JPS6319390Y2

JPS6319390Y2 -

Info

Publication number: JPS6319390Y2
Application number: JP16298683U
Authority: JP
Priority date: 1983-10-21
Filing date: 1983-10-21
Publication date: 1988-05-31
Also published as: JPS6070639U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、無騒音・無振動かつ能率よく沈設施
工をするに好適とした基礎杭に関するものであ
る。

現在、コンクリートパイルの地盤中への沈設に
は、打撃工法、プレボーリング工法、セメントミ
ルク工法、中堀り工法などが用いられているが、
社会的要請によつて、騒音振動を伴う打撃工法
は、市街地では避けられるようになつて、できる
だけ騒音・振動が少ない低公害工法であるセメン
トミルク工法、中堀り工法などが用いられる傾向
にある。

セメントミルク工法は、先ず地盤中にアースオ
ーガーで掘削孔を崩壊させないため、オーガー先
端から水・ベントナイト、又は水・ベントナイ
ト・セメントなどの混合物を噴射しながら、地盤
を掘削排土し、支持地盤付近まで掘削後はセメン
トミルク（セメント＋水）に切り替え注入し、支
持地盤付近はセメントミルク柱とした掘削孔中に
パイルを建込みパイルを沈設してパイル頭部を軽
打又は圧入するもので、プレボーリング工法に比
べ騒音・振動が更に少なくなるが、施工費は高く
なる。

また、中堀り工法は、パイル中空部にアースオ
ーガーを挿入してオーガーで地盤を掘削しなが
ら、パイル中空部を通じて土砂を排出してパイル
を沈設し、支持地盤付近はセメントミルクを注入
し、オーガー引抜き後パイルを圧入するなどし
て、パイルを沈設するものである。この中堀り工
法は、セメントミルク工法に比べ施工費が安く、
騒音振動も少ないことから、低公害工法というこ
とで現在はこの工法が用いられることが多くなつ
てきている。

このような技術背景の中で、上記工法よりも、
更に施工費が安く、かつ、無騒音・無振動でコン
クリートパイルを地盤中に沈設する工法の開発が
望まれている。

上記目的を達成するため、コンクリートパイル
全長にわたつて、らせん形のコンクリート翼を設
けたパイルが開発され、パイル頭部に回転力を与
えて、地盤中にそのパイルを沈設する工法も出現
しているが、次の欠点を有している。その欠点
は、 (1) コンクリートパイルの全長にわたつてらせん
形のコンクリート翼を設けているため、その製
造のための型枠が複雑で高価であり、配筋も面
倒であり、製造コストがかかる。

(2) パイル頭部に回転を与えて、パイルを沈設す
るため、パイル長が長なると、土の摩擦力によ
つてパイル頭部の回転力はパイル下端まで伝達
され難く、沈設長に制限があること、及びパイ
ル長が長くなるとパイルにねじれモーメントが
作用してパイルがねじれによつて、切断される
可能性があること。

が挙げられる。

本考案は、前記従来の欠点を解決するため、無
騒音・無振動でかつ沈設作業が容易、確実に行な
え、しかも製作費が安価な基礎杭を提供し、それ
によつて低公害で施工費の安い基礎杭の沈設施工
を実現しようとするものであつて、中空パイルの
一端に、外周ににらせん形のブレイドを突設した
短尺のコンクリート先導パイルを固設し、該先導
パイルには、その軸線に沿つて、パイル沈設用や
ぐらの駆動軸に連結した回転シヤフトの先端部と
係合する横断面角形の嵌合穴を形成するととも
に、前記中空パイルの他端には、横断面角形の嵌
合孔を形成したフランジを着脱自在に設けたこと
を特徴とするものである。

以下、本考案の基礎杭の実施例について図面を
参照して説明する。

図においてＡは先導パイルで、通常使用されて
いるパイルとほぼ同径をなしているが短尺なもの
としており、先端部が錐状をなしたコンクリート
本体１の外周に保護鉄板２が被覆され、その外周
に沿つてらせん形のブレイド３が１〜数巻きにわ
たり突設されている。そして、その基端から軸線
に沿つて所要の深さに達する横断面角形、例えば
六角形の嵌合穴４が形成されており、基端面には
十分な厚みを有する端板５が設けられ、これに固
着した補強鉄筋６，６……がコンクリート本体１
内に延長されている。

Ｂは中空パイルで、この実施例では従来一般に
使用されている中空コンクリートパイルが適用さ
れている。このパイルは公知のものであるから特
に説明するまでもないが、中空なコンクリート本
体７の両端部には環状の座板８，８とそれに続い
て補強環９，９が設けられ、コンクリート本体７
中には両端を各座板８，８に止着した軸鉄１０，
１０……及びフープ筋１１が埋設されている。そ
して、この中空パイルＢは、その一端を前記先導
パイルＡの端面に当接し、それらの端板５と座板
８との各周縁において溶接１２により固着し一体
のものとする。

また、Ｃは前記中空パイルＢの他端に装着する
フランジで、先導パイルＡの嵌合穴４と同様な横
断面角形の嵌合孔１３を貫設した所要高さのリブ
１４と座体１５を有している。そして、座体１５
にはボルト通孔１６，１６……が設けられてお
り、このボルト通孔１６を介してボルト１７（第
１図）を中空パイルＢの座板８のボルト孔にねじ
込むことにより、フランジＣを中空パイルＢに固
着することができるようになつている。

なお、本実施例においては、先導パイルＡに固
着する中空パイルＢに中空コンクリートパイルを
用いているが、これに限定されることなく、例え
ば鋼管製パイルや鋼管とコンクリートとの複合パ
イルを適用することもできる。また、先導パイル
Ａにおけるらせん形ブレイド３は実施例の図面で
は連続したらせんとなつているが、これを不連続
状態に分断し、全体としてらせん状に形成したも
のでもよい。

次に、前記実施例による基礎杭の施工例につい
て説明する。まず、基礎杭の沈設作業に先だつ
て、中空パイルＢの上端にフランジＣをボルト１
７により固着する。また、下端に先導杭Ａの嵌合
穴４に係合する角形ブロツク１８を設けるととも
に、上面に凹溝１９を形成した雌フランジ２０を
上端に設けた回転シヤフト２１と、下端に雌フラ
ンジ２０に係合する凸条２２を形成した雄フラン
ジ２３を、その上方にフランジＣの嵌合孔１３に
係合する角形ブロツク２４をさらにその上端にオ
ーガージヨイント２５を設けた駆動杆２６を用意
する。

ついで、基礎杭を地上に立設するとともに、第
４図のように、回転シヤフト２１と駆動杆２６と
を互に雌フランジ２０と雄フランジ２３とを介し
て係合させ、両者が上下に離反しないように適宜
な手段で結合する。そして、回転シヤフト２１を
基礎杭中に挿入し、下端の角形ブロツク１８を先
導パイルの嵌合穴へ係合させる。そのとき駆動杆
２６の角形ブロツク２４もフランジＣの嵌合孔に
係合される。そこでオーガージヨイント２５をパ
イル沈設用やぐらの駆動軸（図示を略す）に連結
して回転させれば、シヤフト２１の回転力は先導
パイルＡと中空パイルＢとに伝達され、先導パイ
ルＡのらせん形ブレイド３により掘削が進行し、
基礎杭は地盤中に貫入して行くことになる。

地盤に貫入した基礎杭をさらに深く沈設させる
には、フランジＣを取外し、回転シヤフト２１と
駆動杆２６とを雌フランジ２０及び雄フランジ２
３の個所から分離して駆動杆２６を一たん引抜
き、中空パイルＢに他の中空パイルを溶接して接
続する。そして、第５図に示すような、下端に回
転シヤフトの雌フランジ２０と係合する雄フラン
ジ２７を、上端に駆動杆の雄フランジ２３と係合
する雌フランジ２８を有する、接続中空パイルと
同長の接続シヤフト２９を接続し、新たに継いだ
中空パイルの上端に再びフランジＣを固着し、駆
動杆２６を挿入し接続シヤフトに連結する。そし
て再び駆動杆２６を回転させれば、その回転力は
接続した中空パイルと先導パイルＡとに伝達され
ることになり、基礎杭の沈設作業は能率よく行わ
れることになる。これを反覆して行うことにより
さらに深く基礎杭を沈設することができるのであ
る。

基礎杭沈設後は、駆動軸とオーガージヨイント
２５との結合を解き、接続シヤフト２９や回転シ
ヤフト２１及び駆動杆２６を引き抜けば作業を終
えることになる。

以上説明したように、本考案の基礎杭は、中空
パイルの一端に、外周にらせん形のブレイドを突
設した短尺のコンクリート先導パイルを固設し、
該先導パイルには、その軸線に沿つて、パイル沈
設用やぐらの駆動軸に連結した回転シヤフトの先
端部と係合する横断面角形の嵌合穴を形成すると
ともに、前記中空パイルの他端には、横断面角形
の嵌合孔を形成したフランジを着脱自在に設けた
ので、先導パイルの嵌合穴及びフランジの嵌合孔
と係合する簡単な構造の回転シヤフト及び駆動杆
を用いて回転させることにより、基礎杭はその先
導パイル部分と中空パイル部分との両方に回転力
を与えて、基礎杭への捩りモーメントが極めて少
ない状態で沈設作業ができ、しかも、先導パイル
に設けたらせん形ブレイドの作用で、回転を付与
するだけで無騒音、無振動で沈設を行うことがで
きるとともに、らせん形ブレイドの大きな平面形
状により、支持杭としての効果も得られ、杭とし
ての支持力も大巾に増大されることになる等、多
くの優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案基礎杭の一実施例を示した側断
面図、第２図は同先導パイルの平面図、第３図は
中空パイルに固着するフランジの平面図、第４図
は基礎杭中に回転シヤフト及び駆動杆を挿入した
状態を示す側断面図、第５図は接続シヤフトの側
面図である。Ａ……先導パイル、Ｂ……中空パイル、Ｃ……
フランジ、１……コンクリート本体、２……保護
鉄板、３……らせん形ブレイド、４……嵌合穴、
５……端板、７……コンクリート本体、８……座
板、１２……溶接、１３……嵌合孔、１８……角
形ブロツク、２０……雌フランジ、２１……回転
シヤフト、２３……雄フランジ、２４……角形ブ
ロツク、２５……オーガージヨイント、２６……
駆動杆、２９……接続シヤフト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

中空パイルの一端に、外周にらせん形のブレイ
ドを突設した短尺のコンクリート先導パイルを固
設し、該先導パイルには、その軸線に沿つて、パ
イル沈設用やぐらの駆動軸に連結した回転シヤフ
トの先端部と係合する横断面角形の嵌合穴を形成
するとともに、前記中空パイルの他端には、前記
回転シヤフトの中間部と係合する横断面角形の嵌
合孔を形成したフランジを着脱自在に設けたこと
を特徴とする、基礎杭。