JPH0328352A - 熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方
法に関するもので特にフィン材としてのろう付け性，犠
牲陽極効果，耐垂下性を向上せしめたものである。

〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕従来自動
車用の熱交換器にはアルミニウム合金が用いられており
、大部分がろう付け法によって組立てられている。例え
ばエバボレータは第２図に示すように、フィン（１）と
冷媒通路（５）．（５’）を形成するプレージングシ一
トからなる通路構成シ一ト（４），　（４’）を交互に
積層し、真空ろう付げにより接合したもので、フィン材
には厚さ０．１ｍｍ前後の板材が用いられ、通路構成シ
ートには厚さ０．６ｍｓ＋前後のプレージングシートが
用いられている。

このようなエバボレータでは、フィン材に１ｗ１％（以
下ｗ１％を％と略記）程度のＭｎを含有するＡｌ−Ｍｎ
−Ｚｎ−Ｓｎ系やＡｌ　−Ｍｎ　−Ｚｎ−１ｎ系合金が
用いられている。これは冷媒通路を形成するのにＪＩ８
　３００３合金を芯材とし、その表面にＪＩ８　４００
４合金ろう材をクラッドしたプレージングシートを用い
るところから、これを外部腐食から防食するため、フィ
ン材を犠牲陽極として使用するこを目的としたものであ
る。

近年熱交換器の軽量化に伴い、フィン材を薄肉化する必
要が生じている。フィン材を薄肉化した際の第１の問題
はろう付け加熱時に高温でフィンがつぶれる問題がある
。このためフィン材を連続鋳造圧延のように急冷凝固法
により製造し、フィン材の耐垂下性（耐高温座屈性）を
向上させる方法が提案されている。しかしこのような方
法では確かに耐垂下性は向上するも、ろう付け性が良＜
　ｔＸい。特にＺｎ，Ｉｎ，Ｓｎを添加した合金ではそ
の傾向が強い。

〔課題を解決するための手段〕

本発明はこれに鑑み種々検討の結果、耐垂下性，犠牲効
果及びろう付け性の優れた熱交換器用アルミニウム合金
フィン材の製造方法を開発したものである。

即ち本発明製造方法の一つは、Ｆ　ｅ　０．　６％を越
えて２％以下と、Ｚ　ｎ　０．　３〜２．０％，　　Ｉ
ｎ０．０１〜０．３％，　　Ｓ　ｎ　０．　０１　〜０
．　３％の範囲内で何れか１種又は２種以上とを含み、
残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を
、連続鋳造圧延により厚さ２〜１０ｍの板とした後、冷
間圧延を行ない、該冷間圧延の前又は途中で１１０以上
のアルカリ溶液により１〜３００秒アルカリ洗浄し、冷
間圧延の途中３ｆｌＯ〜５５０℃で中間焼鈍を施した後
、冷間圧延率１５〜７０％の最終冷間圧延を行なって、
厚さ０．０４〜０．２ｇのフィン材とすることを特徴と
するものである。

また本発明製造方法の他の一つは、Ｆ　ｅ　０．　６％
を越えて２％以下と、Ｚ　ｎ　０．　３〜２．０％，Ｉ
　ｎ　０．　０１〜０、３％，　　Ｓ　ｎ　０．　０１
〜０．　３％の範囲内で何れか１種又は２種以上とを含
み、更にＺｒ０．３％以下，Ｃｒ０．３％以下，Ｔｉｅ
．Ｉ％以下，Ｃ　ｕ　０．　５％以下，Ｓｉ０．８％以
下，Ｍｎ０．２Ｓ％以下，Ｍｇ０．５％以下の範囲内で
何れか１種又は２種以上を含み、残部Ａｌと不可避的不
純物からなるアルミニウム合金を、連続鋳造圧延により
厚さ２〜１０＋＋ｍの板とした後、冷間圧延を行ない、
該冷間圧延の前又は途中で９１ｆｔ［ｌ以上のアルカリ
溶液により１〜３００秒アルカリ洗浄し、冷間圧延の途
中３００〜５５０℃で中間焼鈍を施した後、冷間圧延率
１５〜７０％の最終冷間圧延を行なって、厚さ０．０４
〜０．２＋ｍのフィン材とすることを特徴とするもので
ある。

〔作用〕

本発明において合金の組成を上記の如く限定したのは次
の理由によるものである。

Ｆｅの添加は、フィン材の強度及び耐垂下性を向上させ
るためで、その含有量を０．６％を越えて２％以下と限
定したのは０．６％以下では効果が不十分であり、２％
を越えると逆に耐垂下性を低下し、更に成形性を低下す
るためである。

Ｚｎ，Ｉｎ，Ｓｎの添加は、フィン材に犠牲効果を与え
るためで、Ｚ　ｎ　０．　３〜２．０％，　　Ｉｎ０．
０１−０．３％，　　Ｓ　ｎ　０．　０１　〜０．　３
％の範囲内で何れか１種又は２種以上と限定したのは、
何れも下限未満では上記効果が十分でなく、上限を越え
ると犠牲効果には変りはないが、耐垂下性を低下するた
めである。尚これ等の添加は最低１稲が添加されていれ
ばよい。

また本発明において、Ｚｒ０．３％以下，Ｃｒ０．３％
以下．Ｔｉ０．Ｉ％以下，Ｃｕ０．５％以下．Ｓｉ０．
８％以下，Ｍｎ０．２５％以下，Ｍｇ０．５％以下の範
囲内で何れかｌ種又は２種以上を添加するのは、フィン
の常温強度及び高温強度（耐垂下性）を更に向上するた
めである。しかしてＺｒ，Ｍｎ，Ｃｒ及びＴｉの添加は
特に結晶粒を微細化して高温強度の向上に有効である。

Ｃｕ，Ｓｉ，Ｍｇの添加は特にフィンの常温強度を高め
、成形性の向上に有効であり、必要に応じて選択して添
加する。

更に本発明において、合金組或は上記の通りであるが、
それ以外に０．３％以下の範囲内でＶ，Ｂ，Ｂｅ，Ｂｉ
，Ｃａ等を含むも差し支えない。

次に本発明製造方法は、上記組成のアルミニウム合金を
連続鋳造圧延により厚さ２〜１０■の板とする。ここで
連続鋳造圧延を行なうのは、添加元素であるＦｅをフィ
ン材中に固溶させるためであり、従来のＤＣ鋳造と熱間
圧延の工程では、熱間圧延中に大部分のＦｅが析出して
しまい、フィンの耐垂下性を向上させることができない
ためである。また連続鋳造圧延により厚さ２〜１０ｍの
板としたのは、２ＩＩＩＩｌ未満では割れが生じて連続
鋳造圧延による生産性が低下し、１０醜を越えると凝固
時の冷却速度が小さくなり、十分にＦｅを固溶できなく
なるためである。尚連続鋳造圧延とは従来から用いられ
ているハンター法や３０法等を用い、冷却速度が５０℃
／ｓｅｃ以上であればよい。

次に上記連続鋳造圧延により厚さ２〜１０＋ｍｓとした
板を、冷開圧延により厚さ０，０４〜０．２−のフィン
材とするものであるが、冷間圧延の途中で中間焼鈍を行
？ｊい、最終冷間圧延率を１５〜７０％となるようにす
る。これは最終冷間圧延率が！５％未満でも７０％を越
えても耐垂下性を低下するためである。中間焼鈍温度は
３００〜５５０℃とする。これは３００℃未満では十分
に再結晶が進行せず、亜結晶粒界へのＦｅの析出が中間
焼鈍中に生じ、亜結晶粒界にＦｅが析出するとろう付け
加熱時の耐垂下性を極端に低下する。また５５０℃を越
えると、連続鋳造圧延で固溶したＦｅが析出し、耐垂下
性を低下するためである。

尚中間焼鈍の保持時間は０．５〜６時間程度でよい。

このように合金元素と製造工程を特定することにより、
犠牲効果と耐垂下性の優れたフィン材を得ることができ
るが、これだけではろう付け性が不十分である。これは
本発明におけるフィン材がＺｎ，Ｉｎ，Ｓｎの何れか１
種又は２種以上を含有しており、このような合金を直接
連続鋳造圧延した場合、圧延時に生或する板表面の酸化
皮膜が厚くなり、これを冷間圧延によりフィン材の板厚
まで圧延しても、厚い酸化皮膜が残存するためろう付け
性を低下する。本発明ではかかるろう付け性の低下を防
止するため、冷間圧延の前又は途中でｐＩ｛１０以上の
アルカリ溶液により１〜３００秒洗浄を行なう。ここで
冷間圧延の前又は途中でアルカリ洗浄を行なうのは、ア
ルカリ洗浄後に少なくとも１パスの冷間圧延を施さない
と、フィン材の表面の凹凸が激しくなり、ろう付け性を
低下させるためである。

しかしてアルカリ洗浄の条件をｐＨＩＧ以上のアルカリ
溶液で１〜３００秒の処理としたのは、アルカリ溶液の
濃度がｐＨ１０未満でも洗浄時間が１秒未満でも洗浄が
不十分で酸化皮膜を十分に除去することができず、十分
なろう付け性を得ることができないためであり、また洗
浄時間で３００秒を越えるのは、生産性の面から好まし
くないばかりか、過度にＡｌを溶解し、表面にＡｌ−Ｆ
ｅ系の金属間化合物を残し、これがろう付け性を低下さ
せるためである。尚本発明におけるアルカリ洗浄を行な
う温度は１５〜９０℃の範囲で十分であり、用いるアル
カリとしては、ＮａＯＨ．ＫＯＨ，Ｃａ　（ＯＨ）２等
を用い、特に０．３　〜１０％のＮａＯＨを使用し、５
〜６０秒の範囲で処理することが望ましい。更に本発明
では、アルカリ洗浄後、酸洗浄を続けて行なうことが望
ましい。これは酸洗浄によるアルカリの中和作用により
、アルカリ溶液が板表面に残り、表面性状を劣化させる
のを防止すると共に、アルカリ洗浄により表面に浮きで
てきた晶出相を溶解させ、ろう付け性の低下を防止する
。

〔実施例〕

以下本発明を実施例について説明する。

第１表に示す組成のアルミニウム合金を、第２表に示す
製造工程により厚さ０．　０６＋＋ｍのフィン材を作製
した。このようにして得られたフィン材について垂下試
験を行なうと共に、第１図に示すようにＪＩ３　４００
４合金からなるろう材（３）を１０％の厚さにクラッド
したＪＩ３　３００３合金からなる肉厚０．４ｍｓのチ
ューブ（２）と、上記フィン材から形或したコルゲート
フィン（１）とを組合せ、５　Ｘ　１Ｇ−’Ｔｏｒｔの
真空炉を用い、６００℃で１０分間真空ブレージングを
行ない、その接合状態とフィンの座屈状態を調べた。ま
た真空プレージングによる組立品についてＪＩ３　２２
３７１に準じて塩水噴霧試験を４ケ月行なって、チュー
ブの孔食発生状況を調べた。これ等の結果を第３表に示
す。

垂下試験は、突き出し長さ５０ｍｍで真空炉中、６００
℃で１０分間加熱した後、垂下量を調べた。

また座屈状態は真空プレージング後のフィンの座屈伏況
を調べ、座屈を生じないものを○印、座屈を生じたもの
を×印で表わした。また接合状態は真空ブレージング後
、フィンをはがしてチューブとフィンの金属的接合長さ
を測定し、良好なるものを○印、劣るものをＸ印で表わ
した。

第　　３ 表 第ｌ表乃至第３表から明らかなように、本発明方法によ
るフィン材は従来方法に比べて垂下量が小さく、耐座屈
性が優れていることが判る。

これに対し製造条件が外れる比較方法では、接合状況又
は座屈状況が劣ることが判る。

〔発明の効果〕

このように本発明によるフィン材は、犠牲効果，耐垂下
性，ろう付け性に優れており、本発明によるフィン材を
用いることで耐食性に優れ、かつ軽量なアルミニウム合
金製熱交換器を製造することができる等、工業上顕著な
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はコルゲートフィンとチューブの接合状態を示す
側断面図、第２図は自動車用エバポレータの一例を示す
要部を切欠いて示す斜視図である。 １．フィン ２．チューブ ３．ろう材 ４４′．チューブ構或シ一ト ５．　５’　．冷媒通路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｆｅ０．６ｗｔ％を越えて２ｗｔ％以下と、Ｚｎ
   ０．３〜２．０ｗｔ％，Ｉｎ０．１〜０．３ｗｔ％，Ｓ
   ｎ０．０１〜０．３ｗｔ％の範囲内で何れか１種又は２
   種以上とを含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるア
   ルミニウム合金を、連続鋳造圧延により厚さ２〜１０ｍ
   ｍの板とした後、冷間圧延を行ない、該冷間圧延の前又
   は途中でｐＨ１０以上のアルカリ溶液により１〜３００
   秒アルカリ洗浄し、冷間圧延の途中３００〜５５０℃で
   中間焼鈍を施した後、冷間圧延率１５〜７０％の最終冷
   間圧延を行なって厚さ０．０４〜０．２ｍｍのフィン材
   とすることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フ
   ィン材の製造方法。
2. （２）Ｆｅ０．６ｗｔ％を越えて２ｗｔ％以下と、Ｚｎ
   ０．３〜２．０ｗｔ％，Ｉｎ０．０１〜０．３ｗｔ％，
   Ｓｎ０．０１〜０．３ｗｔ％の範囲内で何れか１種又は
   ２種以上とを含み、更にＺｒ０．３ｗｔ％以下，Ｃｒ０
   ．３ｗｔ％以下，Ｔｉ０．１ｗｔ％以下，Ｃｕ０．５ｗ
   ｔ％以下，Ｓｉ０．８ｗｔ％以下，Ｍｎ０．２５ｗｔ％
   以下，Ｍｇ０．５ｗｔ％以下の範囲内で何れか１種又は
   ２種以上を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるア
   ルミニウム合金を、連続鋳造圧延により厚さ２〜１０ｍ
   ｍの板とした後、冷間圧延を行ない、該冷間圧延の前又
   は途中で１１０以上のアルカリ溶液により１〜３００秒
   アルカリ洗浄し、冷間圧延の途中３００〜５５０℃で中
   間焼鈍を施した後、冷間圧延率１５〜７０％の最終冷間
   圧延を行なって、厚さ０．０４〜０．２ｍｍのフィン材
   とすることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フ
   ィン材の製造方法。