れがある。このため、帯状材が完全にフリーになる時間(例えば、位置決めピンが挿入されていないのにリリース動作がなされている時間)がほとんど存在しないようにリリース動作を実現する必要があり、リリース開始タイミングは、前述の昇降ヘッドの下降に伴い位置決めピンが位置決め孔に挿入される直前の微妙な時期に設定する必要がある。また、リリース終了タイミングは、前述の位置決めピンが位置決め孔に完全に挿入された後であって、前述の昇降ヘッドの上昇に伴い位置決めピン或いは加工型が帯状材から離れる前又はその直後までの時期に設定する必要がある。
ところが、プレス機械のクランクの回転速度(通常一定速度)は、通常は遅くても60rpm(1回転/秒)程度であり、場合によっては、生産性向上のために例えば300rpm(5回転/秒)程度の高速で運転される。このため、上記リリース動作を行うべき期間として設定されるべき期間の長さは、0.1秒オーダの極めて短い時間である。
【0008】
したがって、上記リリース動作が行われる期間を実際に最適な状態に設定する作業(以下、リリースタイミング調整という。)は、クランクの回転速度が高速化する程により微妙なものとなり、実際には実機での微調整が必要になる場合が多い。
また、クランクの回転速度や、前述の位置決めピンの挿入タイミングなどは、同一のプレス機械においても加工内容等によって随時変更されるため、このような変更があった場合には、上記リリース動作の期間の設定を変更して、その調整(即ち、リリースタイミング調整)を再度行う必要がある。
しかし、前述した従来のリリーシング装置では、リリース動作が行われる期間は、カム等の機械的仕様にのみ通常依存しており、装置設計時に一義的に決ってしまうため、あえて設定を変更しようとすれば、例えばカム等の部品を異なる仕様のものに変更するといっためんどうな作業が必要となる。
【0009】
なお、カム等を駆動する方式として、前述したようにサーボモータを使用する方式を採用した場合には、このサーボモータの指令値を変化させることで、カム等の回転速度をクランクの一回転周期中において変化させ、これによってリリース開始タイミング或いはリリース終了タイミングを変更することが理論的には可能である。しかしこの方式では、特にプレス機械のクランク回転速度が高速化した場合(例えば300rpmの場合)に、サーボモータの回転速度を非常に短い時間内に素早く変化させる必要があり、サーボモータを制御するフィードバック制御系の応答性の問題で、実際には設定したとおりのリリース動作が十分にできない。
【0010】
というのは、この種のフィードバック制御系では、指令値(モータの目標回転角度等)と検出値(検出器により検出されるモータの実際の回転角度等)との差(即ち、偏差)に応じて訂正信号(例えば、モータの回転角度を指令値に近づけるためにモータトルクを増加させる指令)を出力する調節器において、比例動作を行う構成、或いは比例動作に加えて積分動作を行う構成(いわゆる、PI制御)が一般的である。しかし、比例動作のみであると定常偏差が存在し、理論的に指令値と検出値が完全には一致せず、正確な制御が不可能となる。また、定常偏差をなくすために積分動作を導入すると、応答性が低下する欠点があり、いずれにしろ上述したようなモータの急激な加減速動作を実現することは実際には不可能である。
【0011】
そこで本発明は、機械的構成を変更することなく、リリースタイミング調整やその変更が容易に可能で、プレス機械の高速化にも対応できるロールフィーダのリリーシング装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるロールフィーダのリリーシング装置は、コイル材の供給端側を少なくとも一対のローラにより挟み付けた状態で前記ローラを回転させることによって、プレス機械に対してコイル材を繰出すロールフィーダにおいて、プレス機械のクランクの一回転周期における所定の期間に、前記ローラをコイル材を挟み付けた状態からリリースするロールフィーダのリリーシング装置であって、
それぞれが独立に回転する複数のカムを同軸上に有するとともに、前記ロールフィーダの一方のローラが前記コイル材を挟み付ける通常位置から他方のローラに対して後退したリリース位置に移動する動作に連動する可動部材を有し、この可動部材に各カムを作用させてこの可動部材を駆動し、各カムの作用の合成として前記一方のローラを通常位置からリリース位置に移動させることにより、前記ロールフィーダのリリース動作を実現するリリース機構と、
このリリース機構の各カムのそれぞれに対して設けられ、各カムを別個に駆動するサーボモータと、
各カムが、それぞれ別個の位相差をもって前記クランクの回転に追従して回転するように、各サーボモータを制御する制御装置とを備え、
前記位相差が各カムについてそれぞれ別個に設定可能及び設定変更可能であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、本例のリリーシング装置(本装置)の本体を示す平面図であり、図2は、同本体を示す側面図(図1のA−A矢視図)であり、図3は、本装置の制御装置を示すブロック図である。なお、図1においてはフィードローラ等の図示を省略しており、図2においてはモータ等の図示を省略している。
本装置は、図1に示すように、二つのカム11,21と、これらカムをそれぞれ別個に駆動するサーボモータ12,22とを備える。
本例のカム11,21は、いわゆる周縁カムであり、特定の回転角度範囲においてロールフィーダ40(図2に示す)の一方のローラ41を他方のローラ42に対して相対的に後退させることにより、ロールフィーダ40のリリース動作をそれぞれ別個のタイミングで実現するものである。なお、これらカム11,21の詳細(外形仕様)については、後述する。
【0014】
各カム11,21の軸方向外側には、大径側ギア13,23が一体的に形成され、各カム11,21と大径側ギア13,23とが、それぞれ別個の軸受け14,24を介して軸31に対して回転自在に取付けられている。ここで軸31は、支持部材32に固定された固定軸である。なお、以下において固定軸とは、装置全体を据え付け場所に固定支持する架台等の部材(又はこの架台等に固定された部材)に固定された軸、又はこのような部材に軸受けを介して自転自在にのみ取付けられた軸をいう。
そして、大径側ギア13,23は、各サーボモータ12,22の出力軸に形成された小径側ギア15,25に噛み合っており、本例では各サーボモータ12,22の出力軸の回転が減速されて各カム11,21に伝達される構成となっている。
サーボモータ12,22は、例えばDCサーボモータであり、出力軸の絶対的回転角度を検出するアブソリュートエンコーダ12a,22a(図3に示す)を内蔵するものである。なお、これらサーボモータ12,22は、後述する制御装置50により制御され、それぞれ別個の位相差をもってプレス機械のクランクの回転に追従して回転する構成となっている。
【0015】
各カム11,21の外周面に対向する位置には、従動子としてのカムフォロワ16,26が設けられ、これらカムフォロワ16,26の外周面が各カム11,21の外周面に接する構成となっている。カムフォロワ16,26は、軸直角断面が真円形のもので、前述の軸31と平行な軸33により第1可動フレーム34(第1可動部材)に取付けられ、第1可動フレーム34と一体的に移動するとともに、軸33を中心に回転自在となっている。
第1可動フレーム34は、図2(a)に示すように、固定軸である軸35により下端部が軸支されたもので、これにより軸35を中心として揺動自在となっており、この揺動運動に伴って、カムフォロワ16,26が取付けられた上端部が図2においてほぼ左右に移動する。この第1可動フレーム34の中間部側面には、側方に突出する爪部34aが形成されている。また、この第1可動フレーム34の後方(カム11,21が設けられた側と反対側)には、リリーシングバネ36が配設され、このリリーシングバネ36により、第1可動フレーム34が前方(カム11,21が設けられた側)に付勢されている。即ち、リリーシングバネ36の付勢力により、カムフォロワ16,26の外周面が、それぞれカム11,21の外周面に対して常時押し付けられている
【0016】
そして軸35には、全体としてL字状の第2可動フレーム37(第2可動部材)が取付けられている。この第2可動フレーム37は、軸35を中心として第1可動フレーム34とは独立に揺動自在となっており、この揺動運動に伴って、上方に伸びる一端部が図2においてほぼ左右に移動し、後方に伸びる他端部が図2においてほぼ上下に移動する。また、この第2可動フレーム37の後方に伸びる他端部には、ロールフィーダ40の一方のローラ41(例えば、駆動ローラ)が軸38により軸支されており、この第2可動フレーム37の揺動に伴って、このローラ41が上下に移動する構成となっている。また、この第2可動フレーム37の上方に伸びる一端部の後面は、前述の第1可動フレーム34の爪部34aに当接する構成とされ、カム11,21の作用により図2(b)の如く第1可動フレーム34が前方側に揺動すると、爪部34aに押されて第2可動フレーム37が同方向に揺動し、ローラ41が通常位置(非リリース位置)よりも必要十分な量だけ僅かに上方の位置(リリース位置)に移動し、これによってリリース動作が実現されるようになっている。
また、この第2可動フレーム37の後方に伸びる他端部の上方には、フィードロール加圧バネ43が配設され、このフィードロール加圧バネ43により、第2可動フレーム37の他端部(即ち、ローラ41を軸支する軸)が下方に付勢されている。
【0017】
なお、ロールフィーダ40の一方のローラ41は、例えば図示省略したサーボモータ等により駆動されるローラ(駆動ローラ)である。また、ロールフィーダ40の他方のローラ42は、固定軸44により軸支された例えば従動側のローラ(従動ローラ)である。そして、図2(a)に示すような通常状態(非リリース状態)においては、フィードロール加圧バネ43の付勢力により、ローラ41がローラ42に対して押し付けられ、これら二つのローラ間に供給される帯状材Zがこれらローラにより挟み付けられるため、例えば駆動ローラであるローラ41の回転に伴って帯状材Zが送り方向(図2の場合は右方)に繰り出し可能となっている。
また、フィードロール加圧バネ43の付勢力により軸35回りに生じる力のモーメントの絶対値が、リリーシングバネ36の付勢力により軸35回りに生じる力のモーメントの絶対値よりも小さくなるように、各バネのバネ定数等が設定されている。
【0018】
また、カム11,20の外周の軸直角断面形状は、例えば次のように設定されている。即ち、半径Rの円弧よりなる大径部と半径r(r<R)の円弧よりなる小径部と、これらをつなぐように半径の大きさが適度に変化する中間部とよりなる。そして、半径rの小径部を含む特定の回転角度範囲θ1又はθ2において、上述のリリース動作が実現されるように、半径rの具体的数値が設定されている。即ち、各カム11,21のうちいずれか一方のみが設けられているとした場合、カムフォロワに接する部分がこの特定の回転角度範囲にあるときに、図2(b)の如く第1可動フレーム34が前方側に揺動し、ローラ41がリリース位置に移動してリリース動作が実現されるようになっている。例えば、カム11のみが設けられていると仮定した場合に、カム11の外周のうちの小径部を含む特定の回転角度範囲θ1が、カムフォロワ16に接触している期間中において、ローラ41がリリース位置に移動してリリース動作が実現されるようになっている。
【0019】
なお、本例の場合は、実際には二組のカム11,21とカムフォロワ16,26が設けられ、これらカム機構の作用の合成として第1可動フレーム34が揺動する構成となっているため、上述の特定の回転角度範囲(カム11の特定回転角度範囲θ1とカム21の特定回転角度範囲θ2)が重複する角度範囲βにおいてのみ、上記リリース動作が実現されることになる。つまり、実際にリリース動作が行われる期間の長さは、角度範囲βの大きさにより決り、各カムの位相のずれ角度α(α=θ1−β)を変更することによって調整可能となる。
なお図2では、各カムが同一形状の場合(即ち、θ1=θ2の場合)を例示しているが、これに限られないことはいうまでもない。
【0020】
次に、サーボモータ12,22を制御する制御装置50について説明する。
制御装置50は、各カムがそれぞれ別個の位相差をもってプレス機械のクランクの回転に追従して回転するように、フィードバック制御によって各サーボモータを制御する制御装置であり、図3に示すように、位相差加算器51,61と、偏差カウンタ52,62と、速度アンプ53,63と、ドライバ54,64とを備える。
ここで、位相差加算器51,61は、プレス機械のクランク軸の絶対的回転角度を検出するアブソリュートエンコーダ71の出力値に、設定されている位相差を加算し、その加算結果を位置指令として出力する要素である。なお、これら位相差加算器51,61において加算される位相差の値(正又は負の値)は、例えばキースイッチ等の入力手段によりそれぞれ別個に設定可能又は設定変更可能となっている。また、各位相差加算器51,61に設定されている位相差の差が、前述のずれ角度αの大きさを決定することになる。
【0021】
偏差カウンタ52,62は、各位相差加算器51,61から出力された位置指令の値(各カムの目標回転角度に対応した各モータの目標回転角度)と位置検出値(アブソリュートエンコーダ12a,22aの出力値に基づく各モータの実際の回転角度)との差(位置偏差)に応じて速度指令(訂正信号)を出力する調節器である。ここで、速度指令とは、各モータの実際の回転角度を位置指令の値に近づけるためのモータ速度を指令する信号である。
速度アンプ53,63は、上記速度指令の値と速度検出値(アブソリュートエンコーダ12a,22aの出力値に基づく各モータの実際の回転速度)との差(速度偏差)に応じてトルク指令(訂正信号)を出力する調節器である。ここで、トルク指令とは、各モータの実際の回転速度を速度指令の値に近づけるためにモータトルクを変化させる指令であり、具体的にはモータ電流の増加量(又は減少量)を指令する信号である。
【0022】
なお、調節器である偏差カウンタ52,62や速度アンプ53,63において、偏差から訂正信号を生成する方式としては、例えば比例動作のみによるもの、或いは比例動作に積分動作を加えたものを使用する。制御工学の分野において知られているように、積分動作を導入すれば定常偏差をなくすことができる。
ドライバ54,64は、上記トルク指令に応じた電流を実際に各モータ12,22に通電する駆動回路である。
【0023】
次に、上述したロールフィーダのリリーシング装置の動作を説明する。
以上の構成によれば、まず制御装置50の制御によって、各カム11,21がそれぞれ別個の位相差をもってプレス機械のクランクの回転に追従して回転する。即ち、上記制御装置50によれば、クランク軸の回転角度の検出値に設定された位相差を加算した値を位置指令とするフィードバック制御によって、各カム11,21を駆動するモータ12,22のサーボ制御が行われる。このため、各カム11,21は、定常的にはプレス機械のクランクと同一の回転速度(回転周期)で回転し、プレス機械のクランクと同一の回転角度だけ回転する。
【0024】
そしてこの場合、各カム11,21がこのように回転すると、リリース動作は、プレス機械のクランクの一回転周期における前述の角度範囲βで決る期間に行われる。つまり、クランクが一回転する間には、各カム11,21もそれぞれ一回転する。そして、この一回転中において、各カム11,21の角度範囲βの部分がそれぞれカムフォロワ16,26に接している期間に、図2(b)の如く第1可動フレーム34が前方側(各カム11,21の側)に揺動し、同時に爪部34aに押されて第2可動フレーム37が同方向に揺動し、ローラ41がリリース位置に上昇してリリース動作が実現される。
【0025】
しかも、プレス機械のクランク軸と各カム11,21との間の位相差や、各カム11,21の相互間の位相差(この場合、ずれ角度α)は、前述の位相差加算器51,61の設定値の設定又は設定変更により、本装置やプレス機械を含む設備の運転中においても任意に可変であり調整することができる。つまり、前記角度範囲βの大きさ及びクランク軸の回転角度に対する位相(即ち、リリース開始タイミング及びリリース終了タイミング)は、カムの機械的仕様を変更することなく、運転中においても可変であり容易に調整可能である。
なお、本例の場合、リリース動作の期間の長さを決定する角度範囲βの値は、α≧θ1のときにβ=0(最少)となり、α=0のときにβ=θ1(最大)となるのであって、0からθ1の範囲で可変となる。したがって、カムの機械的仕様であるθ1及びθ2の値を、予め十分大きく設定しておけば、リリース動作の期間の長さ(リリース開始タイミングからリリース終了タイミングまでの時間の長さ)も十分な範囲で調整可能である。
【0026】
このように本装置によれば、定常的にはそれぞれがクランクの回転に追従して一定速度で回転する複数(この場合2個)のカムの位相(制御変数)を変更することにより、プレス機械のクランクの一回転周期中におけるリリース開始タイミング及びリリース終了タイミングの絶対的時期及び相対的時期を、カムの機械的仕様を変更することなく、またカムの速度を周期的に変化させることもなく、運転中においても容易に調整可能としている。したがって、実機の特性や加工内容等に応じた適正なリリース動作を実現することが、極めて容易となり、クランクの回転が高速化した場合の制御上の遅れの問題もない。
【0027】
なお、本発明は上記形態例の態様に限られず、各種の態様があり得る。
例えば、上記形態例のカム11,21は、外周面の小径側の部分を特定角度範囲としており、この小径側の部分がカムフォロワ16,26と接ししている状態(カムフォロワがカム側に移動している状態)でリリース動作を実現するものであるが、逆に外周面の大径側の部分がカムフォロワと接ししている状態(カムフォロワがカムと反対側に押されて移動している状態)でリリース動作を実現する態様もあり得る。但し、このように大径側を特定角度範囲とした場合には、各カムの特定角度範囲の重複部分ではなく、各カムの特定角度範囲が存在する全角度範囲においてリリース動作がなされることになり、各カムの位相が一致した状態でもリリース動作を実現する角度範囲は0(ゼロ)にはならず、調整範囲の下限が狭くなる。しかし、前述したように上記形態例の態様であると、リリース動作の期間を0(即ち、リリース動作なし)に調整することも可能であり、この点では上記形態例が優れている。
【0028】
また上記形態例では、サーボモータの出力をギアにより減速してカムを駆動しているが、このような態様に限られず、例えば比較的高トルク低回転のモータを使用してカムをダイレクト駆動する態様もあり得ることはいうまでもない。
また、サーボモータの制御装置についても、上記形態例の構成に限られず、カムを必要十分な性能でクランクの回転に追従させて回転させる制御ができるものであれば、どのような態様でもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、まず制御装置の制御によって、各カムがそれぞれ別個の位相差をもってプレス機械のクランクの回転に追従して回転する。即ち、各カムは、定常的にはプレス機械のクランクと同一の回転速度(回転周期)で回転し、プレス機械のクランクと同一の回転角度だけ回転する。
そして、各カムがこのように回転すると、実際のリリース動作は各カムの作用の合成として実現されるため、各カムの仕様及び位相で決る所定の角度範囲においてリリース動作が実現されることになる。即ち、クランクが一回転する間には、各カムもそれぞれ一回転するが、この一回転中における各カムの仕様及び位相で決る所定の角度範囲において、一方のフィードローラがリリース位置に移動してリリース動作が実現される。
【0030】
しかも本発明では、プレス機械のクランクと各カムとの間の位相差は、それぞれ別個に設定可能及び設定変更可能であるから、各カムの位相が任意に可変である。このため、リリース動作が行われる期間(即ち、リリース開始タイミング及びリリース終了タイミング)を決定する上述の所定の角度範囲は、各カムの位相を変えることによりその大きさ及び位置が調整可能となり、結果的にリリース動作のタイミング調整が、カムの機械的仕様を変更することなく、運転中においても容易に可能となる。
【0031】
つまり、本発明によれば、定常的にはそれぞれがクランクの回転に追従して一定速度で回転する複数(少なくとも2個)のカムの位相(制御変数)を変更することにより、プレス機械のクランクの一回転周期中におけるリリース開始タイミング及びリリース終了タイミングの絶対的時期及び相対的時期を、カムの機械的仕様を変更することなく、またカムの速度を周期的に変化させることもなく、運転中においても容易に調整可能としている。したがって、実機の特性や加工内容等に応じた適正なリリース動作を実現することが、極めて容易となり、クランクの回転が高速化した場合の制御上の遅れの問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】リリーシング装置の本体構成を示す平面図である。
【図2】リリーシング装置の本体構成を示す側面図である。
【図3】リリーシング装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,21 カム
12,22 サーボモータ
16,26 カムフォロワ(従動子)
34 第1可動フレーム(第1可動部材)
36 リリーシングバネ
37 第2可動フレーム(第2可動部材)
43 フィードロール加圧バネ
40 ロールフィーダ
41,42 ローラ
Z 帯状材(コイル材)

Claims (3)

  1. コイル材の供給端側を少なくとも一対のローラにより挟み付けた状態で前記ローラを回転させることによって、プレス機械に対してコイル材を繰出すロールフィーダにおいて、プレス機械のクランクの一回転周期における所定の期間に、前記ローラをコイル材を挟み付けた状態からリリースするロールフィーダのリリーシング装置であって、
    それぞれが独立に回転する複数のカムを同軸上に有するとともに、前記ロールフィーダの一方のローラが前記コイル材を挟み付ける通常位置から他方のローラに対して後退したリリース位置に移動する動作に連動する可動部材を有し、この可動部材に各カムを作用させてこの可動部材を駆動し、各カムの作用の合成として前記一方のローラを通常位置からリリース位置に移動させることにより、前記ロールフィーダのリリース動作を実現するリリース機構と、
    このリリース機構の各カムのそれぞれに対して設けられ、各カムを別個に駆動するサーボモータと、
    各カムが、それぞれ別個の位相差をもって前記クランクの回転に追従して回転するように、各サーボモータを制御する制御装置とを備え、
    前記位相差が各カムについてそれぞれ別個に設定可能及び設定変更可能であることを特徴とするロールフィーダのリリーシング装置。
  2. 前記リリース機構は、
    各カムの外周が接触する従動子が設けられ、揺動自在とされて前記カムの外周で前記従動子が押されることによって一方向へ揺動する第1可動部材と、この第1可動部材を他方向へ付勢して前記従動子を各カムの外周に押し付けるリリーシングバネと、前記一方のローラが取り付けられて揺動自在とされ、前記第1可動部材に押されて揺動することによって前記一方のローラを他方のローラから後退させる第2可動部材と、この第2可動部材を付勢して前記一方のローラを他方のローラに押し付けるフィードロール加圧バネと、を有し、
    各カムの外周は、一定半径の円弧よりなる大径部と、この大径部よりも小さい半径の円弧よりなる小径部と、これらをつなぐように半径の大きさが変化する中間部とよりなり、
    前記カムのうちの少なくとも一つが前記大径部外周において前記従動子に接触している状態では、当該カムの作用によって前記第1可動部材が前記リリーシングバネの付勢力に抗して一方向へ押されて前記第2可動部材を押さない位置に保持され、前記一方のローラが前記フィードロール加圧バネの付勢力で他方のローラに押し付けられた通常状態となり、
    前記カムの全てが前記小径部外周において前記従動子に接触している状態になると、前記リリーシングバネの付勢力によって前記第1可動部材が前記第2可動部材を押し、前記一方のローラが前記フィードロール加圧バネの付勢力に抗して他方のローラから後退して前記リリース動作が実現される構成であることを特徴とする請求項1に記載のロールフィーダのリリーシング装置。
  3. 前記リリース機構は、
    各カムの外周が接触する従動子が設けられ、揺動自在とされて前記カムの外周で前記従動子が押されることによって一方向へ揺動する第1可動部材と、この第1可動部材を他方向へ付勢して前記従動子を各カムの外周に押し付けるリリーシングバネと、前記一方のローラが取り付けられて揺動自在とされ、前記第1可動部材に押されて揺動することによって前記一方のローラを他方のローラから後退させる第2可動部材と、この第2可動部材を付勢して前記一方のローラを他方のローラに押し付けるフィードロール加圧バネと、を有し、
    各カムの外周は、一定半径の円弧よりなる大径部と、この大径部よりも小さい半径の円弧よりなる小径部と、これらをつなぐように半径の大きさが変化する中間部とよりなり、
    前記カムの全てが前記小径部外周において前記従動子に接触している状態では、前記リリーシングバネの付勢力によって前記第1可動部材が他方向へ押されて前記第2可動部材 を押さない位置に保持され、前記一方のローラが前記フィードロール加圧バネの付勢力で他方のローラに押し付けられた通常状態となり、
    前記カムのうちの少なくとも一つが前記大径部外周において前記従動子に接触している状態になると、当該カムの作用によって前記第1可動部材が前記第2可動部材を押し、前記一方のローラが前記フィードロール加圧バネの付勢力に抗して他方のローラから後退して前記リリース動作が実現される構成であることを特徴とする請求項1に記載のロールフィーダのリリーシング装置。
JP02704699A 1999-02-04 1999-02-04 ロールフィーダのリリーシング装置 Expired - Lifetime JP4164184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02704699A JP4164184B2 (ja) 1999-02-04 1999-02-04 ロールフィーダのリリーシング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02704699A JP4164184B2 (ja) 1999-02-04 1999-02-04 ロールフィーダのリリーシング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000225427A JP2000225427A (ja) 2000-08-15
JP4164184B2 true JP4164184B2 (ja) 2008-10-08

Family

ID=12210143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02704699A Expired - Lifetime JP4164184B2 (ja) 1999-02-04 1999-02-04 ロールフィーダのリリーシング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4164184B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008036681A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Seiko Instruments Inc ワーク供給装置及びこれを用いた処理装置
JP6094341B2 (ja) * 2013-04-09 2017-03-15 日本電産シンポ株式会社 材料送り装置
CN103449221B (zh) * 2013-08-27 2016-06-22 昆山能缇精密电子有限公司 三料带送料机
KR102276543B1 (ko) * 2019-12-10 2021-07-13 나필주 정렬 기능을 갖는 철판 이송 장치
KR102333483B1 (ko) * 2019-12-10 2021-12-02 티와이테크 주식회사 이송 속도 자동 조절형 철판 이송 장치
CN116078899B (zh) * 2022-12-07 2023-10-03 宣城市运泰汽车配件有限公司 一种金属件冲压装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000225427A (ja) 2000-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3117920B1 (en) A sheet material feeding apparatus
US20190232595A1 (en) Method for cutting, printing or embossing
US5052296A (en) Control device for paper travelling tension and paper cutting position in printing apparatus
JP4164184B2 (ja) ロールフィーダのリリーシング装置
JP2002282949A (ja) パイプ状の段付部品の成形方法および装置
JP2005211969A (ja) スピニング加工装置
JPS62248529A (ja) コイルばね巻線機
US6018975A (en) Multipass wiredrawing machine with wire tension control device
GB2304612A (en) Forming an annular member
JP5209446B2 (ja) 心押制御装置
GB2319489A (en) Zero force roll release for high speed press feed units
JPH0413270B2 (ja)
EP2203268A1 (en) Device and method to adjust the radial position of the tools in a peeling machine for bars, tubes or similar oblong workpieces
KR102131335B1 (ko) 가공 정밀도 향상을 위한 노칭 시스템
KR20020000540A (ko) 압연기의 이형선재 권취장치
JPH0124054Y2 (ja)
JPH0718432Y2 (ja) 素材の送り装置
JP6979132B2 (ja) シート供給装置及びシート供給方法
JPH0925035A (ja) スリッターラインのスリット条巻取装置
WO2022158414A1 (ja) プレスシステム及びプレスシステムの制御方法
JPH064174B2 (ja) 曲げ加工装置
JP2001232549A (ja) ワイヤソー及びワイヤソーを用いた切断方法
JP2607378Y2 (ja) キャレッジ移動位置決め装置
JP2000152693A (ja) サーボモータの制御方法及び制御システム、工作機械、摩擦圧接装置
JPS621176Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080716

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080728

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term