JPH0327068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、無騒音・無振動で能率よく沈設施工
をするに適したコンクリートパイルに関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来、コンクリートパイルを無騒音・無振動で
地中に沈設するには、オーガーを用いて沈設孔を
掘削した後、これにコンクリートパイルを挿入す
るか、或は鋼管杭に螺旋翼を設け、これを回動さ
せながら圧入する方法がとられている。

しかし、前者の方法では、オーガーを用いるた
め施工が大がかりとなり多額の経費を要するとい
う欠点があり、また後者の方法では、鋼管杭であ
りしかもそのほぼ全長にわたり螺旋翼を設けてい
るため、杭の価格が極めて高くなるという欠点が
あつた。

このような杭の欠点を解消するため、第５図に
示すように、中空コンクリートパイルＡの先端
に、外周にらせん形ブレイド３を突設した先導パ
イルＢを結合したコンクリートパイルの開発を行
つてきた。このパイルには先導パイルＢの軸心部
に断面角形の嵌合孔４が設けられ、更にこの孔４
には一端を孔４内に突入し他端を先導パイルＢの
先端に開口する流通管が設けられ、パイルの沈設
にあたつて、嵌合孔４に対応する角形ブロツク１
８を設けた中空の回転シヤフトＣを用い、これを
嵌合孔４に係合するとともにその下端部をパツキ
ング２０を介して流通管７の突入端部に外嵌し、
パイルを回転させながら空気を送つて先端より空
気を噴出させるようにしている。

しかし、このパイルでは、回転圧入だけの簡易
な作業でパイルの貫入が能率よく行える、という
従来の欠点は解決されたが、回転シヤフトＣと流
通管７との嵌め合わせがむずかしいとともに、気
密の保持に難があるという欠点のあることがわか
つた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、このような従来の杭における欠点を
解決し、回転圧入だけの簡易な作業で地中への貫
入が能率よく行え空気等の噴射が良好に行い得ら
れるとともに、大きな支持力が得られ、安価にお
ける製作することのできるコンクリートパイルを
提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の構成を実施例に対応する図面を参照し
て説明すると、本考案は、外周にらせん形ブレイ
ド３を突設し、軸心部に回転シヤフトＣを係合す
る横断面角形で底面が平らな嵌合孔４を形成した
短尺の先導パイルＢの基端部に中空コンクリート
パイルＡを結合１４するとともに、嵌合孔４の平
らな底面より下方に延びて先導パイルＢの先端及
び側面に開口する流通管７を接続したことを特徴
とするものである。

〔作用〕

本考案のコンクリートパイル内に回転シヤフト
Ｃを杆入して、その角形ブロツク１６を嵌合孔４
に係合し、回転シヤフトＣを回転させれば、先導
パイルＢに回転力が付与され、らせん形ブレイド
３の切込み作用でコンクリートパイルは地中に回
転しながら貫入して行くことになる。その際、回
転シヤフトＣの下端面を嵌合孔４の底面に圧接し
た状態で回転シヤフトＣ中に流体を送入すれば、
その流体は先導パイルＢの先端と側面から地中に
噴出し、その作用でコンクリートパイルの貫入は
より効率よく行なわれることになる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図、第２図において、Ａは一般に使用され
ている中空コンクリートパイル、Ｂはこのパイル
Ａの一端部に結合した先導パイルで、パイルＡと
ほぼ同径をなしているが短尺なものとしており、
先端部が錐状をなしたコンクリート本体１の外周
に保護鉄板２が被覆され、その外周にはらせん形
のブレイド３が１〜数巻きにわたり突設されてい
る。そして、その基端から軸線に沿つて所要深さ
に達する横断面角形、例えば六角形でかつ底面が
平らな嵌合孔４が形成されており、基端面の外周
部には十分な厚みを有する端板５が設けられ、こ
れに固着した補強筋６，６…がコンクリート本体
１内に延長されている。また、嵌合孔４の平らな
底面の中心部とパイルＢの先端間には、細い流出
管７が設けられ、嵌合孔４と外部とが連通されて
おり、更に、この流出管７には分岐管８，８…が
接続されてパイルＢの側面外と連通されている。

中空コンクリートパイルＡは、一般に使用され
ている公知のものであるから、特に説明するまで
もないが、中空なコンクリート本体９の両端部に
は環状の座板１０，１０とそれに続いて補強環１
１，１１が設けられ、コンクリート本体９中には
両端を各座板１０，１０に止着した軸鉄筋１２，
１２…及びフープ筋１３が埋設されている。そし
て、中空コンクリートパイルＡと先導パイルＢと
はそれらの端板５と座板１０の各周縁部において
溶接１４により固着されている。

第３図は、本考案のコンクリートパイルを沈設
するにあつたつて使用する回転シヤフトＣを示し
たもので、本体１５の先端部には先導パイルＢの
嵌合孔４に係合する角形ブロツク１６が設けら
れ、また基端部にはオーガージヨイント１７が設
けられているとともに、その軸芯部には貫通孔１
８が設けられ、そして角形ブロツク１６の端面に
は弾性のパツキング１９が添着されている。

次に、本考案コンクリートパイルの施工例につ
いて説明する。まず、コンクリートパイルを地上
に立設するとともに、回転シヤフトＣをパイル中
に挿入して、その角形ブロツク１６を嵌合孔４に
係合しパツキング１９を平らな底面に密接させ、
オーガージヨイント１７をパイル沈設用やぐらの
駆動軸（図示を略す）に連結させる。そこで回転
シヤフトＣを回転させれば、その回転力は先導パ
イルＢに伝達され、そのらせん形ブレイド３によ
り掘削が進行し、パイルは第４図に示すように地
中に貫入することになる。このコンクリートパイ
ルを更に深く沈設させる場合には、中空コンクリ
ートパイルＡの上端に他のコンクリートパイルを
溶接して結合させるとともに、回転シヤフトＣに
も他のシヤフトを結合させて、再びこれを回転さ
せてやればよい。

そして、パイルの沈設にあたつては、回転シヤ
フトＣの貫通孔１８中に空気或は水等の流体を送
入すれば、その流体は流出管７及び分岐管８を通
つて先導パイルＣの先端及び側面から地中に噴出
去れ、流体による掘削も行なわれ、パイルの沈設
はより効果的、能率的になされることになる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案コンクリートパイ
ルによれば、中空コンクリートパイルの下端に結
合した先導パイルにらせん形のブレイドを設け、
この先導パイル部分に回転力を与えてやれるの
で、パイルへの捩りモーメントが極めて少ない状
態で沈設作業ができ、しかも、先導パイルに設け
たらせん形ブレイドの作用で、回転を付与するだ
けで無騒音・無振動で能率よく沈設を行うことが
できるとともに、らせん形ブレイドの大きな平面
形状により、支持力が著しく増大されることにな
る。また、沈設にあたつては、空気・水等の流体
噴出を行うことができ、固い地盤に対しても適用
が可能であり、そして、流体噴出を行うにあたつ
て重要な回転シヤフトと流出管との接合部との構
造は、回転シヤフトの下端面に設けたパツキング
を単に嵌合孔の平らな底面に圧接できるだけのき
わめて簡単なものであつて、十分な気密性を保つ
ことができ、構造が簡単でコストが低減され、作
業も簡易、確実に行えるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側断面図、第
２図は同平面図、第３図はパネル沈設用回転シヤ
フトの一部切截側面図、第４図は本考案パイルの
沈設状態を示す側断面図、第５図は従来パイルの
要部を示す側断面図である。 Ａ……中空コンクリートパイル、Ｂ……先導パ
イル、３……らせん形ブレイド、７……流出管、
８……分岐管、Ｃ……回転シヤフト、１６……角
形ブロツク、１８……貫通孔、１９……パツキン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周にらせん形ブレイドを突設し、軸心部に回
   転シヤフトを係合する横断面角形で底面が平らな
   嵌合孔を形成した短尺の先導パイルの基端部に、
   中空コンクリートパイルを結合するとともに、嵌
   合孔の平らな底面より下方に延びて先導パイルの
   先端及び側面に開口する流通管を接続したことを
   特徴とする、コンクリートパイル。