JP2586104B2 - 寸法安定性の良い不織布 - Google Patents

寸法安定性の良い不織布

Info

Publication number
JP2586104B2
JP2586104B2 JP63121618A JP12161888A JP2586104B2 JP 2586104 B2 JP2586104 B2 JP 2586104B2 JP 63121618 A JP63121618 A JP 63121618A JP 12161888 A JP12161888 A JP 12161888A JP 2586104 B2 JP2586104 B2 JP 2586104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
less
dimensional stability
woven fabric
good dimensional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63121618A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01292161A (ja
Inventor
英夫 磯田
清秀 林
勝正 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP63121618A priority Critical patent/JP2586104B2/ja
Publication of JPH01292161A publication Critical patent/JPH01292161A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2586104B2 publication Critical patent/JP2586104B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリフェニレンサルファイド(以下PPSと記
す)繊維からなる寸法安定性の良い不織布、更に詳しく
は電材基布や耐熱素材用途等に特に適した不織布に関す
るものである。
[従来の技術] PPS繊維は耐熱性、耐酸化性、耐燃性、耐薬品性など
の優れた性質を有し、その為工業用フィルターや防護服
等過酷な条件下で使用される繊維製品の素材として有望
である。
しかしPPSはそれ自身の融点が高いだけでなく(280℃
以上)、被酸化性に富んでいる為部分的に架橋が起こり
易く、また高結晶性でモジューラスが高いので、紡糸や
延伸は実験室的に可能であっても生産技術的には種々の
問題を有しており、一定性能・品質の繊維を得ることは
難しかった。たとえば紡糸中に架橋や酸化がおこってポ
リマーのゲル化による背圧上昇や糸切れを多発し、ある
いは未延伸糸が経時変化によって脆化し、延伸時に糸切
れをおこす等である。また繊維が得られても剛直で脆い
ため、機械的巻縮が困難であり、しかも繊維表面が平滑
で帯電性が著しいので繊維相互の絡合が困難となり、ス
テープルブァイバーから実用性能のある不織布を製造す
ることは困難であった。
このような状況を受けて特開昭57−16954号公報に
は、芳香族サルファイド重合体からなる不規則な巻縮を
有する連続フィラメントが平面状に配位されて薄層を形
成すると共に、該薄層が多数枚積層され、かつ実質的に
積層間が前記連続フィラメントの交絡によって一体化さ
れ、寸法安定性の改善された芳香族サルファイド重合体
繊維からなる長繊維不織布が開示されている。
しかし上記不織布は糸径が太く、巻縮したフィラメン
トよりなる層が積層されているものであるから可撓性に
劣り、しかも崇だかとなるばかりでなく改善されたとは
言え寸法安定性は必ずしも十分なものではなかった。し
たがってこの不織布に硬化性樹脂を含浸させて基板を得
ても、これらの性質が基板に持越され良好なものは得ら
れなかった。
[発明が解決しようとする課題] 上記状況に鑑み、本発明においてはPPSの持つ優れた
特性の他に崇ばらず可撓性は優れ、しかも寸法安定性に
優れたPPS繊維よりなる不織布について検討した。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた不織布とはPPSから
成る不織布であって、巻縮していない繊維径10μm以下
の長繊維がランダムに開繊配置されて均一厚さの層を形
成しており、前記繊維の交絡点の30%以上が融着してい
ると共に、不織布の曲げ強さ比:(縦方向の曲げ強さ)
/(横方向の曲げ強さ(=BT/W)が2.5以下で、且つ嵩
密度が30cc/g以下であることを要旨とするものである。
この不織布をさらに280〜400℃で不溶融化したものは耐
熱性に優れたものとなる。
[作用] 本発明においてPPSとは隣接する環原子間に不飽和を
有する多ハロ置換の環状化合物とアルカリ金属サルファ
イドとを有機極性溶媒中で反応させることによって得ら
れる−R−S−基(ただしR:フェニレン、ビフェニレ
ン、ナフタレン、ビフェニレンエーテルまたはこれらの
炭素数1〜6の低級アルキル置換誘導体である)を繰返
し単位として有する重合体であり、たとえば米国特許第
3354129号明細書に詳しく述べられている。
本発明における不織布を構成する繊維の径は10μm以
下、好ましくは2〜7μmが推奨される。10μmを超え
るものは可撓性に欠けて剛直なのもとなるので好ましく
ない。次に前記繊維はランダムに開繊配置されて均一厚
さの層を形成しており、交絡点の30%以上が融着してい
るものでなければならない。繊維がランダムに開繊配置
されることによって均一層を形成したものでなければ、
曲げや強さがシートの方向により異なってしまうからで
ある。また交絡点の30%以上が融着していないと不織布
が崇高くなるとともに層全体が一体化せず寸法安定性に
欠けるものとなる。
更に、本発明の不織布の曲げ強さ比は、(縦方向の曲
げ強さ)/(横方向の曲げ強さ)が2.5以下(好ましく
は1.5以下)で、且つ嵩密度が30cc/g以下(好ましくは2
0cc/g以下)であり、この様な構成とすることにより、
曲げや強さがより等方性を示し、嵩ばらず且つ寸法安定
性の良い不織布が得られる。さらに、良好な特性を得る
為に、乾燥(260℃×20秒)下での収縮率を5%以下
(より好ましくは1%以下)にすることが推奨される。
以上のような不織布は下記のような条件からなるメル
トブロー法によって製造することができる。即ちメルト
ブロー法で短時間で一気に細い配向繊維を得ると同時に
引取ってシート化すると半溶融状態の繊維の絡合点が融
着して前記構造の不織布が製造できる。
紡糸温度:290〜330℃ 滞留時間:20分以内 牽引ブロー条件 温度:紡糸温度以上〜紡糸温度+100℃以下 速度:音速 引き取り位置:ノズルから5〜25cm ノズル面の垂線に対するネットの傾き角:60〜90゜ 紡糸温度が290〜330℃の範囲外ではノズルの目詰まり
や糸切れが生じ易く、10μm以下の糸径のものが得られ
ない。また滞留時間が20分を超すと分子量が高くなり過
ぎたり、架橋や酸化によるゲル化や脆化がおこりノズル
の目詰まりや糸切れをおこす。牽引ブロー条件について
は、ノズルより吐出されたPPSが溶融あるいは半溶融状
態で引き取り位置まで移送されなくてはならないのでブ
ロー温度は紡糸温度以上でなくてはならず、前述の様な
ゲル化や脆化の問題が生ずるので紡糸温度+100℃以下
であることが望まれ、牽引ブロー速度は音速が好まし
い。
次にノズルより紡糸された繊維がシート状に配置され
るネット位置は、繊維が固化しないうちに半溶融状態で
互いに絡合点が融着する5〜25cmの距離が好ましい。ま
たノズル面の垂線に対するネットとの角度は繊維がラン
ダムに開繊配置される90゜が好ましく、60゜より小さく
すると特定方向に繊維が配置し、シートの曲げや強さ比
(BT/W)および厚さが一定とならないので好ましくな
い。また目付はネット速度と吐出量で調整する。
このようにすることによって、巻縮していない長繊維
がランダムに開繊配置されて均一厚さの層を形成ししか
も交絡点の30%以上が融着した状態となり、寸法安定性
に優れた不織布となると共にBT/Wが2.5以下で、且つ嵩
密度が30cc/g以下になるから、曲げや強さがより等方性
を示し、嵩の低いものとなる(従って特開昭57−16954
号公報に開示してあるものと異なる)。
さらに嵩高性を改良するにはシート化後熱ローラーで
熱プレスするのが良い。プレス条件は200℃以上でクリ
アランスを調整しながら行い、たとえば20g/m2のシート
ではシート厚みを50μm以下とする。
また前述したように交絡点の30%以上が融点状態にあ
れば寸法安定性の良い不織布とるなるが、寸法安定性を
より一層改良したいとき、または耐熱性を向上させたい
ときには、得られた不織布を、定形に保ちつつあるいは
緊張下で280〜400℃、30分間以上乾熱処理することが推
められる。これらの条件下で乾熱処理すると、分子量増
加あるいは架橋によるゲル化が促進して繊維が不溶融化
し熱的物性が向上する。
このようにして得た不織布はPPSの持つ特性とともに
可撓性及び寸法安定性に優れたものとなる(乾熱処理に
より不溶融化したものは耐熱性がより優れたものとな
る)。したがって保温材,工業用フィルター,防火服,
コンポジット基布,防火壁材,その他過酷な条件下で使
用する繊維製品の素材として有用なものとなる。
さらにこれらの不織布に熱可撓性樹脂をラミネート又
は含浸硬化させると前記不織布の特性を保持する基板が
得られる。たとえば電材基板として用いた場合は、孔開
けによる毛羽の発生が防止されると共にはんだ蝋付時溶
融蝋を落としても貫通孔が生ずることがなく、自己消火
性を有するものとなる。また厚さむらがなく寸法安定性
が良いので回路印刷などが良好にできる。特に不溶融化
した不織布を用いたものは耐熱性に優れたものとなる。
尚本発明における糸径の測定および融着評価は次のよ
うにして行った。
平均糸径(d)の測定: 不織布を走査型電子顕微鏡で観察し拡大写真から100
本の繊維(n=100)の繊維径(di)をランダムに測定
して下式により求めた。
融着の評価: 不織布を走査型電子顕微鏡で観察し交絡点の融着状態
を%で表わした。交絡点の30%以上が融着しておれば不
織布が一体化していると判断し、寸法安定性の良いもの
とした。
[実施例] 実施例1 (1)PPS(クロルナフタレン溶液にて210℃で測定した
固有粘度0.70)をノズル孔径0.2mmの細孔が400個穿設さ
れた口金から紡糸温度320℃で単孔当たり0.2g/分で吐出
させ、牽引エアー温度を450℃、エアー圧力2.0Kg/cm2
リップ幅0.4mmで牽引しつつ紡糸し、ノズルに対するネ
ット角90゜、ノズルからの距離20cmでシート状に引き取
った後200℃の熱ローラーで熱プレスし、目付20g/m2
不織布を得た。諸条件および溶断温度を第1表に示す。
(2)前記(1)で得た不織布を100メッシュ金網でシ
ート両面を拘束して280℃×50分間熱処理して、第2表
に示す諸特性を有する不溶融化不織布を得た。
(3)前記(2)で得た不織布にポリエステル樹脂と硬
化剤を含浸して硬化させ厚さ90μmの基板にした。該基
板の特性を第3表に示す。
実施例2、3および比較例1〜5 第1表および第2表に示すように各種条件を変えた他
は実施例1同様にして不織布を得た。不溶融化処理後の
特性を第2表に、硬化性樹脂を含浸して硬化させて得た
基板の特性を第3表に示す。
第1〜2表から明らかなように本発明の不織布はPPS
よりなり繊維径10μm以下の長繊維がランダムに開繊配
置され、均一厚さの層が形成され交絡点が融着一体化
(30%以上融着)していると共に、不織布の曲げ強さ
比:(縦方向の曲げ強さ)/(横方向の曲げ強さ)が2.
5以下で、且つ嵩密度が30cc/g以下であるので耐熱性に
優れ(不溶融化処理したのはより耐熱性に優れてい
る)、しかも寸法安定性や屈曲性が良好で、嵩ばらず厚
さむらのないものである。また第3表から明らかなよう
にこれらの不織布に硬化性樹脂を含浸硬化して得た基板
は不織布の特性が保持されて耐熱性や屈曲性に優れ、厚
さむらや打抜き開口時毛羽発生のないものが得られる。
[発明の効果] 本発明は以上のように構成されているので、本発明の
不織布は、 (1)PPSよりなるので耐熱性および耐薬品性に優れて
いる。
(2)繊維径10μm以下の巻縮していない長繊維がラン
ダムに開繊配置して均一厚さの層を形成しているので屈
曲性に優れ、嵩ばらず方向性や厚さむらがない。
(3)交絡点の30%以上が融着しているので寸法安定性
に優れている。
(4)不織布の曲げ強さ比は、(縦方向の曲げ強さ)/
(横方向の曲げ強さ)が2.5以下で、且つ嵩密度が30cc/
g以下であるから、曲げや強さがより等方性を示し、嵩
ばらず且つ寸法安定性が良い。
また不溶融化処理を施した不織布は上記特性に加えて
より耐熱性に優れたものとなる。さらにまたこれらの不
織布に硬化性樹脂を含浸硬化して得た基板は上記した不
織布の特性を保持するものとなる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−16954(JP,A) 特開 昭53−14876(JP,A) 特開 昭61−289162(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンサルファイドから成る不織
    布であって、 巻縮していない繊維径10μm以下の長繊維がランダムに
    開繊配置されて均一厚さの層を形成しており、 前記繊維の交絡点の30%以上が融着していると共に、 不織布の曲げ強さ比:(縦方向の曲げ長さ)/(横方向
    の曲げ強さ)が2.5以下で、且つ嵩密度が30cc/g以下で
    ある ことを特徴とする寸法安定性の良い不織布。
  2. 【請求項2】280〜400℃で不溶融化したものである請求
    項(1)記載の不織布。
JP63121618A 1988-05-17 1988-05-17 寸法安定性の良い不織布 Expired - Lifetime JP2586104B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63121618A JP2586104B2 (ja) 1988-05-17 1988-05-17 寸法安定性の良い不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63121618A JP2586104B2 (ja) 1988-05-17 1988-05-17 寸法安定性の良い不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01292161A JPH01292161A (ja) 1989-11-24
JP2586104B2 true JP2586104B2 (ja) 1997-02-26

Family

ID=14815713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63121618A Expired - Lifetime JP2586104B2 (ja) 1988-05-17 1988-05-17 寸法安定性の良い不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2586104B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008031600A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Toyobo Co Ltd 耐熱スパンボンド及びクリーニングシート
BRPI0714681B1 (pt) 2006-09-21 2018-10-09 Asahi Kasei Fibers Corp pano não tecido resistente ao calor
JP2010043372A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Toyobo Co Ltd 平滑性を有するポリフェニレンサルファイド不織布と製造方法およびそれを用いた繊維資材

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7707900A (nl) * 1976-07-22 1978-01-24 Monsanto Co Te draperen ongeweven produkt.
JPS5716954A (en) * 1980-06-27 1982-01-28 Toray Industries Long fiber nonwoven fabric comprising aromatic sulfide polymer fiber and method
JPS61289162A (ja) * 1985-06-11 1986-12-19 日本バイリーン株式会社 耐熱性不織布の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01292161A (ja) 1989-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101164947B1 (ko) 자가융착형 나노섬유 웹 및 그 제조방법, 그리고 이를 이용한 나노섬유 웹 복합재 및 그 제조방법
KR910005016B1 (ko) 폴리아릴렌 설파이드 부직포
CN105339541B (zh) 阻燃性无纺布、成型体及复合叠层体
JP5464813B2 (ja) 耐熱性繊維不織布
CN103562446B (zh) 聚苯硫醚纤维及无纺布
CN103328704B (zh) 聚苯硫醚复合纤维及无纺布
JP2586104B2 (ja) 寸法安定性の良い不織布
JP5591046B2 (ja) 絶縁性不織布およびその製造方法
JPH07107217B2 (ja) メルトブロー不織布
JP2007197891A (ja) スパンボンド不織布
JP2890470B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド繊維からなる紙状材とその製造方法
JP2859193B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド不織布、その製造方法及びそれを用いたフィルター
JP3101414B2 (ja) 伸縮性を有するポリエステル系弾性不織布及びその製造方法
JP3011798B2 (ja) 高強力シート状物およびその製造法
JP3581712B2 (ja) 延伸溶融吹込ファイバー、かかるファイバーを製造するための方法及びかかるファイバーより製造されたウェブ
JPH01201567A (ja) 嵩高スパンボンド不織布の製造方法
JP3254855B2 (ja) メルトブロー不織布、その製造方法及び不織布複合体
JP2007169851A (ja) スパンボンド不織布
JP2579658B2 (ja) 耐熱性不織布の製造方法
CA1224608A (en) Process and apparatus for forming non-woven webs from highly oriented melt blown fibers and products produced thereby
JPH06264354A (ja) 難燃性長繊維不織布及びその製造方法
JPH08170295A (ja) 耐熱シ−ト
JPH0380905B2 (ja)
JP2002309441A (ja) 結晶化したポリイミド繊維及びその製造方法
JP2022130318A (ja) ポリフェニレンサルファイド繊維