JPH03262426A - ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法 - Google Patents

ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法

Info

Publication number
JPH03262426A
JPH03262426A JP2059925A JP5992590A JPH03262426A JP H03262426 A JPH03262426 A JP H03262426A JP 2059925 A JP2059925 A JP 2059925A JP 5992590 A JP5992590 A JP 5992590A JP H03262426 A JPH03262426 A JP H03262426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
callus
medium
liquid medium
protoplasts
plant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2059925A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiko Terakawa
輝彦 寺川
Tamao Satou
佐藤 珠緒
Sei Sato
聖 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokko Chemical Industry Co Ltd filed Critical Hokko Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2059925A priority Critical patent/JPH03262426A/ja
Publication of JPH03262426A publication Critical patent/JPH03262426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ベントグラスのプロトプラストを利用するベ
ントグラス植物体の再生方法に関するものであり、詳し
く言えば、ベントグラスの種子又は幼苗細胞からカルス
を作り、カルスから培養細胞を作り、これら細胞からプ
ロトプラストを作威し、プロトプラストからカルスを再
形成し、再形成されたカルスを再分化してベントグラス
植物体を効率よく再生する方法に関する。
〈従来の技術〉 ベントグラスは、イネ科アグロスティス属豆肛鯉且紅に
属する芝草であり、大量に庭園、ゴルフ場、等に植えら
れている。イネ科植物のプロトプラストを利用するイネ
科の植物体の再生技術はイネ、トウモロコシなどの穀物
および牧草において知られている。
たとえば、特開平2−5857号公報には、イチゴツナ
ギ亜科7のイネ科植物のプロトプラストを利用してカル
スを形成し、そのカルスから、植物体に再生する方法が
記載され、具体例として牧草の1種であるカモガヤ(劫
述■カロ出1弘妙虹り、)についてプロトプラストを経
由した植物体の再生の実施例が示されている。この公報
には、該公報記載の発明方法がイチゴツナギ亜科のアグ
ロスティス凰肛世旦鉦属に含まれるベントグラスにも適
用しうると示唆する記載がなされている。しかし、該公
報はベントグラスのプロトプラストを作成すること、こ
のプロトプラストからカルスを形成すること、カルスか
ら植物体の再生を行う具体的な方法について説明がなく
、実施例の記載もない。
他方、ベントグラス植物体の細胞をカルス化し、そのカ
ルスから植物体を再生する技術については、いくつかの
文献に報告がされている。
例えばそれら文献として「クロップ・サイエンスJ(C
rop Sci、)第26巻第1245−1249頁(
1986) ;同第22巻第1193−1197頁(1
982) i及び「育種学雑誌」第39巻(別冊2)第
98−99貞(1989)が挙げられる。しかし、これ
ら文献には、ベントグラスのプロトプラストを利用して
ベントグラス植物体を再生させた実施例の報告はない。
さらに、植物細胞のプロトプラストの培養方法について
は、液体培地中でプロトプラストを培養する方法(特開
昭62−232382号公報)が知られており、また、
植物細胞の培養に一旦用いられた古い培養液を回収し、
これを再使用して新しい培地に添加して調製される培地
(所謂、コンディショニングした培地)中でプロトプラ
ストを培養する方法などがプロトプラストの細胞分裂率
や方法の再現性を高めるため、いろいろ開発されてきた
しかし、これらの公知のプロ、ドプラスト培養技術は事
実上は、すべての種類の植物のプロトプラストに広く一
般的に利用できるものではなく、対象とする植物の種類
や、使用培地の組成などの相違により、該公知技術はそ
れの適用の可能性が限定されるものであった。
〈発明が解決しようとする課題〉 前述のとおり、これまで、ベントグラスのプロトプラス
トを用い、ベントグラスの植物体を再生したという事例
の報告がなく、またプロトプラストを経由してベントグ
ラスの植物体を再生することを可能にする具体的な方法
は未だ知られていない 本発明は、ベントグラス植物の細胞をカルス化し、その
カルスを培養して得られる植物体再生能を保有した多数
個の培養細胞をプロトプラスト化し、得られた多数個の
プロトプラストを植物体再生能を低下させることなく、
高頻度で分裂増殖させて得られた普通細胞の塊りからな
るカルスを再形成し、その再形成されたカルス細胞から
再分化により植物体のベントグラス(クローン)を効率
よく再生させる方法を提供することを目的とするもので
ある6前記のように多数個のプロトプラストを用い、こ
れらプロトプラストを高頻度で分裂増殖できると、植物
体に再分化できるカルスを多数再形成して収得すること
ができ、それらの多数のカルスから多個数のベントグラ
ス植物体を再生できるので、ベントグラス植物体の個数
を1個数のベントグラス種子又は幼苗から一挙に増大で
きる目的が達成される。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者は、種々研究の結果として、ベントグラスのカ
ルスから得られて植物体再生能を保有した培養細胞をプ
ロトプラスト化し、単離した多数個のプロトプラストを
、所定量のグルコースとマニトールの両者を植物組織培
養用基本液体培地に配合して威る改良液体培地中で培養
するか、若しくはすでに培養細胞の増殖に一旦用いられ
た古い培養液を新鮮な但し同系の基本液体培地と混合し
その混合物に所定量のグルコースとマニトールの両者を
配合して威る組成に相当する組成を有する改良液体培地
中でプロトプラストを培養することにより、これら多数
個のプロトプラストを、細胞壁を再生された普通の細胞
の生成を伴いながら分裂及び増殖させて多数のカルスを
再形成させることができることを見出し、また再形成さ
れた多数のカルスを再生用培地に移植して再分化させる
ことにより、多個数の植物体(クローン)を再生させる
ことのできることを見いだした。
従って、本発明によれば、下記に示す諸工程の組合せか
らなる、ベントグラスのプロトプラストを利用するベン
トグラス植物体の再生方法が提供される。
すなわち、本発明によれば、 ■ ベントグラスの種子又は幼苗基部の細胞からカルス
を形成させる工程と、 ■ そのカルスを液体培地中で培養してカルスの細胞を
増殖させ、懸濁した状態の培養細胞及び/又は細胞塊を
生成させてこれを採取する工程と、 ■ 採取された培養細胞及び/又はその細胞塊からプロ
トプラストを作成する工程と、■ プロトプラストをカ
ルス再形成用の液体培地中で培養し、プロトプラストの
分裂とそれで生じた普通細胞の増殖とによりカルスを再
び形成させる工程と、 ■ 再び形成させたカルスを植物体再生用培地に移植し
、そこで再分化することにより、ベントグラスの植物体
を再生させる工程とからなることを特徴とする、ベント
グラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法が提
供される。
本発明の方法に適用できるベントグラスとは、アグロス
ティス凰肛7属に含まれる各種の芝草を指すものであり
、その代表的な芝草の名称は、次のとおりである。
コロニアルベントグラス (h皿旦ntenuis)ク
リーピングベントグラス(A、  nhlに亘)但し、
特に、これらのベントグラスは品種に限定されることは
ない。
なお、本発明の方法の工程で得たベントグラスのプロト
プラストは体細胞突然変異、細胞融合および遺伝子組換
えなどのバイオ技術の方法によりベントグラスの新品種
の開発に利用され得るものである。
本発明による、ベントグラスの植物体再生方法の第1工
程から第5工程は次の要領により実施される。なお各工
程は無菌条件下で行われることが必要である。
(A)第1工程(植物体からカルスの形成)まず最初の
工程として、ベントグラス植物の細胞から植物体再生能
の高いカルスを形成させる必要がある。その細胞(A料
としては、ベントグラスの種子、又は幼苗基部の細胞が
利用できる。消毒及び殺菌のため種子は通常、70%の
エチルアルコール水溶液や7%〜lO%の次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液に20〜60分間浸漬して殺菌される0
次いで、その殺菌された種子をとり出し、無菌水で3回
洗浄した。ベントグラスの幼苗基部の細胞は、上記の方
法により殺菌した種子を、植物組織培養基本培地、例え
ばMS培地などの培地上に播種し、無菌的に25℃で7
日間栽培して幼苗としたのち、この幼苗の生長点近傍を
約5閣の長さ(生長点を含んだ状X!4)に切断して生
長点切片の細胞として得られる。上記により得た幼苗基
部の切片、又は種子をカルス形成用培地に置床する。こ
れに用いられるカルス形成用培地は、MS培地、B5培
地などの植物組織培養基本培地に植物生長ホルモンとし
て、2.4−ジクロロフェノキシ酢酸(以下、r2,4
−D)という)、4−アミノ−3,5゜6−ドリクロル
ー2−ピリジンカルボン酸カリウム塩(以下、「ビクロ
ラム」という)、2〜メトキシ−3,6−ジクロル安息
香酸ジメチルアミン(以下、「ジカンバ」という)など
のオーキシン類、好ましくは2.4−Dを1〜5WIg
/l、好ましくは3■/I!の量で、また炭素源として
、ショ糖を20〜40g/l−5好ましくは30g/I
lの量で、寒天を10g/lの量でそれぞれ添加してな
るカルス形成用固体培地(pl+ 5.8)であること
ができる。
置床後に、15〜30℃、好ましくは25゛cで40〜
60日間、好ましくは50日間培養すると、植物体再生
能の高いカルスを形成できる。
(B)第2工程(液体培地中のカルスのP!濁培養法に
よる細胞の増殖) 第1工程で得られたカルス自体から直接にプロトプラス
トを作成することは困難である。またこれらのカルス内
の細胞を、植物体再生能を低下させることなく、かつプ
ロトプラストの作成に適した状態になるように培養して
細胞を増殖させる必要がある。そのために、前記の種子
、又は幼苗基部から得られたカルスを液体培地中に移植
し、振とう下に培養してカルスから増殖、分離した多数
の細胞が多数の微細な細胞塊の形で液体培地中に懸濁し
ている状態を保ちながら懸濁培養を続ける。
この第2工程で用いる液体培地は第1工程で用いた固体
培地と同濃度の植物生長ホルモンとショ糖炭素源を含み
、さらにカゼイン加水分解物の0.01%〜5%、好ま
しくは0.2%を添加されたMS液体培地(pi 5.
8)又はB5液体培地(pH5,8)であることができ
る、第2工程での培養は、第1工程のカルス形成工程と
同様の培養温度で工4日間、約12Or、p、m、で回
転振とう培養するのがよい。さらに1週間ごとに、前記
と同じ組成をもつ新鮮な液体培地に対して、これの10
0 ml当りに5〜7gの量の培養細胞を古い液体培地
(培養液)から移植し、継代培養を行うのがよい。この
際、留意する点は、液体培地で懸濁培養された培養細胞
が、直径0.5〜1■程度の微細な細胞塊りの形を保ち
なから継代培養を続けることにある。このようにして得
た培養細胞は、予備試験として、第5工程に用いるべき
植物体再生用培地中に直接に移植して培養すると、良く
再分化して植物体を再生して高い植物体再生能を示した
なお、第2工程で一回使用済みの培養液、すなわち培養
細胞を分取した後の古い培養濾液は、後に説明する「コ
ンディシジニング培地」を調製するために回収して再利
用されるから、保存する。
(C)第3工程(プロトプラストの作成)第2工程で得
た培養細胞をプロトプラスト化するには、培養細胞の細
胞壁溶解のために通常酵素で処理する。使用する酵素は
、ペクチン分解酵素および細胞壁分解酵素である。その
ペクチン分解酵素としては、ペクトリアーゼY−23、
マセロザイムR−10などの組織分解を行うマセレーシ
ョン酵素が用いられ、また細胞壁分解酵素としては、セ
ルラーゼオノズカRS、セルラーゼオノズ力R−10、
ドリセラーゼ、メイセラーゼ、セルラーゼVCなどの酵
素、好ましくはセルラーゼオノズ力R5が用いられる。
第2工程の液体培地中より取り出した継代培養4〜6日
、好ましくは5日目の培養細胞(1〜2g)を、酵素溶
液、すなわち酵素類として、ペクトリアーゼY−23を
0.01%〜0.5%、好ましくはo、i%含み、マセ
ロザイムR−10を0.01%〜0.5%、好ましくは
0.3%含み、セルラーゼオノズカR5を1%〜4%、
好ましくは2%含み且つ浸透圧調節剤として、シ!ll
N0.3モル〜0.5モル、好ましくは0.4モルを含
み、さらに、必要により、塩化カルシウムを5ミリモル
〜20ミリモル、好ましくは10ミリモルを含む酵素溶
液(pH5,8) 10dにシャーレ(直径9c@)中
で加える。25〜30’Cの暗所で1〜3時間、好まし
くは2時間静置して酵素処理すると、多量のプロトプラ
ストが作成される。
このようにして培養細胞を酵素処理した消化反応液は、
20〜40μmの孔のナイロンメッシェで濾過し、未消
化の培養細胞を除去した後、プロトプラストを含む濾液
を500〜600r、ρ1.で5〜10分間遠心分離す
るとプロトプラストの沈澱を得られた。この沈澱は染色
法によりプロトプラストであることをr1fi認できる
。このようにして得たプロトプラストの沈澱物を0.4
Mマニトール水溶液10mに再び懸濁し、上記と同様に
遠心分離して洗浄されたプロトプラストの沈澱を得る。
この洗浄操作は合計3回行うのがよい、このプロトプラ
スト化法によれば、第2工程で採取できた培養細胞1g
当り約5X10’個〜107個の収率で、プロトプラス
トを取得することができる。
(D)第4工程(プロトプラストからのカルスの再形成
) 第3工程で得られたプロトプラストを、これからカルス
を再形成する目的でシャーレに入れたカルス再形成用液
体培地(後記に詳しく説明する)に移植してプロトプラ
ストを培養する。移植されるプロトプラストの個数はカ
ルス再形成用の液体培地のLd当りにio’個/d〜1
0’個/−1好ましくは106個/dとなるようにトー
マ血球計算盤を用いてカウントして行う、移植後には、
25°C1暗所で液体培養するのがよい。
このカルス再形成用液体培地中で培養されるプロトプラ
スト細胞は夫々が分裂し、分裂と共に細胞壁を再生され
た普通の細胞として増殖して多数のカルスを再形成する
。この分裂に際して生じた1つの普通細胞から、増殖に
より1個のカルスが形成される。
プロトプラストの培養中、すなわちプロトプラストから
のカルスの再形成の過程中で、このプロトプラストを培
養しているカルス再形成中の培養液は必要成分の補足の
ために、培養14日後と培養21日後に、現に使用中の
カルス再形成用液体培地の調製に当り用いたと同系の基
本培地に同一種類の植物ホルモンを配合してなる新鮮な
培地(浸透圧調節剤を含まない)で2倍に希釈される。
プロトプラストの培養開始後、3〜4週間で、1つのプ
ロトプラストから直径0.5〜IDI程度のカルス1個
が形成される割合になる。
このようにカルス再形成培地中でプロトプラストから得
られた直径0.5〜1+w程度の再形成カルスは、これ
を培地から分は取って、第1工程で用いたカルス形成用
固体培地と同し組成の培地を含むシャーレ中に移植し、
25°Cの暗所で更に7〜14日間培養を続けると、直
径2〜5閣の大きさのカルスに生長することができる。
前記のように末法の第4工程に用いられるプロトプラス
トからカルス再形成用の液体培地は、植物ホルモンとし
て2.4−D、ビクロラム、ジカンバなどのオーキシン
類、好ましくは2.4−Dを0.1〜5■/l、好まし
くは0.5■/Ilの量で、並びに炭素源を兼ねる浸透
圧調節剤として作用するマニトールとグルコースとの両
者をそれぞれ5〜9%、好ましくはそれぞれ7%の量で
植物組織培養基本液体培地、例えばMS液体培地(pH
5,8)又はB5液体培地(pH5,8)に配合して威
る改良液体培地(イ)であることができる。
また、上記のカルス再形成用液体培地は、前記の改良液
体培地(イ)に対して、後述するコンディショニングを
予め行った培地(コンディショニング培地)を混合して
なる改良液体培地(0であることができる。
前記のコンディショニング培地とは、次のように作られ
たものである。すなわち、末法の第2工程において懸濁
培養に用いた液体培地、例えばMSまたはB5培地でカ
ルス細胞−を継代培養して得られた培養細胞を含む懸濁
液、すなわち培養液から培養細胞を濾別した残りの培養
濾液に対して、上記の改良液体培地(ロ)の調製に当り
混合される改良液体培地(イ)で使用したのと同一濃度
の同種植物ホルモンと同一濃度のマニトール+グルコー
スとを配合させて作られた液を0.22ミクロン孔のメ
ンブレンフィルター(ミリボア社製)で濾過して除菌す
ることにより、前記のコンディショニング培地(p)I
 5.8)が調製できる。前記の改良液体培地(ロ)の
調製に当り、改良液体培地(イ)に混合されるコンディ
ショニング培地の割合は得られた混合液について25〜
50%であり、好ましくは50%がよい、すなわち、コ
ンディショニング培地と、これを混合される改良液体培
地(イ)との混合比は1:1乃至1:3(容量)の範囲
であるのがよい。
前記の改良液体培地(イ)においても、また前記のコン
ディショニング培地においても、これに炭素源を兼ねた
浸透圧調節剤として5〜9%のマニトールと5〜10%
のグルコースとが必らず併用して配合されるが、これに
代えて、マニトール単独、グルコース単独、シg糖単独
を配合するとプロトプラストの分裂頻度は悪化する。
(E)第5工程(再形成カルスからの植物体の再生) 第4工程で得られた直径2〜5■の大きさのカルスを植
物体再生用培地に置床して、培養してカルスを再分化さ
せると、ベントグラス植物体が再生される。この再分化
用培地は植物生長ホルモンとして、ベンジルアデニン(
BA) 、カイネチン、ゼアチンなどのサイトカイニン
類、好ましくはBAを0.5〜10mg/ f 、好ま
しくは1〜2Ing/lの量で、並びにシラ糖を20〜
90g/f、好ましくは30g/lの量で植物組織培養
基本固形培地、例えばMS固形培地(ρI+ 5.8.
寒天1%含有)またはB5固形培地(pl+ 5.8.
寒天1%含有)に配合してなる固形培地であることがで
きる。逼イ四→←植物体再生用培地に置床されたカルス
は、15〜30°C1好ましくは25°Cで10〜50
日間、明所(例えば1000ルツクス)にて培養すると
、個々のカルスから夫々にベントグラス植物体を再生さ
せることができる。
次に、本発明の方法の各工程で使用する各種の培地につ
いて説明する。
本発明の方法の各工程で使用する植物組織培養用培地、
すなわちカルス形成用、懸濁培養による培養細胞形成用
、プロトプラストからのカルス再形成用およびカルスか
らの植物体再生用の各培地は、原則としては、次に示す
ように植物組織培養用の基本液体又は固形培地に、植物
ホルモン(オーキシン類、サイトカイニン類)、炭素源
(シ!Ill、グルコース、マニトール)を配合した加
用培地である。ここに、基本培地としては、無機塩成分
、ビタミン類、アミノ酸を含むものが使用される。この
無機塩成分としては、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム
、塩化マグネシウム、硝酸ナトリウム、リン酸−水素カ
リウム、塩化カルシウム、リン酸三水素ナトリウム、硫
酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、塩化
コノくルト、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、ヨウ化
カリウム、ホウ酸などが挙げられる。また、ビタミン類
としては、チアミン、ピリドキシン、ニコチン酸、ニコ
チン酸アミド、ビオチン、パントテン酸カルシウム、ア
スコルビン酸、リボフラビンおよびミオイノシトール等
を例示できる−0また、アミノ酸類としては、グリシン
、アスパラギン、グルタミン、アルギニンなどを例示す
ることができる。
このような各種成分を含む基本培地としては、公知の培
地、例えば、MS(ムラシゲ・スクーグ)培地〔フィシ
オル・プラント(Phisyol、 Plant)第1
5巻、第473〜479頁(1962年));N6培地
(サイエンティア・シニカ(Scientia 5ci
nica)第18巻、第659〜663頁(1975年
));B5培地〔イクスベリメンタル・セル・リサーチ
(Exρ。
Ce11.Res、)第50巻、第151〜15B頁(
1968年)];R2培地〔プラント セル フィジイ
オール(Plant Ce1l Physiol、)第
14巻、第1113〜1121頁(1973年));K
M培地〔ブランク(Planta)第126巻、第10
5〜110頁(1975年)〕があげられ、この中でも
特にMS培地およびB5培地が好ましいが、これら2つ
の培地に限定されるものではない。
本発明で使用できる前記培地はpH5,6〜5,8に調
整され、液体培地又は固形培地でとして使用される。
固形培地とする場合は、ゲル化剤として寒天やマガロー
スなどを通常0.2〜1%の濃度で配合される。そして
この固形培地上で培養される。
液体培地を用いる培養の場合、培養物を液体中に浮遊、
懸濁させて培養する懸濁培養が通常行なわれ、この場合
、ロータリーシェーカーを培養槽として用いることもで
きる。
次に、本発明の試験例を示して具体的に説明する。
巴」艶鮭 1、第1工程(植物体からのカルスの形成)゛のカルス コロニアルベントグラスの種子100粒を70%エチル
アルコール水溶液100Idに1分間浸してから、この
種子を取り出し、さらに10%次亜塩素酸ナトリウム水
溶液500tulに20分間浸して殺菌し、無菌水で3
回洗浄した。この種子を30g/l(3%)のシg糖、
31℃g/l(3ρρl1l)の2゜4−Dを含むB5
固形培地(pH5,8、寒天10g/ 12 ) 10
affiを入れた試験管(直径1.5cm、長さ10c
m)に工試験管あたり1粒あて、試験管100本に播種
した。これを25°C,50日間培養し、1粒当り30
〜50IIgのカルス1個を得た。
■−21の   ゛のカルス クリーピングベントグラスの種子100粒を上記(1−
1)と同様に殺菌処理した。この種子をMS基本培地(
pH5,8、寒天1%) 30ad!を入れたシャーレ
(直径9 cta )に1シヤーレあたり10粒あてシ
ャー110個に播種した。これを25℃で7日間栽培し
た。このようにして得た草丈2cm程度のベントグラス
の幼苗を基部から5m程度の切片(生長点を含む)に切
断した。この切片を30g/l(3%) (7) シm
l 1g、5 g/ R(7)2,4Dを含むB5固形
培地(pl! 5.8、寒天10g/f)30−を入れ
たシャーレ(直径9cm)に1シャーレ当り工0切片あ
て、シャー110個に置床した。
これを25°C60日間培養すると生長点付近の細胞か
ら1切片当り30〜50■のカルス1個を得た。
2、第2工程(懸濁培養による培養細胞の増殖)第1工
程より得たカルスを30g/j!(3%)のシg糖、2
■/l (2ppm)の2.4−D、2g/ffi (
0,2%)のカゼイン加水分解物を含むMS液体培地(
pH5,8)およびB5液体培地(ρl!5.8)の各
50m1をそれぞれ入れた100rN容量の三角フラス
コに、1フラスコあたり1個のカルス(30〜50mg
)の割合で移植し、25°Cで14日間振とう培養(1
20r、ρ1.)し、l!!濁した状態で増殖した培養
細胞を得た。その後、培養細胞の植え継ぎは、1週間に
1回あて上記した但し新鮮な液体培地を用いて行った。
3、第3工程(プロトプラストの作成)第2工程におい
て植え継ぎ後5日目の培養細胞を約1gとりだし、これ
を4%セルラーゼオノズカR5,0,1%ペクトリアー
ゼY−23,0,4Mショ糖を含む酵素溶液CpH5,
8) 10II11を入れたシャーレ(直径9cm)に
移植した。これを28℃、2時間、暗所に静置した。こ
のようにして培養細胞を酵素処理した消化反応液を、2
0μmの孔のナイロンメツシュで濾過し、未消化の培養
細胞を除去し、プロトプラストを含む濾液を50Or、
p、m、で5分間遠心分離してプロトプラストの沈殿を
得た。このようにして得たプロトプラストの沈殿物を0
.4Mマニトール水溶液10dに再び懸濁し、500r
、p、、m。
で5分間遠心分離をおこない、プロトプラストの沈殿物
を得た。このような洗浄の操作を合計3回くりかえして
プロトプラストを収得し、次の工程に供した。
4、第4工程(プロトプラストからのカルスの再形成) (a)  プロトプラストからカルスの再形成用に用い
る培地は次の通り調製した。すなわち0.5■/2の2
.4−Dと所定量のグルコース及びマニトールとをMS
液体培地(pH5,8)またはB5液体培地(pH5,
8)に配合して数種の改良液体培地(イー1)を調製し
た。
次に、既に本試験例の第2工程でMS培地またはB5培
地を用いてカルスからの培養細胞を継代培養して得られ
た100日目細胞懸濁液(培養液)を濾紙にて濾過して
細胞を採取した残りの培養濾液を用意した。各濾液に、
上記の改良液体培地(イー1)に用いたと同じ2.4−
D、グルコース、マニトールを改良液体培地(イー1)
におけるのと同一の濃度となるように添加した。このよ
うに2.4−D、グルコース及びマニトールを添加され
た培養濾液を0.22μrrt孔のメンブレンフィルタ
ー(ミリボア社製)で濾過して除菌し、これにより、コ
ンディショニングされたMS液体培地(pH5,8)ま
たはコンディショニングされたB5液体培地(all 
5.8)を「コンディショニング培地」として得た。こ
のように、コンディショニングされたMS液体培地(M
S系コンディショニング培地)またはコンディショニン
グされたB5液体培地(B5系コンディショニング培地
)を調製した。
更に、MS液体培地を用いて調製された改良液体培地(
イー1)には、MS系コンディショニング培地を混合し
てカルス再形成用液体培地を作り、またB5液体培地を
用いて調製された改良液体培地(イー1)には、B5系
コンディショニング培地を混合してカルス再形成用液体
培地を作るが、この際、混合され合わせるMS系または
B5系の改良液体培地と、MS系または135系のコン
ディショニング培地との組合わせは、夫々に同一の濃度
の2.4−D並びに同一の濃度のグルコースとマニトー
ルを含有するもの同志の組合わせにすることが必要であ
る。従って、MS系またはB5系改良液体培地(イー1
)とMS系またはB5系コンディショニング培地とを混
合して戒るカルス再形成用液体培地は、結局は、それの
調製に用いたMS系またはB5系改良液体培地(あるい
はMS系またはB5系コンディショニング培地)と同一
濃度で植物生長ホルモン(具体的には2.4−D)と、
炭素源を兼ねた浸透圧調節剤(グルコース+マニトール
)を含有することになる。本例では、改良液体培地(イ
ー1)の0.5−を「コンディショニング」培地の0.
5jll!とを混合し、すなわち前者と後者との混合比
を1=1として混合して居り、こうして、後記の第1表
に示される組成を有する各種のカルス再形成用液体培地
を1−づつ調製し、次段のプロトプラストからのカルス
再形成段階に供した。
(b)  前記の(a)項に説明したように調製された
各種のカルス再形成用液体培地の1 allを夫々に、
シャーレ(直径35a*)に入れた。これに第3工程で
得たプロトプラスト106個となるようにトーマ血球針
算盤を用いてカウントして移植し、25°C1暗所で培
養した。培養中の培養液はグルコース、マニトールを添
加していないMS液体培地またはB5液体培地を用いて
、同じMS系またはB5系同志の組合せで培養14日と
21日後にそれぞれ2倍に希釈した。培養開始後プロト
プラストの分裂と増殖により30日目に形成した細胞の
塊り、すなわちカルスの個数を調べ、下記の分裂頻度に
より試験結果を評価した。その結果は第1表に示すとお
りである。
プロ ブース の ゛  (カルス再形成の度合) 分裂しない(カルスの再形成なし)。
±:数個のカルス再形成が認められる。
+:分裂して10個から100個のカルスを再形成した
十+:分裂して100個以上のカルスを再形成した。
第1表に示された本発明試験区のうち、グルコース7%
+マニトール7%を含むカルス再形成用培地で分裂頻度
が++の評価を受けた試験区で形成された複数個のカル
スを培地から取り出した。
次いで、この再形成されたカルスを、本試験例の第1工
程で用いたと同し組成のカルス形成培地に移植し、25
°Cの暗所で14日間更に培養すると、大きさが2〜5
mのカルスに生育したので、これを次段の第5工程に供
した。
5、第5工程(植物体の再生) 第4工程で得られたカルス(直径2〜5閣)をg/lの
シg糖とサイトカイニンとして、後記第2表に示された
所定量のベンジルアデニン(BA)、カイネチンまたは
ゼアチンとをそれぞれ含むMS培地に移植し、25℃明
所(1000ルツクスにおいて培養した。培養開始後3
0日自己下記の基準により植物体の再生の程度を調べた
。その結果は第2表に示すとおりである。
樅忽供亘生夏五度:× 再生しない ○ 再生が認められた ◎ 良く再生した 〈発明の効果〉 本発明の方法によれば、ベントグラス植物から多数のプ
ロトプラストが作成でき、これを培養して多数のカルス
を高率で得ることができ、これらカルスから効率良く多
個数のベントグラス植物体を再生させることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、(1)ベントグラスの種子又は幼苗基部の細胞から
    カルスを形成させる工程と、 (2)そのカルスを液体培地中で培養してカルスの細胞
    を増殖させ、懸濁した状態の培養 細胞及び/又は細胞塊を生成させてこれを 採取する工程と、 (3)採取された培養細胞及び/又はその細胞塊からプ
    ロトプラストを作成する工程と、 (4)プロトプラストをカルス再形成用の液体培地中で
    培養し、プロトプラストの分裂と それで生じた普通細胞の増殖とによりカル スを再び形成させる工程と、 (5)再び形成させたカルスを植物体再生用培地に移植
    し、そこで再分化することにより、ベントグラスの植物
    体を再生させる工程と からなることを特徴とする、ベントグラスのプロトプラ
    ストを利用する植物体再生方法。 2、炭素源を兼ねる浸透圧調節剤として5〜10%(重
    量)のグルコースと5〜9%(重量)のマニトールとを
    組合わせて植物組織培養用の基本液体培地に配合して成
    るカルス再形成用の液体培地中でプロトプラストを培養
    して本法の第4工程を行う請求項1記載の方法。 3、本法の第2工程で液体培地中でカルス細胞を増殖さ
    せて得られた培養細胞を含む培養液から細胞を濾過によ
    り採取した後の残りの培養濾液に対して、5〜10%(
    重量)のグルコース及び5〜9%(重量)のマニトール
    並びに0.1〜5mg/lの植物生長ホルモンを配合し
    てコンディショニング培地を作り、また、第2工程で用
    いた液体培地と同じ系統の植物組織培養用基本液体培地
    に対して5〜10%(重量)のグルコース及び5〜9%
    (重量)のマニトール、並びに先と同一の種類であって
    0.1〜5mg/lの量である植物生長ホルモンを配合
    して改良液体培地を作り、しかも、この際に、該改良液
    体培地中に配合されるグルコース、マニトール及び植物
    生長ホルモンの各濃度が夫々に前記のコンディショニン
    グ培地における各濃度と同一であるように調整し、更に
    、前記のコンディショニング培地を前記の改良液体培地
    に容量混合比が1:1乃至1:3の範囲で混合すること
    により調製されたカルス再形成用の液体培地中でプロト
    プラストを培養して本法の第4工程を行う請求項1記載
    の方法。
JP2059925A 1990-03-13 1990-03-13 ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法 Pending JPH03262426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2059925A JPH03262426A (ja) 1990-03-13 1990-03-13 ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2059925A JPH03262426A (ja) 1990-03-13 1990-03-13 ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03262426A true JPH03262426A (ja) 1991-11-22

Family

ID=13127191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2059925A Pending JPH03262426A (ja) 1990-03-13 1990-03-13 ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03262426A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110982775A (zh) * 2019-12-26 2020-04-10 河北农业大学 一种匍匐翦股颖原生质体制备的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110982775A (zh) * 2019-12-26 2020-04-10 河北农业大学 一种匍匐翦股颖原生质体制备的方法
CN110982775B (zh) * 2019-12-26 2023-10-20 河北农业大学 一种匍匐翦股颖原生质体制备的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6174520A (ja) コーンの再生方法
JPS62272917A (ja) トウモロコシを再生する方法
JPH07308137A (ja) ヤマナラシ節に属する植物の植物体生産方法
CN100362097C (zh) 一种烟草原生质体高效快捷培养方法
JPH03262426A (ja) ベントグラスのプロトプラストを利用する植物体再生方法
JP2001511652A (ja) サトウキビの生産
JPH0823806A (ja) チューリップ属植物の増殖培養方法
JP3318037B2 (ja) シラカンバの大量増殖法
CN105684895B (zh) 一种禾谷类作物单倍体群体的构建方法
CN109548655A (zh) 苦郎树的组织培养方法
JPH03277219A (ja) バラの組織培養法
JPS63226217A (ja) ゴマ幼苗の製造方法
JPH04341192A (ja) ピロカルプスの試験管内培養物からのピロカルピンの製造方法
JP2963301B2 (ja) ストックの不定胚作出方法及び増殖方法
JP3578440B2 (ja) シネラリア植物の種苗生産方法
JPH07170870A (ja) トルコぎきょうの種苗の生産方法
JP2967968B2 (ja) シネラリア植物の種苗生産方法
JP2561202B2 (ja) トウキの器官培養による生産方法
JPH0585135B2 (ja)
CN115885850A (zh) 一种老芒麦再生的组培培养基和老芒麦成熟胚再生组培方法
JP2503317B2 (ja) イネ科カルスからの植物体作出方法
JPS6265680A (ja) プロトプラスト培養によるイネ科穀物の育種方法
JPH05227857A (ja) キク科植物の培養方法
JPH07298801A (ja) ストックにおける植物体再分化能を有するカルスの誘導方法、該カルスの維持・増殖方法、及びこれらのカルスからの植物体再分化方法
JPH09266788A (ja) イキシアカルス及び球茎の製造法