JP2709445B2 - 鋼管杭及び鋼管杭の埋設方法 - Google Patents

鋼管杭及び鋼管杭の埋設方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木、建築工事の基礎
杭、殊に、閉塞先端部外周に掘進翼を有した鋼管杭、及
びその鋼管杭の埋設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管杭の埋設は、ディ−ゼルハンマー等
を利用して地中に打ち込む打撃工法が主流となっている
が、騒音や振動を伴うため、住宅密集地域での作業には
それなりの防音、防振対策が必要となる。そこで従来、
一般住宅用基礎として、図9に示す如く、閉塞先端面の
中央及び外周に掘削ビット片8,8,8が部分的に突設
された金属筒1の先端部外周に、連続した螺旋状の掘進
翼9を略一巻き分設け、アースオーガ駆動機によって回
転させながら地盤内深くへねじ込むように沈設させる構
造のものが実用化されている(特公平2−62648
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記例示した従来の鋼
管杭は、住宅建築物用基礎である小径の鋼管杭を、軟弱
地盤に埋設する場合においては極めて高い掘削能力を発
揮するものの、橋梁やビル建設用の基礎として要求され
る径の太い鋼管杭を、硬質地盤に埋設しようとすると、
掘削能力が著しく低下し、実用性が殆ど期待できなくな
ってしまう。即ち、従来の鋼管杭は、掘進翼9が杭の全
周に亘って設けられているとはいえど、連続した一枚翼
であるが故、杭を軸と直角に切断した面では、翼は1箇
所のみにしか存在しない。よって推進方向に対して偏荷
重が作用しやすく、鉛直姿勢を維持できないばかりか、
埋入後における支持力の加わり具合も不安定である。又
地盤中には、埋め立てや盛り土であればコンクリート塊
や玉石の混入が多いといったように、地質条件が良い所
ばかりとは限らず、唯一の翼先が岩石等との衝撃で潰さ
れてしまうと、喰い込み機能が損なわれて掘進力が鈍
る。特に大口径になればなるほどその影響が顕著とな
り、一旦引き戻して再度押し込んだり、場合によっては
何度か押し戻し操作するといったように、長時間かけな
ければ中間礫層を突破させて支持層まで到達させること
ができなかったり、途中で諦めて放棄或は抜き外して、
新たな杭を埋設し直しをしなくてはならないことも多
い。更に、ビットが断片的にしか設けられていないの
で、切り崩しが不充分で、杭を無理に押し込まなくては
ならないと共に、障害物を翼の先端で斜め下方へ押し退
けながら推進するため、その反力が大きく影響し、推進
力の低下を招く。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、掘進力に優
れ、硬質地盤に対し、而も径が太い杭の埋設に好適な技
術であって、その構成は、先端部の外周に、略半周分を
一単位とした螺旋状の掘進翼を、回転方向に対し互いに
位相をずらせ、且つ端縁部同士を軸方向に対してオーバ
ーラップさせ、それを多重に設けた鋼管杭と、先端部の
外周に、略半周分を一単位とした螺旋状の掘進翼を、回
転方向に対し互いに位相をずらせ、且つ端縁部同士を軸
方向に対してオーバーラップさせ、それを多重に設け前
記閉塞先端部の端面に、突出中心から、終端が端縁レベ
ルとなるように傾斜して放射状に分岐され、終端を管の
外周方向に突出させたビットを有する地盤中に埋入させ
る鋼管杭の埋設方法とにある。前記掘進翼の下端縁部
は、杭の軸心方向に対して同レベルに位置させ、且つ軸
心と直角方向を向かせ、その掘進翼における各下端縁
に、鋤刃を取り付けることができる。又、前記先端部の
端面を閉塞し、その閉塞された先端部端面に、中心突出
先端部から、終端が端縁レベルと一致するように傾斜し
て放射状に分岐され、終端を管の外周方向に突出させた
ビットを設けることもできる。
【0005】
【作用】押圧力と回転力との作用で、ビットが地盤を切
り崩すと共に、多重に設けられた掘進翼が土砂を周囲に
排除しながら突き進み、その間複数枚の翼によりバラン
ス良く鉛直姿勢に維持される。特に、掘進翼の下端縁部
を、杭の軸心方向に対して同レベルに位置させ、且つ軸
心と直角に配置することにより、バランスが良く、障害
物を放射方向へ押し退けるし、又掘進翼の下端縁に鋤刃
を取り付けることにより、その鋤刃で土が鋤上げられ、
更に、閉塞先端部の端面に、突出中心から、終端が端縁
レベルとなるように傾斜して放射状に分岐され、終端を
管の外周方向に突出させたビットを備えることによっ
て、杭の埋入方向に大きな切り崩し面が確保される。
【0006】
【実施例】本発明に係る鋼管杭と鋼管杭の埋設方法を図
面に基づいて説明する。図1は鋼管杭Mの先端部を示し
たもので、先端が蓋板1aで閉塞された金属筒1の先端
面にはビット2が設けられている。このビット2は、底
辺が金属筒の径より僅かに上回るサイズの二等辺三角形
状をした厚肉板を十文字状に交差させた形状に構成さ
れ、実施例では、鋼で形成された厚肉板2aの両面に、
その厚肉板2aを二分割して肉厚の半分を減じた同じく
鋼で形成された直角三角形状の厚肉板2b,2bを溶着
することにより形成されている。そして各厚肉板2a,
2b・・の放射方向終端には、筒先と同レベルで筒の外
周方向にはみ出した突出部3,3・・を有している。
【0007】又、金属筒1の先端部外周には、略半周分
を一単位とした螺旋状の掘進翼4,4が、回転方向に対
して互いに180度位相をずらせ、上下二段重ねに設け
られている。それら各掘進翼4,4は、翼幅が金属筒1
の半径に等しく、下端縁を、金属筒1の筒先際で、軸方
向に対して直交する方向に向け、その下端縁に鋤刃4a
を固着させたものとなっており、端縁部同士は軸方向に
対して互いに約25度程オーバーラップされ、軸方向に
対する投影は切れ目のない真円となっている。前記鋤刃
4aは、金属筒1の周面と掘進翼3の裏面とに溶着さ
れ、掘進翼3の補強も兼ねている。尚本実施例では、掘
進翼3,3を約25度程オーバーラップさせているが、
オーバーラップ角度は25度以上、或はそれ以下でも差
し支えない。
【0008】このように形成された鋼管杭Mを、図2に
例示する如く、杭打ち機5のリーダ5aに装備されたア
ースオーガ駆動機6に対してキャップ7で連結せしめ、
押圧回転させながらねじ込むように埋入する。尚この埋
入作業において、鋼管杭が地盤内へ一定深さ埋入されて
安定するまでは、位置決め部材5bによって保持し、振
れ止めを図る。鋼管杭Mを回転させると、杭先端に接し
た地盤は、図3に示す如く、ビット2の先端部で切り崩
され、その周囲の土は、粒度が小さければ掘進翼4,4
で鋤上げられるし、粒度の大きい礫は周方向に押し退け
られ、同時に地盤への喰い込み量が制御されて地盤の奥
深く沈設される。尚図面では、掘進翼の埋入軌跡を空間
にて示しているが、これはイメ−ジ的に表現したのであ
って、掘り進んだ跡は、土砂にて埋まり、鋼管杭と地盤
とは密な関係となる。又、掘進翼4,4は左右対象で、
地盤中で左右対抗面から均等に応力を受けるから、偏り
なく直進性に優れるし、二枚の翼で掘り進むので、掘削
速度も早い。更に、万一片方の掘進翼4がダメージを受
けても、他側の掘進翼4のみで作業を続行できるから、
能力は低下するが少なくとも作業の中断、中止は免れ
る。
【0009】前記実施例は先端を閉塞した無排土タイプ
を説明したが、図4に示す如く、金属筒1の先端面を開
放し、筒内を利用して土を上方へ排出させ、掘進抵抗を
軽減するようにもできる。その場合、金属筒1の先端面
は全面を開口させてしまわずに、半分を閉塞したままと
するなど、開口率は地盤条件等に応じて適宜変更でき
る。又、図5に例示する如く、三枚の掘進翼4,4,4
を互いに位相をずらせて三重に設けたり、それ以上の多
翼とすることもでき、いずれの場合も各掘進翼は均等に
配分されるが、下端縁は、例えば四枚翼であれば、対抗
する二枚を同一レベルの組とし、他の組に対して上下に
ずらして配置することもある。更には、図6に示す如
く、ビット2を三枚刃にて構成にしたり、埋設深さや地
盤の状況に応じ、図7の如く、多重に形成された掘進翼
4,4・・を、軸方向へ多段に設けることもできる。
【0010】金属筒1の閉塞先端部には、空気噴出孔を
付加することが可能であり、高圧空気を吹き出させるこ
とによって先端付近の土を攪乱して掘進効率を上げた
り、セメントや硬化剤を注入して強化用に利用する。又
ビットは、実施例の錐先状を最適とするが、状況に応じ
てビットの形態は変更して差し支えない。
【0011】尚本発明の鋼管杭は、口径が200mmを超
え、地盤が硬質な場合に顕著な効果を発揮するが、口径
が200mm以下の鋼管杭に適用してもかまわないことは
勿論であるし、 翼幅は、標準的な地盤の場合、杭径の半
分が好ましいものの、翼幅はそれに限定されず、図8の
aに例示する如く、上方へいくに従って徐々に幅広くし
たり、鋤刃を省略するなど、地盤の状況に応じて変更さ
れる。翼幅を上方へいくに従って徐々に幅広く形成すれ
ば、埋設された鋼管杭に楔効果が作用して支持力が増大
するので、軟弱地盤にはうってつけであり、多段に設け
た場合は、図8のbの如く、一定の比率で上段ほど広幅
とするのが望ましく、その比率や段数は適宜増減され
る。
【0012】
【発明の効果】本発明の鋼管杭は、掘進翼が多重に設け
られているので、掘進効率に優れると共に、垂直バラン
スが良好で、一枚の掘進翼がダメージを受けても、他の
掘進翼で作業を続行できる。又本発明の埋設方法によれ
ば、地盤が、中央部の尖った錐先状のビットにより杭よ
り太径且つ深くまで切り崩されると共に、効率の良い掘
進翼により土砂を上方及び周方向へ押し退け、ねじ込み
抵抗を軽減しつつ、ミキシング作用を伴ない、硬質地盤
をものともしないで真直に埋入される。そして地盤深く
に埋設された鋼管杭は、周囲の土砂による支圧力の働き
で掘進翼が固定され、その固定された掘進翼がアンカー
として機能し、強固且つ垂直に支持される。よって径が
太い鋼管杭を硬質地盤深くへ埋入させるには好適といえ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 a,bは本発明に係る鋼管杭の実施例を示す
説明図である。
【図2】 鋼管杭の埋設説明図である。
【図3】 掘進動作の説明図である。
【図4】 変更例の説明図である。
【図5】 変更例の説明図である。
【図6】 変更例の説明図である。
【図7】 変更例の説明図である。
【図8】 a,bは変更例の説明図である。
【図9】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1・・金属筒、1a・・蓋板、2・・ビット、2a,2
b・・厚肉板、3・・、4・・掘進翼、4a・・鋤刃、
5・・杭打ち機、5a・・リーダ、5b・・位置決め部
材、6・・アースオーガ駆動機、7・・キャップ、8・
・ビット片、9・・掘進翼、M・・鋼管杭。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部の外周に、略半周分を一単位とし
    た螺旋状の掘進翼を回転方向に対して互いに位相をずら
    せ、且つ端縁部同士を軸方向に対してオーバーラップさ
    せ、それを多重に設けて成る鋼管杭。
  2. 【請求項2】 前記掘進翼の下端縁部を、杭の軸心方向
    に対して同レベルに位置させ、且つ軸心と直角に配置し
    た請求項1に記載の鋼管杭。
  3. 【請求項3】 前記各掘進翼の下端縁に鋤刃を取り付け
    た請求項1又は2に記載の鋼管杭。
  4. 【請求項4】 前記先端部の端面に、中心突出先端部か
    ら、終端が端縁レベルと一致するように傾斜して放射状
    に分岐され、終端を管の外周方向に突出させたビットを
    有した請求項1乃至4のいずれかに記載の鋼管杭。
  5. 【請求項5】 前記先端部端面が閉塞された請求項1乃
    至5のいずれかに記載の鋼管杭。
  6. 【請求項6】 先端部外周に、略半周分を一単位とした
    螺旋状の掘進翼を、回転方向に対し互いに位相をずら
    せ、且つ端縁部同士を軸方向に対してオーバーラップさ
    せ、それを多重に設け、前記閉塞先端部の端面に、突出
    中心から、終端が端縁レベルとなるように傾斜して放射
    状に分岐され、終端を管の外周方向に突出させたビット
    を有する鋼管杭を、押圧力を加えて回転させながら地盤
    中に埋入させることを特徴とした鋼管杭の埋設方法。
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