JPH0138903B2 - - Google Patents

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JPH0138903B2
JPH0138903B2 JP58205340A JP20534083A JPH0138903B2 JP H0138903 B2 JPH0138903 B2 JP H0138903B2 JP 58205340 A JP58205340 A JP 58205340A JP 20534083 A JP20534083 A JP 20534083A JP H0138903 B2 JPH0138903 B2 JP H0138903B2
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fibers
heat
nonwoven fabric
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producing
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Tamio Yokoyama
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Kureha Ltd
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Kureha Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、強度、耐熱性並びに寸法安定性が共
に優れた不織布の製造法に関する。 不織布は従来、芯地、使い捨て衣料、合成皮革
基材等の衣料用材料、壁装材、カーテン等の室内
装飾品、フエルト、フイルター、断熱材、吸音
材、バツテリーセパレータ等の工業用材料等に広
く用いられ、近時その用途は益々拡大多様化さ
れ、電気被覆材等の電気絶縁材料、プリント配線
用積層板基布、ベルト基材、防弾衣服等の特殊
FRP用補強布等、特に薄層でありながら大きい
耐熱性、強度および寸法安定性を要求される分野
にまで利用されつつある。 一般に不織布は合成繊維、半合成繊維、天然繊
維、無機繊維等、用途に応じて任意の繊維から作
られ、それらの短繊維からなるウエブをニードル
パンチングによる交絡、接着剤の作用あるいは構
成繊維ゐ溶着等により繊維相互を結合させる方法
が多用されている。上記ウエブの形成は通常カー
デイングまたはエア・レイ方式によつて行なわ
れ、それに使用される繊維は作業性向上のため多
少に拘らず捲縮又は屈曲を予め付与されている。
またカーデイング直後のウエブ即ちパラレルウエ
ブは構成繊維が可成りの方向性を以つて配列して
いるため、それから得られた不織布は無配向の所
謂、ランダムウエブからの不織布に較べて配向軸
方向の強度が大である。しかし乍ら、パラレルウ
エブにおいても尚、製造過程における繊維の揺動
や残存捲縮等のため、繊維は互いに完全に並行に
なつているとは云えず、従つて、それから得られ
た不織布に構成繊維の強度が充分に具現されなか
つた。 一方、素材面から見ると、通常汎用されている
合成繊維、例えばポリエチレンテレフタレート、
ナイロン66、ナイロン6、ポリオレフイン等より
なる繊維はその融点が約270℃以下であり、それ
らを用いた不織布は約120℃〜200℃において軟化
収縮すると共に強度を失い実用に耐えられなくな
る。また、無機繊維、例えばガラス繊維、セラミ
ツク繊維、シリカ繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素
繊維等は、一般に剛直であり屈折強度が小さいた
め、カーデイング工程において困難に遭遇し、特
に目付の小なる薄葉シート材料を乾式法で製造す
ることは至難とされるのみならず、ガラス繊維を
除くと概して高価であり実用上好ましくない。更
に、天然繊維は強度並びに寸法安定性の面で用途
が著しく制限される。 更にまた、近時、耐熱性高強度繊維として芳香
族ポリアミド繊維即ちアラミド繊維や、炭素繊維
が開発され実用化されるに及んで、例えばアラミ
ド繊維とポリエステル繊維とよりなる耐熱性の不
織布は既に公知である。しかしながら、そのもの
の強度並びに寸法安定性は、不織布に固有の構造
特性の故に、ポリエステル繊維100%からなる不
織布と余り差の認められないものであり、裂断長
は5000m未満程度に過ぎず、破断伸度は約20%以
上にも及び、薄層品として前述の特定の用途に適
合すべきものとは程遠い。 このような現状の技術的背景の中で、本発明者
等は、電気絶縁材料、フレキシブル銅張積層板
(CCL)基布、ベルト基材、防弾衣服等の多層
FRP用補強布等に特に好適に用いることのでき
る耐熱性、強度、寸法安定性並びに可撓性におい
て共に優れた薄葉シート材料を経済的有利に提供
する目的を以つて鋭意研究の結果、本発明に到達
したものである。 すなわち本発明に係る耐熱性高強度不織布は、
ステープル状アラミド繊維と該耐熱性繊維の熱変
形温度未満の粘着温度を有するステープル状熱可
塑性繊維とが10/90〜90/10の重量比を以つて均
一に混合されてなるシート材料であつて、前記ア
ラミド繊維は捲縮・屈曲等を除かれた実質的直線
状をなして上記シート材料の拡がり方向の単一軸
に沿つて配向した骨格材を形成すると共に、前記
熱可塑性繊維は少なくとも部分的に互いに接着し
た状態で前記骨格材と一体的なマトリツクスを形
成してなり、該シート材料は少なくとも約8000m
の裂断長と、たかだか約5%の破断伸度とを有す
ることを特徴とし、更にかかるシート材料と、そ
の構成繊維の表面に付着した全繊維重量の5〜50
%の繊維用樹脂加工剤とよりなる樹脂加工繊維構
造物の場合は、少なくとも約12000mの裂断長と、
たかだか約3%の破断伸度とを有することを特徴
とするものである。 また上述のシート材料は、ステープル状アラミ
ド繊維と、該アラミド繊維の熱変形温度未満の粘
着温度を有するステープル状熱可塑性繊維とを
10/90〜90/10好ましくは20/80〜80/20の重量
比を以つて均一に混合してなるパラレルウエブを
前記熱可塑性繊維の粘着温度以上に加熱すると共
に、一軸方向に5〜100%、好ましくは15〜35%
延伸し、かくして軟化乃至溶融状態にある熱可塑
性繊維によつて結合・保持されたアラミド繊維を
その捲縮・屈曲を伸長しつつ延伸方向に配向さ
せ、しかる後冷却固化して前記熱可塑性繊維を、
それらが少なくとも部分的に相互に接着し且つ前
記伸長配向したアラミド繊維を一体的に包絡して
なるシート状マトリツクスとなすことを特徴とす
る製造法によつて取得することができ、更に物性
値がより改良された前述の樹脂加工繊維構造物
は、上記シート材料に繊維用樹脂加工を施して全
繊維重量の5〜50%(固形分換算)の樹脂を付与
することを特徴とする製法によつて製造すること
ができる。 本発明に適用されるアラミド繊維は、少なくと
も約300℃の熱変形温度を有する繊維が好ましく、
また、本発明不織布の骨格材となるものであるか
ら少なくとも約10g/dの引張強度を有するもの
が好適である。 ここに熱変形温度とは繊維を形成する材料が実
質的な熱収縮乃至は塑性流動を起こすか、熱分解
を生ずる温度を云い、熱溶融材料からなる繊維に
おいては、その組成、繊維径等によつても相違す
るが、固有の融点以下20〜80℃程度の温度である
といわれる。 かかるアラミド繊維としては、就中、価格、入
手可能性および他の特性例えば耐折性、作業性等
の観点からポリパラフエニレンテレフタルアミド
および炭素繊維が特に有利である。 かかるアラミド繊維は本発明の不織布の耐熱
性、高強度、寸法安定性を高水準に維持するため
の骨格材となる。 また本発明に用いられる熱可塑性繊維はその粘
着温度が上述の耐熱性繊維の熱変形温度未満であ
ることを要し、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフイン繊維;ポリビニルクロラ
イド、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリロ
ニトリル等のビニル系繊維;ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−P,
P′−ジフエニルジカルボキシレート等のポリエス
テル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、
ナイロン7、ナイロン210、ナイロン46、ナイロ
ン56、ナイロン58等のポリアミド等から形成され
た繊維が挙げられ、特にポリエステル繊維とポリ
アミド繊維は好ましく、なかでもアラミド繊維の
場合は、ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート繊維を組合わせ使用することが最も適当
である。これらの繊維を形成する重縮合体は他の
共重合成分若しくは添加物を含有することができ
る。かかる熱可塑性繊維は後述の加熱処理によつ
てマトリツクスを形成する際に極端な収縮を起こ
さぬよう、未延伸繊維の状態で適用することが好
ましい。 上述のアラミド繊維および熱可塑性繊維は共に
ステープル状で用いられ、繊維長は15〜100mm程
度が望ましい。これらの繊維は夫々単独で、ある
いは2種以上を混合して用いてもよいが、アラミ
ド性繊維と、熱可塑性繊維との混合比率は重量比
で10/90〜90/10の間であり、望ましくは20/80
〜80/20の範囲である。調合率が上記範囲を外れ
てアラミド繊維の量が過少となると、得られたシ
ート材料の強伸度特性、熱安定性が損なわれ、逆
に過大となると熱可塑性繊維が形成する後述のマ
トリツクスの組織が粗となり過ぎてアラミド繊維
の包絡力が劣り、シート材料の幅方向の引張強度
が著しく小さくなるため不可である。 上記の繊維はそれぞれギヤクリンパまたはスタ
ツフアボツクス等により捲縮または屈曲を付与さ
れ、あるいはコンジユゲート繊維の場合は内部歪
の解放によつて捲縮が顕在化された状態で、前述
の範囲の調合率を以つてオープナーミキサー等の
混合機に投入され、充分に混合解繊されて混合フ
リースとなる。 混合フリースは更にローラーガード、フラツト
カード等のカーデイングマシンに供給され、常法
によりカーデイングを施して目付約60g/m2
下、好ましくは5g/m2〜30g/m2に調整しつつ
パラレルウエブとなす。 パラレルウエブの目付は特にマルチレイヤまた
はフレキシブルのCCL用途等においては極端に
小さいものが要求される傾向があり、本発明が意
図する用途に対しては、前記数値を超えたシート
材料は可撓性が損なわれることがあるため不向き
である。 このようにして作られたパラレルウエブは長尺
形態をなしており、その長手方向の軸に沿つて構
成繊維は一応配向しているが、その平行度は低く
夫々の捲縮・屈曲等により交絡凝集している。 かくして作られたパラレルウエブは、直ちに後
述の加熱延伸工程に付して本発明の不織布とする
こともできるが、予め加熱処理または加熱加圧処
理によつて、アラミド繊維が熱可塑性繊維の融着
によつて形成されたマトリツクス中に一体的に接
着包絡された中間体不織布となした後に加熱延伸
処理を施すことが、安定した工程・品質を確保す
る上で最も好ましい。かかる中間体不織布は、前
記のパラレルウエブを必要に応じて複数枚積層
し、熱可塑性繊維の接着温度以上且つアラミド繊
維の熱変形温度未満の温度で加熱処理することに
よつて得られる。また加熱処理は必要とあらばパ
ラレルウエブの厚さ方向における圧力の作用下に
行なつてもよく、かかる圧力は設定温度や加熱時
間その他の条件とも密接な関連があるが、約0.5
〜Kg/cm2〜150Kg/cm2、好ましくは約50Kg/cm2
100Kg/cm2の範囲が好適であり、上記圧力範囲に
達しない場合は熱可塑性繊維の融着が不足してマ
トリツクスの満足すべき形成が行なわれずに後述
の延伸配向が充分に達成されないことがあり、一
方、前記範囲を超えて過大となると、中間体不織
布は不織布本来の性状を失ない、甚しい場合は損
傷することがある。 加熱の行なわれる時間は、圧力、温度、ウエブ
の目付、熱可塑性繊維の直径等により異なるが、
約0.5秒〜10秒の範囲内で適宜選定される。加熱
処理はホツトフルーを、また加圧併用の場合は2
本または3本ロールカレンダ若しくはホツトプレ
ス装置等、公知慣用の機械を用いて行なわれる
が、特にカレンダ装置による連続工程は有利であ
る。 かかる加熱処理によつてパラレルウエブ中の熱
可塑性繊維はその接着温度以上に加熱され、塑性
変形乃至は塑性流動を起こし、繊維相互の接触部
分において少なくとも部分的に接着し、シート状
マトリツクスとなる。この際、熱可塑性繊維の含
有量が大きい場合は実質的に連続した緻密組織の
マトリツクスとなり、又、含有量が比較的小さい
場合であつても特に未延伸繊維を使用した場合は
延伸繊維の如き極端な熱収縮を生ずることなく、
接着部分が全体に均一に分散して存在する多孔質
または網状マトリツクスとなる。 熱可塑性繊維は、その接着温度がアラミド繊維
の熱変形温度未満のものを選定したのであるか
ら、上記加熱処理によつてもウエブ中において実
質的に変質変形することがない。 しかしてアラミド繊維はカーデイングにより、
ウエブの拡がり方向の単一軸、即ち、長尺ウエブ
においてはその長手方向の軸に沿つてある程度配
向されているが、尚その平行度は低く、捲縮・屈
曲を残したままで、熱可塑性繊維の相互融着によ
つて形成されたマトリツクス中に一体的に接着包
絡された状態となる。 パラレルウエブは上述の加熱処理または加熱加
圧処理を施すかまたは施すことなく加熱延伸工程
に付される。加熱延伸工程は、2組のニツプロー
ルまたはエプロンロールとそれらの間に設けられ
た加熱手段とによりなる公知の熱延伸装置によつ
て行なわれる。 加熱手段は、ウエブの進行方向を横切つて横架
された棒状ヒーターにウエブを接触させるか、ウ
エブ通路に沿つて横設されたプレートヒーター等
によるなど、適宜公知慣用の手段を適用し得るが
走行中のウエブをその熱可塑性繊維の粘着温度以
上、即ち軟化溶融温度にまで加熱するに充分な容
量に設計されることが肝要である。 また、延伸は、5〜100%、好ましくは15〜35
%の延伸率を以つて行なわれる。延伸率が上記範
囲より過小であると繊維の捲縮・屈曲の伸長及び
配向が不充分となり、一方、過大となると厚さ斑
が生じ、極端な場合には破断の惧れがあるため不
可である。かかる加熱延伸工程により、パラレル
ウエブまたは中間体不織布中の熱可塑性繊維は軟
化溶融し、その粘着力によつて互いに融着して粘
性マトリツクスを形成すると同時に、アラミド繊
維をも一体的に粘着保持し、その状態で延伸され
るとアラミド繊維は粘性マトリツクスに保持され
たまま、その捲縮・屈曲等が伸張除去され、直線
状となり、更に延伸方向に高度の配向度をもつて
配向し骨格材となる。その後適宜冷却すれば熱可
塑性繊維の粘着力は失われて、上記マトリツクス
はシート状に固化し、実質的に直線状で高度に配
向したアラミド繊維よりなる骨格材を一体的に包
絡した、本発明のシート材料、即ち、耐熱性高強
度不織布が得られるのである。 上述の如くして得られたシート材料はそのまま
でも優れた特性を具備しており有用であるが、必
要に応じて更に加熱、加圧することによじ更に高
強度とすることができる。この加熱、加圧処理は
既述の延伸前に適用する加熱・加圧処理に準じた
方法で行なわれる。 本発明におけるシート材料は上述の説明から明
らかな通り、シート状マトリツクスとそれに一体
的に接着包絡された実質的に直線状で且つ高度に
配向した骨格材とよりなるものであり、骨格材は
シート材料に作用する荷重を支え、シート材料に
大なる引張強度、小さい破断伸度、大きい耐熱性
および小さい熱収縮率を与える作用をする。また
本発明になるシート材料は目付60g/m2以下、好
ましくは30g/m2という極く薄層に形成されてい
るから大半の繊維が一体的に融着していても良好
な可撓性を呈する。又、骨格材となるアラミド繊
維に高強度のアラミド繊維を用い、マトリツクス
にポリエステル繊維を適用すると、両重合体は互
いに親和性に乏しいため、骨格材とマトリツクス
との間は機械的応力により容易に剥離してルーズ
となり従つてシート材料の可撓性は損なわれるこ
とがない。 かくして得られるシート材料は、その長軸方向
に測定して、少なくとも約8000mの裂断長と、た
かだか約5%の破断伸度を示す。即ち骨格材は既
に実質的に直線状で高度に配向しているため、伸
長力が作用した場合、応力の増大に伴なう伸度が
極めて小さく、優れた寸法安定性を示すのであ
る。かように本発明に係る不織布は、その構成繊
維であるアラミド繊維が直線状で、かつ高度に配
向した骨格材となり、それと混在する熱可塑性繊
維より形成されたシート状マトリツクスによつて
上記骨格材を一体的に結合包絡してなるものであ
るから、直線状骨格材に由来する大なる引張強度
と繊維固有の優れた耐熱性とを具えると共に、薄
層に形成されたから可撓性に富み、また骨格材と
して剛直な材料を選択した場合と雖もマトリツク
スによつて包絡保護されているため耐折性に富
み、更に小なる破断伸度に象徴される良好な寸法
安定性を具備し、FRP等の補強材料として最適
である。 本発明になる不織布の有する上記の好ましい特
性を更に向上させるには、シート材料の重量の5
〜50%(固形分換算)に相当する繊維用樹脂加工
剤、好ましくは例えば、メラミン樹脂、フエノー
ル樹脂およびエポキシ樹脂よりなる群より選ばれ
た少なくとも1つの有機高分子化合物を主剤とす
る樹脂加工剤をシート材料構成繊維の表面に付着
せしめた樹脂加工繊維構造物となすことが頗る有
効である。 また、かかる樹脂加工繊維構造物は、本発明不
織布の用途に応じて適宜な種類の樹脂加工を選択
することにより、FRP製造時の樹脂との親和性
を増大し高品質のFRPを製造することができる。
例えば、フエノール樹脂成形体の補強材に用いる
場合はフエノール樹脂加工を、エポキシ樹脂成形
体の補強材用にはエポキシ樹脂加工を、またポリ
アミド、ポリイミドメラミン樹脂成形体に対して
はメラミン樹脂加工を行なうとよい。これらの樹
脂加工は通常繊維製品に適用されている公知慣用
の方法で行なわれ、付着量が前記範囲未満である
と樹脂加工の効果が実質的に顕出せず、反面、過
大であると不織布が粗硬となり、可撓性が低下す
るのは好ましくない。 上記樹脂加工を施すことによつて、本発明の不
織布は、アラミド繊維の配向方向に測定して、少
なくとも約12000mの裂断長と、たかだか約3%
の破断伸度とを具えるに至り、その引張強度と寸
法安定性は一段と増大する。 以上のようにして得られた本発明になる薄層不
織布はその優れた耐熱性、高強度、低伸度、寸法
安定性、耐折性、可撓性等の特性を併有するため
電気絶縁薄葉材料の含浸基材、フレキシブル
CCL、マルチレイヤCCLの基布、特殊FRPの補
強用布帛、ベルト基材、マグネツトワイヤー、テ
ーピング、マイカ裏打補強材等に特に優れた効果
を発揮する。 以下に本発明の実施例を示す。 実施例 1 単繊維繊度1.5d、平均繊維長38mm、熱変形温度
(炭化温度)450℃のポリパラフエニレンテレフタ
ルアミド繊維(米国デユポン社製、商品名「ケブ
ラー」)ステーブル60重量部と、単繊維繊度5.0d、
平均繊維長38mm、融点温度265℃の未延伸ポリエ
チレンテレフタレート繊維ステープル(東レ製ポ
リエステル”T・211”)40重量部とをオープナー
ミキサーで混合解繊した後、ローラーカーデイン
グマシンでカーデイングし、ウエブの坪量を35
g/m2に調整し、得られたパラレルウエブを3本
ロールカレンダ機に通し、200℃、80Kg/cm2の条
件で加熱加圧し、中間体不織布を作製した。中間
体不織布中のポリパラフエニレンテレフタルアミ
ド繊維はその捲縮を保持したまま不織布の長手方
向に低い配向度で一応配向し、ポリエチレンテレ
フタレート繊維が融着して形成されたシート状マ
トリツクスの中に一体的に包絡埋設されていた。
このものを対照品(1)とした。 対照品(1)にエポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品
名「エポトート」)を用いて常法によりエポキシ
樹脂加工を行なつて、繊維総重量の約28%のエポ
キシ樹脂を繊維表面に平均に付着させ、得られた
不織布を対照品(2)とした。 次いで前記対照品(1)を直列に配設された2組の
ニツプロールの間で、260℃に加熱した棒状ヒー
ターに接触させながら30%の延伸を連続的に施し
た。その後、得られたシート材料を210℃、80
Kg/cm2の温度、圧力条件で再びロールカレンダ機
によつて処理し、得られた不織布を本発明品(1)と
した。 本発明品(1)に前記同様のエポキシ樹脂加工を行
ない、繊維総重量の約28%のエポキシ樹脂を繊維
表面に平均に付着させ、得られた樹脂加工繊維構
造物を本発明品(2)とした。 これら対照品と本発明品との物性を対比して第
1表に示す。
【表】 実施例 2 耐熱性繊維として実施例1と同じポリパラフエ
ニレンテレフタルアミド繊維ステープルを用い、
熱可塑性繊維として、単繊維繊度5.5d、平均繊維
長40mm(バイアスカツト)、融点温度225℃のナイ
ロン6繊維ステープルを用いて、混合比を種々に
変えて坪量30g/m2のパラレルウエブを作つた。 それらを2本ロールカレンダ機によつて205℃、
50Kg/cm2の条件で加熱加圧し、中間体不織布を
得、そのものを更に、加熱温度を215℃とする他
は実施例1と同様に加熱延伸処理に付し、シート
材料とした。 上記シート材料にゴム系バインダとして慣用さ
れているメチルメタクリレート−ブタジエン共重
合ラテツクス(MBR)処理を施し5g/m2
MBRを付着させた。 得られた不織布について繊維配向方向(長手方
向)とそれを横切る方向(幅方向)にそれぞれ測
定した裂断長と破断伸度とを第2表に示す。
【表】
【表】 第2表から明らかな通り、耐熱性繊維と熱可塑
性繊維の混合比が過小であると、不織布の長手方
向の引張強度が不足し、又、過大であると幅方向
の引張強度が著しく小さくなり、何れにしても不
可であり、上記混合重量比は10/90〜90/10、好
ましくは20/80〜80/20の範囲内にあることが判
る。 実施例 3 単繊維繊度1.7d、平均繊維長42mm、熱変形温度
350℃のポリメタフエニレンイソフタルアミド繊
維ステープル(米国デユポン社製、商品名「ノー
メツクス」)65重量部と、単繊維繊度7.5d、平均
繊維長44mm、融点温度170℃のアイソタクテイツ
クポリプロピレン繊維ステープル35重量部とを充
分に混繊し、ローラーカーデイングマシンで坪量
40g/m2のパラレルウエブを形成した。このもの
を、ヒーター温度を150℃とする他は実施例1と
同様の延伸装置を用い、延伸率を種々に変えて、
各種不織布を作製した。 その結果を第3表に示した。
【表】 第3表の結果から、延伸率5%未満では破断伸
度が過大となり、又、裂断長も小さく補強用基布
としては不適であり、一方、延伸率が100%を超
えると、延伸斑が大きくなり、破損に至ることが
あるため不適であることが理解される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ステープル状アラミド繊維と、該アラミド繊
    維の熱変形温度未満の粘着温度を有するステープ
    ル状熱可塑性繊維とを10/90〜90/10の重量比を
    以て均一に混合してなるパラレルウエブを前記熱
    可塑性繊維の粘着温度以上に加熱すると共に一軸
    方向に5〜100%延伸し、かくして軟化乃至溶融
    状態にある熱可塑性繊維によつて結合・保持され
    たアラミド繊維をその捲縮、屈曲を伸長しつつ延
    伸方向に配向させ、しかる後、冷却固化して前記
    熱可塑性繊維を、それらが少なくとも部分的に相
    互に接着し且つ前記伸長配向したアラミド繊維を
    一体的に包絡してなるシート状マトリツクスとな
    すことを特徴とする耐熱性高強度不織布の製造
    法。 2 アラミド繊維がポリパラフエニレンテレフタ
    ルアミド繊維である特許請求の範囲第1項記載の
    耐熱性高強度不織布の製造法。 3 熱可塑性繊維がポリエステル繊維である特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の耐熱性高強度
    不織布の製造法。 4 熱可塑性繊維が未延伸繊維である特許請求の
    範囲第1項又は第4項記載の耐熱性高強度不織布
    の製造法。 5 延伸が15〜35%の延伸率で行われる特許請求
    の範囲第1〜4項の何れかの項に記載の耐熱性高
    強度不織布の製造法。 6 アラミド繊維と熱可塑性繊維との混合重量比
    が20/80〜80/20である特許請求の範囲第1〜5
    項の何れかの項に記載の耐熱性高強度不織布の製
    造法。 7 ステープル状アラミド繊維と、該アラミド繊
    維の熱変形温度未満の粘着温度を有するステープ
    ル状熱可塑性繊維とを10/90〜90/10の重量比を
    以て均一に混合してなるパラレルウエブを前記熱
    可塑性繊維の粘着温度以上に加熱すると共に一軸
    方向に5〜100%延伸し、かくして軟化乃至溶融
    状態にある熱可塑性繊維によつて結合・保持され
    たアラミド繊維をその捲縮・屈曲を伸長しつつ延
    伸方向に配向させ、しかる後冷却固化して前記熱
    可塑性繊維を、それらが少なくとも部分的に相互
    に接着し且つ前記延伸配向したアラミド繊維を一
    体的に包絡してなるシート状マトリツクスとな
    し、次いで繊維用樹脂加工を施して全繊維重量の
    5〜50%(固形分換算)の樹脂を付与することを
    特徴とする耐熱性高強度不織布の製造法。 8 繊維用樹脂加工が、メラミン樹脂、フエノー
    ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹
    脂およびエポキシ樹脂よりなる群より選ばれた少
    なくとも1つの有機高分子化合物皮膜を繊維表面
    に形成することからなる特許請求の範囲第7項記
    載の耐熱性高強度不織布の製造法。 9 アラミド繊維がポリパラフエニレンテレフタ
    ルアミド繊維である特許請求の範囲第7項記載の
    耐熱性高強度不織布の製造法。 10 熱可塑性繊維がポリエステル繊維である特
    許請求の範囲第7〜9項の何れかの項に記載の耐
    熱性高強度不織布の製造法。 11 熱可塑性繊維が未延伸繊維である特許請求
    の範囲第7〜10項の何れかの項に記載の耐熱性
    高強度不織布の製造法。 12 延伸が15〜35%の延伸率で行われる特許請
    求の範囲第7〜11項の何れかの項に記載の耐熱
    性高強度不織布の製造法。 13 耐熱性繊維と熱可塑性繊維との混合重量比
    が20/80〜80/20である特許請求の範囲第7〜1
    2項の何れかの項に記載の耐熱性高強度不織布の
    製造法。
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