JPH032601Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、ビル等の高層鉄骨構造の架設時に
用いる一人用折り畳み式吊足場に関するものであ
る。

〈従来技術〉 この種の吊足場は、第１図に示すように、足場
底板１に長い前部支柱２と短い後部支柱３を前後
方向に揺動自在に取付けるとともに前部支柱２と
後部支柱３とを側部連結部材４で相互平行移動自
在に連結して折り畳み自在とされ、高所におい
て、取り付け、取外し、移動が容易となるように
構成されている。

このような吊足場において、その吊り材として
従来は、中折れ式のタイバー５あるいはチエーン
（図示省略）が使用されている。

しかしながら、前者の方式の場合には、折り畳
み時に、タイバー５の下部を作業者が身を乗り出
してつかみ上げなくてはならず、危険作業とな
る。また、後者の場合には、チエーンを引き上げ
ることにより前述のような問題はないが、折り畳
み後のチエーンの収納ができず、梁上の運搬や保
管に問題がある。

さらに、足場底板１は、支柱２，３間内に納ま
つているため、作業者の足場が狭くなり作業性が
劣り、また、工具などを落とした場合に、足場か
ら下に落ちる危険性が大きい。

〈考案の目的〉 この考案は、前述のような問題を解消すべく創
案されたもので、その目的は、取付け取外し時あ
るいは作業時の作業性および安全性が極めて良好
な折り畳み式吊足場を提供することにある。

〈考案の構成・作用〉 この考案に係る折り畳み式吊足場は、足場底板
と、この足場底板の前部における両端部に下端部
が軸着され前後方向に揺動自在とされた一対の前
部支柱と、この前部支柱の長さより短くされ前記
足場底板の後部における両端部に下端部が軸着さ
れ前後方向に揺動自在とされた一対の後部支柱
と、前部支柱間および後部支柱間に設けられた連
結部材と、端部がそれぞれ前部支柱および後部支
柱に軸着され後部支柱を前部支柱に対して前後方
向に平行移動させ得る側部連結部材と、前部支柱
の上端部と後部支柱の下端部とを連結する連結斜
材とを備え、前記足場底板は、その前部に前部支
柱より前方へ一体的に突出する突出部を有し、前
記連結斜材は、上部斜材とこの下端部に上端部が
軸着された下部斜材とからなり、下部斜材の下端
部が後部支柱の下端部に軸着され、上部斜材およ
び下部斜材の上端部が前部支柱の上端部に着脱自
在とされ、折り畳みに際しては、上部斜材の上端
部と前部支柱の上端部との接続を外した後、上部
斜材の上端部を持つて上方へ引き上げて下部斜材
の上端部と前部支柱の上端部を接続するだけでよ
く、組立ての際には、前述と逆の操作を行なうよ
うにし、さらに、足場底板の突出部で工具等の落
下を防止するように構成したものである。

〈実施例〉 以下、この考案を図示する一実施例に基づいて
説明する。第３図ないし第６図に示すように、こ
の考案に係り折り畳み式吊足場は、足場底板１
０、一対の前部支柱１１、一対の後部支柱１２、
前部連結部材１３、後部連結部材１４、側部連結
部材１５、連結斜材１６、締付け金具１７から構
成されている。

足場底板１０は、足場板１８とこの四周に立設
された幅木１９とからなり、前部支柱１１より前
方へ一体的に突出する突出部１０Ａを有してい
る。

前部支柱１１は、前部連結部材１３により一対
とされ、下端部が足場底板１０の前部における両
端の幅木１９に軸着され前後方向に揺動自在とさ
れ、前部支柱１１に取り付けたストツパ２０によ
り足場底板１０と直交するように位置決めされ
る。

後部支柱１２は後部連結部材１４により一対と
され、前部支柱１１よりほぼ足場底板１０の幅分
だけ短くされ、下端部が底板１０の後部における
両端の幅木１９に軸着され前後方向に揺動自在と
されている。

側部連結部材１５には、上下に一対とされ、そ
の端部がそれぞれ前部支柱１１、後部支柱１２に
軸着され、後部支柱１２を前部支柱１１に対して
前後方向に平行移動させ得る。したがつて、後部
支柱１２は、前部支柱１１に平行にかつ上端部ど
うしが揃つた状態で折り畳まれることになる（第
７図参照）。

連結斜材１６は、前部支柱１１の上端部と後部
支柱１２の下端部とを連結し、上部斜材２１と下
部斜材２２とからなる（第５図参照）。

下部斜材２２の下端部が後部支柱１２の下端部
の軸着箇所に軸着されるとともに下部斜材２２の
上端部と上部斜材２１の下端部が軸着され、これ
により斜材２１，２２は相互に揺動自在とされて
いる。さらに、上部斜材２１、下部斜材２２の上
端部は、取付孔２３，２４を有し、前部支柱１１
の上端部に取付けられたグラビテイロツク２５に
着脱自在とされている。

以上のような構成において、、折り畳みに際し
ては、上部斜材２１の上端部をグラビテイロツク
２５から外した後、上部斜材２１の上端部を持つ
て上方へ引き上げて下部斜材２１の上端部がグラ
ビテイロツク２５に取付けるだけでよい。上部斜
材２１は垂下した状態となり、他の部材とともに
支柱１１と１２との間に収納されることになる。

組立てに際しては、前述と逆の操作を行なえば
よい。

〈考案の効果〉 この考案に係る折り畳み式吊足場は、以上のよ
うな構成さらなるので、折り畳み時には上部斜材
の上端部を持つて引き上げて下部斜材の上端部を
前部支柱の上端部に接続するだけでよく、作業者
が身を乗り出すこともなく極めて安全で作業能率
がよい。また、組立てが容易であることはいうま
でもなく、折り畳んだ状態では各部材が支柱間に
完全に収納され、梁上の運搬あるいは保管が容易
となる。

さらに、足場底板は、前部支柱から前方へ突出
した形状とされているため、支柱間隔が狭くても
作業底面積を大きくとれ、作業性の向上が図れ
る。また、作業者が工具等を落した場合、作業位
置の関係から前部支柱の付近に落とすが、足場底
板が突出しているため足場から工具等を落とす危
険性が大幅に減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の折り畳み式吊足場を示す概略
図、第２図は同様の折り畳み時を示す概略図、第
３図、第４図、第５図、第６図は、この考案に係
る折り畳み式吊足場を示す斜視図、正面図、側面
図、平面図、第７図は同様の折り畳み時を示す側
面図である。 １……足場底板、２……前部支柱、３……後部
支柱、４……側部連結部材、５……タイバー、１
０……足場底板、１０Ａ……突出部、１１……前
部支柱、１２……後部支柱、１３……前部連結部
材、１４……後部連結部材、１５……側部連結部
材、１６……連結斜材、１７……締付け金具、１
８……足場板、１９……幅木、２０……ストツ
パ、２１……上部斜材、２２……下部斜材、２
３，２４……取付孔、２５……グラビテイロツ
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 足場底板と、この足場底板の前部における両端
   部に下端部が軸着され前後方向に揺動自在とされ
   た一対の前部支柱と、この前部支柱の長さより短
   くされ前記足場底板の後部における両端部に下端
   部が軸着され前後方向に揺動自在とされた一対の
   後部支柱と、前部支柱間および後部支柱間に設け
   られた連結部材と、端部がそれぞれ前部支柱およ
   び後部支柱に軸着され後部支柱と前部支柱に対し
   て前後方向に平行移動させ得る側部連結部材と、
   前部支柱の上端部と後部支柱の下端部とを連結す
   る連結斜材とを備え、前記足場底板は、その前部
   に前部支柱より前方へ一体的に突出する突出部を
   有し、前記連結斜材は、上部斜材とこの下端部に
   上端部が軸着された下部斜材とからなり、下部斜
   材の下端部が後部支柱の下端部に軸着され、上部
   斜材および下部斜材の上端部が前部支柱の上端部
   に着脱自在とされていることを特徴とする折り畳
   み式吊足場。