JP2000317569A - 鍛造方法及び鍛造型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の青銅鋳物等で外形を作り、全切削を行い
製品形状とする方法は、切削加工であるがために加工時
間が長くかかり、それ故に大量生産には向いておらず、
更には切削屑の発生により材料の効率的な使用がなされ
ていなかった。 【解決手段】閉空間内部に配置された材料を該閉空間の
内壁の一部により加圧して、前記閉空間内に充填するこ
とで羽根車を鍛造する閉塞鍛造型において、製品の中心
部に突き当てる第１のノックアウト部材と、前記突き当
て部を囲繞する位置に突き当てる第２のノックアウト部
材を設け、第１のノックアウト部材で製品を押し出すと
同時に、第２のノックアウト部材によっても製品を押し
出すことを特徴とする閉塞鍛造型

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は閉塞鍛造方法及び閉
塞鍛造型に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、羽根車等を製造する方法として
は、青銅鋳物等で外形を作り、全切削を行い製品形状と
することが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の青銅鋳物等で外
形を作り、全切削を行い製品形状とする方法は、切削加
工であるがために加工時間が長くかかり、それ故に大量
生産には向いておらず、更には切削屑の発生により材料
の効率的な使用がなされていなかった。

【０００４】それを解決する手段としては、鍛造成形を
用いることが考えられるが、本発明は該鍛造成形後の製
品取り出しに好適な閉塞鍛造方法及び閉塞鍛造型に関す
るもので、その目的は、加工時間が短く大量生産に向い
ており、かつ材料を効率的に使用して製作できる、閉塞
鍛造方法及び閉塞鍛造型を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明では、閉空間内部に配置された材料を該
閉空間の内壁の一部により加圧して、前記閉空間内に充
填することで羽根車を鍛造する閉塞鍛造型において、製
品の所定部に突き当てる第１のノックアウト部材と、前
記突き当て部を囲繞する位置に突き当てる第２のノック
アウト部材を設け、第１のノックアウト部材で製品を押
し出すと同時に、第２のノックアウト部材によっても製
品を押し出すことを特徴とする閉塞鍛造型を提供するこ
とにより、例えば平板状の製品を鍛造成形する時におい
ては、所定部のみを押し出すこととすると周辺部が押し
出されないことになり、製品の変形の原因となるが、本
発明に係る鍛造型を用いれば製品の変形を最小限に抑え
て取り出すことができ、製品内部に不要な残留応力等を
残すことが無く、より品質の良い製品を鍛造することが
できる。また、本発明は閉塞鍛造型に限定されるもので
はなく、通常の鍛造型についても応用が可能である。更
に、製造される製品も羽根車に限定されるものではな
く、鍛造可能な部品であれば製造可能である。

【０００６】第２の発明では、閉空間内部に配置された
材料を該閉空間の内壁の一部により加圧して、前記閉空
間内に充填することで羽根車を鍛造する閉塞鍛造型にお
いて、製品の中心部に突き当てる第１のノックアウト部
材と、前記突き当て部を囲繞する位置に突き当てる環状
の第２のノックアウト部材を設け、第１のノックアウト
部材で製品を押し出すと同時に、環状の第２のノックア
ウト部材によっても製品を押し出すことを特徴とする閉
塞鍛造型を提供することにより、例えば平板状でかつ円
状の製品を鍛造成形する時においては、中心部のみを押
し出すこととすると周辺部が押し出されないことにな
り、製品の変形の原因となるが、本発明に係る鍛造型を
用いれば製品の変形を最小限に抑えて取り出すことがで
き、製品内部に不要な残留応力等を残すことが無く、よ
り品質の良い製品を鍛造することができる。また、本発
明は閉塞鍛造型に限定されるものではなく、通常の鍛造
型についても応用が可能である。更に、製造される製品
も羽根車に限定されるものではなく、鍛造可能な部品で
あれば製造可能である。

【０００７】第３の発明では、閉空間内部に配置された
材料を該閉空間の内壁の一部により加圧して、前記閉空
間内に充填することで羽根車を鍛造する閉塞鍛造型にお
いて、製品の中心部に突き当てる第１のノックアウト部
材と、前記突き当て部を囲繞する位置に突き当てる、複
数のノックアウト部材を環状に配置してなる第２のノッ
クアウト部材を設け、第１のノックアウト部材で製品を
押し出すと同時に、複数のノックアウト部材を環状に配
置してなる第２のノックアウト部材によっても製品を押
し出すことを特徴とする閉塞鍛造型を提供することによ
り、例えば平板状でかつ円状の製品を鍛造成形する時に
おいては、中心部のみを押し出すこととすると周辺部が
押し出されないことになり、製品の変形の原因となる
が、本発明に係る鍛造型を用いれば製品の変形を最小限
に抑えて取り出すことができ、製品内部に不要な残留応
力等を残すことが無く、より品質の良い製品を鍛造する
ことができる。また、本発明は閉塞鍛造型に限定される
ものではなく、通常の鍛造型についても応用が可能であ
る。更に、製造される製品も羽根車に限定されるもので
はなく、鍛造可能な部品であれば製造可能である。

【０００８】第４の発明では、当初材料が配置された部
分を圧縮により、残りを充填により張り出させて羽根車
を鍛造する閉塞鍛造型において、当初材料が配置された
部分に突き当てる第１のノックアウト部材と、張り出さ
せる部分に突き当てる第２のノックアウト部材を設け、
第１のノックアウト部材で製品を押し出すと同時に、第
２のノックアウト部材によっても製品を押し出すことを
特徴とする閉塞鍛造型を提供することにより、例えば前
記当初材料が配置された部分と充填により張り出させる
部分との剛性が異なるような製品を鍛造成形する時にお
いては、当初材料が配置された部分のみを押し出すこと
とすると充填により張り出させる部分が押し出されない
ことになり、両部分の剛性差により製品の変形の原因と
なるが、本発明に係る鍛造型を用いれば製品の変形を最
小限に抑えて取り出すことができ、製品内部に不要な残
留応力等を残すことが無く、より品質の良い製品を鍛造
することができる。また、本発明は閉塞鍛造型に限定さ
れるものではなく、通常の鍛造型についても応用が可能
である。

【０００９】第５の発明では、一部を圧縮により、残り
を充填により張り出させて羽根車を鍛造する閉塞鍛造型
において、張り出させる部分に突き当てる第１のノック
アウト部材を設けたことを特徴とする閉塞鍛造型を提供
することにより、例えば前記当初材料が配置された部分
と充填により張り出させる部分との剛性が異なるような
製品を鍛造成形する時においては、当初材料が配置され
た部分のみを押し出すこととすると充填により張り出さ
せる部分が押し出されないことになり、両部分の剛性差
により製品の変形の原因となるが、本発明に係る鍛造型
を用いれば製品の変形を最小限に抑えて取り出すことが
でき、製品内部に不要な残留応力等を残すことが無く、
より品質の良い製品を鍛造することができる。また、本
発明は閉塞鍛造型に限定されるものではなく、通常の鍛
造型についても応用が可能である。

【００１０】第６の発明では、閉空間内部に配置された
材料を該閉空間の内壁の一部により加圧して、前記閉空
間内に充填するようにした閉塞鍛造方法において、前記
内壁の一部を第１の位置まで進出させると共に、前記閉
空間の内壁の他の部分を後退させ、前記閉空間容積を前
記材料の体積と同等にし、更に製品を取り出す際には前
記空間の他の部分を前進させることにより取り出す閉塞
鍛造方法を提供することにより、例えば材料が予定量よ
りも多かった場合には、前記空間の他の部分がいわばバ
ッファとして機能し、かつ製品を取り出す際には押し出
しピンの機能を果たすこととなるので、型構造が簡略化
できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の第１の実施の形態につい
て説明する。図１は鍛造開始前の全体の機器構成図であ
る。まず、機器構成について説明する。羽根車用の型
は、図示しない固定された本体フレームと、この本体フ
レームに設けた下型１２、この下型に対向させて、図示
しない上スライドに設けた上型１１とを有する。上スラ
イドは図示しない第１油圧シリンダに連結され、上下に
移動自在となっている。下型１２内には、軸部を成型し
かつ中間鍛造品を取り出すためのピン挿通穴１３および
中間鍛造品を取り出すためのリング挿通穴１５が形成さ
れている。軸部を成型しかつ中間鍛造品を取り出すため
のダイスピン１４は前記ピン挿通穴１３に上下移動自在
に装着されている。中間鍛造品を取り出すためのリング
ピン１６は前記リング挿通穴１５に上下移動自在に装着
されているが下移動量は下型１２により規制されてい
る。ダイスピン１４は図示しない第２油圧シリンダに接
続あるいは当接しており、上下移動自在である。あるい
は、ダイスピン１４の下端は、図示しない中間ピンＡに
接続あるいは当接しており、中間ピンＡの下端は第２油
圧シリンダに接続あるいは当接している。それにより、
ダイスピン１４は、図示しない中間ピンを介し、上下移
動自在である。第２油圧シリンダによりダイスピン１４
を所定の位置に保持したり、ダイスピン１４に保持力を
付加しつつ下降させたり、成型後の中間鍛造品を取り出
すためにダイスピン１４を上昇させたりすることができ
る。リングピン１６は図示しない第３油圧シリンダに接
続あるいは当接しており、上下移動自在であるが下移動
量は下型１２により規制されている。あるいは、リング
ピン１６の下端は、図示しない中間ピンＢに接続あるい
は当接しており、中間ピンＢの下端は第３油圧シリンダ
に接続あるいは当接している。それにより、リングピン
１６は、図示しない中間ピンＢを介し、上下移動自在で
あるが下移動量は下型１２により規制されている。第３
油圧シリンダによりリングピン１６を所定の位置に保持
したり、リングピン１６に保持力を付加しつつ下降させ
たり、成型後の中間鍛造品を取り出すためにリングピン
１６を上昇させたりすることができる。下型１２上面に
は羽根部を成形する形状、段差部を成形する形状、素材
のセンタリングを行うための素材位置決め用凹部が形成
されている。一方、上型１１内には、上パンチ１７が配
置されている。上パンチ１７は図示しない第４油圧シリ
ンダと接続されており、上下に移動自在であるが、下移
動量は上型１１により規制されている。また、上型１１
と下型１２は位置決めピン等で位置決めされているもの
とする。

【００１２】次に鍛造工程の流れに沿って説明する。ま
ず、図１の型開き状態で、第２油圧シリンダによりダイ
スピン１３に所定の保持力を設定し、所定の位置に保持
する。第４油圧シリンダにより上パンチ１７に所定の保
持力を設定し、所定の位置に保持する。次に、適当な温
度に加熱された素材１８を素材位置決め用凹部に置く。

【００１３】次に図２において、上型１１を固定してい
る上スライドが下降し、上型１１と下型１２とを位置決
めピン部で嵌め合わせた後、上型１１と下型１２とが当
接し、型締めが完了するとともに、羽根部の成形が完了
する。このとき上パンチ１７は上型１１と一体で下降す
る。上パンチ１７はどのような位置にあってもよいが、
この実施例では、上型１１加工時、穿孔が同時に進行す
る程度の位置に位置決めされている図を示している。こ
のとき素材１８からの圧力がダイスピン１４の保持力よ
り大きければ、鍛造素材はピン挿通穴１３に流入しダイ
スピン１４を下降させる。

【００１４】次に、この状態から図３にように、上パン
チ１７を第４油圧シリンダーで下降駆動し、軸穴部を成
形する。このとき、上パンチ１７の下降により素材１８
からダイスピン１４への反力が、ダイスピン１４の保持
力より大きくなり、ダイスピン１４は下降する。すなわ
ち、軸穴部は、背圧下で成形が行われる。上パンチ１７
はストロークエンドまで押し込まれ、軸穴部が完全に成
形される。

【００１５】成形完了後は図４のように、まず上パンチ
１７を成型品から引き抜いた後、図５のように、上型１
１を上昇させる。

【００１６】中間鍛造品を下型１２上に残した状態か
ら、第２油圧シリンダと第３油圧シリンダを同時に上昇
駆動させることにより、ダイスピン１４およびリングピ
ン１６を同時に上限位置まで上昇させて中間鍛造品を型
内から取り出す。

【００１７】ここで、ダイスピン１４およびリングピン
１６を同時に上昇させることにより、鍛造素材を変形さ
せることなく取り出すことができる。

【００１８】その後、外ばり部、端面ばり部、素材置き
段差部、パンチ段差部を切削加工などにより除去し、最
終物たる黄銅製羽根車を得ることができる。

【００１９】次に本発明の第２の実施の形態を説明す
る。図７は鍛造開始前の全体の機器構成図である。ま
ず、機器構成について説明する。羽根車用の型は、図示
しない固定された本体フレームと、この本体フレームに
設けた下型７２、この下型に対向させて、図示しない上
スライドに設けた上型７１とを有する。上スライドは図
示しない第１油圧シリンダに連結され、上下に移動自在
となっている。下型７２内には、軸部を成型しかつ中間
鍛造品を取り出すためのピン挿通穴７３および中間鍛造
品を取り出すためのリング挿通穴７５が形成されてい
る。軸部を成型しかつ中間鍛造品を取り出すためのダイ
スピン７４は前記ピン挿通穴７３に上下移動自在に装着
されている。中間鍛造品を取り出すためのリングピン７
６は前記リング挿通穴７５に上下移動自在に装着されて
いるが下移動量は下型７２により規制されている。ダイ
スピン７４およびリングピン７６の下方にノックピン７
９がダイスピン７４に接続または当接して上下動自在に
配置されている。このとき、ノックピン７９はリングピ
ン７６に当接してもよいが接続はしていない。ノックピ
ン７９は図示しない第２油圧シリンダに接続あるいは当
接しており、上下移動自在である。第２油圧シリンダに
より、ノックピン７９を介してダイスピン７６を所定の
位置に保持したり、ダイスピン７６に保持力を付加しつ
つ下降させたり、成型後の中間鍛造品を取り出すために
ダイスピン７６を上昇させたりすることができる。下型
７２上面には羽根部を成形する形状、段差部を成形する
形状、素材のセンタリングを行うための素材位置決め用
凹部が形成されている。一方、上型７１内には、上パン
チ７７が配置されている。上パンチ７７は図示しない第
３油圧シリンダと接続されており、上下に移動自在であ
るが、下移動量は上型７１により規制されている。ま
た、上型７１と下型７２は位置決めピン等で位置決めさ
れているものとする。

【００２０】次に鍛造工程の流れに沿って説明する。ま
ず、図７の型開き状態で、第２油圧シリンダによりノッ
クピン７９を介しダイスピン７４に所定の保持力を設定
し、所定の位置に保持する。次に、適当な温度に加熱さ
れた素材７８を素材位置決め用凹部に置く。

【００２１】次に図８において、上型７１を固定してい
る上スライドが下降し、上型７１と下型７２とを位置決
めピン部で嵌め合わせた後、上型７１と下型７２とが当
接し、型締めが完了するとともに、羽根部の成形が完了
する。このとき、上パンチ７７はどのような位置にあっ
てもよいが、この実施例では、上型７１加工時、穿孔が
同時に進行する程度の位置に位置決めされている図を示
している。このとき素材７８からの圧力がダイスピン７
４の保持力より大きければ、鍛造素材はピン挿通穴７３
に流入しダイスピン７４を下降させる。

【００２２】次に、この状態から図９のように、上パン
チ７７を第３油圧シリンダーで下降駆動し、軸穴部を成
形する。このとき、上パンチ７７の下降により素材７８
からダイスピン７４への圧力が、ダイスピン７４の保持
力より大きくなり、ダイスピン７４は下降する。すなわ
ち、軸穴部は、背圧下にて成形が行われる。上パンチ７
７はストロークエンドまで押し込まれ、軸穴部が完全に
成形される。

【００２３】成形完了後は図１０のように、まず上パン
チ７７を成型品から引き抜いた後、図１１のように、上
型７１を上昇させる。

【００２４】次に、この状態から図１２のように、リン
グピン７６とノックピン７９の間の隙間にスペーサー８
０を挿入する。

【００２５】次に、図１３のように、第２油圧シリンダ
を上昇駆動させることにより、ノックピン７９を介し、
ダイスピン７４およびスペーサー８０を介しリングピン
７６を同時に上限位置まで上昇させて中間鍛造品を型内
から取り出す。

【００２６】ここで、ノックピン７９を介しダイスピン
７４およびスペーサー８０を介しリングピン７６を同時
に上昇させることにより、鍛造素材を変形させることな
く取り出すことができる。

【００２７】その後、外ばり部、端面ばり部、素材置き
段差部、パンチ段差部を切削加工などにより除去し、最
終物たる黄銅製羽根車を得ることができる。

【００２８】第３の実施例として、図１２のスペーサ８
０の代替案を示す。図１４、１５、１６、を用い機構構
成を説明する。

【００２９】ダイスピン８１の外周部には、雄ねじが加
工されており、また、図示しないが、下型８５と連れ回
らないようにするための回り止め機構、たとえば、スプ
ラインやキーなどの加工が施されている。ダイスピン８
１の下端から、内周部にダイスピン８１の雄ねじと同一
の雌ねじ加工を施されたノックピン８３がねじ込まれて
いる。ノックピン８３の上方には、リングピン８４を押
し上げるためのリングが一体成形されており、また、外
周部には、回転力を受けるための動力伝達手段、たとえ
ば、歯車などを備えている。

【００３０】ノックピン８３に回転力を与えるため、回
転軸８２がノックピン８３に回転力を与える位置に、下
型と一体に固定されている。また、この回転軸８２は、
図示しない動力源、たとえば、モータなどと連結されて
いる。ノックピン８３および回転軸８２に備えられてい
る動力伝達機構は、上下方向に移動自在となっている。

【００３１】図１４にて、成形完了した素材８６を、ノ
ックアウトするために、図１５のように、回転軸８２を
回転駆動させ、ノックピン８３の上端がリングピン８４
の下端に接するまでノックピン８３を上昇させる。この
とき、図示しない検出機構、たとえば、トルクセンサ、
近接センサあるいは光電センサなどで素材８６が変形し
ない程度の力で回転を停止させる。

【００３２】その後、図１６のように、図示しない第２
油圧シリンダで上昇駆動させることにより、一体となっ
たリングピン８４とノックピン８３を同時に上限位置ま
で上昇させて中間鍛造品を型内から取り出す。

【００３３】次に本発明の第４の実施の形態をしめす。
図１７は鍛造開始前の全体の機器構成図である。まず、
機器構成について説明する。本鍛造方は、図示しない固
定された本体フレームと、この本体フレームに設けた下
型１４０２、この下型に対向させて、図示しない上スラ
イドに設けた上型１４０１とを有する。上スライドは図
示しない第１油圧シリンダに連結され、上下に移動自在
となっている。下型１４０２内には、鍛造品の一部を成
型しかつ鍛造品を取り出すためのピン挿通穴１４０３お
よび鍛造品の一部を成形しかつ鍛造品を取り出すための
リング挿通穴１４０５が形成されている。鍛造品の一部
をを成型しかつ鍛造品を取り出すためのダイスピン１４
０４は前記ピン挿通穴１４０３に上下移動自在に装着さ
れている。鍛造品の一部を成形し鍛造品を取り出すため
のリングピン１４０６は前記リング挿通穴１４０５に上
下移動自在に装着されている。ダイスピン１４０４は図
示しない第２油圧シリンダに接続あるいは当接してお
り、上下移動自在である。第２油圧シリンダによりダイ
スピン１４０４を所定の位置に保持したり、ダイスピン
１４０４に保持力を付加しつつ下降させたり、成型後の
鍛造品を取り出すためにダイスピン１４０４を上昇させ
たりすることができる。リングピン１４０６は図示しな
い第３油圧シリンダに接続あるいは当接しており、上下
移動自在である。第３油圧シリンダによりリングピン１
４０６を所定の位置に保持したり、リングピン１４０６
に保持力を付加しつつ下降させたり、成型後の鍛造品を
取り出すためにリングピン１４０６を上昇させたりする
ことができる。一方、上型１４０１内には、上パンチ１
４０７が配置されている。上パンチ１４０７は図示しな
い第４油圧シリンダと接続されており、上下に移動自在
である。また、上型１４０１と下型１４０２は位置決め
ピン等で位置決めされているものとする。

【００３４】次に鍛造工程の流れに沿って説明する。ま
ず、図１７の型開き状態で、第２油圧シリンダによりダ
イスピン１４０４に所定の保持力を設定し、所定の位置
に保持する。第３油圧シリンダによりリングピン１４０
６に所定の保持力を設定し、所定の位置に保持する。第
４油圧シリンダにより上パンチ１４０７に所定の保持力
を設定し、所定の位置に保持する。次に、適当な温度に
加熱された素材１４０８を素材位置決め用凹部に置く。

【００３５】次に図１８において、上型１４０１を固定
している上スライドが下降し、上型１４０１と下型１４
０２とを位置決めピン部で嵌め合わせた後、上型１４０
１と下型１４０２とが当接し、型締めが完了する。

【００３６】この状態から図１９のように、上パンチ１
４０７を第４油圧シリンダーで下降駆動し、成形を行
う。このとき、上パンチ１４０７の下降とともに素材１
４０８からダイスピン１４０４およびリングピン１４０
６への圧力が、ダイスピン１４０４およびリングピン１
４０６の保持力より大きくなり、素材１４０８はピン挿
通穴１４０３およびリング挿通穴７０５に流入し、ダイ
スピン１４０４およびリングピン１４０６を下降させ
る。上パンチ１４０７はストロークエンドまで押し込ま
れ、完全に成形が完了する。

【００３７】このとき、第２油圧シリンダおよび第３油
圧シリンダを様々に設定することにより、ダイスピン１
４０４およびリングピン１４０６の下降量を様々に制御
することができる。

【００３８】成形完了後は図２０のように、まず上パン
チ１４０７を成型品から引き抜いた後、図２１のよう
に、上型１４０１を上昇させる。

【００３９】鍛造品を下型１４０２上に残した状態か
ら、第２油圧シリンダと第３油圧シリンダを同時に上昇
駆動させることにより、ダイスピン１４０４およびリン
グピン１４０６を同時に上限位置まで上昇させて鍛造品
を型内から取り出す。

【００４０】ここで、ダイスピン１４０４およびリング
ピン１４０６を同時に上昇させることにより、鍛造品を
変形させることなく取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】鍛造工程の一部を示す図

【図２】鍛造工程の一部を示す図

【図３】鍛造工程の一部を示す図

【図４】鍛造工程の一部を示す図

【図５】鍛造工程の一部を示す図

【図６】鍛造工程の一部を示す図

【図７】鍛造工程の一部を示す図

【図８】鍛造工程の一部を示す図

【図９】鍛造工程の一部を示す図

【図１０】鍛造工程の一部を示す図

【図１１】鍛造工程の一部を示す図

【図１２】鍛造工程の一部を示す図

【図１３】鍛造工程の一部を示す図

【図１４】鍛造工程の一部を示す図

【図１５】鍛造工程の一部を示す図

【図１６】鍛造工程の一部を示す図

【図１７】鍛造工程の一部を示す図

【図１８】鍛造工程の一部を示す図

【図１９】鍛造工程の一部を示す図

【図２０】鍛造工程の一部を示す図

【図２１】鍛造工程の一部を示す図

【図２２】鍛造工程の一部を示す図

【図２３】鍛造工程の一部を示す図

【図２４】鍛造工程の一部を示す図

【図２５】鍛造工程の一部を示す図

【図２６】鍛造工程の一部を示す図

【符号の説明】

１１…上型 １２…下型 １３…ピン挿通穴 １４…ダイスピン １５…リング挿通穴 １６…リングピン １７…上パンチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 淳 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 内尾 健司 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 Ｆターム(参考） 4E087 CA14 EC15 EE02 EE06 HA11

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】製品の中心部に突き当てる第１のノックア
   ウト部材と、前記突き当て部を囲繞する位置に突き当て
   る第２のノックアウト部材を設け、第１のノックアウト
   部材で製品を押し出すと同時に、第２のノックアウト部
   材によっても製品を押し出す鍛造型
2. 【請求項２】前記第２のノックアウト部材は環状であ
   る、請求項１記載の鍛造型
3. 【請求項３】前記第２のノックアウト部材は複数のノッ
   クアウト部材を環状に配置することにより形成してなる
   請求項１記載の鍛造型
4. 【請求項４】当初材料が配置された部分を圧縮により、
   残りを充填により張り出させて鍛造する鍛造型におい
   て、 当初材料が配置された部分に突き当てる第１のノックア
   ウト部材と、張り出させる部分に突き当てる第２のノッ
   クアウト部材を設け、第１のノックアウト部材で製品を
   押し出すと同時に、第２のノックアウト部材によっても
   製品を押し出すことを特徴とする鍛造型
5. 【請求項５】一部を圧縮により、残りを充填により張り
   出させて製品を鍛造する鍛造型において、 張り出させる部分に突き当てる第１のノックアウト部材
   を設けたことを特徴とする鍛造型
6. 【請求項６】閉空間内部に配置された材料を該閉空間の
   内壁の一部により加圧して、前記閉空間内に充填するよ
   うにした閉塞鍛造方法において、 前記内壁の一部を第１の位置まで進出させると共に、前
   記閉空間の内壁の他の部分を後退させ、前記閉空間容積
   を前記材料の体積と同等にし、 更に製品を取り出す際には前記空間の他の部分を前進さ
   せることにより取り出す閉塞鍛造方法
7. 【請求項７】前記製品は羽根車である、請求項１乃至５
   いずれか１項記載の鍛造型
8. 【請求項８】前記鍛造型は、閉空間内に配置された材料
   を該閉空間の内壁の一部により加圧して、前記閉空間に
   充填することで鍛造する閉塞鍛造型であり、前記第１の
   ノックアウト部材及び（又は）第２のノックアウト部材
   は背圧ピンである、請求項１乃至５いずれか１項記載の
   鍛造型