JPS63282230A

JPS63282230A - アルミニウムブレ−ジングシ−ト

Info

Publication number: JPS63282230A
Application number: JP62114752A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Takigawa; 淳瀧川; Masao Takemoto; 竹本　政男
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1987-05-13
Filing date: 1987-05-13
Publication date: 1988-11-18

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野コ本発明は、カーエアコン及びオイルクーラ等に組み込ま
れるドロンカップタイプの熱交換器等に使用されるアル
ミニウムブレージングシートに関する。

［従来の技術］第１図はドロンカップ熱交換器を示す模式図である。こ
のドロンカップ熱交換器の管状体１はＡｆｆ１合金製芯
材にろう材をクラッドしたプレージングシートをカップ
状に成形して構成され、この管状体１を複数個積層した
後、管状体間にフィン２が配置される。そして、フィン
２と管状体１とが、また管状体１同志がろう付接合され
ている。

この場合に、プレージングシートを管状体１に成形する
際に、プレージングシートの芯材に加工が加わり、芯材
は軟質材素材ではなく、形状に応じて軽度の加工（２５
％以下の加工等）を受けた加工材となってろう付される
。

ところで、ドロンカップ熱交換器の管状体には、３００
３Ａｆｆ１合金を芯材とするプレージングシートが使用
されている。この３００３材は、−ｉ的に、ろう材によ
る侵食が小さく、中程度のろう付後強度を有するので、
プレージングシートの芯材として多用されている。

［発明が解決しようとする問題点］しかしながら、ドロンカップの管状体のように、加工度
が比較的軽度である場合には、ろう材の溶融温度におい
て芯材に亜結晶粒組織が残存する。

この亜結晶粒組織のために、ろう材による芯材の侵食が
促進され、ろう材の量が減少する。ところで、このろう
材は、ろう付の際に、ろう封接合部のフィレットくすみ
肉）の形成に寄与するが、前述の如く、ろう材量が減少
すると、ろう付性が劣化してしまう。

このような欠点を回避すべく、プレージングシート素材
におけるろう材の厚さを厚く設定し、ろう材の減少分を
見込んでろう材を形成することも可能であるが、これは
ろう材の浪費になり好ましくない。

また、近時ろう封接合部の高強度化が要望されている。

特に、自動車用熱交換器においては、その薄肉化による
軽量化の要望が強い。この要望に答えるためには、薄肉
化による強度の低下を補償するために、素材自体のろう
付接合部強度を高め、またろう付性を向上させることが
必要である。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、３
００３Ａｆｆ１合金を芯材とする従来のプレージングシ
ートに比して、ろう付性が向上すると共に、ろう付後の
接合部強度が高く、更に、耐食性が高く、耐圧強度の向
上及び薄肉化を可能とするアルミニウムブレージングシ
ートを提供することを巨的とする。

［問題点を解決するための手段コ本発明に係るアルミニウムブレージングシートは、芯材
が、０．３乃至１．ＯｆＥ量％のＣｕ、０．２乃至１．
５重量％のＭｎ、０．０１乃至０．３重量％のＺｒ及び
０．０１乃至０．３重量％のＣｒから選択された１種又
は２種以上の元素と、０．２乃至０．７重量％のＭｇと
、を含有し、残部がＡｌ及び不可避的不純物からなる。

また、この芯材は軟質の素材の状態で結晶粒径が６０μ
ｍ以下である。

この芯材の表面には、ろう材が被覆されるが、このろう
材は、４３４３又は４０４５等のＡ！−Ｓｉ系、４００
４又は４ＮＯ４等）Ａｌ−３ｉ　−Ｍｇ系、及び４１０
４等のＡｌ−３ｉ−Ｍｇ−Ｂｉ系のＡ（合金から、適用
されるろう付プロセスに応じて選択される。

ろう材による芯材の侵食を防止するためには、ろう材が
溶融する温度において、芯材は再結晶が完了していて亜
結晶粒が残存していないことと、再結晶粒が大きいこと
とが必要である。本発明においては、このような条件を
満足する芯材を開発することにより、ろう材による芯材
の侵食を抑制し、ろう付時のすみ肉形成に寄与するろう
材量を増大させてろう付性を向上させると共に、ろう付
後の強度を高めた。また、これにより十分な耐食性が確
保される。

以下、本発明において上記構成要件を採用する理由につ
いて具体的に説明する。

先ず、芯材の組成について説明する。

ｉＭｇは、ろう付後の接合部強度を向上させる。

また、加工度が軽度の場合においても、Ｍｇを添加した
場合は、転位密度が増大するので、Ｍｇは芯材の再結晶
を促進する。これにより、亜結晶粒の残存による芯材へ
のろう材の侵食が抑制され、すみ肉形成に寄与するろう
材量が増大するので、ろう付性が向上すると共に、ろう
付後強度が向上する。

Ｍｇの含有量が０．２重量％未満であると強度を向上さ
せる効果が不十分であり、０．７重量％を超えると耐食
性が劣化し、ろう材の侵食が増大する。従って、Ｍｇの
含有量は０．２乃至０．７重量％の範囲とする。

以ＩＣｕは、耐食性を劣化させずにろう付後強度を高める元
素である。また、Ｃｕは芯材の腐食電位を責とするので
、フィン材等の犠牲陽極作用により芯材の耐食性を向上
させる。

Ｃｕの含有量が０．３重量％未満であると、ろう付後の
強度を向上させる効果が不十分であり、１．０重量％を
超えるとろう材による侵食が増大し、耐食性が劣化する
。従って、Ｃｕの含有量は０，３乃至１．０重量％に設
定する。

１工Ｍｎは、芯材のろう付後強度及び高温強度を上昇させる
と共に、軽度の加工を受けた芯材のろう付時の再結晶粒
を粗大化させる元素である。

Ｍｎの含有量が０．２重量％未満の場合は上述の効果が
得られず、１．５重量％を超えると、巨大化合物が生成
しやすくなり、鋳造性及び加工性が阻害される。従って
、Ｍｎの含有量は０．２乃至１．５重量％に設定する。

ＺｒＺｒは、芯材の高温強度を上昇させると共に、軽度の加
工を受けた芯材の再結晶粒を粗大化させる効果を有する
。

Ｚｒの含有量が０．０１重量％未満の場合には、これら
の効果が不十分である一方、０．３重量％を超えると、
Ｍｎと同様に巨大化合物が生成しやすくなり、鋳造性及
び加工性が劣化する。従って、Ｚｒの含有量は０．０１
乃至０．３重量％の範囲にする。

以ＬＣｒは孔食を抑制する効果を有し、耐食性を向上させる
。

Ｃｒの含有量が０．０１重量％未満ではこの耐食性向上
効果が不十分であり、０．３重量％を超えると巨大化合
物が生成し易くなる。従って、Ｃｒの含有量は０．０１
乃至０．３重量％に設定する。

なお、Ｃｕ、Ｍｎ、Ｚｒ及びＣｒの全ての成分を芯材に
含有させる必要はなく、その中から１種又は２種以上の
成分を含有させれば良い。

次に、芯材の結晶粒径について説明する。前述の如く、
ろう材による芯材の侵食を抑制するな、めには、軽加工
を受けた芯材が、ろう材の溶融温度において、亜結晶粒
を残存させていないことが必要である。このためには、
軟質化のために焼鈍処理した段階の素材において、その
組織を結晶粒径が小さいものにすることが必要である。

つまり、焼鈍前に存在していたもの及び焼鈍時に析出す
るものを含めて、微細析出物は再結晶を抑制する。

この微細析出物による再結晶抑制効果を軽減するために
は、素材の組織を再結晶が容易な小粒径組織にすること
が必要である。このような理由で、軟質材状態の芯材に
おいて、その結晶粒径を小さくする。この場合に、結晶
粒径が６０μｍ以下であると、亜結晶粒の残存によるろ
う材の侵食の影響が殆ど認められないので、軟質化焼鈍
後の芯材の結晶粒径を６０μｍ以下にする。なお、芯材
の結晶粒径が小さい程、張り出し加工性及び絞り加工性
が良好になるという副次的効果もあるので、ドロンカッ
プの管状体としても、このようにアルミニウムブレージ
ングシートの結晶粒径を小さくすることが好ましい。

［実施例コ次に、本発明の実施例について、本願の特許請求の範囲
にて規定した範囲から外れる比較例と共に説明する。下
記第１表は実施例１乃至５及び比較例１乃至５の芯材の
組成（単位は重量％）を示す。また、下記第２表はろう
材の組成く単位は重量％）を示し、このろう材を室温の
鋳型に注入して、厚さが５０ｍｍ、幅カ１４０１１Ｉｍ
、長さが２４０韻の鋳塊を得、この鋳塊を均質化処理し
た後、所定の厚さに熱間圧延した。

第１表単位は重量％第２表次いで、このろう材を芯材の表面に熱間圧延によりクラ
ッドし、その後、このクラツド材を冷間圧延して０．５
＋ｕの厚さにした後、焼鈍して軟質材とした。なお、ろ
う材のクラツド率は１５％である。

このようにして製造した各アルミニウムブレージングシ
ートについて、ろう付性、ろう封接強度、及び耐食性の
各試験を実施した。その試験条件は以下のとおりである
。

欠支州１上述の如く製造した０、５１１Ｉ１１厚のアルミニウム
ブレージングシート軟質材を、更に０．４５ｍｍ（冷間
圧延率１０％）及び０．４０ｍｍ（冷間圧延率２０％）
に冷間加工した。そして、第２図に示すように、このア
ルミニウムブレージングシート加工材５を、厚さが１．
２龍、幅が２５ｍｍ、長さが５０ｍ＋ａの３００３Ａｆ
ｆ１合金製板６にろう付試験した。なお。加工材５の高
さは２５龍である。また、加工材５においては芯材７の
両表面にろう材８をクラッドしである。

この逆Ｔ字形試験片を、１　、５　ｘ　１０−　’Ｔｏ
ｒｒの真空度の減圧下で、５９５℃に２分間加熱してろ
う付けした。このろう付けの前後で加工材５の板厚を測
定し、下記数式に基いてろう材の流動係数を算出した。

流動係数＝くろう封筒の板厚−ろう封接の板厚）／（芯
材の両面におけるろう材の厚さ）この流動係数は、素材
でのろう材量に対して、ろう付時に流動したろう材量の
比率として把握される。

このようにして求めた流動係数を下記第３表に示す。

第３表ゑｊゴを後ｊし虹２０％の冷間圧延率で０．４０ｍｍ厚に圧延した加工材
を、１　、５Ｘ　１０−’Ｔｏｒｒの真空度の減圧下で
、５９５℃に２分間加熱してろう付けした。

次いで、このろう付は材から、ＪＩＳＳ号試験片を採取
して引っ張り試験した。

このろう付は後の引張強さを、前記第３表に示す。

耐１」ＬＫ遣− ２０％の冷間圧延率で０．４０ｍｍ厚に圧延した加工材
を、１　、５Ｘ　ｉ　０−４Ｔｏｒｒの真空度の減圧下
で、５９５℃に２分間加熱してろう付けした。

次いで、このろう付は材から、幅が５０龍、長さが６５
ｍｍの方形試験片を切りだし、片面をポリエステルテー
プでマスキングしてキャス試験に供した。そして、１０
０時間及び１５０時間経過した時点における板厚貫通腐
食の有無を調査した。

この耐食性試験の結果を前記第３表に示す。但し、表中
、○は１５０時間経過しても貫通腐食が発生しなかった
ものを示し、Δは１０１時間経過後１５０時間経過する
までに貫通腐食が発生したものを示し、×は１００時間
以内に貫通腐食が発生していたものを示す。

この第３表から明らかなように、実施例１乃至５の場合
には、流動係数及びろう付後引張強さが高く、また長時
間に亘り、貫通腐食が発生しなかった。従って、実施例
１乃至５は、ろう付性（流動係数）、ろう付後強度（ろ
う付後引張強さ）及び耐食性のいずれも優れている。

これに対し、比較例１は、Ｍｇ量が上限を超えるもので
あるが、ろう付後強度は高いものの、ろう付性及び耐食
性が劣る。

また、比較例２は、Ｍｇ量が下限に満たないものである
が、０．４５ｍｍ厚材におけるろう付性及びろう付後強
度が低い。

更に、比較例３は、Ｍｇ量が下限よりも低く、３００３
Ａｌ２合金材に相当するものであるが、０゜４５ｍｍ厚
材におけるろう付性、ろう付後強度及び耐食性のいずれ
も低い。

更にまた、比較例４は、Ｃｕ量が下限よりも低く、３０
０５Ａｌ合金材に相当するものであるが、耐食性が低い
。

更にまた、比較例５は、芯材の粒径が上限を超えるもの
であるが、０．４５ｍ＋ａ厚材におけるろう付性が著し
く低い。

［発明の効果コ本発明によれば、ドロンカップタイプの熱交換器のよう
に、軽度の加工を受けた後ろう付けされる場合にも、優
れたろう付は性を有し、高強度且つ高耐食性のアルミニ
ウムブレージングシートを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はドロンカップ熱交換器を示す模式図、第２図は
ろう付性試験を説明す、る模式図である。１；管状体、２；フィン、５；加工材、７；芯材、８；
ろう材

Claims

【特許請求の範囲】

　芯材の表面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ
系合金、及びＡｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｂｉ系合金から選択さ
れたろう材を被覆したアルミニウムブレージングシート
において、前記芯材は、０．３乃至１．０重量％のＣｕ
、０．２乃至１．５重量％のＭｎ、０．０１乃至０．３
重量％のＺｒ、及び０．０１乃至０．３重量％のＣｒか
ら選択された１種又は２種以上の元素と、０．２乃至０
．７重量％のＭｇと、を含有し、残部がＡｌ及び不可避
的不純物であり、その素材における結晶粒径が６０μｍ
以下であることを特徴とするアルミニウムブレージング
シート。