JPH03266Y2 - - Google Patents

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JPH03266Y2
JPH03266Y2 JP19302185U JP19302185U JPH03266Y2 JP H03266 Y2 JPH03266 Y2 JP H03266Y2 JP 19302185 U JP19302185 U JP 19302185U JP 19302185 U JP19302185 U JP 19302185U JP H03266 Y2 JPH03266 Y2 JP H03266Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、等速ジヨイントの内輪成形装置、と
くには、外周面に延在方向の異なる二種類のボー
ル転動溝を有する内輪、正確にはその半製品を、
一のプレス成形工程にて形成することができる成
形装置に関するものである。
(従来の技術) 等速ジヨイントの内輪の、従来から広く一般的
に行われている製造方法としては、旋削、フライ
ス加工などによつて球状体を削り出した後、その
球状体の外周面に、総形フライスその他を用い
て、相互に等しい間隔をおく複数本のボール転動
溝を削り出し、そして、それに対する焼入加工後
に、ボール転動溝、球状面、両端面などを研削仕
上げする方法があつた。
ところが、かかる製造方法にあつては、複数の
切削工程が必要であることから、作業工数が著し
く嵩むとともに、材料歩止が低く、しかも、製品
毎の寸法、精度のばらつきが大きくなるという問
題があつた。
そこで、これらの問題を解決すべく提案された
技術として、特公昭52−9184号公報に開示されて
いるような冷間成形方法がある。
この方法は、所定寸法に切断してなる金型内の
素材の両端面を、上パンチと下パンチとで押圧し
てその素材に塑性変形をもたらし、このことに
て、その素材に所要のボール転動溝を形成する一
方、その溝部以外の部分では、素材の余肉を金型
内で自由に塑性流動させてその素材を、全体とし
てほぼ球状をなすプレス製品とし、しかる後、そ
の製品を、下パンチの上昇に基づいて金型外へ取
り出すものである。
この方法によれば、ほぼ球状をなす製品ならび
に、その周面の、金型の窪み周面に設けた突条と
対応するボール転動溝が、一つプレス成形工程に
て簡単に形成されることになり、作業工数の低減
および材料歩止の十分なる向上がもらされること
になる。
(考案が解決しようとする問題点) しかしながら、かかる冷間成形方法にあつて
は、上下パンチによつて素材を塑性変形させるこ
とにより、その周面に金型のぼみ突条と対応する
ボール転動溝を形成し、そしてこの塑性加工後、
製品を、下パンチによつて金型外へ押し出すこと
としていたため、製品の周面に、たとえば第6図
に示すように、延在方向が相違する2種類のボー
ル転動溝を形成することが実質的に不可能である
という問題があつた。
すなわち、金型の窪み周面に、二種類のボール
転動溝のための、延在方向の異なる二種類の突条
を形成することは可能であるも、その窪み内にて
素材に塑性加工を施した場合には、延在方向の相
違するボール転動溝と金型突条とが掛合状態にあ
るが故に、下パンチの突き上げストロークによつ
てはプレス製品を金型から抜き出すことができな
かつた。
本考案は、従来の冷間形成方法の、かかる問題
点に着目してなされたものであり、一のプレス生
成工程にて延在方向の異なる二種類のボール転動
溝を形成することができるとともに、塑性加工後
のプレス製品を、その成形窪みから簡単に取り出
すことができる、等速ジヨイントの内輪成形装置
を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 本考案の成形装置は、相互に対向して位置し、
接近および離反方向へ相対変位可能な二個で一対
のパンチを設けるとともに、一方のパンチの周り
に、そのパンチと協働して素材成形用の窪みを画
成する窪み形成部材を配設し、そして素材成形用
のその窪みの周面には、一方へ傾く傾斜突条を設
け、さらに、他方のパンチの周りに回動できると
ともに、前記窪みに対して単独に進退することが
でき、窪み内への進入姿勢で、その周面に、前記
傾斜突条とは異なる方向へ傾く傾斜突条を形成す
る棒状部材を設け、また、一方のパンチと窪み形
成部材との軸線方向への相対変位をもたらしてそ
の窪み形成部材からのプレス製品の取り出しを可
能ならしめる往復駆動手段ならびに、プレス製品
のかかる取り出しに際してその一方のポンチの回
動運転を許容するパンチ支持手段をそれぞれ設け
てなる。
(作用) 本考案によれば、たとえば、一方向へ傾く傾斜
突条を予め形成した成形用の窪み内へ、所定寸法
に切断した素材を配置した後、その窪み内の所定
位置へ棒状部材を差し込むことによつて、窪み周
面に、上述の傾斜突条とは異なる方向へ傾く傾斜
突条を形成し、そしてその窪み内で、相互に対向
するパンチの、接近方向の相対変位に基づいて、
素材の両端面を押圧することにより、その素材に
塑性変形をもたらしてその外周面に、それぞれの
傾斜突条と対応する二種類のボール転動溝を形成
するとともに、その素材を、全体としてほぼ球状
のプレス製品とし、さらに、いずれか一方のパン
チを窪みから後退させた後、棒状部材を、そのパ
ンチの周りに回動させ乍ら、それが形成したボー
ル転動溝に沿わせて窪みから抜き取ることによ
り、一方の種類の傾斜突条をその窪みから除去
し、そして最後に、残りのパンチの、窪み形成部
材に対する進入作動によつて、成形済みの素材
を、窪み内の傾斜突条に沿わせて、パンチ支持手
段にて許容されるパンチの回動運動下で、窪み形
成部材から押し出すことにより、プレス製品の取
り出しを行う。
従つて、ここでは、重複した切削作業を必要と
することなく、単一のプレス成形工程によつて、
所期した通りの製品を十分正確に形成することが
でき、しかも、その外周面に、二種類のボール転
動溝を、何の支障も生じることなく簡単に成形す
ることができる。
(実施例) 以下に本考案を図示例に基づいて説明する。
第1図は本考案装置を例示する縦断面図であ
り、この例は、上部に二種類のラム作動機構を有
するとともに、下部に一種類のラム作動機構を有
するいわゆる複動プレスに本考案を適用したもの
である。
図中1は上下方向へ駆動されるメインラムを、
2は、メインラム1に貫通し、それとは独立して
昇降駆動される上部サブラムをそれぞれ示し、ま
た、3はベツドを、4は、このベツド3に貫通
し、それに対して昇降駆動される下部サブラムを
それぞれ示す。
ここでは、メインラム1の下面に、中央貫通孔
を有するアツパーホルダ5を、そして上部サブラ
ム2の下面に上パンチ6をそれぞれ固定する一
方、プレスヘツド3の上面に、これも中央貫通孔
を有するロアホルダ7を固定し、また、下部サブ
ラム4の上面に、後述するパンチ支持手段8を介
して上パンチ6と対向する下パンチ9を支持す
る。このことにより、二個で一対をなすこの例の
上下パンチ6,9はともに、相互の接近および離
反方向へ運動することができる。
またこの例では、ロアホルダ7上に配置したロ
アプレート10を、たとえばボルトによつてベツ
ド3に固定し、そしてこのロアプレート10上
に、それに貫通した下パンチ9の上端部を囲繞す
る窪み形成部材11を配置する。ここで、下パン
チ9との協働下で素材成形用の窪み12を形成す
るこの窪み形成部材11は、テーパ穴にてその外
周面に接触するダイカバー13を、締付けリング
14によつてロアプレート10に緊締することに
て、所定位置に堅固に固定される。
なおここにおける下パンチ9の下限位置は、そ
の拡径端面9aとロアホルダ7の上面との当接に
よつて特定され、下パンチ9の頂面はこの下限位
置にて窪み12の画成に寄与する。一方、この下
パンチ9の、窪み形成部材11に対する昇降運動
は、下部サブラム4に連結したノツクアウトロツ
ド15を、ロアホルダ7の貫通孔内で昇降させる
ことによりもたらされ、ノツクアウトロツド15
は、その頂部に配置したボール16を介して下パ
ンチ9を、その下限位置と上限位置との間で昇降
させる。
またここでは、ノツクアウトロツド15と、そ
の頂部に嵌め込んだボール16とでパンチ支持手
段8を構成し、このパンチ支持手段8のボール1
6と、下パンチ下端部の球面窪み9bとの接触に
基づき、とくには、下パンチ9の上昇途中におけ
るそれの回動運動を可能ならしめる。
さらに図示例では、アツパーホルダ5の下面
に、上パンチ6の貫通を許容するアツパーケース
17を固定し、このアツパーケース17内に、そ
の貫通孔と同心の貫通孔を有するアツパープレー
ト18を、軸線の周りに回動可能に収納する。こ
こで、アツパープレート18の、アツパーケース
17に対するこの回動運動は、アツパープレート
18の外周面とケース17の筒状部分との間に介
装したニードルベアリング19ならびに、アツパ
ープレート18の下面とケース17の内向フラン
ジとの間に介装したスラストベアリング20の作
用によつて、十分円滑なものとなる。
またここでは、このようなアツパープレート1
8の下面に、その周方向に所定の間隔をおいて位
置し、かつ、前述した成形用の窪み12内へ進入
し得る三本の棒状部材21を突設し、これらの棒
状部材21を、窪み12の周面に形成されて周方
向の一方へ傾く傾斜突条22とは相違する方向、
たとえば逆方向へ傾斜させる。すなわち、窪み1
2の周面の、周方向に所定の間隔をおく傾斜突条
22を、第2図に示す平面図において、その上端
部が、下端部に対して反時計方向に位置するよう
傾けた場合には、その窪み12の周面に設けた棒
状部材21の差込溝23を、その上端縁が、下端
縁に対して時計方向に位置するよう傾けて形成
し、棒状部材21の傾きを、これらの差込溝23
のそれと一致させる。
従つて、メインラム1ひいてはアツパープレー
ト18の下降に基づいて棒状部材21を窪み12
の差込溝23内へ進入させるに際しては、棒状部
材21の進入位置に応じてアツパープレート18
を、第3図に示す底面図においては、時計方向へ
回動させることが必要になり、逆に、棒状部材2
1を差込溝23から引き抜く場合には、図の反時
計方向への回動が必要になる。
ここで、窪み12から引き抜いた、いいかえれ
ばその上方へ離間させた棒状部材21は、次工程
におけるそれらの窪み12内への進入を確実なら
しめるために、周方向の所定位置に維持すること
が好ましく、これがため、この例では、第3図に
示すところから明らかなように、アツパープレー
ト18に、そこから半径方向外方へ突出するピン
18a,18aを設ける一方、アツパーケース1
7の筒状部分に、これらの各ピン18aの貫通を
許容する周方向のスロツト17aを設けてそのス
ロツト17aの延在範囲内でのアツパープレート
18の回動運動を可能ならしめ、また、スロツト
17aの一方側、ここでは反時計側とアツパーケ
ース17の筒状部分に設けた固定ピン17bとピ
ン18aとをスプリング24によつて引張方向へ
付勢することによつて、ピン18aを、通常は、
スロツト17aの固定ピン側端縁への当接状態に
維持する。
かかる構成によれば、棒状部材21の窪み12
内への進入に際しては、第4図に示すように、ピ
ン18aがスプリング24のばね力に抗してスロ
ツト内で移動することにより、それらの棒状部材
21は、時計方向へ回動し乍ら差込溝23へ嵌ま
り込むことができ、棒状部材21の差込溝23か
らの引き抜き後は、それらの棒状部材21は、ス
プリング24のばね力によつて、ピン18aがス
ロツト端縁に当接する周方向位置に維持すされる
ことになる。
第5図は、棒状部材21の、窪み12、ひいて
はその差込溝23内への進入状態を示す図であ
り、この進入の結果として、窪み周面には、傾斜
突条22と、それらの突条とは逆方向に向く傾斜
突条21aとの二種類の突条が形成されることに
なる。
以上に述べたような装置を用いて第6図に示す
ような成形品をもたらすための成形工程を第7〜
11図に基づいて説明する。
はじめに、第1図に示すような型開き状態にお
いて、窪み12内へ、所定の長さの素材25を第
7図に示すように配置し、次いで、メインラム1
の下降によつて、棒状部材21の窪み12内への
進入を開始させる。
ここで、素材25としては、丸棒材料を所定の
長さに切断した調質し、そして表面のスケールそ
の他を除去した後に、表面潤滑処理を施したもの
を用いることが好ましく、また、メインラム1の
下降に際しては、それのみを下降させ得ることは
もちろんであるが、図示のように、上部サブラム
2をもまた、メインラム1との初期の相対関係を
維持したまま下降させた場合には、上部サブラム
2の事後的な下降作動に際し、上パンチ6が素材
25の端面に到達するまでの時間を短縮できる利
点がある。
ところで、棒状部材21の窪み12内への進入
に際しては、それらの先端部が差込溝23の上端
部に達すると同時に、アツパープレート18の前
述したような回動運動が開始されるので、棒状部
材21は、差込溝23内へ極めてスムーズに進入
する。
そして、棒状部材21のかかる進入は、第8図
に示すように、アツパープレート18の下面が、
窪み形成部材21およびダイカバー13の上面に
当接するまで継続され、それらの進入完了状態
で、棒状部材21は、窪み12の周面に、第5図
に示すような傾斜突条21aを形成する。従つ
て、この状態においては、窪み周壁に、延在方向
の相違する二種類の傾斜突条21a,22が存在
することになる。
なお図示例においては、アツパープレート18
の下限位置において、素材25の上端部がその貫
通孔内に位置することになるが、素材25の高
さ、直径などの寸法は、製品寸法との関連の下で
決定されているので、このことが、素材25の塑
性加工を妨げるおそれは全くない。
その後は、予め設定した荷重によつて、第8図
に示す型締め状態を維持したまま、上部サブラム
2ひいては上パンチ6を下降させ、この上パンチ
6と、下パンチ9とによつて素材25の端面を押
圧することにより、素材25の、窪み12内での
塑性変形をもたらす。この塑性変形は、第9図に
示すように、上パンチ6の上端フランジが、アツ
パーケース17の上面に当接するまで継続され、
その完了時には、素材25は、図示のように、窪
み12をほぼ完全に充満させる程度にまで塑性流
動する。
ここで、素材25は、図示のような変形完了状
態となるまでの間に、半径方向外方へのたる状の
張り出し、第5図に示すそれぞれの傾斜突条21
a,22による、変形の局部的な拘束、変形が拘
束されない部分での、半径方向外方への余肉の張
り出しなどの変形挙動を経て、最終的には第6図
に示すように、それぞれの傾斜突条21a,22
によつて形成された二種類のボール転動溝21
b,22aを有する成形済みの素材25、すなわ
ちプレス製品26となる。
素材25をこのようにしてプレス製品26とし
た後は、まず、上部サブラム2を上昇させること
にて上パンチ6を所定高さまで後退させ、次い
で、メインラム1を上昇させて棒状部材21を差
込溝23から抜き取ることによつて、上型を第1
0図に示すような上昇姿勢とする。なおここで、
棒状部材21の抜き取りに際しては、それらは、
周方向に傾斜するボール転動溝21bおよび差込
溝23に沿つて上昇することから、この場合に
は、アツパーケース17に対するアツパープレー
ト18および棒状部材21の前述したとは逆方向
の回動運動がもたらされ、この回動運動は、第3
図に示すように、ピン18aがスロツト17aの
端縁に当接するまで継続される。
またここで、これらのアツパープレート18お
よび棒状部材21は、上型の、図示のような上昇
姿勢において、スプリング24の作用に基づき、
それらの回動停止状態に確実に維持される。
そして最後に、下部サブラム4を前進させるこ
とによつて、下パンチ9を窪み形成部材11に対
して上昇させ、窪み12内のプレス製品26を、
第11図に示すように、その上方へ取り出す。プ
レス製品26のこのような取り出し過程におい
て、それは、窪み周面に生成した傾斜突条22の
拘束を受けて窪み12内で回動することになる
も、プレス製品26と面接触する下パンチ9は、
パンチ支持手段8のポール16と、その下端面と
の面接触、好ましくは点接触によつて、プレス製
品26と同期して円滑に回動できることから、プ
レス製品26は、その周面のボール転動溝21
b,22aに何の損傷も受けることなく窪み12
から取り出されることになる。
従つてここでは、窪み12内に延在方向の異な
る二種類の傾斜突条21a,22を形成すること
により、一のプレス成形工程にて所期した通りの
プレス製品26、いいかえれば内輪をもたらすこ
とができ、また、成形後は、一方の傾斜突条21
aを窪み12から抜き取つた後に、第6図に示す
ようなプレス製品26を下パンチ9にて押圧する
ことにより、それを窪み12から極めて円滑に取
り出すことができる。
第12図は、本考案装置を単動式プレスに適用
した例を示す断面図であり、これは、上パンチ6
を、スペーサ27を介してメインラム1に固定
し、そして、アツパーケース17を、スプリング
28によつてアツパーホルダ5に連結するととも
に、そのアツパーケース17のメインラム1に対
する昇降運動を、メインラム1に設けた摺動孔5
aと、アツパーケース17に設けた摺動ピン17
cとによつてガイド可能ならしめることにより、
上型をフローテイング構造としたものである。
この例によつてもまた、上型は前述した例と同
様に機構することができ、その下降によつて、第
6図に示したようなプレス製品26をもたらすこ
とができる。
なお、以上に述べた実施例において、本考案装
置の作動をもたらすプレスは、油圧式プレスもし
くは機械式プレスのいずれでなつてもよく、さら
にはそれを横型プレスとすることも可能である。
加えて、本考案装置における傾斜突条21b,2
2の横断面形状、本数、延在方向などは、所要に
応じて適宜に変更することができる。
第13図は本考案の装置の他の実施例を示す断
面図であり、これは、第1図について述べたと同
様の装置において、上部サブラム2の下面に、上
パンチ6の中央部に貫通してその下方へ長く突出
するマンドレル31を設ける一方、下パンチ9の
中央部に、そのマンドレル31の挿入孔32を設
けたものである。
この装置は、第14図に斜視図で示すような円
筒状の素材25、たとえば、機械加工後、無酸化
雰囲気中で球状化焼鈍処理を行い、外周面にリン
酸塩被膜処理を施してなる外径40mm、内径15mm、
高さ45mmのSCR420H材を、第15図に示すよう
な中空のプレス製品26とするためのものであ
る。
ここでこのプレス製品26の緒元は、最大外径
60mm、貫通孔径14.5mm、ボール転動溝数6本、そ
れらの溝の横断面半径10.5mm、ボール転動溝の周
方向への捩れ角+20゜×3(本):−20゜×3(本)
とすることができる。
第14図に示す素材25をこの例の装置によつ
てプレス加工するに際しては、素材25を窪み1
2内に位置決め配置した後、たとえば1000tの加
工能力を有するメインラム1を下降させて第13
図に示すように、棒状部材21の差込溝23内へ
の進入を開始させる。
メインラム1のこの下降は、第16図に示すよ
うに、アツパープレート18の下面が、窪み形成
部材11およびダイカバー13の上面に当接する
まで継続され、この当接によつて、棒状部材21
の差込溝23内への進入が完了する。この一方に
おいて、14.5mmのSKH−9材にて構成すること
ができるマンドレル31は、メインラム1と一体
的な上部サブラム2の下降に基づき、メインラム
1の下降途中において、素材25の貫通孔25a
内へ進入する。なおここで、マンドレル31のこ
の進入は、その先端部を曲面形状とすること、な
らびに、その直径を、貫通孔25aの孔径より小
径とすることによつて、常に確実に、かつ円滑に
行われることになる。
次いで、第16図に示す型締状態を400tの設定
荷重にて維持したまま、上パンチ6を下降させる
ことによつて、たとえば、ともに500tの加圧能力
を有する上下のパンチ6,9による素材25の塑
性変形をもたらす。なお、マンドレル31は、こ
の塑性変形の開始に先立だつて素材25に貫通
し、そして下パンチ9の挿入孔32内に進入する
ので、素材25の塑性変形中に貫通孔25aが閉
塞されるおそれは全くない。
第17図は素材25の塑性変形の終了状態を示
す断面図であり、この状態においては、素材25
は、窪み12をほぼ完全に満たし、第15図に示
すような所期したプレス製品26となる。
さらにその後は、上部サブラム2およびメイン
ラム1を後退させることによつて、第18図に示
すように、マンドレル31をプレス製品26の貫
通孔から引き抜くとともに、棒状部材21を差込
溝23から引き抜き、そしてまた、第19図に示
すように下パンチ9を上昇させることにより、プ
レス製品26を窪み12の外側へ押し出す。
以上のような成形工程を辿ることにより、この
例によつてもまた、前述した実施例と同様に、所
期した通りのプレス製品26をもたらすことがで
きる。
そしてこのようにして得られたプレス製品26
は、その外周面のボール転動溝21b,22aを
加工証として内径仕上げを行い、次いで、その内
径を加工証として、球面形状への周面加工ならび
に両端面の仕上加工を行つた後、浸炭焼入処理を
行い、さらに外周面の研削仕上げを行うことによ
り、完成品としての等速ジヨイントの内輪とされ
る。
以上本考案を図示例に基づいて説明したが、プ
レス製品の窪みからの取り出しを、窪み形成部材
の下パンチに対する下降運動によつてもたらすこ
とも可能であり、また、窪み周面の差込溝を省
き、棒状部材をその周面に緊密に接触させること
のみにてそこに傾斜突条を形成することもでき
る。
(考案の効果) 従つて、本考案によれば、窪み周面の二種類の
傾斜突条の一方を、棒状部材の窪み内への差込作
動によつて形成するとともに、その突条を、素材
に対する成形の終了後に窪みから抜き出すことと
しているので、プレス製品の周面に、延在方向の
異なる二種類のボール転動溝を高い精度にて形成
できることはもちろん、そのプレス製品を、成形
窪みから極めてスムーズに取り出すことができ
る。
従つてここでは、少ない作業工数によつて、加
工のとくに困難なボール転動溝に対する仕上げ加
工が全く不要な高精度の製品を、高い材料歩止に
て簡単に形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案装置を例示する縦断面図、第2
図は窪み形成部材を例示する平面図および縦断面
図、第3図は第1図の−線に沿う底面図、第
4図は棒条部材の回動状態を示す底面図、第5図
は窪み周面への二種類の傾斜突条の形成状態を示
す平面図および断面図、第6図はプレス製品を例
示する傾斜図および平面図、第7図〜第11図は
それぞれ第1図に示す装置の作動状態を示す断面
図、第12図は本考案装置の他の適用例を示す縦
断面図、第13図は本考案装置の他の例を示す縦
断面図、第14,15図はそれぞれ素材およびプ
レス製品を示す斜視図、第16〜19図はそれぞ
れ第13図に示す装置の作動状態を示す断面図で
ある。 1……メインラム、2……上部サブラム、3…
…ベツド、4……下部サブラム、6……上パン
チ、8……パンチ支持手段、9……下パンチ、1
1……窪み形成部材、12……窪み、15……ノ
ツクアウトロツド、16……ボール、17……ア
ツパーケース、18……アツパープレート、21
……棒状部材、21a,22……傾斜突条、21
b,22a……ボール転動溝、23……差込溝、
25……素材、26……プレス製品。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 相互に対向して位置し、接近および離反方向へ
    相対変位可能な二個で一対のパンチ6,9と、一
    方のパンチ9の周りに配設され、そのパンチとの
    協働下で、素材成形用の窪み12を画成する窪み
    形成部材11と、前記窪みの周面に設けられて一
    方向へ傾く傾斜突条22と、他方のパンチ6の周
    りに回動できるとともに、前記窪みに対して単独
    に進退することができ、窪み内への進入姿勢で、
    その周面に、前記傾斜突条22とは異なる方向へ
    傾く傾斜突条21aを形成する棒状部材21と、
    一方のパンチ9と窪み形成部材との軸線方向への
    相対変位をもたらす往復駆動手段4と、その一方
    のパンチの回動運動を許容するパンチ支持手段8
    とを具えてなる等速ジヨイントの内輪成形装置。
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