JP2000170159A - 翼付きねじ込み杭 - Google Patents
翼付きねじ込み杭Info
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Abstract
貫入して埋設し、翼を利用して大きな地盤支持力を得る
ことのできる翼付きねじ込み杭を得ること。 【解決手段】 杭体2の先端部又は外周面に、杭体2の
軸中心から偏心させて翼10を取付けた。
Description
に係り、さらに詳しくは、翼のねじ作用により、無排土
で地中に埋設することのできる翼付きねじ込み杭に関す
るものである。
鋼管杭に、地上に設置した施工機械によって回転力を与
えることにより、先端部近傍に取付けた翼のねじ作用に
より鋼管杭を埋設する方法は、従来から種々提案されて
おり、その一部は小径の鋼管杭を対象としたものではあ
るが実用化されている。以下、本発明に関連すると思わ
れる従来の技術について説明する。
鋼管杭の埋設工法は、鋼管製の杭本体の下端に底板を固
設し、該底板に掘削刃を設けると共に、杭本体の下端部
外周面に杭本体の外径のほぼ2倍強の外径を有する翼幅
の大きな杭ネジ込み用の螺旋翼を、ほぼ一巻きにわたり
突設した鋼管杭を、軟弱地盤にネジ込むように回転させ
ながら地中に押圧し、下端の掘削刃によって杭本体先端
の土砂を掘削軟化させて、杭側面の未掘削土砂中に螺旋
翼を食い込ませて、土の耐力を反力として杭体を回転推
進しつつ、掘削軟化した土砂を杭側面に押出し圧縮し、
無俳土で地中に杭体をネジ込んでゆくようにしたもので
ある(従来技術1)。
載された鋼管杭は、一枚の長さが半巻きで、外径が杭本
体の1.5〜3倍程度である一対のラセン翼を、鋼管杭
の下端部外周面の同じ高さ位置でラセン方向を同じにし
て互いに相対的に複数枚不連続に固定したものである
(従来技術2)。
記載された回転圧入式鋼管杭は、鋼製円筒体の下部に、
上下方向に延長する押込用傾斜前面を有する刃を設ける
と共に、その傾斜前面の下端部から円筒体回転方向の後
方に向って斜めに上昇する傾斜ブレードを固定して、環
状のドリルヘッドを構成し、そのドリルヘッドの上端部
に鋼管杭の下端部を取付けたものである(従来技術
3)。これら従来技術1〜3に示す螺旋翼又は傾斜ブレ
ードは、施工に際してねじとして機能し、また螺旋翼は
大きな地盤反力を得るための支持体としての機能も備え
ている。
管杭は、施工機械で杭頭部にトルクを与えることにより
地盤中に埋設される。このとき、螺旋翼には非常に大き
な抵抗が作用するため、施工には大きなトルクが必要に
なる。よって、施工時にはこのトルクに耐えられる強度
の杭体(鋼管)が必要であるため、杭本来の支持機能を
保証するのに必要な肉厚又は材質以上の肉厚又は強度を
確保しなければならず、不経済である。また、従来技術
3の鋼管杭は、先端部に蓋がないため大きな支持力が得
られず、その上、傾斜ブレードは幅が狭いので、大きな
地盤支持力の支持体として期待できない。
来技術の諸問題に鑑みてなされたもので、次の課題を解
決することを目的としたものである。 (1)施工時のトルクを低減できること。 (2)強固な地盤まで杭をねじ込みにより埋設できるこ
と。 (3)翼を利用して大きな地盤支持力が得られること。
込み杭は、杭体の先端部又は外周面に該杭体の軸中心か
ら偏心させて翼を取付けたものである。
又は鋼製の螺旋状翼で構成したものでもある。
実施の形態1の正面図、図2は模式的に示した図1の縦
断面図、図3は図2の下面図で、本実施の形態は本発明
の基本的構成を示すものである。図において、1は本実
施の形態に係る翼付きねじ込み杭(以下、鋼管杭とい
う)で、2は鋼管、コンクリート杭の如き中空で円形断
面の既成杭(以下、杭体という)、10は杭体2の先端
部に取付けた翼である。
4は説明を容易にするために、杭体2の上下を逆にして
ある)、2分割して段差部3a,3bが設けられ、一方
の段差部3aの下端部から他方の段差部3bの上端部に
連なるほぼレ字状の取付部4aを設けると共に、他方の
段差部3bの下端部から一方の段差部3aに連なるほぼ
レ字状の取付部4bを設けたものである。
外径D1 が杭体2の外径Dより大きい(例えば、D1 =
2D)円形鋼板11(又は楕円形鋼板)を、中心から2
分割した平板状かつ半円状の鋼製翼12a、12bを、
杭体1の先端部に設けた取付部4a、4bに溶接により
取付けたものである。
a、3bの高さ(ピッチP)は、杭体2の外径Dの0.
05〜0.30程度が望ましく、円形鋼板11の外径D
1 は、設計及び施工の経験から、一般に、杭体2の外径
Dの1.5〜2.5倍程度が望ましい(以下の実施の形
態においても同様である)。
にあたっては、図3に示すように、一方の鋼製板(例え
ば12a)の中心O1 を、杭体2の軸中心Oに対して一
方の側(破線矢印で示す杭体2の回転方向の追従側)に
a1 だけずらせて取付部4aに取付け、他方の鋼製翼1
2bの中心O2 を、杭体2の軸中心Oから反対方向にa
2 (但し、a1 =a2 )だけずらせて取付部4bに取付
けたものである。すなわち、鋼製翼12a,12bを互
いに反対方向に偏心させて、一端側は杭体2の外周から
の張出し長L1 が短かく、他端側は張出し長L2 が長く
なるように杭体2に取付けて、翼10を構成したもので
ある。なお、鋼管翼12a,12bのずらし量a1 ,a
2 は必ずしも等しくする必要はないが、a1 =a2 とし
た方が施工性がよい。
1 ,O2 を杭体2の軸中心Oから互いに反対方向にずら
す範囲(ずらし量a1 ,a2 )は、杭体2の半径(D/
2)の1/3〜2/3程度が望ましい(以下の実施の形
態においても同様である)。ただし、この範囲a1 ,a
2 は、0<a1 ,a2 <D/2である。
鋼管杭1は、図6に示すように、地上に設置されたべー
スマシン25に設けたモータ26にその杭頭部が連結さ
れ、モータ26を駆動して鋼管杭1を矢印方向に回転さ
せながら押圧する。これにより、鋼管杭1は翼10のね
じ作用により地中にねじ込まれ、埋設される。
出し長L1 ,L2 の短かい側の先端部13a(図1〜図
3参照)が地盤に貫入して掘削を開始し、鋼管杭1の回
転に伴って鋼製翼12aの張出し長が拡大され、ほぼ半
回転してピッチPに対応する深さに推進すると、他方の
鋼製翼12bの張出し長の短かい先端部13bが新らし
い地盤に貫入する。
12a,12bが新しい地盤に貫入するときは大きな抵
抗が働くが、本発明においては、新しい地盤に貫入する
鋼製翼12a,12bの先端部13a,13bは杭体2
からの張出し長L1 が短かいため、翼10、したがっ
て、鋼管杭1に加わる抵抗が小さく、ねじ込みのための
トルクを低減することができる。また、これにより、肉
厚の薄い杭体2を用いることができる。
差して鋼管2の先端部に取付られているため、両鋼製翼
12a,12bの間隙が大きく、このため、鋼製翼12
a,12bの間に石などの障害物が詰まることがないの
で、鋼管杭1をスムーズにねじ込むことができる。そし
て、所定の深さに達して埋設が終ったときは、先端部に
設けた翼10により大きな支持力が得られる。なお、鋼
製翼12a,12bは偏心して杭体2に取付けて翼10
を構成したが、翼10の投影面積は杭体2の左右対称位
置に鋼製翼を設けた場合と同じなので、支持力に差な
い。
の鋼管の先端部に、外径1000mm、厚さ35mmの
平板状かつ半円状の2枚の鋼製翼を、その中心部を鋼管
の軸中心から互いに反対方向に、鋼管の半径の1/2
(125mm)ずつずらせて交差して取付けて翼を構成
した。したがって、翼の外径は、1250mmとなっ
た。なお、鋼管先端部に設けた段差部の高さ(ピッチ
P)は、鋼管の外径の0.125倍(62.5mm)と
した。
N値が10〜20程度、それ以深はN値50以上の強固
な地盤であった。このような地盤に、上記の鋼管杭を杭
頭部をベースマシンに設けたモータに連結してねじ込み
施工したところ、比較的小さいトルクでスムーズの埋設
することができた。なお、ねじ込みのためのトルクは、
鋼管の左右対称位置に鋼製翼を設けた鋼管杭のねじ込み
トルクのほぼ80%であった。
態2の斜視図である。本実施の形態は、図8に示すよう
に、その外径D1 が杭体2の外径Dより大きい円形鋼板
11(又は楕円形鋼板)の、中心部O3 から一方の側に
aだけずれた位置を中心O4 として、杭体2の外径Dと
ほぼ等しい径の穴14を設けて2分割し、平板状の鋼製
翼15a,15bを形成する。そして、この鋼製翼15
a、15bを、図7に示すように、杭体2の先端部より
上方の外周に、同じ高さ位置で上下の間隔がピッチPに
なるように互いに交差して取付けて翼10を構成したも
のである。なお、17は杭体2の先端開口部を閉塞した
閉塞板であり、この閉塞板17は省略してもよく、ある
いは穴のあいたドーナツ状の板を取付けてもよい。本実
施の形態の作用、効果も実施の形態1の場合と同様であ
る。
視図である。本実施の形態は、杭体2の先端部に、図1
0に示すように(図10では説明を容易にするために、
杭体2の上下を逆にしてある)、1ヶ所に高さ(ピッ
チ)Pの段差部3を設け、この段差部3の下端部から1
周して段差部3の上端部に連なるほぼL字状で螺旋状の
取付部4を設けた。
Dより大きい外径D1 で中心部に小孔18を有し、この
孔18から外周まで切断して杭体2の先端部の取付部4
の形状に対応した形状に曲げ加工し、螺旋状の翼19
(以下、螺旋状翼という)を形成した。そして、螺旋状
翼19の中心O3 を杭体2の軸中心Oからaだけ一方の
側にずらせて、その張出し長が一方は短かく、その反対
側が最長になるように取付部4に溶接により取付けて、
翼10を構成したものである。なお、翼10の小孔18
は小さいので、施工及び支持力にほとんど影響はない
が、閉塞板などにより閉塞してもよい。本実施の形態の
作用、効果も、実施の形態1,2の場合とほぼ同様であ
る。
形態4の斜視図である。本実施の形態は、図13に示す
ように、杭体2の外径Dより大きい外径D1 の円形鋼板
11(又は楕円形鋼板)に、実施の形態2の場合と同様
に、その中心O3 から一方の側にaだけずれた位置を中
心O4 として、杭体2の外径Dとほぼ等しい径D2 の穴
14を設け、この穴14のずれた側と外周との間を切断
し、始端部と終端部との間隙がピッチPになるように螺
旋状に曲げ加工して螺旋状翼20を形成し、この螺旋状
翼20を杭体2の先端部より上方の外周に取付けて、翼
10を構成したものである。本実施の形態の作用、効果
も、実施の形態1〜3の場合とほぼ同様である。
について説明したが、本発明に係る翼はこれに限定する
ものではなく、四角形その他の多角形の鋼製板を偏心さ
せて杭体に取付けるなど、種々の形状及び構造の翼を用
いることができる。また、翼を杭体の先端部又はその近
傍の外周に設けた場合を示したが、さらに上方にも翼を
設けるなど、杭体に複数段の翼を設けてもよい。このよ
うに、本発明に係る翼は、杭体に対して偏心して取付け
られるものであれば、形状、構造、数、取付位置、取付
手段等を適宜変更することができる。
形態5の斜視図、図15はその下面図である。本実施の
形態は、翼10を構成する鋼製翼12a,12b(又は
螺旋状翼)の貫入側の先端部13a,13bの下面に、
掘削刃21を設けたもので、これにより、鋼管杭1の施
工時に翼10の摩擦を防止すると共に、掘削補助を行う
ようにしたものである。本実施の形態によれば、鋼管杭
1の施工時の翼10の抵抗をさらに減らし、トルクを低
減することができる(なお、本実施の形態は、他の実施
の形態にも実施することができる)。
係る鋼管杭は、翼10を杭体2に偏心して取付けたの
で、施工時のトルクを低減することができる。これによ
り杭体2の肉厚を薄くすることができるが、本実施の形
態は、図16に示すように、杭体2にさらに肉厚t1 の
薄い鋼管を用い、杭体2の肉厚t1 よりも、厚い肉厚t
2 又は強度の大きい短管22の先端部又はその近傍に、
あらかじめ工場などで鋼製翼12a,12b(又は螺旋
状翼)を取付けておき、この短管22を杭体2の先端部
に溶接により接合したものである。本実施の形態によれ
ば、杭体2の肉厚をさらに薄くすることができる。
の先端部又は外周面に該杭体の軸中心から偏心させて翼
を取付けたので、施工に際して翼に作用する地盤抵抗が
減り、回転貫入時のトルクを低減することができる。ま
た、翼を構成する鋼製翼又は螺旋状翼の始端部と終端部
との間隔が大きいため、石などの障害物が詰りにくい。
さらに、埋設後は翼を利用して大きな支持力を得ること
ができる。
又は鋼製の螺旋状翼で構成したので、製作及び杭体への
取付けが容易である。
にしてある)。
逆にしてある)。
Claims (2)
- 【請求項1】 杭体に設けた翼のねじ作用により地中に
埋設される翼付きねじ込み杭において、 杭体の先端部又は外周面に該杭体の軸中心から偏心させ
て翼を取付けたことを特徴とする翼付きねじ込み杭。 - 【請求項2】 翼を、平板状の複数の鋼製板又は鋼製の
螺旋状翼で構成したことを特徴とする請求項1記載の翼
付きねじ込み杭。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34368998A JP4085492B2 (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 翼付きねじ込み杭 |
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-
1998
- 1998-12-03 JP JP34368998A patent/JP4085492B2/ja not_active Expired - Fee Related
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