JP3123472B2 - ねじ込み式鋼管杭 - Google Patents
ねじ込み式鋼管杭Info
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Description
に係り、さらに詳しくは、少なくとも鋼管の先端部の近
傍の外周面に鋼製翼を取付けたねじ込み式鋼管杭に関す
るものである。
けた鋼管杭に、地上に設置した駆動装置により回転力を
与えることにより、ねじの作用で地中に埋設するように
したねじ込み式鋼管杭は従来から多数提案されており、
その一部は小径の杭を対象としたものではあるが実用化
されている。以下、従来のこの種ねじ込み式鋼管杭の一
例について説明する。
鋼管杭の埋設工法は、鋼管製の杭本体の下端に底板を固
設し、該底板に掘削刃を設けると共に、杭本体の下端部
外周面に杭本体の外径のほぼ2倍強の外径を有する翼幅
の大きな杭ネジ込み用の螺旋翼を、ほぼ一巻きにわたり
突設した鋼管杭を、軟弱地盤にネジ込むように回転させ
ながら地中に押圧し、下端の掘削刃によって杭本体先端
の土砂を掘削軟化させて、杭側面の未掘削土砂中に螺旋
翼を食い込ませて、土の耐力を反力として杭体を回転推
進しつつ、掘削軟化した土砂を杭側面に押出し圧縮し、
無排土で地中に杭体をネジ込んでゆくようにしたもので
ある(従来技術1)。
た鋼管杭は、一枚の長さが半巻きで、外径が杭本体の
1.5〜3倍程度である一対のラセン翼を、鋼管杭の下
端部外周面の同じ高さ位置でラセン方向を同じにして互
いに相対的に複数枚不連続に固定したものである(従来
技術2)。
は、次のような問題がある。 (1)製作上の問題点 (a)平板を曲げ加工して螺旋翼を製作するために多く
の手間と費用がかかる。螺旋翼を製作するためには、ド
ーナツ状平板の1か所を切断してこれを螺旋状に曲げ加
工するのであるが、全面を均一の角度に折曲げるのは容
易ではない。特に鋼管の外径が500mm程度に大きく
なると、螺旋翼は40mm程度の厚さが必要になり、加
工設備も大型になる。
がかかる。ドーナツ状平板を曲げ加工して螺旋翼を製作
する際に、その内径に寸法誤差が発生して鋼管の外径よ
り小さい直径になる部分が生じ易いため、鋼管を挿入で
きなくなる場合がある。また、鋼管杭として一般に使用
されているスパイラル製鋼管やUOE製鋼管などの溶接
鋼管は、継ぎ目の溶接ビードが盛上っているため、さら
に挿入しにくい。
間と費用を要する。鋼管は製造する際に完全な円になら
ず若干楕円になると共に、前述の螺旋翼の内径の寸法誤
差のために、螺旋翼の内縁部と鋼管の外周が均一に接触
せず部分的に隙間が生じるため、溶接作業に時間を要す
ると共に、溶接欠陥が発生し易い。
る場合、螺旋翼がほぼ一巻であるために螺旋翼の終始点
部の間に玉石が詰まってしまい、以後のねじ込みによる
貫入ができなくなる。螺旋の傾斜を非常に大きくして終
始点部の隙間幅を大きくすることも考えられるが、傾斜
が大きすぎると貫入抵抗が大きくなるため、施工機械が
大型化して不経済な工法になる。
激に固い地層に入る場合、螺旋翼がほぼ一巻であるため
に、鋼管杭を下方に押し込む推進力が不足して貫入不能
になる場合がある。螺旋は長いほど推進力が大きくな
る。 (c)鋼管杭の下端部を底板を用いて完全に閉塞してい
るために、非常に固い地盤に突き当った場合、空回りし
て以後の貫入が不能になる。
螺旋翼にはその下側の地盤から上方向の反力を受け、螺
旋翼に大きな曲げモーメントが発生する。この曲げモー
メントが鋼管に伝達されて螺旋翼取付部周辺の鋼管に曲
げ応力を発生させる。鋼管の外径がこれまで施工実績の
多い200mm程度と小さい場合はこの曲げ応力はさほ
ど大きくないが、鋼管の外径が500mm程度と大きく
なると大きな問題になる。外径500mmの一般の鋼管
杭の肉厚は通常10mm前後であるが、発明者らが行っ
たFEM解析によると、螺旋翼取付部近傍では20mm
程度の肉厚が必要であり、鋼管杭の全長をこのように厚
くすることは大変不経済である。
ぼ螺旋翼の寸法形状から決るピッチになるが、一般の地
盤、特に支持層においては、実際には1回転当りの貫入
量は螺旋翼のピッチよりも小さくならざるを得ない。こ
のとき、螺旋翼は地盤に食い込んでいくというよりも螺
旋翼の下端部で地盤を削り取っていくという表現に近い
現象になる。このため、螺旋翼周辺の地盤をかき乱し、
地盤によって程度は異なるが、鉛直支持力が減少する。
(1)−(a)、(1)−(c)、(2)−(a)、
(2)−(b)、(3)、(4)と同様の問題を有する
が、特に、(2)−(b)が大きな問題である。すなわ
ち、従来技術2は鋼管を1周する螺旋翼とは異なり、地
盤を削り取る能力は大きくなる一方、一枚の翼の長さが
鋼管の半周と短く土砂が動きやすいため、鋼管杭を下方
に押込む推進力が不足しがちで空回りを生じ易い。
されもので、鋼製翼の制作が容易で費用が安価であり、
鋼製翼を鋼管に取付ける手間と費用を低減することがで
きること。さまざまな地盤土質にスムーズに施工でき、
その上鉛直支持力が大きいこと。及び鋼製翼から鋼管に
伝達する曲げモーメントに対処できるばかりでなく、経
済的にも対応することのできるねじ込み式鋼管杭を得る
ことを目的としたものである。
た翼を利用してねじ込みにより地盤中に埋設するねじ込
み式鋼管杭において、次の通り構成したものである。 (1)鋼管に取付けた翼を、外径が前記鋼管の外径の
1.5〜2.5倍で内径が鋼管の内径とほぼ等しいドー
ナツ状の鋼板を複数に分割した平板状の鋼製板を、前記
鋼管の先端部近傍の外周面にほぼ同じ角度で相互に連な
るように取付けてほぼ螺旋状に形成し、かつ、前記鋼製
板の内角の和を315°〜540°の範囲とした鋼製翼
によって構成したものである。
いて、鋼製翼の上方において鋼管の外周面に、前記鋼製
翼に準じた構造でその外径が該鋼製翼とほぼ等しいか又
はこれより大きく該鋼製翼と同方向に取付けた第2の鋼
製翼を設けたものである。
き鋼管杭において、鋼製翼又は鋼製翼と第2の鋼製翼を
取付ける部分を、その上部の鋼管の肉厚より厚い肉厚の
増強鋼管又は前記鋼管より材料強度の高い増強鋼管で構
成したものである。
込み式鋼管杭において、鋼管杭を構成する鋼管若しくは
増強鋼管の先端部又はその近傍の内側に、前記鋼管若し
くは増強鋼管の外径又は内径とほぼ等しい外径の円板状
又はドーナツ状の鋼製底板を取付けたものである。
込み式鋼管杭において、鋼管杭打設の打止め直前又は打
止め後に、前記鋼管杭の先端部又はその近傍から地盤中
に固化材を注入して前記鋼管杭と一体に構成したもので
ある。
視図、図2はそのA−A断面図である。図において、1
はねじ込み式鋼管杭(以下単に鋼管杭という)、2はこ
の鋼管杭1を構成する鋼管である。10は鋼管2の先端
部の近傍、すなわち、鋼管2の先端部の外周面又は先端
よりやや上方において鋼管2の外周面に取付けられた鋼
製翼である。
径D1 が鋼管2の外径dより大きく(例えばD1 =2
d)、内径D2 が鋼管2の外径dとほぼ等しいドーナツ
状の鋼板を2等分した平板からなる鋼製板10a,10
bを、鋼管2の先端部(下端部)の外周面、又は先端部
よりやや上方の外周面に、ほぼ同じ角度で相互に連なる
ようにほぼ螺旋状に溶接により接合したものである。鋼
製翼10の大きさは、鋼管杭1を埋設する地盤の状態、
鋼管2の外径d、鋼製板10a,10bの数などによっ
て異なるが、一般に鋼管2の外径dの1.5〜2.5倍
適度が望ましく、また、鋼製板10a,10bの内角の
和はほぼ360°となっている。
ら離れるほど、鋼管杭1の先端部下方の地盤の乱れが少
なくなるため地盤支持力が大きくなるが、先端部下方の
地盤の側方誘導機能が働らかなくなるため、貫入力が低
下し、地盤支持力も低下する。発明者らが種々検討した
結果によれば鋼製翼10は、鋼管2の下端部から鋼管2
の外径dに相当する高さ(0〜1.0d)までの領域内
に設けることが望ましい。
換言すれば鋼製板10aの鋼管2への取付部の最下位か
ら、鋼製板10bの鋼管2への取付部の最上位までの高
さhは、鋼管杭1を埋設する地盤の状態、鋼管2の外径
d、鋼製板10a,10bの数などによって異なるが、
一般に、h=0.1〜0.5d(但し、dは鋼管2の外
径)程度であればよい。
本例においては、図1の鋼管2の鋼管翼10の上方に、
鋼製翼10を構成する鋼製板10a,10bと同じ構造
の鋼製板20a,20bからなる第2の鋼製翼(以下上
段翼という)20を設けたものである。この場合、鋼製
翼10と上段翼20との間隔Hは、埋設する地盤の状
態、鋼管2の外径d、鋼製板10a,10b、20a,
20bの数などによって異なるが、一般にH=1.0〜
5.0d(但し、dは鋼管2の外径)程度が望ましく、
地盤条件によっては、鋼管杭1の長手方向の中間部近傍
に設けてもよい。
に示すように、施工装置であるベースマシン30に搭載
したオーガー31に取付けられ、オーガー31により回
転されて鋼製翼10のねじ作用により地盤中にねじ込ま
れ、埋設される。
(及び上段翼20)が鋼管2の外周面から大きく突出し
ているため、地中へのねじ込み施工時においては、鋼製
翼10(及び上段翼20)は地盤へ食い込んで鋼管杭1
をねじ込む機能と、鋼管杭1の下方の土砂を鋼管2の側
方へ誘導し、かつこれを圧縮する機能を有する。また、
施工後において、上載構造物等による鉛直荷重を支持す
る杭として機能するときは、鋼製翼10の鋼管2の外周
から突出した部分の全面積が支持体として機能し、さら
に、鋼管2の外周面から突出した上段翼20も多少なが
ら地盤支持力を得ることができる。
図である。なお、実施形態1と同じ部分にはこれと同じ
部号を付し、説明を省略する。本実施形態は鋼管杭1を
構成する鋼管2の先端部に、鋼管2の肉厚より厚い鋼管
からなる増強鋼管5を溶接により接合し、この補強鋼管
5の外周面に鋼製板210a,10bからなる鋼製翼1
0を取付けたものである。この場合、鋼管2に増強鋼管
5を接合したのち鋼製翼10を取付けてもよく、あるい
は、鋼製翼10を取付けた増強鋼管5を鋼管2に接合し
てもよい。
鋼管2の先端部に長い増強鋼管5を接合し、この増強鋼
管5に鋼製翼10と上段翼20を取付けたものである。
なお、本実施形態においては、肉厚の厚い増強鋼管5に
代えて、鋼管2よりも強度の高い増強鋼管を用いてもよ
い。上記のように構成した本実施形態に係る鋼管杭は、
実施形態1の場合と同様にして地盤中に埋設される。
反力を受けるためには、鋼製翼10は高い剛性が要求さ
れる。例えば、鋼管2の外径が500mm、鋼製翼10
の外径が1000mmの場合、鋼製翼10には、地盤反
力により大きな曲げモーメントが発生するため、設計
上、厚さ40mm程度の鋼板を用いることが要求され、
この曲げモーメントは鋼管2に伝達されて図8に示すよ
うに大きな曲げ応力が生ずることになる。
力の影響がある部分について、鋼管2の肉厚より厚い肉
厚の増強鋼管5又は鋼管2より強度の高い増強鋼管を使
用することにより、曲げ応力の影響がある部分に関して
発生応力を許容応力内に収めることができるので、鋼管
2には大きな曲げ応力は生じない。
定される地盤反力を考慮して、数値解析により決定する
ことになる。例えば、鋼管2の直径が500mm、鋼製
翼10の直径が1000mmで、500tの鉛直荷重が
作用した場合、通常の鋼管では、軸力のみが作用する部
分では14mmの肉厚で降伏応力(2400kgf/c
m2 )内に収まるところを、軸力と曲げモーメントの両
者が作用する部分の応力を許容応力内に収めるために
は、20mm程度の肉厚の鋼管を必要とする。このた
め、鋼管2の肉厚を厚くして鋼製翼10を直接鋼管2に
取付ける方法では、不経済となってしまう。
鋼管2より肉厚の厚い増強度鋼管5又は鋼管2より強度
の高い増強鋼管を用いれば、鋼管2の肉厚を厚くする必
要がないので経済的であり、その上曲げモーメントにも
十分対応できることになる。また、増強鋼管5は鋼管2
に溶接により接合するだけなので、作用荷重に対応して
各種サイズのものを用いることができる。
和が360°の鋼製板10a,10bにより鋼製翼10
を構成した場合を示したが、本実施形態においては、鋼
製板10a,10bの内角の和を360°より小さく、
又は360°より大きく形成したものである。図9は鋼
製板10a,10bの内角の和を360°より小さくし
たもので、鋼製板10aと10bとの間には、図11に
示すようにすき間11が生じる。また、図10は鋼製板
10a,10b,10c,10dの内角の和を360°
より大きくしたもので、鋼製板10aと10dとの間に
は、図12に示すように重なり12が生じる。なお、上
記の構成は、上段翼20においても同様である。
による検討結果によれば、各鋼製板10a,10b,…
の内角の和を315°以上とすることにより、施工に際
して玉石による鋼製翼10の終始端間の詰りを防止でき
ると共に、一巻の鋼製翼(鋼製板の内角の和が360
°)とほぼ同程度の推進力を得ることができ、また、内
角の和を540°以下にすることにより、軟弱地盤から
固い地盤に移る境界においても十分な推進力が得られる
ことがわかった。このようなことから、鋼製翼10を構
成する鋼製板10a,10b,…の内角の和は、315
°〜540°の範囲内とするのがよい。なお、上段翼2
0も同様の構成とすることができる。
0a,10b,…の内角をすべて等しくする必要はな
く、若干異ってもよい。また、すき間11又は重なり1
2は1か所に集中する必要はなく、隣接する鋼製板10
a,10b,…の間に適宜設けてもよい。
状又はドーナツ状の鋼製底板6又は7を取付けたもので
ある。すなわち、図13(a)は鋼管2の先端部に円板
状の鋼製底板6を溶接により接合したものであり、図1
3(b)は鋼管2の先端部にドーナツ状の鋼製底板7を
溶接により接合したものである。また、図13(c)は
鋼管2の先端部近傍の内側に円板状の鋼製底板6を溶接
により接合し、図13(d)は同様にしてドーナツ状の
鋼製底板7を接合したものである。なお、この場合鋼製
翼10に対応した位置に鋼製底板6又は7を接合すれ
ば、鋼製翼10の取付部の補強効果も得られる。
管杭1は、先端開口部の全部又は一部が鋼製底板6,7
で閉塞され、鋼製翼10は鋼管2の外周面から大きく突
出しているため、地中へのねじ込み施工時においては、
鋼製翼10は、その下方の地盤へ食い込んで鋼管杭1を
ねじ込む機能と、鋼管杭1の下方の土砂を鋼管2の側方
へ誘導し、かつこれを圧縮する機能とを有する。
る鉛直荷重を支持する杭として機能するときは、鋼管2
の下端開口部の全部又は一部を閉塞する鋼製底板6,7
と、鋼製翼10の鋼管2の外周から突出した部分とを合
わせた全面積が支持体として機能し、さらに、上段翼2
0を設けた場合は、これにより多少の地盤支持力を得る
ことができる。
に突出して地盤へ食い込む機能と、支持体としての機能
との両機能を備えている。先端部を閉塞した鋼管杭の地
盤支持力は、閉塞面積に比例することが知られており、
例えば、鋼管2の下端開口部を全部閉塞した場合は、鋼
製翼10の外径を鋼管2の外径の2倍にすると、鋼製翼
の面積は、これがない場合の4倍の面積となり、非常に
大きな地盤支持力が得られる。なお、本実施形態におい
ては、円板状の鋼製底板6を取付けた鋼管杭1は、地盤
が比較的柔らかい場所に用いるとよく、ドーナツ状の鋼
製底板7を取付けた鋼管杭は、非常に固い地盤に用いれ
ば、ねじ込み埋設中に土砂を鋼管2内に取込むので貫入
し易い。
き、鋼製翼10及び上段翼20をそれぞれ2枚の鋼製板
10a,10b、20a,20bで構成した場合を示し
たが、鋼製翼10及び上段翼20を構成する鋼製板は2
枚以上であればよく、好ましくは2枚〜4枚程度がよ
い。
その外径が等しい場合を示したが、両者を異なる外径で
構成してもよい。その場合は、上段翼20の外径を下段
翼10の外径より大きくすることが望ましく、このよう
に構成することにより、鋼管杭1の施工に際して鋼製翼
10でかき乱した地盤の外側に上段翼20が食い込んで
回転するため、下方への押込み力が増えて貫入ピッチ2
0が食い込んで回転するため、下方への押込み力が増え
て貫入ピッチを増加することができる。
管杭1を地盤中に打設するにあたり、打止め直前又は打
止め後に鋼管杭1内に固化材注入管13を挿入し、鋼管
杭2の先端部又は鋼製翼10の近傍から、地盤内の鋼管
2(又は補強鋼管5)の下部及び鋼製翼10の周囲に、
例えば、セメントミルク、セメントモルタル、液状樹脂
の如き固化材14を注入し、鋼管杭1と一体化したもの
である。これにより、鋼管杭1の埋設時に鋼製翼10に
よってかき乱された地盤が強化され、大きな支持力を得
ることができる。
にとり、図15により本発明の実施例を説明する。鋼管
杭1を構成する鋼管2は、長さ25m、外径500m
m、肉厚9mmで、材質は40キロ鋼である。また、増
強鋼管5は、長さ1200mm、外径500mm、肉厚
20mmで、材質は50キロ鋼であった。鋼製翼10の
外径は800mm、肉厚は40mmであり、上段翼20
の外径は1000mm、肉厚は40mmで、それぞれ2
枚の鋼製板10a,10b、20a,20bによって構
成され、その内角の和を315°とした。なお、鋼製翼
10と上段翼20との間隔は750mmであった。
3mまでは最大20cmの玉石を所々に含む平均N値5
の粘性土層、23m以深はN値50以上の砂礫層であっ
た。そして、図19に示すベースマシン30に搭載した
オーガー31により鋼管杭1の杭頭に回転力を伝達して
施工したところ、鋼管杭1をスムーズにかつ短時間で地
盤中に埋設することができた。なお、実施形態4で説明
したように、鋼管杭1の先端部又はその近傍に鋼製底板
6又は7を取付けた場合でも、土砂を全く地表に排出す
ることなく埋設することができた。
翼20を構成する鋼製板10a,10b、20a,20
bの内角の和を315°としたので、鋼製翼10及び上
段翼20の終始端部の間に玉石が詰まるのを防止するこ
とができた。また、試験場所は、前述のように急激に固
い支持層となかるが、2段翼にして推進力を増加したの
で、支障なく貫入することができた。
鋼製翼10の外径も大きくなり、これに伴って鋼製翼1
0を構成する鋼製板10a,10bの厚さも厚くなる。
この結果、例えば、図19に示すようなベースマシン3
0で鋼管杭1を地中にねじ込む際に、鋼製翼10の回転
方向側の端部に地盤による大きな抵抗が加わり、トルク
が弱いと回転不能になって地中に貫入できないことがあ
る。このため、ベースマシン30を大型化しなければな
らないという問題が生じる。本実施形態は、このような
問題を解決するために、図16に示すように、鋼製翼1
0の鋼製板10aのくい込み部(回転方向側の端部)を
鋭角に切除して傾斜面15を設け、これにより端部に加
わる地盤の抵抗を軽減し、地中に貫入し易くしてトルク
の低減をはかったものである。また、図17の例では、
鋼製板10aのくい込み部に、鋼製翼10の掘削を補助
するための掘削刃16を取付けたものである。
を地中にねじ込んで埋設する際、鋼製翼10の鋼製板1
0aの端部が変形するのを防止するため、鋼製板10a
のくい込み部に、補強部材17を取付けたものである。
実施形態6及び7は上段翼20の鋼製板20aに実施し
てもよい。
込むための翼を、外径が鋼管の外径の1.5〜2.5倍
で内径が鋼管の内径とほぼ等しいドーナツ状の鋼板を複
数に分割した平板状の鋼製板を鋼管の先端部近傍の外周
面にほぼ同じ角度で相互に連なるように取付けてほぼ螺
旋状に形成し、かつ、鋼製板の内角の和を315℃〜5
40℃の範囲とした鋼製翼によって構成したので、次の
ような効果を得ることができる。
製翼を構成したので、鋼製翼の制作が容易かつ安価であ
り、また、鋼管に取付ける手間と費用を低減することが
できる。 (b)鋼管翼の外径を鋼管の外径の1.5〜2.5倍と
したので、施工に際して地盤中にスムーズにねじ込むこ
とができ、かつ、大きな支持力を得ることができる。
角の和を315°以上とすることにより鋼製翼の終始端
部間に玉石が詰まることを防止でき、しかもほぼ一巻の
螺旋翼を有する鋼管杭と同程度の推進力を得ることがで
きる。また、鋼製板の内角の和を540℃以下にするこ
とにより、軟弱地盤から固い地盤に移る境界でも十分な
推進力を得ることができる。このように、地盤土質に応
じて鋼製翼の全体長さを変えることができるので、鋼管
杭を各種の地盤土質に対してスムーズに埋設することが
できる。
て、鋼製翼の上方の鋼管の外周面に、鋼製翼に準じた構
造でその外径が鋼製翼とほぼ等しいか又はこれより大き
く、鋼製翼と同方向に取付けた第2の鋼製翼を設けて2
段翼としたので、前記(a)〜(c)の効果に加えて、
より大きな推進力と鉛直支持力を得ることができる。
鋼管杭において、鋼製翼又は鋼製翼と第2の鋼製翼を取
付ける部分を、その上部の鋼管の肉厚より厚い肉厚の増
強鋼管又は鋼管より材料強度の高い増強鋼管で構成した
ので、鋼製翼から大きな曲げモーメントが伝達されても
増強鋼管の応力度を許容値以内に抑えることができる。
じ込み式鋼管杭において、鋼管杭を構成する鋼管若しく
は増強鋼管の先端部又はその近傍の内側に、鋼管若しく
は増強鋼管の外径又は内径とほぼ等しい外径の円板状又
はドーナツ状の鋼製底板を取付けたので、より大きな支
持力を得ることができる。
(4)のねじ込み式鋼管杭において、鋼管杭打設の打止
め直前又は打止め後に、鋼管杭の先端部又はその近傍か
ら地盤中に固化材を注入し、鋼管杭と一体化するように
したので、より大きな支持力を得ることができる。
曲げモーメントによって鋼管に生じる曲げ応力との関係
を示す線図である。
る。
る。
視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼管に取付けた翼を利用してねじ込みに
より地盤中に埋設するねじ込み式鋼管杭において、 前記翼を、外径が前記鋼管の外径の1.5〜2.5倍で
内径が鋼管の内径とほぼ等しいドーナツ状の鋼板を複数
に分割した平板状の鋼製板を、前記鋼管の先端部近傍の
外周面にほぼ同じ角度で相互に連なるように取付けてほ
ぼ螺旋状に形成し、かつ、前記鋼製板の内角の和を31
5°〜540°の範囲とした鋼製翼によって構成したこ
とを特徴とするねじ込み式鋼管杭。 - 【請求項2】 鋼製翼の上方において鋼管の外周面に、
前記鋼製翼に準じた構造でその外径が該鋼製翼とほぼ等
しいか又はこれより大きく該鋼製翼と同方向に取付けた
第2の鋼製翼を設けたことを特徴とする請求項1記載の
ねじ込み式鋼管杭。 - 【請求項3】 鋼製翼又は鋼製翼と第2の鋼製翼を取付
ける部分を、その上部の鋼管の肉厚より厚い肉厚の増強
鋼管又は前記鋼管より材料強度の高い増強鋼管で構成し
たことを特徴とする請求項1又は2記載のねじ込み式鋼
管杭。 - 【請求項4】 鋼管杭を構成する鋼管若しくは増強鋼管
の先端部又はその近傍の内側に、前記鋼管若しくは増強
鋼管の外径又は内径とほぼ等しい外径の円板状又はドー
ナツ状の鋼製底板を取付けたことを特徴とする請求項1
〜3の何れかに記載のねじ込み式鋼管杭。 - 【請求項5】 鋼管杭打設の打止め直前又は打止め後
に、前記鋼管杭の先端部又はその近傍から地盤中に固化
材を注入して前記鋼管杭と一体に構成したことを特徴と
する請求項1〜4の何れかに記載のねじ込み式鋼管杭。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09194065A JP3123472B2 (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | ねじ込み式鋼管杭 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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