JPH0325537B2 - - Google Patents
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- JPH0325537B2 JPH0325537B2 JP60127670A JP12767085A JPH0325537B2 JP H0325537 B2 JPH0325537 B2 JP H0325537B2 JP 60127670 A JP60127670 A JP 60127670A JP 12767085 A JP12767085 A JP 12767085A JP H0325537 B2 JPH0325537 B2 JP H0325537B2
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Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、未延伸のポリフエニレンサルフアイ
ド(以下「PPS」という)繊維を接着要素とした
耐熱性不織布の製造方法に関し、本製法より得ら
れた不織布は高度の耐熱性が要求されるH種以上
の耐熱性電気絶縁材料,耐熱性のフイルター,更
には耐熱性や難燃性を必要とする衣料関連資材等
の広汎な用途に利用される。 〔従来の技術〕 耐熱性を有する不織布としては、耐熱性繊維で
ある全芳香族ポリアミド短繊維を同種のパルプ状
粒子とともに混抄した湿式法による紙状不織布が
広く知られ、又、特公昭59−1818には未延伸の全
芳香族ポリアミド繊維を接着要素とする熱圧着に
よる耐熱性不織布の製法が示されている。 他方、PPS樹脂は、特公昭52−30609や特開昭
58−31112等で示される繊維化技術が知られ、
PPS繊維を用いた耐熱性のニードルパンチフエル
トや、特開昭57−16954のスパンボンド法による
耐熱不織布等が知られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 全芳香族ポリアミド繊維を主体とする耐熱性不
織布は、前記の湿式法によるものを除いて、耐熱
性を低下させず、量産に適した製造方法は未だ開
発されていない。例えば未延伸芳香族ポリアミド
繊維の熱融着性を利用した製造方法においても、
十分な不織布の強度を得るためには300℃以上の
高温における熱圧着を必要とするため通常のカレ
ンダー等の適用が困難であり、又、熱圧着温度を
低下せしめるために2−ジメチルピロリドンやジ
メチルホルムアミド等の可塑化溶媒の使用も考え
られているが、これも通常のカレンダー等の適用
可能範囲よりも高温での処理が必要となるか又は
溶剤の排気や回収装置が必要となり、何れも汎用
性に劣り実施するのが困難であつた。 一方、PPS繊維よりなる耐熱性不織布は、ニー
ドルパンチ法による短繊維フエルトも、スパンボ
ンド法による長繊維不織布も、何れも機械的絡合
により形成されものであり、熱融着による結合は
困難と考えれていた。 又、前記耐熱性繊維を主体とし、未延伸ポリエ
ステル繊維等の低融点の熱可塑性繊維で熱圧着す
る方法は実用化されているが、この方法では、不
織布強度は得られるものの、耐熱性が低下すると
いう好ましくない結果しか得られていない。 〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本発明は耐熱性繊維と、未延伸PPS繊維とを、
重量比で92:8〜20:80の割合で混綿してウエブ
を形成し、該未延伸繊維が加圧下で可塑化し融着
作用を生じる温度条件で熱圧着を行うことによ
り、特殊な設備を全く必要とせず、従来の未延伸
ポリエステル繊維等の熱圧着に利用されている設
備の適用が可能であり、しかも、極めて耐熱性に
優れた不織布の生産を可能とするものである。 本発明に利用される耐熱性繊維としては、繊維
形成性がある耐熱性樹脂であれば何でも良く、例
えば全芳香族ポリアミド,PPS,ポリエーテルエ
ーテルケトン,全芳香族ポリエステル,フエノー
ル系熱硬化型樹脂等により形成された繊維及びガ
ラスや金属等の無機繊維等が考えられるが、コス
トや量産化等を考慮した場合、全芳香族ポリアミ
ド繊維又はPPS繊維を利用することが最適であ
る。ここで云う全芳香族ポリアミド繊維とは、ポ
リ−m−フエニレンイソフタルアミド繊維及びそ
の変性品を示し、PPS繊維とは、ポリ−p−フエ
ニレンサルフアイド繊維及びその変性品を示す。 次に、本発明に適用される未延伸PPS繊維であ
るが、該繊維は、公知の接着性繊維である未延伸
ポリエステル繊維と比較した場合、剛直で強度が
低く、又、クリンプの形成性や保持性が低いとい
う欠点があり、この通常のカード機等への適用が
困難とされていた。しかし、本発明者は、5〜40
山/25mm程度のクリンプを有する耐熱性繊維を全
繊維中20%以上混綿することで、未延伸PPS繊維
を通常のカード機等へ適用することが可能である
ことを見出したものである。前記のクリンプを有
する耐熱繊維の配合量が20%未満の場合には、未
延伸PPS繊維がカード機等へ沈み込み開繊性が不
良となるので好ましくない。又、不織布の強度及
び形状を保持せしめるためには、未延伸繊維の配
合量を少くとも8%以上にする必要があり、8%
未満では結合力が不足で実用に供し得ない。 均一なウエブを形成するためには、全構成繊維
の繊度が平均1〜20デニールで、繊維長が平均25
〜102mmであることが好適である。これらの範囲
外の場合には、通常のカード機等での開繊が困難
となるか、又は、ウエブムラを生じ易くなるので
好ましくない。 混綿に際し、帯電の防止を兼ねて、微量の油剤
等をスプレー等で散布することが好適である。こ
のことの理由は明らかではないが、未延伸糸への
延伸糸の絡みが安定化するものと考えられる。 この様にして混綿された繊維は通常の不織布製
造機,カーデイング法やエアレイ法等に適用さ
れ、極めて容易にウエブを形成する。 次に、熱圧着の方法について説明すと、未延伸
PPSを利用する長所を更に大きく見出すことが出
来る。 未延伸PPS繊維は、非晶質が大部分であるが約
120〜140℃において結晶化し、又、融点は275〜
285℃であることが知られている。一般的に熱可
塑性繊維を熱融着せしめるためには、軟化点以上
の温度で融点以下の温度範囲有効であり、本発明
に用いる未延伸PPSは約125℃から約270℃という
他の繊維では得られない広範囲の接着可能領域を
有す。しかし、実際には種々の条件で接着を行つ
たところ、約183〜257℃,特に215〜240℃が、線
圧力30〜270Kg/cmにおいて最適であつた。 これらの圧力及び温度は、特殊な高温,高圧極
の機器でなくとも、汎用されている加熱プレス
機,ヒートロールカレンダー,等の使用可能範囲
であり、従来他の繊維を熱圧着したいた機器を何
の改造もなし使用出来る。特に、二本のロールを
用いて熱圧着する方法においては、瞬時的な熱圧
着にもかかわらず、他に特別な熱処理を施さず
に、強度,寸法安定性ともに優れた耐熱不織布が
得られた。又、片側からのみ加熱する場合には、
相手ロール等に傷付き易いスチールやアスベスト
等の耐熱材料が不要となり、シリコン等の弾性体
を使用することで生産上のトラブルを無くすこと
さえ可能である。 〔実施例 1〕 耐熱性繊維として、2デニール,51mmの全芳香
族ポリアミド繊維(帝人(株)製,商品名「コーネツ
クス」85%と、15デニール,51mmの未延伸PPS
繊維15%を、ガーネツト機で混綿し、繊維がウエ
ブの進行方向に配列する様にカード機で開繊し30
g/m2のウエブを形成した。次いで一方が表面温
度220℃の加熱スチールロール、他方がシリコン
ゴムロールの対ロールで100Kg/cmの線圧力にて
熱圧着し、耐熱性の不織布を得た。 この不織布の初期常態物性は表1に示す通り
で、又、アレニウス式による耐熱引張強度劣化試
験の結果は図1に示すが、長期連続使用温度は、
国際電気技術委員会(以下「IEC」という)の定
めるH種に属するものであり、従来の湿式法によ
る全芳香族ポリアミド不織布と同等の耐熱性を有
し、電気絶縁ワニスの含浸性により優れた基材と
して有用なものであつた。 〔実施例 2〕 実施例1で用いたのと同一繊維を使用して配合
比を50/50に変更し、微量の油剤を散布しながら
混綿して、開繊後クロスレイヤーにて積層した
150g/m2のウエブを、実施例1と同一条件で熱
圧着し、更にこのウエブを反転させて、同一条件
にて再熱圧着を行い厚手の耐熱性不織布を得た。 得られた不織布の初期状態物性は表1に、又、
アレニウス式による耐熱引張強度劣化試験は図1
に示したが、これも又、IECの定めるH種に適合
するもので、厚手にもかかわらず、前記の湿式法
による全芳香族ポリアミド不織布の欠点である耐
熱絶縁ワニスの含浸性が不良となるようなことも
なく、含浸性に優れた従来にない有用なものであ
つた。 〔実施例 3〕 耐熱性繊維として、3.5デニール51mm長のPPS
繊維(フイリツプスペトロリアム社製,商品名
「ライトンフアイバー」)を使用し、10デニー
ル,51mm長の未延伸PPS繊維と、91/9の比率で
配合、混綿した。次いで繊維ウエブの進行方向に
配列する様に開繊し、40g/m2のウエブを形成
し、実施例1で用いたのと同一のロールで、スチ
ール側表面温度240℃,線圧70Kg/cmで熱圧着し
て、耐熱性不織布を得た。 この不織布の特性も表1及び図1に示すが、H
種に適合する耐熱性を有し、縦方向のみに強度を
必要とするマイカテープの補強材等の耐熱電気絶
縁材料として有用なものであつた。 〔実施例 4〕 実施例3で用いたものと同一の繊維を使用し
て、配合比30/70のクロスレイヤーで積層した
100g/m2のウエブを得た。次いで、このウエブ
を実施例1と同一のロール間を、温度240℃、線
圧150Kg/cmの条件で表裏を反転させ2回通しを
行い、緻密な耐熱性不織布を得た。 得られた不織布は、表1及び図1に示す通り、
これもまたH種に適合し、緻密な構造のために耐
熱電気絶縁ワニス等を含浸しなくても充分に高い
耐電圧を有し、単独使用が可能という従来にない
長所を有するものであり、電気絶縁用テープ等に
有用なものであつた。又、PPS樹脂は全芳香族ポ
リアミドにはない優秀な耐薬品性を有するため、
全芳香族ポリアミド系不織布の適用が困難であつ
た種々の耐熱バツテリーセパレーター等にも非常
に有用なものであつた。 〔比較例 1〕 耐熱性繊維として、実施例3及び4に用いた
PPS繊維を使用し、接着用繊維として、5デニー
ル,51mmの未延伸芳香族ポリアミド繊維を使用し
て、配合比30/70の70g/m2のクロスレイによる
積層ウエブを作成し、両側が加熱可能な二本のス
チールロール間を、ロール表面温度290℃,線圧
力70Kg/cm2の条件で熱圧着せしめた。 しかし、このウエブは薄く潰れ圧密化されたも
のの、繊維間の結合は皆無で、従つて不織布とし
ての強度も保型性も有さないものであつた。 〔比較例 2〕 実施例1と同じ全芳香族ポリアミド繊維85%
と、3デニール,51mm長のポリアミド共重合体よ
りなる繊維(Dupon′t社製,商品名「QIANA」)
15%を配合し30g/m2のウエブを形成した。この
ウエブを実施例と同じ対ロールで表面温度245℃
と,線圧150Kg/cmで熱圧着し、耐熱性不織布を
得た。この不織布は、表1に示した通り初期常態
時特性は非常に優れたものであつたが、図1に示
したとおり、明らかに耐熱性に劣り、H種への適
用は不可能であつた。 〔参考例 1〕 参考例として、デユポン社製耐熱紙(商品名
「ノーメツクスペーパー」)3mil品について、実
施例と同じ試験を行い、表1及び図1に示した。
ド(以下「PPS」という)繊維を接着要素とした
耐熱性不織布の製造方法に関し、本製法より得ら
れた不織布は高度の耐熱性が要求されるH種以上
の耐熱性電気絶縁材料,耐熱性のフイルター,更
には耐熱性や難燃性を必要とする衣料関連資材等
の広汎な用途に利用される。 〔従来の技術〕 耐熱性を有する不織布としては、耐熱性繊維で
ある全芳香族ポリアミド短繊維を同種のパルプ状
粒子とともに混抄した湿式法による紙状不織布が
広く知られ、又、特公昭59−1818には未延伸の全
芳香族ポリアミド繊維を接着要素とする熱圧着に
よる耐熱性不織布の製法が示されている。 他方、PPS樹脂は、特公昭52−30609や特開昭
58−31112等で示される繊維化技術が知られ、
PPS繊維を用いた耐熱性のニードルパンチフエル
トや、特開昭57−16954のスパンボンド法による
耐熱不織布等が知られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 全芳香族ポリアミド繊維を主体とする耐熱性不
織布は、前記の湿式法によるものを除いて、耐熱
性を低下させず、量産に適した製造方法は未だ開
発されていない。例えば未延伸芳香族ポリアミド
繊維の熱融着性を利用した製造方法においても、
十分な不織布の強度を得るためには300℃以上の
高温における熱圧着を必要とするため通常のカレ
ンダー等の適用が困難であり、又、熱圧着温度を
低下せしめるために2−ジメチルピロリドンやジ
メチルホルムアミド等の可塑化溶媒の使用も考え
られているが、これも通常のカレンダー等の適用
可能範囲よりも高温での処理が必要となるか又は
溶剤の排気や回収装置が必要となり、何れも汎用
性に劣り実施するのが困難であつた。 一方、PPS繊維よりなる耐熱性不織布は、ニー
ドルパンチ法による短繊維フエルトも、スパンボ
ンド法による長繊維不織布も、何れも機械的絡合
により形成されものであり、熱融着による結合は
困難と考えれていた。 又、前記耐熱性繊維を主体とし、未延伸ポリエ
ステル繊維等の低融点の熱可塑性繊維で熱圧着す
る方法は実用化されているが、この方法では、不
織布強度は得られるものの、耐熱性が低下すると
いう好ましくない結果しか得られていない。 〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本発明は耐熱性繊維と、未延伸PPS繊維とを、
重量比で92:8〜20:80の割合で混綿してウエブ
を形成し、該未延伸繊維が加圧下で可塑化し融着
作用を生じる温度条件で熱圧着を行うことによ
り、特殊な設備を全く必要とせず、従来の未延伸
ポリエステル繊維等の熱圧着に利用されている設
備の適用が可能であり、しかも、極めて耐熱性に
優れた不織布の生産を可能とするものである。 本発明に利用される耐熱性繊維としては、繊維
形成性がある耐熱性樹脂であれば何でも良く、例
えば全芳香族ポリアミド,PPS,ポリエーテルエ
ーテルケトン,全芳香族ポリエステル,フエノー
ル系熱硬化型樹脂等により形成された繊維及びガ
ラスや金属等の無機繊維等が考えられるが、コス
トや量産化等を考慮した場合、全芳香族ポリアミ
ド繊維又はPPS繊維を利用することが最適であ
る。ここで云う全芳香族ポリアミド繊維とは、ポ
リ−m−フエニレンイソフタルアミド繊維及びそ
の変性品を示し、PPS繊維とは、ポリ−p−フエ
ニレンサルフアイド繊維及びその変性品を示す。 次に、本発明に適用される未延伸PPS繊維であ
るが、該繊維は、公知の接着性繊維である未延伸
ポリエステル繊維と比較した場合、剛直で強度が
低く、又、クリンプの形成性や保持性が低いとい
う欠点があり、この通常のカード機等への適用が
困難とされていた。しかし、本発明者は、5〜40
山/25mm程度のクリンプを有する耐熱性繊維を全
繊維中20%以上混綿することで、未延伸PPS繊維
を通常のカード機等へ適用することが可能である
ことを見出したものである。前記のクリンプを有
する耐熱繊維の配合量が20%未満の場合には、未
延伸PPS繊維がカード機等へ沈み込み開繊性が不
良となるので好ましくない。又、不織布の強度及
び形状を保持せしめるためには、未延伸繊維の配
合量を少くとも8%以上にする必要があり、8%
未満では結合力が不足で実用に供し得ない。 均一なウエブを形成するためには、全構成繊維
の繊度が平均1〜20デニールで、繊維長が平均25
〜102mmであることが好適である。これらの範囲
外の場合には、通常のカード機等での開繊が困難
となるか、又は、ウエブムラを生じ易くなるので
好ましくない。 混綿に際し、帯電の防止を兼ねて、微量の油剤
等をスプレー等で散布することが好適である。こ
のことの理由は明らかではないが、未延伸糸への
延伸糸の絡みが安定化するものと考えられる。 この様にして混綿された繊維は通常の不織布製
造機,カーデイング法やエアレイ法等に適用さ
れ、極めて容易にウエブを形成する。 次に、熱圧着の方法について説明すと、未延伸
PPSを利用する長所を更に大きく見出すことが出
来る。 未延伸PPS繊維は、非晶質が大部分であるが約
120〜140℃において結晶化し、又、融点は275〜
285℃であることが知られている。一般的に熱可
塑性繊維を熱融着せしめるためには、軟化点以上
の温度で融点以下の温度範囲有効であり、本発明
に用いる未延伸PPSは約125℃から約270℃という
他の繊維では得られない広範囲の接着可能領域を
有す。しかし、実際には種々の条件で接着を行つ
たところ、約183〜257℃,特に215〜240℃が、線
圧力30〜270Kg/cmにおいて最適であつた。 これらの圧力及び温度は、特殊な高温,高圧極
の機器でなくとも、汎用されている加熱プレス
機,ヒートロールカレンダー,等の使用可能範囲
であり、従来他の繊維を熱圧着したいた機器を何
の改造もなし使用出来る。特に、二本のロールを
用いて熱圧着する方法においては、瞬時的な熱圧
着にもかかわらず、他に特別な熱処理を施さず
に、強度,寸法安定性ともに優れた耐熱不織布が
得られた。又、片側からのみ加熱する場合には、
相手ロール等に傷付き易いスチールやアスベスト
等の耐熱材料が不要となり、シリコン等の弾性体
を使用することで生産上のトラブルを無くすこと
さえ可能である。 〔実施例 1〕 耐熱性繊維として、2デニール,51mmの全芳香
族ポリアミド繊維(帝人(株)製,商品名「コーネツ
クス」85%と、15デニール,51mmの未延伸PPS
繊維15%を、ガーネツト機で混綿し、繊維がウエ
ブの進行方向に配列する様にカード機で開繊し30
g/m2のウエブを形成した。次いで一方が表面温
度220℃の加熱スチールロール、他方がシリコン
ゴムロールの対ロールで100Kg/cmの線圧力にて
熱圧着し、耐熱性の不織布を得た。 この不織布の初期常態物性は表1に示す通り
で、又、アレニウス式による耐熱引張強度劣化試
験の結果は図1に示すが、長期連続使用温度は、
国際電気技術委員会(以下「IEC」という)の定
めるH種に属するものであり、従来の湿式法によ
る全芳香族ポリアミド不織布と同等の耐熱性を有
し、電気絶縁ワニスの含浸性により優れた基材と
して有用なものであつた。 〔実施例 2〕 実施例1で用いたのと同一繊維を使用して配合
比を50/50に変更し、微量の油剤を散布しながら
混綿して、開繊後クロスレイヤーにて積層した
150g/m2のウエブを、実施例1と同一条件で熱
圧着し、更にこのウエブを反転させて、同一条件
にて再熱圧着を行い厚手の耐熱性不織布を得た。 得られた不織布の初期状態物性は表1に、又、
アレニウス式による耐熱引張強度劣化試験は図1
に示したが、これも又、IECの定めるH種に適合
するもので、厚手にもかかわらず、前記の湿式法
による全芳香族ポリアミド不織布の欠点である耐
熱絶縁ワニスの含浸性が不良となるようなことも
なく、含浸性に優れた従来にない有用なものであ
つた。 〔実施例 3〕 耐熱性繊維として、3.5デニール51mm長のPPS
繊維(フイリツプスペトロリアム社製,商品名
「ライトンフアイバー」)を使用し、10デニー
ル,51mm長の未延伸PPS繊維と、91/9の比率で
配合、混綿した。次いで繊維ウエブの進行方向に
配列する様に開繊し、40g/m2のウエブを形成
し、実施例1で用いたのと同一のロールで、スチ
ール側表面温度240℃,線圧70Kg/cmで熱圧着し
て、耐熱性不織布を得た。 この不織布の特性も表1及び図1に示すが、H
種に適合する耐熱性を有し、縦方向のみに強度を
必要とするマイカテープの補強材等の耐熱電気絶
縁材料として有用なものであつた。 〔実施例 4〕 実施例3で用いたものと同一の繊維を使用し
て、配合比30/70のクロスレイヤーで積層した
100g/m2のウエブを得た。次いで、このウエブ
を実施例1と同一のロール間を、温度240℃、線
圧150Kg/cmの条件で表裏を反転させ2回通しを
行い、緻密な耐熱性不織布を得た。 得られた不織布は、表1及び図1に示す通り、
これもまたH種に適合し、緻密な構造のために耐
熱電気絶縁ワニス等を含浸しなくても充分に高い
耐電圧を有し、単独使用が可能という従来にない
長所を有するものであり、電気絶縁用テープ等に
有用なものであつた。又、PPS樹脂は全芳香族ポ
リアミドにはない優秀な耐薬品性を有するため、
全芳香族ポリアミド系不織布の適用が困難であつ
た種々の耐熱バツテリーセパレーター等にも非常
に有用なものであつた。 〔比較例 1〕 耐熱性繊維として、実施例3及び4に用いた
PPS繊維を使用し、接着用繊維として、5デニー
ル,51mmの未延伸芳香族ポリアミド繊維を使用し
て、配合比30/70の70g/m2のクロスレイによる
積層ウエブを作成し、両側が加熱可能な二本のス
チールロール間を、ロール表面温度290℃,線圧
力70Kg/cm2の条件で熱圧着せしめた。 しかし、このウエブは薄く潰れ圧密化されたも
のの、繊維間の結合は皆無で、従つて不織布とし
ての強度も保型性も有さないものであつた。 〔比較例 2〕 実施例1と同じ全芳香族ポリアミド繊維85%
と、3デニール,51mm長のポリアミド共重合体よ
りなる繊維(Dupon′t社製,商品名「QIANA」)
15%を配合し30g/m2のウエブを形成した。この
ウエブを実施例と同じ対ロールで表面温度245℃
と,線圧150Kg/cmで熱圧着し、耐熱性不織布を
得た。この不織布は、表1に示した通り初期常態
時特性は非常に優れたものであつたが、図1に示
したとおり、明らかに耐熱性に劣り、H種への適
用は不可能であつた。 〔参考例 1〕 参考例として、デユポン社製耐熱紙(商品名
「ノーメツクスペーパー」)3mil品について、実
施例と同じ試験を行い、表1及び図1に示した。
実施例にも示した様に、本発明は従来技術にお
いては利用が考えられなかつて、未延伸PPS繊維
を接着性繊維として積極的に採用することで、極
めて容易に、しかも高度の耐熱性を有する不織布
の作成を可能としたものであり、本発明より得ら
れた不織布は、PPS樹脂の耐熱性・耐薬品性・防
炎性・電気絶縁性等の特性を全て具備するため
に、広汎の産業の要望に答えるものである。
いては利用が考えられなかつて、未延伸PPS繊維
を接着性繊維として積極的に採用することで、極
めて容易に、しかも高度の耐熱性を有する不織布
の作成を可能としたものであり、本発明より得ら
れた不織布は、PPS樹脂の耐熱性・耐薬品性・防
炎性・電気絶縁性等の特性を全て具備するため
に、広汎の産業の要望に答えるものである。
第1図は、アレニウス式による耐熱引張強度劣
化試験の結果を示すもので、図中の右上部より、
参考例としての湿式法による全芳香族ポリアミド
紙、実施例1,2,3,4,比較例2の順であ
る。
化試験の結果を示すもので、図中の右上部より、
参考例としての湿式法による全芳香族ポリアミド
紙、実施例1,2,3,4,比較例2の順であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 耐熱性繊維と未延伸ポリフエニレンサルフア
イド繊維とを重量比で92:8〜20:80の割合で混
綿してウエブを形成し、該未延伸繊維が加圧下で
可塑化し融着作用を生じる温度条件で熱圧着を行
うことを特徴とする耐熱性不織布の製造方法。 2 耐熱性繊維として延伸されたポリフエニレン
サルフアイド繊維を用いる特許請求の範囲第1項
記載の耐熱性不織布の製造方法。 3 耐熱性繊維として全芳香族ポリアミド繊維を
用いる特許請求の範囲第1項記載の耐熱性不織布
の製造方法。 4 耐熱性繊維及び未延伸ポリフエニレンサルフ
アイド繊維の繊度が平均1〜20デニールで、繊維
長が平均25〜102mmのステープル繊維である特許
請求の範囲第1項記載の耐熱性不織布の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60127670A JPS61289162A (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 耐熱性不織布の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60127670A JPS61289162A (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 耐熱性不織布の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61289162A JPS61289162A (ja) | 1986-12-19 |
JPH0325537B2 true JPH0325537B2 (ja) | 1991-04-08 |
Family
ID=14965811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60127670A Granted JPS61289162A (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 耐熱性不織布の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61289162A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014021084A1 (ja) | 2012-07-30 | 2014-02-06 | 株式会社クラレ | 耐熱性樹脂複合体およびその製造方法、ならびに耐熱性樹脂複合体用不織布 |
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KR20110040843A (ko) | 2008-07-18 | 2011-04-20 | 도레이 카부시키가이샤 | 폴리페닐렌술파이드 섬유 및 그의 제조 방법, 습식 부직포, 습식 부직포의 제조 방법 |
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WO2021161557A1 (ja) * | 2020-02-14 | 2021-08-19 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンサルファイド短繊維およびそれからなる濾布 |
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-
1985
- 1985-06-11 JP JP60127670A patent/JPS61289162A/ja active Granted
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WO2014021084A1 (ja) | 2012-07-30 | 2014-02-06 | 株式会社クラレ | 耐熱性樹脂複合体およびその製造方法、ならびに耐熱性樹脂複合体用不織布 |
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