JPH0327702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ブランク収納具にスタツクされたブ
ランクを１枚づつ吸着して例えばプレス機械へ供
給するデイスタツクフイーダ等に用いられ、ブラ
ンク収納具内のブランクを上方に押し上げるブラ
ンクリフト装置に関するものである。

〔背景技術とその問題点〕 一般に、デイスタツクフイーダは、ブランクを
スタツクしたマガジン等のブランク収納具の上方
にブランクホールド装置を備え、このブランクホ
ールド装置で係止保持された複数のブランクをマ
グネツトフロータで分離させ、次いでブランク吸
着カツプによつて最上位のブランクを取り出して
例えばプレス機械へ供給するものである。このよ
うなデイスタツクフイーダは、ブランク収納具か
ら上方のブランクホールド装置へブランクを押し
上げるため、ブランクリフト装置を備えている。

従来のブランクリフト装置は、ブランク収納具
の下方に設けられたリフトシリンダから構成され
るのが一般であり、このリフトシリンダのピスト
ンロツドの先端に固定された押上部材によつてブ
ランク収納具にスタツクされたブランクを押し上
げるものである。

この際、ブランクリフト装置の高さの制限から
ブランクリフト装置の下方にリフトシリンダを設
置するためのピツトを形成しなけれならず、しか
も、このピツトは、少なくともピストンの有効ス
トローク分だけ深く形成しなければならないの
で、装置の設置にコストがかかるという問題点が
ある。また、リフトシリンダがピツトに固定され
ており、かつ、押上部材もピストンロツドに固定
的に設けられているため、ブランク収納具にスタ
ツクされたブランクを偏心したブランクに代え、
このブランクをリフトシリンダで押し上げる場
合、ブランクが傾いて確実に押し上げることがで
きないという問題点がある。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、偏心したブランクでも確実に
押し上げることができ、設置が容易なブランクリ
フト装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

本考案は、ブランク収納具にスタツクされたブ
ランクの下面に当接可能とされたリフタヘツドを
リフタアームに水平方向位置変更自在に取り付け
て、ブランクの重心位置に対応させてリフタヘツ
ドを当接できるようにし、このリフタアームを昇
降する昇降手段をブランク収納具に隣接して設け
てピツトレスとした点に特徴を有するものであ
る。

具体的には、本考案は、昇降自在とされたリフ
タアームを設け、このリフタアームにブランク収
納具の範囲内で水平方向位置変更可能に取り付け
られブランク収納具にスタツクされたブランクの
下面に当接可能とされたリフタヘツドを設け、前
記リフタアームを昇降する昇降手段をブランク収
納具に隣接して設けたものである。

これにより、本考案は、ブランク収納具にスタ
ツクされたブランクが偏心したものであつても、
この偏心ブランクの重心位置に合わせてリフタヘ
ツドを水平方向に移動させ、昇降手段によつてリ
フタアームを介してリフタヘツドを上昇させてブ
ランクを押し上げることにより、前記目的を達成
しようとするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図および第２図
に基づいて説明する。

第１図には、本考案に係るブランクリフト装置
の一実施例を備えたデイスタツクフイーダの概略
が示されている。

第１図において、ベース１には複数の支柱２が
立設され、この支柱２の頂部には、ローラ３を介
してブランク収納具としてのマガジン４が移動自
在に設けられている。

このマガジン４は、ローラ３に下面が当接され
中央部が略Ｕ字形に打ち抜かれた底板５（第２図
参照）を備え、この底板５には複数本のガイドポ
スト６が立設されるとともに、これらガイドポス
ト６間に複数のブランク７がスタツクされてい
る。

前記マガジン４に隣接してブランクリフト装置
８の昇降手段９が設けられている。この昇降手段
９は、ベース１に立設されたコラム１０を備え、
このコラム１０には、前記ガイドポスト６と平行
にガイドバー１１が設けられ、このガイドバー１
１には、ガイドローラ１２を介して支持部材１３
が長手方向昇降自在とされている。この支持部材
１３には、チエーン１４の一端が取り付けられ、
このチエーン１４は、途中がスプロケツト１５に
巻回されるとともに、他端がコラム１０に設けら
れたチエーン受け１６に収納されるようになつて
いる。前記スプロケツト１５は、コラム１０の上
部に取り付けられたブレーキ付モータ１７の出力
軸に取り付けられ、これによりモータ１７が回転
することによつて、支持部材１３がガイドバー１
１に沿つて昇降するようにされている。ここで、
これらコラム１０、ガイドバー１１、支持部材１
３、チエーン１４、スプロケツト１５、チエーン
受け１６、ブレーキ付モータ１７を備えて昇降手
段９が構成されている。

この昇降手段９の支持部材１３には、これと略
直角にリフタアーム１８が取り付けられている。
このリフタアーム１８は、第２図に示されるよう
に前記底板５の打ち抜かれたＵ字部分を通過可能
な幅を有するとともに、その先端部には、所定位
置に複数の凹部１８Ａが形成されている。これら
の凹部１８Ａには、略円柱状のリフタヘツド１９
の下端小径部が差し換え可能に設けられ、リフタ
ヘツド１９はマガジン４の範囲内、より具体的に
は底板５の打ち抜かれたＵ字部分内で水平方向位
置変更可能に設けられている。このリフタヘツド
１９は、前記マガジン４内にスタツクされたブラ
ンク７の下面に当接可能とされている。これによ
り、モータ１７が駆動されて支持部材１３が上昇
すると、リフタヘツド１９がブランク７を押し上
げるようになつている。ここで、前記昇降手段
９、リフタアーム１８、リフタヘツド１９を備え
てブランクリフト装置８が構成されている。

前記マガジン４の上方には、ブランクホールド
装置２０が設けられ、リフタヘツド１９により押
し上げられた複数のブランク７を係止保持するよ
うになつている。すなわち、ブランクホールド装
置２０は、デイスタツクフイーダのフレーム２１
に取り付けられたベースプレート２２を備え、こ
のプレート２２には、ブラケツト２３を介して所
定位置にガイド２４（第１図中２個示される）が
取り付けられ、これらのガイド２４の下方にはそ
れぞれラツチ爪２５が取り付けられている。この
ラツチ爪２５は、マガジン４から押し上げられた
ブランク７を通過させるとともに、通過したブラ
ンク７を落下させないようになつている。このラ
ツチ爪２５の上方で前記ガイド２４の近傍には、
マグネツトフロータ２６がそれぞれ設けられ、こ
のマグネツトフロータ２６は、ラツチ爪２５上に
支持された複数のブランク７を磁力によつて互い
に分離するようになつている。

前記ブランクホールド装置２０の上方には、ブ
ランク取出装置２７が設けられ、この取出装置２
７は、水平方向移動可能のデイスタツクシリンダ
２８を備え、このデイスタツクシリンダ２８の下
端には例えば真空ポンプ等に連結された吸着カツ
プ２９が設けられている。これにより、この吸着
カツプ２９が最上位にあるブランク７を吸着する
とデイスタツクシリンダ２８が移動して図示しな
いプレス機械にブランク７を供給するようになつ
ている。

次に、本実施例の作用について説明する。

まず、ブランク７がスタツクされたマガジン４
をローラ３上に位置させる。この際、このブラン
ク７の略重心位置に当接するようにリフタヘツド
１９をリフタアーム１８の凹部１８Ａに予め差し
込んでおく。例えば、通常のブランク７では、リ
フタヘツド１９をリフタアーム１８の中央の凹部
１８Ａに差し込み、偏心したブランク７では、そ
の重心に合うように適宜な側方の凹部１８Ａに差
し込む。

その後、モータ１７を駆動させてスプロケツト
１５を第１図中反時計方向に回転させ、チエーン
１４、支持部材１３、リフタアーム１８を介して
リフタヘツド１９を上昇させる。この際、ブラン
ク７は傾くことなく押し上げられる。

押し上げられたブランク７は、ブランクホール
ド装置２０に保持されるとともに、マグネツトフ
ロータ２６により一枚づつ分離され、この分離さ
れたブランク７は、ブランク取出装置２７によつ
て順次取り出されて図示しないプレス機械に供給
される。

リフタヘツド１９が最上位置まで上昇し、マガ
ジン４内のブランク７が全て取り出されたなら、
スプロケツト１５が反対方向、すなわち時計方向
に回転するようにモータ１７を駆動し、チエーン
１４等を介してリフタヘツド１９を下降させてマ
ガジン４の下方に位置するようにする。

その後、空になつたマガジン４を移動させると
ともに、ブランク７がスタツクされた新たなマガ
ジン４をローラ３上に位置させ、先程と同様にブ
ランク７を取り出す。

このような本実施例によれば、リフタヘツド１
９をリフタアーム１８に対し水平方向位置変更可
能にしたので、偏心したブランク７であつても確
実に押し上げることができる。従つて、デイスタ
ツクフイーダの円滑な動作が行なえる。また、昇
降手段９をマガジン４に隣接して地上に設けたの
で、リフタヘツド１９を駆動させるために地下ピ
ツトを形成しなくてもよく、装置の設置を容易に
行なえ、安価に製作できる。さらに、本実施例で
はリフタヘツド１９を水平方向位置変更可能にす
るため、リフタアーム１８に凹部１８Ａを複数形
成したので、簡易な構成によつて偏心したブラン
ク７でも確実に押し上げることができる。さらに
また、昇降手段９を、スプロケツト１５、チエー
ン１４等によつて構成したので、リフタヘツド１
９を簡易な構成により、しかも、確実に昇降させ
ることができる。

なお、本考案の実施にあたり、リフタアーム、
リフタヘツドを第３図に示すような構成にしたも
のでもよい。すなわち、リフタアーム１８の上部
にモータ３０に一端が連結されたボールねじ軸３
１をリフタアーム長手方向に沿つて設け、このね
じ軸３１に第１移動部材３２を螺合させてガイド
ロツド３３を介して移動可能とし、この第１移動
部材３２の上部にギヤ３４を介してモータ３５に
連結されたボールねじ軸３６をリフタアーム１８
の長手方向に直交するように設け、このねじ軸３
６に第２移動部材３７を螺合させてガイドロツド
３８を介して移動可能とし、この第２移動部材３
７上にリフタヘツド１９を取り付けるものであつ
てもよい。これによれば、モータ３０，３５によ
つてリフタヘツド１９を自動的に水平方向の任意
な位置へ移動可能とし、しかもその移動量を適宜
選択することができる。また、本考案では、昇降
手段９は、チエーン１４等によつて駆動するもの
に限られるわけでなく、例えば、前記支持部材１
３にボールねじ軸を螺合させ、このボールねじ軸
にモータを連結したもの等でもよい。さらに、本
考案におけるブランク収納具は、マガジンタイプ
でなくともよく、支柱２に固定されたブランク収
納具であつても適用できる。

〔考案の効果〕

前述のような本考案によれば、偏心したブラン
クでも確実に押し上げることができ、かつ、装置
の設置が容易であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例が用いられるデ
イスタツクフイーダの概略正面図、第２図は第１
図中−線に沿う拡大矢視図、第３図は本考案
に係る他の実施例であつて第２図と同様の図であ
る。 ４……ブランク収納具としてのマガジン、７…
…ブランク、８……ブランクリフト装置、９……
昇降手段、１４……チエーン、１５……スプロケ
ツト、１７……モータ、１８……リフタアーム、
１８Ａ……凹部、１９……リフタヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 昇降自在とされたリフタアームと、このリフ
   タアームにブランク収納具の範囲内で水平方向
   位置変更可能に取り付けられブランク収納具に
   スタツクされたブランクの下面に当接可能とさ
   れたリフタヘツドと、前記ブランク収納具に隣
   接して設けられリフタアームを昇降する昇降手
   段とを備えたことを特徴とするブランクリフト
   装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、前
   記昇降手段は、リフタアームに一端が取り付け
   られたチエーンと、このチエーンをスプロケツ
   トを介して駆動するモータとを備えて構成され
   ることを特徴とするブランクリフト装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   において、前記リフタヘツドは、リフタアーム
   に形成された複数の凹部に、差し換え可能とさ
   れていることを特徴とするブランクリフト装
   置。