JP4207263B2 - ねじ込み式鋼管杭及びねじ込み式鋼管杭の施工方法 - Google Patents

ねじ込み式鋼管杭及びねじ込み式鋼管杭の施工方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管に翼を取付けた鋼管杭に回転力を与えることにより、地中に埋設するようにしたねじ込み式鋼管杭及びねじ込み式鋼管杭の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼管の側面や先端部に翼状板を取付けた鋼管杭に、地上に設置した機械によって回転力を与えることにより、ねじの作用で鋼管杭を地中に埋設する方法は従来から多数提案されており、その一部は小径の杭を対象としたものではあるが実用化されている。以下、従来のこの種鋼管杭の一例について説明する。
【0003】
特公平2−62648号公報に記載された鋼管杭の埋設工法は、鋼管製の杭本体の下端部に底板を固設し、該底板に掘削刃を設けると共に、杭本体の下端部外周面に杭本体の外径のほぼ2倍強の外径を有する翼幅の大きな杭ねじ込み用の螺旋翼を、ほぼ一巻きにわたり突設した鋼管杭を、軟弱地盤にねじ込むように回転させながら地中に押圧し、下端部の掘削刃によって杭本体先端部の土砂を掘削軟化させて、杭側面の未掘削土砂中に螺旋翼を食い込ませて、土の耐力を反力として杭体を回転推進しつつ、掘削軟化した土砂を杭側面に押出して圧縮し、無排土で地中に杭体をねじ込んでゆくようにしたものである(従来技術1)。
【0004】
また、特開平7−292666号公報に記載された鋼管杭は、一枚の長さが半巻きで、外径が杭本体の1.5〜3倍程度である一対のラセン翼を、鋼管杭の下端部外周面の同じ高さ位置でラセン方向を同じにして互いに相対的に複数枚不連続に固定したものである(従来技術2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1及び2の鋼管杭は、工事完了後上載建造物の重量や地震により鋼管杭に鉛直力が作用すると、螺旋翼には翼面下の地盤から強い反力を受ける。その結果、螺旋翼の取付け部分に大きな曲げモーメントが生じ、これが鋼管に伝達されて大きな曲げ応力が発生する。
この曲げ応力は、従来技術2の明細書に記載されているように、鋼管の外径が100〜200mm程度の径の小さい鋼管杭であれば実用上大きな問題にはならない。しかし、広く使用されている外径が500〜600mmの鋼管杭では、設計上大きな問題となる。
【0006】
翼の外径は、従来技術1及び2に示されるように、施工上あるいは支持力上、鋼管径の2倍程度がよいとされている。ここで、鋼管径200mmの鋼管杭と、600mmの鋼管杭とを比較する。いま、それぞれの翼の外径を鋼管径の2倍である400mm、1200mmとすると、翼の幅{(翼外径−鋼管外径)/2}は、それぞれ100mm、300mmとなる。
翼に作用する単位面積当りの地盤反力が同じとすると、翼の取付け部に作用する単位周長当りの曲げモーメントは、翼の幅の2乗に比例するので、外径600mmの鋼管杭では、外径200mmの鋼管杭に比べて約9倍の大きさになる。このため、翼は大変厚いものが要求される。
【0007】
一方、翼の取付け部近傍の鋼管には、前述のように翼から曲げモーメントが伝達され、曲げ応力が発生する。鋼管に伝達される曲げモーメントの大きさは鋼管の寸法によって異なるが、翼の取付け部の曲げモーメントの5〜10割程度の値になる。例えば、外径600mmの鋼管の場合、設計上40mm以上の厚さが必要な翼の曲げモーメント値の5〜10割の曲げモーメントが取付け部近傍の鋼管に作用する。
外径600mmの鋼管杭の場合、一般に使用されている鋼管の板厚は9〜12mm程度であり、鋼管の曲げ応力は設計許容曲げ応力を大きく超過することになる。これに対応するために翼の取付け部近傍の鋼管の板厚を他の部分の板厚の2〜3倍に増やすことでも対処できるが、そのためのコストが著しく大きなり、実用上設計困難にならざるを得ない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みて、以下の課題を解決することを目的としたものである。
(1)鋼管内部の少なくとも翼の取付け部近傍にコンクリートを打設することにより鋼管杭の剛性を向上させ、翼から伝達される曲げモーメントによる過大な応力を低減し、鋼管の板厚も低減できるようにすること。
(2)翼を利用して大きな地盤支持力が得られること。
(3)強固な地盤まで鋼管杭をねじ込みにより埋設できること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るねじ込み式鋼管杭は、横断面が一様な円筒状の鋼管に取付けた翼のねじ作用により地中に打設するねじ込み式鋼管杭において、前記鋼管杭の先端部は閉塞されており、前記鋼管内前記翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設したものである。
また、本発明に係るねじ込み式鋼管杭の施工方法は、横断面が一様な円筒状の鋼管に取付けた翼のねじ作用により先端部が閉塞された鋼管杭を地中に打設したのち、前記鋼管内前記翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設するものである。
さらに、本発明に係るねじ込み式鋼管杭の施工方法は、横断面が一様な円筒状の鋼管に取付けた翼のねじ作用により先端部が閉塞された鋼管杭を地中に打設する前に、前記鋼管内前記翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設し、該コンクリートが打設されている前記鋼管杭を地中に打設するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1(参考形態)に係る翼付きねじ込み式鋼管杭(以下、単にねじ込み杭という)の縦断面模式図である。図2において、1はねじ込み杭で、2はねじ込み杭1を構成する鋼管、10は鋼管2の下端部に設けられた翼、25は鋼管2内の全長にわたって打設されたコンクリートである。
【0011】
図2は鋼管2の先端部の構造を示す斜視図である。鋼管2の先端部には、図3に示すように(なお、図3では説明を容易にするために、鋼管2の上下を逆にしてある)、これを2分割した段差部3a,3bが設けられており、一方の段差部3aの下端部から他方の段差部3bの上端部に至るほぼレ字状の取付部4aを設けると共に、他方の段差部3bの下端部から一方の段差部3aの上端部に至るほぼレ字状の取付部4bが設けられている。
【0012】
翼10は、図4に示すように、鋼管2の直径D1 より大きい直径D2 (例えば、D2 =2D1 )の円形鋼板11(又は楕円形鋼板)を2分割して、平板状で半円状の鋼製翼12a,12bを形成し、この鋼製翼12a,12bを、図2に示すように、杭体2の先端部に設けた取付部4a,4bに溶接により取付けたもので、これにより、鋼製翼12a,12bが同じ高さで交差して取付けられた翼10が構成される。
なお、鋼製翼12a,12bを交差して取付部4a,4bに取付けたことにより、両者の間に若干のすき間が生じるので、これは閉塞板などにより閉塞する。これにより翼10の剛性をさらに向上させることができる。
【0013】
上記の鋼管2の先端部に設けた段差部3a,3bの高さhは、(0.1〜0.6D1 )/2(但し、D1 は杭体1の外径)程度が望ましく、また、翼10の外径D2 は、鋼管2の外径D1 の1.5〜2.5倍程度が望ましい(以下の実施の形態においても同様とする)。
【0014】
図5は翼10の他の例を示す斜視図で、本例においては、鋼管2の先端部に、図6に示すように(図6は説明を容易にするために、鋼管2の上下を逆にしてある)、段差部3を設けてこの段差部3の下端部から1周して上端部に達するほぼレ字状で螺旋状の取付部4を形成した。
【0015】
そして、この取付部4に図2〜図4で説明した平板状で半円状の鋼製翼12a,12bを連続して取付けて、ほぼ螺旋状の翼10を構成したものである。なお、鋼管2の先端部に設けた段差部3の高さh1 は、杭体1の外径D1 の0.1〜0.6程度が望ましい。また、鋼管2の先端部には、鋼製翼12a,12bの間に若干のすき間が形成されるが、このすき間は閉塞板などで閉塞する。これにより、翼10の剛性をさらに向上させることができる。
【0016】
図7は翼10のさらに他の例の斜視図である。本例は上記の例の鋼管2の先端部に設けられた螺旋状の取付部4(図6)に、螺旋状翼15を取付けたものである。
この螺旋状翼15は、図8に示すように、鋼管2の外径D1 より大きい外径D2 (例えば、D2 =2D1 )の円形鋼板13の中心部に小孔14を設け、この小孔14から外周部までの1か所を切断して、鋼管2の先端部に設けた取付部4に対応した形状に曲げ加工して螺旋状翼15を形成し、この螺旋状翼15を鋼管2の先端部に設けた取付部4に溶接により取付けて翼10を構成したものである。なお、鋼管2の先端部に設けた段差部3の高さh1 は、鋼管2の外径D1 の0.1〜0.6程度が望ましい。また、鋼管2の先端部には、小孔14及び曲げ加工した螺旋状翼15により若干のすき間が生じるので、これは閉塞板などにより閉塞する。これにより、翼10の剛性をさらに向上させることができる。
【0017】
上記のようなねじ込み杭1を施工するには、図9に示すように、地上に設置したベースマシン30に搭載されたモータ31に鋼管2内にコンクリート25が打設されたねじ込み杭1の杭頭部を連結する。そして、モータ31によりねじ込み杭1に回転力を与えて圧下すれば、ねじ込み杭1は翼10のねじ作用により地盤35中に貫入される。
【0018】
上記の説明では、あらかじめ鋼管2内にコンクリート25が打設されたねじ込み杭1を地盤35中にねじ込んで打設する場合を示したが、鋼管2内にコンクリート25が打設されていない中空のねじ込み杭を地盤35中に打設し、所定の深さまで貫入したのち鋼管2内にコンクリート25を打設してもよい。
【0019】
上記のように構成した本実施の形態によれば、鋼管+コンクリートによりねじ込み杭1の剛性を大幅に高めることができるので、翼10から鋼管2に伝達される曲げモーメントにより、翼10の取付け部に発生する過大な曲げ応力に十分対応することができ、また、これにより鋼管2の板厚を低減することができる。
また、施工後において、上載建造物等による鉛直荷重を支持する杭として機能するときは、閉塞された鋼管2の先端部と、翼10の鋼管2の外周から突出した部分とを合わせた全面積が支持体として機能し、大きな地盤支持力を得ることができる。
【0020】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2の模式的縦断面図である。本実施形態は鋼管2の下部、すなわち、翼10の取付け部近傍の鋼管2内にコンクリート25を打設したものである。本実施の形態においても、あらかじめコンクリート25を打設したねじ込み杭1を地盤中に打設してもよく、あるいは、コンクリート25が打設されていない中空のねじ込み杭1を地盤中に打設したのち、鋼管2の下部にコンクリート25を打設してもよい。本実施の形態は、実施の形態1(参考形態)とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0021】
[実施の形態3]
図11は本発明の実施の形態3の模式的縦断面図である。図において、1はねじ込み杭、2は鋼管、5は鋼管2の先端開部を閉塞する閉塞板、10は鋼管2の先端部より上方において、鋼管2の外周に取付けた翼である。26は鋼管2内に先端部から翼10の取付部の下方まで充填した例えば残土の如き土砂等、25は鋼管2内の土砂等26の上方において、翼10の取付け部近傍に打設したコンクリートである。
【0022】
図12は本実施形態の鋼管2と翼10の取付け状態の一例を示す斜視図である。この翼10は、図13に示すように、中心部に鋼管2の外径D1 とほぼ等しい径の穴17を有し、外径D2 が鋼管2の外径D1 より大きい(例えば、D2 =2D1 )ドーナツ状の円形鋼板16を2分割して平板状の鋼製翼18a,18bを形成し、この鋼製翼18a,18bを、鋼管2の先端部より上方の外周に、同じ高さで交差して溶接により取付けたものである。
なお、交差する鋼製翼18a,18bの上下の高さhは、実施の形態1の鋼管2の先端部に設けた段差部3a,3bの高さhと同様に、杭体2の外径D1 の(0.1〜0.6)/2程度が望ましい。
【0023】
図14は翼10の他の例の斜視図で、図13の鋼製翼18a,18bを鋼管2の先端部より上方の外周に、連続してほぼ螺旋状をなすように溶接により取付けたものである。この場合、翼10の始端部と終端部の高さh1 (螺旋ピッチ)は、鋼管2の外径D1 の0.1〜0.6程度が望ましい。
【0024】
図15は翼10のさらに他の例の斜視図である。本例は、図16に示すように、鋼管2の外径D1 より大きい外径D2 で、中心部に鋼管2の外径D1 とほぼ等しい径の穴20を有するドーナツ状の円形鋼板19を、穴20から外周部まで1か所を切断して、ピッチh1 (1周した始端部と終端部間の高さ)で螺旋状に曲げ加工して螺旋状翼21を形成し、この螺旋状翼21を、鋼管2の先端部より上方の外周面に溶接により取付けて、螺旋状の翼10を構成したものである。なお、上記のピッチh1 は、鋼管2の外径D1 の0.1〜0.6程度が望ましい。
【0025】
上記のように構成した本実施の形態においては、あらかじめ鋼管2内に、先端部から翼10の取付け部の下方まで土砂等26を充填し、この土砂等26の上方において翼10の取付け部近傍にコンクリート25を打設したねじ込み杭1を地盤中にねじ込んで埋設してもよく、あるいは中空の鋼管2からなるねじ込み杭1を地盤中にねじ込んで埋設したのち、鋼管2内に土砂等26を充填し、ついでこの土砂等26の上にコンクリート25を打設してもよい。
【0026】
図17は本実施の形態の他の例の模式的縦断面図である。本例は、鋼管2内の翼10の取付け部の下方に鋼板からなる蓋体27を溶接により取付けて、この蓋体27の上、したがって、翼10の取付け部近傍にコンクリート25を打設してなるねじ込み杭1を地盤中に打設し、あるいは、蓋体27が取付けられた中空のねじ込み杭1を地盤中に打設したのち、蓋体27の上にコンクリート25を打設するようにしたものである。
【0027】
また、図18は本実施の形態のさらに他の例の模式的縦断面図である。本例は、中空のねじ込み杭1を地中に打設したのち、鋼管2内に翼10の取付け部の下方まで水28を入れ、ついで、鋼管2の内径より僅かに小さい外径の蓋板29を鋼管2内に挿入して水面上に浮かせておき、その上、したがって翼10の取付け部の近傍にコンクリート25を打設したものである。なお、あらかじめ地上でねじ込み杭1を縦に立てた状態で鋼管2内に水28を入れ、蓋板29を挿入して水面上に浮かし、その上にコンクリート25を打設してもよい。
【0028】
本実施の形態においても、実施の形態1及び2とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態においては、翼10を鋼管2の先端部より上方の外周に取付けた場合を示したが、鋼製翼18a,18b又は螺旋状翼21を、鋼管2の先端部の外周に取付けて翼10を構成し、実施の形態1又は2と同様に、鋼管2の全長又は下部にコンクリート25を打設してもよい。
【0029】
[実施の形態4]
図19は本発明の実施の形態4(参考形態)の模式的縦断面図である。本実施の形態は、鋼管2の先端部又は先端部外周に翼10を設けると共に、翼10の上方の鋼管2の外周に翼10a(以下、上段翼という)を設け、鋼管2の全長にわたって内部にコンクリート25を打設したものである。なお、翼10及び上段翼10aは、前述した各例に示した翼10を適宜選択することができる。本実施の形態においても、あらかじめ鋼管2内にコンクリート25を打設したねじ込み杭1を地中に打設してもよく、あるいは、中空のねじ込み杭1を地中に打設したのち、鋼管2内にコンクリート25を打設してもよい。
【0030】
図20は本実施の形態の他の例を示すもので、本例は、鋼管2の先端部又は先端部外周に翼10を設けると共に、翼10の上方の鋼管2の外周に上段翼10aを設けたねじ込み杭1において、鋼管2の翼10の取付け部近傍にコンクリート25を打設し、その上に上段翼10aの取付け部の下方まで、土砂等26を投入して充填し、さらに、その上、したがって上段翼10aの取付け部近傍にコンクリート25を打設したものである。なお、実施の形態3のように、翼10の取付け部近傍にコンクリート25を打設し、その上に水を入れ、蓋板29を鋼管2内に挿入して水面上に浮かせて、その上、したがって上段翼10aの取付け部近傍にコンクリート25を打設してもよい。
【0031】
本例においても、あらかじめ鋼管2内にコンクリート25等を打設したねじ込み杭1を地中に打設してもよく、あるいは、中空のねじ込み杭1を地中に打設したのち、鋼管2内にコンクリート25等を打設してもよい。
本実施の形態においても、前述の実施の形態1〜3とほぼ同様の効果を得ることができるが、翼10と上段翼10aとにより2段の翼を設けたため、ねじ込みによる地中への貫入力を向上させることができる。
【0032】
上記の説明では、翼10,10aについて各種の例を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、他の構造の翼を用いてもよい。また、翼10は2段に限定するものではなく、3段以上設けてもよい。
また、実施の形態2,4では、鋼管2内に残土の如き土砂等26を充填した場合を示したが、土砂に代えて、例えば、コンクリート塊、瓦礫、木片などの如き材料を土砂に混ぜるなどして充填してもよい。
また、鋼管2の内壁面の少なくともコンクリート25を打設する部分に、独立した複数の突起、リング状又はスパイラル状で所定の高さに突設された複数の突部等からなる凸部を設ければ、コンクリート25の付着力を向上させることができる。
【0033】
さらに、上記の説明では、主として鋼管2の先端部又は先端部近傍の外周に2個の半円状の鋼製翼12a,12b,18a,18bを取付けて翼10を構成し、あるいは1個の螺旋状翼15により翼10を構成し、さらには翼10aの上方に上段翼10aを設けた場合を示したが、鋼管2の先端部に3個又はそれ以上のレ字状の取付部を設け、この取付部又は外周に円形鋼板を3分割又はそれ以上に分割した扇形状の鋼製翼を取付けるようにしてもよく、あるいは螺旋状翼15を複数に分割して鋼管2の先端部又は外周に螺旋状に取付けてもよい。
また、各実施の形態では、翼10を構成する複数の鋼製翼の内角の総和が360°の場合を示したが、これらの内角の総和が320°〜400°の範囲になるように構成してもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るねじ込み式鋼管杭は、横断面が一様な円筒状の鋼管内翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設して剛性を高めるようにしたので、翼から鋼管に伝達される曲げモーメントにより、翼の取付け部に発生する過大な曲げ応力に十分対応することができる。また、施工後において、上載建造物等による鉛直荷重を支持する杭として機能するときは、閉塞された鋼管の先端部と、翼の鋼管の外周部から突出した部分とを合わせた全面積が支持体として機能し、大きな地盤支持力を得ることができる。
【0035】
また、本発明に係るねじ込み式鋼管杭の施工方法は、ねじ込み式鋼管杭を鋼管に取付けた翼のねじ作用により地中に打設したのち、横断面が一様な円筒状の鋼管内翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設するようにしたので、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1(参考形態)に係るねじ込み杭の模式的縦断面図である。
【図2】図1の翼の近傍の斜視図である。
【図3】図2の鋼管の先端部の斜視図である。
【図4】図2の翼の製作説明図である。
【図5】翼の近傍の他の例の斜視図である。
【図6】図5の鋼管の先端部の斜視図である。
【図7】翼の近傍のさらに他の例の斜視図である。
【図8】図7の翼の製作説明図である。
【図9】実施の形態1のねじ込み杭の施工例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2の模式的縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態3の模式的縦断面図である。
【図12】図11の要部の斜視図である。
【図13】図12の翼の製作説明図である。
【図14】実施の形態3の要部の他の例の斜視図である。
【図15】実施の形態3の要部のさらに他の例の斜視図である。
【図16】図15の翼の製作説明図である。
【図17】実施の形態3の他の例の模式的縦断面図である。
【図18】実施の形態3のさらに他の例の模式的縦断面図である。
【図19】 本発明の実施の形態4(参考形態)の模式的縦断面図である。
【図20】実施の形態4の他の例の模式的縦断面図である。
【符号の説明】
1 ねじ込み杭(ねじ込み式鋼管杭)
2 鋼管
10 翼
25 コンクリート

Claims (3)

  1. 横断面が一様な円筒状の鋼管に取付けた翼のねじ作用により地中に打設するねじ込み式鋼管杭において、前記鋼管杭の先端部は閉塞されており、前記鋼管内前記翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設したことを特徴とするねじ込み式鋼管杭。
  2. 横断面が一様な円筒状の鋼管に取付けた翼のねじ作用により先端部が閉塞された鋼管杭を地中に打設したのち、前記鋼管内前記翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設することを特徴とするねじ込み式鋼管杭の施工方法。
  3. 横断面が一様な円筒状の鋼管に取付けた翼のねじ作用により先端部が閉塞された鋼管杭を地中に打設する前に、前記鋼管内前記翼の取付け部近傍にのみコンクリートを打設し、該コンクリートが打設されている前記鋼管杭を地中に打設することを特徴とするねじ込み式鋼管杭の施工方法。
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