JPH0328649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、金属製の可動枠にガラス板を張設し
た窓板を、屋根の開口に固定した固定枠に昇降ま
たは揺動可能に取り付け、可動枠を固定枠に接触
させて閉窓するようにした天窓において、特に、
ガラス板を可動枠に取り付けるのに用いるガラス
押えに結露するのを防止する装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 従来、この種の天窓の一般的構造は、金属製の
可動枠に、ガラス板を、このガラス板の周縁を可
動枠と可動枠に固定した金属製のガラス押えで挟
んで張設した窓板を、屋根の開口に固定した固定
枠に取り付け、可動枠を固定枠に接触させて開口
を閉塞するようになつており、このような天窓に
おける窓板の結露状態を見ると、ガラス板の部分
については、通常、ガラス板には強化ガラスと網
入ガラスの二重構造のものが用いられているた
め、両ガラスの間の空気層が断熱層として機能し
て、屋内側のガラスがさほど冷却されないことか
らほとんど結露は見られないものの、ガラス板を
張設すべく可動枠に固定したガラス押えが可動枠
を介して冷却されることにより、ガラス押えの屋
内側の面において結露し、水滴が流れて屋内に滴
下したり、屋根の開口を形成する木枠にしみ込ん
で木枠を腐らせる原因となつていた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本
考案の天窓の結露防止装置は、金属製の可動枠に
ガラス板を張設した窓板を、屋根の開口に固定し
た固定枠に取り付け、前記可動枠を前記固定枠に
接触させて前記開口を閉塞するようにした天窓に
おいて、前記可動枠との間で前記ガラス板の周縁
を挟持する金属製のガラス押えを、前記固定枠と
の接触部分の内側において断熱材を介して前記可
動枠に固定した構成としたものである。

作用及び効果 本考案は、上記構成になり、ガラス押えを可動
枠に対して固定枠との接触部分の内側において固
定するようにしたから、ガラス押えが直接外気に
曝されることがなく、また、ガラス押えと可動枠
の間に断熱材を介挿したことによつて、ガラス押
えと可動枠の間の熱伝導が遮断されるから、ガラ
ス押えが冷却されることがなく、従つて、ガラス
板押えに結露するのを確実に防止し得る効果があ
る。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

図において、１は平面四角形をなすアルミニウ
ム製の固定枠であつて、この固定枠１の下端部の
内側に沿つて樋２が形成され、この樋２の外側の
角部に、樋２に貯つた水を外部へ排出する排出孔
４が形成されているとともに、樋２の底板から内
側の側板にわたり、ABS樹脂製の基板５の一面
に接着されたウレタン発泡樹脂製の断熱材６が当
てられ、この固定枠１が、樋２の底板を、屋根の
開口を形成する木枠７の上面にねじ８で固定する
ことによつて取り付けられており、この固定枠１
の上部に、窓板１０が昇降可能に取り付けられて
いる。

この窓板１０は、アルミニウム製の可動枠１１
に、２枚の強化ガラス１２と網入ガラス１３を張
設したものであつて、この可動枠１１の上端部の
内側に沿つて挟持板１４が突成され、可動枠１１
の下面、内側の側面、及び、挟持板１４の下面に
わたつて、前記と同様に、ABS樹脂製の基板１
５の一面に接着されたウレタン発泡樹脂製の断熱
材１６が当てられており、前記した強化ガラス１
２と網入ガラス１３とが、両ガラス１２，１３の
周縁の間にスペーサ２０を嵌めて二重構造に組み
立てられて、強化ガラス１２の周縁が、断熱材１
６の挟持板１４の下面に位置する部分に当てら
れ、また、断熱材１６の可動枠１１の下面に位置
する部分における固定枠１との接触部分の内側
に、アルミニウム製の枠状のガラス押え１７が当
てられ、このガラス押え１７の内側の周縁に嵌着
したシール材１８が網入ガラス１３の周縁に当て
られ、ガラス押え１７の外側の端部に透設した孔
１７ａ、断熱材１６の孔１６ａ及び基板１５の孔
１５ａを通して可動枠１１のねじ孔１１ａに螺合
したねじ２２を締め付けることによつて、強化ガ
ラス１２と網入ガラス１３の周縁が、断熱材１６
とシール材１８で挟まれて固定されている。

本実施例は、上記した構造になり、窓板１０が
図の鎖線位置から実線位置に下降して、可動枠１
１の下面の断熱材１６が固定枠１の上面に接触す
ることによつて閉窓されるのであつて、ガラス押
え１７が固定枠１との接触部分の内側において可
動枠１１に固定されていて、閉窓時にガラス押え
１７が外気に直接曝されることがなく、また、ガ
ラス押え１７と可動枠１１の間には断熱材１６が
介挿されていて、ガラス押え１７と可動枠１１の
間の熱伝導が遮断されるから、ガラス押え１７が
冷却されることがなく、従つて、ガラス押え１７
の下面で結露するのが確実に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図である。 １：固定枠、７：木枠、１０：窓板、１１：可
動枠、１２：強化ガラス、１３：網入ガラス、１
４：挟持板、１６：断熱材、１７：ガラス押え、
２２：ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製の可動枠にガラス板を張設した窓板を、
   屋根の開口に固定した固定枠に取り付け、前記可
   動枠を前記固定枠に接触させて前記開口を閉塞す
   るようにした天窓において、前記可動枠との間で
   前記ガラス板の周縁を挟持する金属製のガラス押
   えを、前記固定枠との接触部分の内側において断
   熱材を介して前記可動枠に固定したことを特徴と
   する天窓の結露防止装置。