JPH03244389A - 抗酸化性配糖体の製法 - Google Patents

抗酸化性配糖体の製法

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JPH03244389A
JPH03244389A JP3748490A JP3748490A JPH03244389A JP H03244389 A JPH03244389 A JP H03244389A JP 3748490 A JP3748490 A JP 3748490A JP 3748490 A JP3748490 A JP 3748490A JP H03244389 A JPH03244389 A JP H03244389A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、植物の細胞を培地に培養して産業的に有用な
物質を工業生産する方法に関するものであり、詳しくは
、ごま(Sesamu+* indicum L)の植
物体より人工的に誘導した細胞(カルス)の大量培養法
によって、抗酸化活性をもった配糖体化合物を工学的に
大量に製造する方法に関するものであり、食品、医薬品
、化粧品などの産業に有効に応用されるものである。
(従来の技術) ごま(Sesamuo+ indicum L、)の種
子から得られるごま油中には、ごま油の精製中に変化し
たリグナン化合物による強力な抗酸化作用があるため、
ごま油は酸化劣化することのない優れた食用油として重
用されている。(「グランド現代百科事典」学習研究社
(I979−1−1)p123−124)一方、ごまに
は、上記したようにごま油のみならず、ごま植物成体中
にもビタミンEやリグナン化合物などの抗酸化性物質が
含まれていることは既に知られている(アグリカルチュ
ラル・アンドバイオロジカル・ケミストリー(Agri
culturaland Biological Ch
emistry)第49巻、301頁(I985年)1
日本食品工業学会誌、第32巻、407頁(I985年
))。しかし、ごま植物からの増殖性細胞、特に高温度
培養細胞を工業的に育成しうろこと、更に、ごま植物か
らのこれら増殖性細胞に強力な抗酸化性を有する配糖体
物質が含まれていること、しかもそれをいささかも変質
劣化せしめることなく工業的に効率よく抽出生産するこ
とにいたっては、従来全く未知であり、その示唆すら見
当らない。
本発明は、ごま植物等植物成体自体から有用成分を抽出
生産するのではなく、工業的に且つ計画的に有用成分を
大量に抽出生産することができるよう、植物成体ではな
く増殖性細胞、特に高温度培養細胞を利用するものであ
るが、このようなことは従来未知の新規技術である。
他方、本発明において使用する増殖性細胞のうち、高温
度培養細胞は、最適生育温度が35〜36℃程度の高温
にも達し得るものであるが、従来、植物から誘導された
培養細胞は、はとんどの場合において、培養温度はせい
ぜい25〜28℃までであって、30℃以上で培養でき
るものは見当らない。もちろん、本発明において使用さ
れる植物細胞であって、上記した高温で培養できるごま
植物細胞については、全く知られていないのが技術の現
状である。
一般に、食品は農産物、水産物、畜産物などから製造さ
れている。しかし食品原料や製品の貯蔵、保存加工の過
程において、微生物による汚染と腐敗、化学的、物理的
な作用により食品原料や製品は劣化し、その商品価値を
低下させる。このため種々な食品添加物が開発されると
ともに、温度処理、脱酸素処理、真空包装、低温保存、
放射線処理などの方法が開発され実用化されている。
こうした食品素材や製品の劣化の中でも、最も問題とな
るものは、空気中の酸素による食品成分の酸化ないしは
過酸化反応である。酸素は呼吸による生物の生命維持で
あるが、一方、非常に反応性に富む化合物であるため、
食品中の種々な成分と反応し、これを酸化、ないしは過
酸化し、商品としての価値を低下させるだけでなく、食
品中に有害物質の生成をもたらすことが知られている。
例えば、食品中に含まれるリノール酸、リルン酸などの
栄養学的に必須な不飽和脂肪酸は、空気中の酸素により
容易に過酸化されて過酸化脂肪酸や1反応性ラジカル(
フリーラジカル)を生成すると共に、マロンジアルデヒ
ドなどの発がん性物質を生成することが報告されている
。また脂質中の不飽和脂肪酸分子が過酸化されて生成す
る過酸化脂質は、化学反応により、生体中の蛋白や核酸
を変質させるため、生体に発がん作用などの影響を与え
ることも報告されている。(「変異原と毒性j第5巻、
243頁(I982年)、「食品の包装」第17巻、1
06頁(I986年))。
このような脂質の過酸化を防止するためには、脱酸素剤
で包装中の酸素を除去したり、真空包装や窒素ガス置換
包装などの包装技術が用いられている。いっぽう化学工
業の発展を背景として、合成抗酸化剤、たとえばブチル
ヒドロキシアニソール(BHA)や、ブチルヒドロキシ
トルエン(BHT)などが一般的に使用されてきた。と
ころが、こうした合成抗酸化剤の使用が増えるにつれて
、食品公害が増加して、安全性の面から大きな問題が生
じ、消費者の合成抗酸化剤に対する拒否反応が強くなり
、その使用量も低下してい−るのが現状である。
いっぽう、上記したように、酸素の毒作用により動物生
体内に生成する過酸化物や発がん物質などは、動物の細
胞に悪い影響を与えることが考えられており、こうした
酸素による生体成分の過酸化は、細胞の老化、ひいては
、寿命に関係するものと考えられている(フリーラジカ
ル老化説)。
したがって、安全性の高い、天然由来の抗酸化性物質は
、生体内における抗酸化的な生体の防御機構を支援する
物質として、食品、特に健康食品や栄養食品のほか、医
薬品や化粧品の技術分野において、非常に期待されてい
る。
しかしながら、食品公害上問題のある合或抗酸化剤に代
って、その使用が期待されている天然の抗酸化剤は、化
学合成法によるビタミンCおよび天然物から抽出精製さ
れているビタミンE(トコフェロール)が実用されてい
るにすぎない。
こうした天然由来の抗酸化剤を食品や医薬品。
化粧品などに適宜使用するためには、性質の異なった天
然抗酸化剤を見い出し、それぞれの特徴を発揮する条件
で活用することが重要である。
植物由来の香辛料には、抗酸化活性をもった種々な化合
物が含まれており、香辛料は食品保存作用をもつものと
しても食品に添加されてきた。
(食品の包装、第19巻1号97頁1987年)。しか
しながら香辛料には、強い香や色を示すものが多く、こ
うした性質は、抗酸化剤等として食品、医薬品。
化粧品などに添加するには、自づから使用範囲が制限さ
れていた。
ビタミンCは水溶性の物質であるため、油や生体内の脂
質には溶けない。いっぽうビタミンEは脂溶性であるた
め、血液などの水溶液には溶けず、生体内の脂質に蓄積
される特徴が認められている。
こうした極端な水溶性や脂溶性の性質は、生体に応用す
る食品、医薬品、化粧品などの場合、必ずしも有利な性
質とは考えられておらず、生体内の脂質及び水溶液のい
ずれにおいても適宜、抗酸化活性を発揮するためには、
水溶性と脂溶性の中間的な性質をもつ天然化合物が有利
である。
ビタミンCやビタミンEの他に香、全科植物由来の天然
抗酸化性物質については、研究が活発に行われ、報告も
見られる。
しかしながら、食品公害上問題のある合成抗酸化剤に代
ってその使用が期待されている天然の抗酸化剤は、その
起源が天候等自然条件に左右される植物や動物等であっ
て安定供給が困難であり、また、その含有量も非常に微
量であるし、抽出にも非常な困難が伴い且つ抽出中に成
分が変化するといった理由から、現在はわずかに天然ビ
タミンEやビタミンC等が実用化されているにすぎない
本発明は、このように植物体から抽出するのではなく、
抗酸化性物質を含む培養細胞を用いるものであって、培
養細胞高温度で大量培養することにより天然配糖体抗酸
化性物質を工業的に大量生産することにはじめて成功し
たものであるが、このようなことは従来全く知られてお
らず新規である。
(発明が解決しようとする問題点) このように農業的手段によって植物体を栽培生産し、得
られた植物成体から有用な成分を抽出することは、実験
室規模で非工業的に実施するのであればともかく、こう
した植物由来の有用物質の供給は栽培による農業的手段
によるため、生産効率も限界があり、多量生産には広い
農地を必要とし、栽培も天候の影響を受けやすいため、
工業原料としての安定的な供給には多くの困難がともな
っており、特定の有用成分を一定量、計画的に生産する
ことは困難があるなどの問題点があり、新しい技術の開
発が望まれていたのである。
特にごま植物の場合は、上記したように栽培面積が減少
しているために安定供給が確保されておらず、また利用
される部位もごま種子に限定されているために植物全体
が有効に利用されておらず、茎、葉や根部は排棄されて
新たな公害源ともなっており、更に決定的には、有用成
分がごく微量しか含まれていないためにごま種子が大量
に必要であるし抽出工程の面でも非常な困難は不可避で
あった。
これら植物の有効成分の内、特に、配糖体抗酸化性物質
はごく微量しか含まれていないし、抽出自体が非常に困
難であり、抽出中に成分が変化してしまうこともしばし
ばであって、この点からしても植物成体から配糖体抗酸
化性物質を工業的に大量に抽出、製造することはできな
かったのである。
また一方、酸化防止剤の面からみると、食品や化粧品そ
の他における酸化、あるいは生体内での過酸化を防止す
るために、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチ
ルヒドロキシアニソール(BHA)等合成抗酸化剤が開
発され多用されてきた。しかしながら、その使用が増加
するにつれ食品公害上の問題も多発している。したがっ
て、安全性の高い、天然由来の配糖体抗酸化性物質は、
生体内における抗酸化的な生体の防御機構を支援する物
質として食品、特に健康食品や栄養食品のほか、医薬品
や化粧品の技術分野において、非常に期待されている。
しかしながら、食品公害上問題のある合成抗酸化剤に代
ってその使用が期待されている天然の抗酸化剤は、その
起源が天候等自然条件に左右される植物や動物等であっ
て安定供給が困難であり、また、その含有量も非常に微
量であるし、抽出にも非常の困難が伴い且つ抽出中に成
分が変化するといった欠点は避けられず、現在はわずか
に天然ビタミンEやビタミンC等が実用化されているに
すぎない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、これらの欠点を一挙に解決するためになされ
たものである。
つまり、このように天然の条件の影響を直接受ける植物
体を原料とし、また生産効率も非常に低い天然物からの
抽出法を改善するために、各方面から研究、検討した結
果、細胞を人工培養する方法が最適であるとの結論に達
した。
従来、植物細胞の培養装置内における大量培養技術によ
るごま細胞の生産技術は、多くの産業的な有利性をもっ
てはいるが、旺盛な増殖性をもったごま細胞は知られて
いなかったのである。
そこで、細胞の人工培養について徹底的に研究を行い、
このように有用な成分を含むごまの増殖性細胞を育種す
るために、植物成体から人工的に増殖性細胞塊(カルス
)を誘導し、これより安定にかつ迅速に増殖する細胞を
選択する研究を行ってきた。その結果、ごまの種子から
無菌的に発芽させたごま芽ばえを素材として、ごま細胞
のカルスを誘導し、安定に継代培養が可能な高温度培養
細胞を取得することに成功しただけでなく、増殖した細
胞内に有用成分、特に配糖体抗酸化性物質が含有されて
おりしかもそれを有利に抽出できることをはじめて見出
し、この新知見を基礎にして更に研究の結果、本発明が
完成されたのである。
つまり本発明は、ごま培養細胞、特に高温度培養細胞の
誘導培養法という全く新規な方法を確立することに成功
したものであって、それによりごまの配糖体抗酸化性物
質を大量に生産する工業的方法を提供することができる
のである。
従来、植物から誘導された培養細胞は、はとんどの培養
細胞において、培養温度は、25℃ないしは28℃であ
って、30℃以上でよく培養できるものは見当らない6
エ業的な培養においては、大気の温度より低い温度に維
持することは、冷却に要する設備費や、運転費が必要と
なるため、夏季でも冷却を必要としない培養温度でよく
増殖する細胞の育種が望まれていたのである。このこと
は、微生物の発酵工程における温度管理が、冷却費を低
減化することを重視していることからも理解される。
また、高温度においては、代謝速度も早くなることが期
待されるため、目的とする有用物質の生産に好ましくな
ることがしばしばある。
本発明者らは、こうした工業的な植物細胞培養(こ適し
た。ごま培養細胞を育種する研究を鋭意おこなった結果
、従来、植物細胞培養の可能な温度とは考えられていな
かったごとき高温度において、増殖活性の高い細胞を取
得することに成功し得られた細胞中に配糖体抗酸化性物
質を見い出し本発明を完成したのである。
本発明に使用するごま培養細胞の高温度培養細胞は、3
3℃〜36℃の高温度で迅速に増殖し、その細胞中には
多量の配糖体抗酸化性物質を含有するものである。この
ように高温度における培養によって、配糖体抗酸化性物
質含有細胞を調製することは、前記したように新しい知
見にもとすくものである。
本発明の高温度でよく増殖するごま培養細胞の育種につ
いて以下に述べる。
先ず、ごまとしては、芽、根、又は種子を用いる。そし
て、無菌条件下で芽ばえを調製し、芽、茎、葉及び/又
は根の切片を固体及び/又は液体の培地で培養してカル
ス細胞を誘導する。得られた増殖性カルスは、継代培養
することにより大きなカルスに成長させる。次いでこれ
を固体及び/又は液体培養で、静置及び/又は攪拌培養
してカルス細胞を増殖せしめるのである。
培地としては、各種培地を使用することができ、炭素源
としては、グルコース、フラクトース等の単糖類、マル
トース、シュークロース等の三糖類のほか、オリゴ糖や
澱粉等の多糖類も使用することができる。窒素源として
は、硝安、硝酸カリウムといった硝酸態窒素、硫安、酒
石酸アンモニウム等のアンモニア態窒素のほか、カザミ
ノ酸、アミノ酸、ペプトン、コーンステイープリカー、
酵母菌体、イーストエキストラクト、麦芽エキストラク
ト等が使用できる。
そのほか、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、サイアミン
、葉酸、ビオチン等のビタミン類;イノシトール、アデ
ニル酸、グアニル酸、シチジル酸、チミジル酸、サイク
リックAMP等の核酸関連物質;鉄、マンガン、亜鉛、
ホウ素、ヨウ素、カリウム、コバルト、マグネシウム、
モリブデン、リン、銅等のミネラルも使用する。
基本培地の1例を示すと、次の表1のとおりである。
表1 硝酸アンモニウム 硝酸カリウム 塩化カルシウム 硫酸マグネシウム リン酸第1カリウム ホウ酸 硫酸マンガン 硫酸亜鉛 コーンカリウム モリブデン酸ナトリウム 塩化コバルト 硫酸鋼 エチレンジアミン4酢酸ナトリウム 硫酸第1鉄 ミオイノシトール グリシン 塩酸ピリドキシン ニコチン酸 塩酸チアミン 1、650mg 1、900 40 70 70 6.2 22.3 8.6 0.83 0.25 0.025 0.025 37.3 27.8 00 0.5 0.5 0.1 蔗糖 水 0g 1 、 OOOmfl pH5,7 基本培地にはオーキシン、サイトカイニンを添加するの
が好ましく、オーキシンとしては、インドール酢酸、イ
ンドール酪酸、ナフタレン酢酸、2.4ジクロロフエノ
キシ酢酸などが適宜利用される。また、サイトカイニン
としては、ベンジルアデニン、カイネチンなどが使用で
きる。これらの植物ホルモンやサイトカイニンは単独で
も使用できるが、組合せて用いることが効果的である。
増殖性のカルスの培養には1表1に示した組成の培地で
もよいが、さらに増殖性を改善するためには。
ココナツミルク、カゼイン加水分解物、ジャガイモ抽出
液、コーンステイープリカー、イーストエキストラクト
、麦芽抽出液などの天然有機栄養源を添加することが有
効である。培養温度は28〜37℃で培養操作できるが
、好ましくは33〜36℃である。培養液のpHは弱酸
性(pH5,6〜6.0)が増殖に有利である。
このようにして得られたごまのカルス細胞がら高温度で
安定に増殖できる細胞を育成するには、ジェランガムま
たは寒天による固体平板培地に細胞の小塊を移植し、こ
れを後記の増殖条件で1〜2週間培養を行なう、このと
きの培養温度は33〜36℃に維持することが好ましい
さらに、多数の高密度培養細胞の培養系統の中より、増
殖性の高い培養系統を選択し、その細胞集団から、更に
細胞の小塊を多数取り出し、これらを新しい培地に移植
することによって、更に多数の培養系統を作る。こうし
た細胞の培養系統の継代培養を5〜10回、33〜36
℃の高温度で、くり返すことによって、高温度で安定に
増殖できる、ごま培養細胞を育成する。
培養して得た増殖性細胞から抗酸化性物質を抽出するに
は、セルラーゼやリゾチームを用いる生物学的処理、化
学的処理、機械的ないし超音波などの処理、又はこれを
組合わせたりして細胞を破壊し、メタノール、エタノー
ル、アセトン、クロロホルムその他の有機溶媒、水など
の単独ないしは、これらの有機溶媒と水との混合液で抽
出して回収できる。
抗酸化性物質の活性の分析は、リノール酸を反応基質と
する空気による自動酸化量をロダン鉄杭によって測定す
る方法を用いる。この方法は、脂質の過酸化を調べるの
に用いられる常法である。
(アグリカルチュラル・アンド・バイオロジカル・ケミ
ストリー(Agricultural and Bio
logicalChemisty)第45巻、735頁
(I981年))次に本発明により育種され、高温度培
養ができる、ごま培養細胞の取得について実験工程を追
って詳細に説明する。
1、無菌的に生育したごま芽ばえの調製ごま種子を、よ
く水洗したのち、75%エタノール水溶液に数秒間浸漬
する。これを別に用意した殺菌水で洗浄し、ついで0.
1%ベンザルコニウムクロライド(市販殺菌剤)液に2
〜5分間浸漬して種子に付着している微生物を殺菌する
。この種子を再び殺菌水でよく洗浄したのち、1%次亜
塩素酸ナトリウム(和光純薬製) (0,1%の界面活
性剤ツイーン20を含む)の殺菌剤液によって、30分
間処理して、ごま種子を完全に殺菌する。
いっぽう、殺菌した、ふた付きの広口容器(プラスチッ
ク製市販品)を用意する。これに表1に示した組成の基
本培地(ただし蔗糖は添加せず、同化剤として寒天の場
合0.8〜1.5%、ジュランガムの場合0.2〜0.
3%を添加した)を別途オートクレーブ殺菌したものを
、広口容器に注いで固化させ播種用の固型培地とする。
また、殺菌水と殺菌したガーゼを、広口容器に無菌的に
入れて、播種用の床としてもよい。このような播種用の
培地又は床に、殺菌処理をしたごま種子を無菌操作によ
って播種する。28〜30℃の恒温室で蛍光灯の光のも
とで保温すると、殺菌処理したごま種子は死滅すること
なしに、発芽し、lO日間程度で長さ3〜5c+aのご
ま芽ばえが調製できる。このごま芽ばえは、完全に無菌
状態であり、増殖性細胞の育種に利用される。
2、 ごま由来の増殖性細胞塊の誘導培養表1に示した
組成の基本培地に、オーキシンとして、ナフタレン酢酸
(I0−”〜10−’M)、あるいは、2,4ジクロロ
フエノキシ酢酸(I0−”〜10−5M)、サイトカイ
ニンとして、ベンジルアデニン(I0−’〜10−’M
)、あるいはカイネチン(I0=’〜10−’M)を組
合せて添加した、各種組成の培地を調合する。
これに、同化剤としてジェランガム0.2%または寒天
0.8%を加えて、pHを5.7に調整したのち、微生
物培養に常用されるペトリディッシュに分注して固化す
る。これに、先に述べたように無菌的に調製したごまの
芽ばえの断片を移植し、温度28〜30℃の恒温室又は
恒温箱の中で、暗所で培養を行なうと、培養2〜3週間
後には、ごま芽ばえの切断片の切り口より、細胞が増殖
し、塊となってカルスを形成する。この増殖性のカルス
を、同一組成の培地に継代培養することによって、大き
なカルスを育てることができる。
カルスの人工的な誘導に用いる基本培地は表1に示した
培地組成(ムラシゲ−スクーグの培地)を用いたが、植
物の細胞培養に通常用いられている培地ならいづれも使
用できる。こうした培地の基本組成は、当業界において
よく知られている。
(植物細胞培養マニュアル、講談社(I984))3、
 カルス細胞の増殖培養細胞の育成ごまの芽ばえより誘
導した増殖性細胞塊(カルス)は、表1に示した組成の
培地、ナフタレン酢酸(I〜5×10−sM)、ベンジ
ルアデニン(I〜5×10−5M)などのオーキシンや
サイトカイニンを添加したものに、更に固化剤としてジ
ュランガム0.2%又は寒天0.8%を加えて滅菌、固
化した培地を用いて、安定に増殖する細胞を育成する。
ごま細胞は暗所でもよく増殖するが、明所の方が5更に
増殖に活発である。したがって3 、000〜30.0
00ルクス、好ましくはa 、 ooo〜15,000
ルクスの明所においてよく増殖することが観察される。
温度は、30〜37℃でも増殖するが、好ましくは、3
3〜36℃で培養することができる。
ごまのカルスから高温度で安定に増殖できる細胞を育成
するには、ジュランガム又は寒天による固体平板培地に
細胞の小塊を移植し、これを前記の増殖条件で1〜2週
間培養を行なう。
このときの培養温度はカルス細胞の誘導培養に用いた温
度よりも高温度にする。すなわち培養温度を33〜36
℃に維持して、旺盛に増殖する細胞を濃縮することがで
きる。
このようにして得た多数の培養系統の中より、増殖性の
旺盛な培養系統を選択し、その細胞集団から、更に細胞
の小塊を多数取り出し、これらを新しい培地に移植する
ことによって、再び多数の培養系統を調製する。こうし
た細胞の培養系統の継代培養を5〜10回くり返すこと
によって、33〜36℃の高温度で安定に増殖できる。
ごま細胞を育成する。
4、増殖性細胞の培養 安定に継代培養が可能なごま細胞の増殖培養には、表1
に示した組成の培地が用いられるが、植物細胞の培養に
通常よく用いられている組成の培地も利用できる。この
ような基本培地に、オーキシントして、ナフタレン酢酸
(l〜5 x 10−sM)、サイトカイニンとして、
ベンジルアデニン(I〜5×10−5M)を加えたもの
を調合する。液体培養の場合にはそのまま増殖培養に使
用できるが、固体培地での培養の時には、これにジュラ
ンガム0.2%又は寒天0.8%を加えて、滅菌、固化
させて使用する。細胞の増殖には光を照射するのが有利
であル1通常3,000〜30,000/L/クス、好
まシくハ8,000〜15,000ルクスの照射であれ
ばよい。温度は28〜37℃で増殖するが好ましくは3
3〜36℃でよく増殖培養ができる。液体培養は、通常
の微生物の培養に用いられる振どう培養法や通気攪拌培
養法が適用できるが、微生物の培養に比較して、ゆるや
かな条件で操作するのが好ましい。微生物の培養に比較
して、酸素の必要量は著しく少なくてよいから、わずか
に空気を通気しつつ、細胞が培養液の底に沈でんしない
程度の攪拌を行うことが増殖に好ましい。
増殖培養を更に効果的に行なうためには、培養液のpH
を5.6〜5.8に維持するのがよい。
通常の増殖培養では、1〜2週間で培養が終了するから
、培養液から細胞を遠心分離法などの常法で回収するこ
とが可能である。また固体培養の場合には、増殖した細
胞塊は容易に回収できる。
かくして、工業的な規模で、生産が可能なごま細胞の育
成を行い、これを多量に増殖培養することが出来るので
ある。
このような操作によって取得された高温度培養が出来る
ごま培養細胞の増殖量と培養温度との関係を第1図に示
す。植物細胞を通常培養する時に用いられている25〜
28℃の温度における増殖量に比べて、35〜36℃で
は、約2倍以上の増殖量を示しており増殖速度も早くな
ることから工業的な植物細胞の培養において、有効に使
用できるものである。
5、抗酸化性物質の抽出及び分析 上記によって得た増殖性のカルス細胞を、ブレンダー等
で細かく破砕したのち、石英砂と共に磨砕する。これを
メタノールなどの溶媒で抽出し、無水硫酸ナトリウムに
よって脱水し、30〜35℃で蒸発乾固する。再びメタ
ノールに溶解させて、抗酸化性物質を含んだ分画を得る
次に抗酸化活性の分析法について述べる。リノール酸を
反応基質とする方法であり、油脂の酸化の程度を測定す
るためによく用いられているロダン鉄杭を利用するもの
である。即ち油脂の自動酸化により生成する過酸化物に
よって二価鉄イオンが三価鉄イオンに酸化され、これが
チオシアン酸アンモニウムと反応し赤色のロダン鉄を生
成させ、その吸光度を測定することから、油脂の過酸化
物の量を求める方法である。(アグリカルチュラル・ア
ンド・バイオロジカル・ケミストリー(Agricul
tural  and  Biological  C
hemistry、  第45巻、735頁(I981
年)) また、ロダン鉄杭に比較してより生体系に近い分析法と
して兎赤血球膜脂質の過酸化反応を利用した、いわゆる
赤血球ゴースト法も併せて使用した。
兎の赤血球から、その膜のみを調製し、これを赤血球ゴ
ーストと呼ぶ。
この赤血球ゴーストに、酸化の開始剤として、t−ブチ
ルハイドロキシパーオキサイドを加えて、赤血球膜のリ
ン脂質の過酸化反応を促進させたのち、生成するマロン
ジアルデヒド(強力な発癌性物質である)あるいは、こ
れに類似した物質を。
チオバルビッール酸で発色させその吸光度を測定する。
(バイオケミストリー、78巻、6858頁(I981
年)) いづれの方法においても、反応系に添加されるサンプル
中の抗酸化活性の程度によって、チオバルビッール酸に
よる発色度が変化するから、抗酸化性物質を含まない対
照区と比較することによって、サンプル中に含まれてい
る抗酸化活性を測定することができる。
6、配糖体抗酸化性物質の抽出、分離及び構造解析 液体培養法によって増殖した細胞は、重力分離法や遠心
分離法によって容易に回収することができる。得られた
細胞を最終濃度が80%になるようにエチルアルコール
を添加し、機械攪拌ホモジナイザーによって抽出する。
遠心分離して抽出液を回収した残りの細胞について再び
80%エチルアルコールで抽出する。得られた抽出液を
減圧下で濃縮して乾固すればアメ状、黄褐色の抗酸化性
物質の粗抽出物が得られる。
これを、たとえばアンバーライトXAD−IIを用いる
吸着クロマトグラフ法によって、樹脂に吸着させ、水と
メタノールの混合溶媒によって溶出し、抗酸化活性のあ
る両分を取得する。メタノール40%水溶液により溶出
する分画を集め、これを減圧濃縮することにより、ごま
培養細胞中に含まれている抗酸化性物質の代表的な成分
を得る。
天然物化学の分野で1通常用いられている高速液体クロ
マトグラフ法により、含有成分の分離分析を行うことに
より、目的成分の精製程度を検定する。ごま培養細胞の
アルコール抽出物の吸着クロマトグラフ法により40%
メタノール水溶液で溶出した両分の高速液体クロマトグ
ラフのチャート図を第2図に示す。
多数のピークの中より、抗酸化活性をもつピークの一つ
として、ピーク1 (溶出時間約6分のピーク)を、更
に精製する。この時、天然物の精製法として通常用いら
れている、高速液体クロマトグラフ法を、くり返し使用
して、順次目的物質を純品化する。第3図に、高速液体
クロマトグラフ法により精製したピーク1の物質の純品
性を示す。
この抗酸化性物質を物質1と呼ぶこととする。
単一な成分として単離された抗酸化性物質1について機
器分析を1通常用いられている装置で行い、その化学構
造を解析した。
先ず、物質1の紫外線吸収スペクトラムを第4図に示す
、物質1の高速電子衝突マススペクトル法(FAB−M
S)による解析図を第5図に示す、これより分子イオン
ピーク(M” + 1)は625であり、物質10分子
量は624となる。また核磁気共鳴(NMR)法により
、オレフィン、芳香族環の存在と置換位置が解析される
(第6図)。
いっぽう物質1の塩酸加水分解によりアグリコン分子メ
チルエステルを調製し、その構造解析を行った。核磁気
共鳴法および、エレクトロン・インパクト・マススペク
トル法(EI−MS)による解析および紫外線吸収曲線
などにより、分子量194のカフェ酸メチルエステル(
Caffeic acid methylester)
であることより物質1のアグリコンはカフェ酸(Caf
feic acid)と判明した。
物質1には、糖の呈色反応により糖分子が結合した配糖
体であることが判っていたが、その構造を決めるために
、ジアゾメタンを用いるメチル化体を調製したのちこれ
をプロトン核磁気共鳴法、炭素13核磁気共鳴法により
構造の解析を行った。
それぞれのスペクトラムを第7図および第8図に示す。
こうした天然物の構造解析法を駆使して、物質1の構造
は であることが決定された。
7、配糖体抗酸化性物質の抗酸化活性 ごま培養細胞から80%エタノールで抽出して得た粗抽
出物、これをアンバーライトXAD−nによる吸着クロ
マトグラフ法により40%メタノール水溶液で溶出して
得た中間精製物、さらに、中間精製物を高速液体クロマ
トグラフ法により単一ピークまで精製した、物質lにつ
いて、前述の兎赤血球ゴースト法により、抗酸化活性を
測定した結果を第9図に示した。横軸は分析における反
応系に添加したサンプルの濃度をとり、縦軸に、チオバ
ルビッール酸による発色度を、抗酸化性物質を無添加の
対照区を100%として相対比率で示した。市販されて
いる合成抗酸化剤ブチルヒドロキシアニソール(BHA
)を抗酸化剤の対照区に用いて比較したものである。
このように、ごま培養細胞から抽出して得た配糖体抗酸
化性物質は、BHAにほぼ相当する抗酸化活性をもって
いることがわかった。
抗酸化剤として工業的に物質1を応用する時には目的に
応じて精製品や粗製品を使用することが便利である。こ
のことは第9図に示したように。
純品にまで精製した標品と、吸着クロマトグラフ法によ
って得られた中間精製品の抗酸化活性には大きな差はな
く、厳密に考えると中間精製品に含まれている、物質1
以外の成分にも抗酸化活性が認められたり、また、共存
物質による抗酸化活性の促進作用(相乗作用)が考えら
れる。こうしたことは、粗製品でも使用できることを充
分に示唆するものである。
また、配糖体の構造をもっていることは、水溶性と脂溶
性の中間的な特性を示すことが特徴として考えられ、水
溶性のビタミンC1脂溶性のビタミンEやブチルヒドロ
キシアニソール(BHA) +ブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)などに比較して、抗酸化剤としての使用範
囲が拡大され、また生体内での作用においても、有利性
が大いに期待される。
以下に実施例及び試験例をもって本発明を説明するが、
これらは例示であって、本発明を制限するものではない
なお、本発明に係る各細胞は、通常のごま植物を用い、
前記した手法及び後記する実施例の手法にしたがってご
ま成体細胞をそれぞれ処理すれば容易に取得することが
でき、充分に再現性があることが確認された。原料の入
手にも何の困難性もなくその処理にも格別の困難は無い
ので、本発明に係る細胞は、何人も容易に入手すること
ができるのである。
実施例1 (I)ごま(Sesamum indicum L、)
の種子を用意し、これを75%エタノール液に数秒間浸
漬したのち、殺菌した蒸留水で2回水洗した。これを0
.1%ベンザルコニウムクロライド液(せ槽化学産業■
製)に2分間浸漬した。殺菌した蒸留水で3回よく洗浄
したのち、1%次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬)0.
1%ツイーン20(和光純薬)を含む殺菌剤液に30分
間浸漬し、殺菌水で水洗して殺菌ごま種子を調製した。
植物培養用のプラスチック製容器(フロー・ラボラトリ
−社製)に殺菌水と殺菌したガーゼを入れ、その上に、
予め殺菌したごま種子を播種した。
30℃の恒温室で20ワツトの蛍光灯の光のもとで2週
間放置したところ、長さ5〜7c■のごマ芽ハえが得ら
れた。
(2)表1に示した組成の培地2Qを調製し、これを等
分し、それぞれの100−に、ジュランガム(三条化学
工業製)0.2%と、表2に示した実験条件のサイトカ
イニン、オーキシンを添加して、増殖性細胞塊(カルス
)の誘導培地とした。これらを常法どうり120℃、1
0分間のオートクレーブ殺菌処理をした。
これらの培地を、温かいうちに、直径10cmのプラス
チック製ペトリデイッシュにそれぞれ3枚宛30−づつ
分注し、室温で固化させた。
これに(I)で調製した。ごま芽ばえを無菌操作によっ
て、茎、葉を5〜7■■の切片に切断して、ペトリディ
ッシュの固型培地上に移植した。水分の蒸発を防止する
ためパラフィルム(アメリカン・カン社製)で封をし、
28〜30℃の恒温室に暗所で3週間放置してごま芽ば
え切片からのカルスの誘導を行ない、表2の結果を得た
表2 サイトカイニン オーキシン カルスの誘導状態 ベンジルアデニ ン 1xlO−’M カイネチン lXl0−’M ナフタレン酢酸 5X10−5M       +++◆l      
  +++ 0.1              ++0.01 2.4ジクロロフエノキシ酢酸 5X10−SM 0.1            ++ 0.01            +++++フタレン
酢酸 5XIF’M           、  ++++1
                +++++、1  
            +++0.01 2.4ジクロロフエノキシ酢酸 5X10−sM       + 1          ◆ 0.1         +++ 0.05             ++十+十二カル
ス誘導の量を示す、十印が多いほど良好である。
−二カルス誘導なし。
(3)表1の組成の基本培地に、ジュランガム0.2%
、ナフタレン酢酸5xlO−’M、ベンジルアデニン1
 x to−’Mを添加した培地600mMを(I)と
同様にして殺菌調製した。これをプラスチック製ペトリ
ディッシュ20枚に、それぞれ30wrQ宛分注して固
化させた。(I)で誘導培養して得た増殖性カルスを、
ペトリディッシュ当り4ケ宛移植した。33〜36℃、
12.000ルクスの光の植物細胞培養装置の中で、2
週間培養を行った。増殖性の良好な細胞集塊を選抜し、
これを種細胞として、33〜36℃で継代培養を4回く
り返した。かくして、高温度で安定に増殖する培養細胞
を育成した。この細胞をN s B s S −HT(
ナフタレン酢酸5X10−sM、ベンジルアデニンl×
10−’Mで継代培養したごま培養細胞)と命名した。
(4)表1の組成の基本培地にジュランガム0.2%、
ナフタレン酢酸5 X 10−’M、ベンジルアデニン
I X 10−’Mを添加した培地IQを(I)と同様
にして殺菌IRIl!した。これを直径4c+w、深さ
13cwrの植物細胞培養用のガラス製容器に40n宛
分注して固化させた。(3)で継代培養して育成してご
まの増殖性細胞N、、B55−HT細胞の5〜71Im
角を移植して35〜36℃、12,000ルクスの光の
植物細胞培養装置の中で10日間培養を行った。その結
果、培養容器中に増殖した細胞の生重量は平均14.5
gであった。
この細胞のうち60gを乳ばちに取り、6gの石英砂を
加えて5分間磨砕したのち80%エタノール水溶液20
0mQを加えてよく攪拌し抗酸化性物質を抽出した。こ
れを遠心分離(2,500回転/分、10分間)して上
澄液を集め、細胞残渣には再び200tQの80%エタ
ノール水溶液を加えて抽出した。3回のエタノール水溶
液による抽出液を集め40℃でロータリエバポレーター
にて蒸発乾固し、黄褐色の抽出物4.8gを取得した。
実施例2 表1に示した組成の培地3氾を、通気攪拌装置を備えた
5Q容量の植物細胞培養槽に入れ、オートクレーブによ
って、120℃、20分間加圧殺菌した。別に300−
三角フラスコに表1に示した組成の培地60mflを入
れ、同様に殺菌したものに、ごま培養細胞のシードを添
加し、35℃、蛍光灯の光照射下で、振どう数60往復
/分の条件で振どう培養した67日間培養したフラスコ
5本分の培養細胞を無菌操作によって回収し、植物細胞
培養槽に接種した。植物細胞培養槽の培養条件は、攪拌
数30回回転弁、pH5,7±0.11通気量1.52
/分、光照射8,000ルクス、温度35℃で10日間
培養した。培養終了液を遠心分離して、細胞を回収した
ところ、乾燥重量として43gが取得された。
培養して得られたごま細胞を生重量として500gを用
いて抗酸化性物質の抽出精製を行った。すなわち1.9
Qのエタノールを加えて、ホモジナイザーにより攪拌し
つつ20分間抽出したのち、濾過器によって細胞と抽出
液を分離した。細胞残渣に2息の80%エタノール水を
加え、同様に抽出操作を20分間行ったのち濾過器によ
って細胞残渣を分離し、更に2Qの80%エタノールで
抽出した。
抽出液を合せて、40℃で減圧濃縮を行い褐色の粗抽出
物11.4gが取得された。
吸着クロマトグラフ法に用いるアンバーライトXAD−
II樹脂を直径5c1m、長さ30cmのガラス製カラ
ムに充填して、水を流して平衡化した。これに抽出物5
gをカラムの上部に樹脂に吸着させた状態で重層し、水
から順次メタノール濃度を増加させる段階溶出法によっ
て、目的物質の溶出を行った。
40%メタノールで溶出される分画を集め、40℃で減
圧濃縮したところ、黄褐色の中間精製物の210mgが
得られた。これを高速液体クロマトグラフ法を繰返して
、単一ピークになるまで精製を行った結果、精製物21
mgが得られた。
これらの組成分、中間精製物、および精製物の抗酸化活
性を兎赤血球ゴースト法により測定したところ第9図に
示すように、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)と
ほぼ同程度の強い抗酸化活性が認められた。
試験例1 本発明によって調製した抗酸化性物質のすぐれた抗酸化
効果を次のようにして確認した。
実施例によって得た抽出物100mgを100■Qの8
0%エタノール水溶液に溶かしく1鳳g/−濃度)抗酸
化性物質の分析サンプルとした。これの1−をサンプル
としてリノール酸の自動酸化の抑制の程度をロダン鉄杭
によって測定した。その結果、第10図からも明らかな
ように、ごま増殖細胞から抽出した両分(Img)には
、α−トコフェロール(0,2mg)あるいは、ブチル
ヒドロキシアニソール(BHA、 0.2mg)に相当
する高い活性の抗酸化性物質が含まれていることが確認
された。
(発明の効果) 本発明は、高温度増殖性ごま細胞を培養容器の中で多量
に調製し、それによって、ごま細胞中に含まれている配
糖体抗酸化性物質を工業的に大量生産することを可能と
したものである。したがって本発明の方法によれば、栽
培によらず工業的な手段によって安全な食品医薬品、化
粧品として使用される天然物由来の配糖体抗酸化性物質
を計画的に且つ大量に供給することができるという著効
が奏されるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、高温度培養細胞の増殖量と培養温度との関係
を示すグラフである。 第2図は、吸着クロマトグラフ法で溶出した中間精製品
の液体クロマトグラフ法による含有成分の組成を示す図
面である。なお、物質1は溶出時間約6分のピークであ
る。 第3図は、液体クロマトグラフ法により精製した物質1
のクロマトグラムである。 第4図は、物質1の紫外線吸収スペクトラムである。 第5図は、物質1の高速電子衝突マススペクトルによる
解析図である。 第6図は、物質1の核磁気共鳴法によるスペクトラムで
ある。 第7図は、物質1のプロトン核磁気共鳴法によるスペク
トラムである。 第8図は、物質1の炭素13核磁気共鳴法によるスペク
トラムである。 第9図は、兎赤血球ゴースト法によるごま培養細胞から
の粗油出物、中間精製物、精製物(物質1)の抗酸化活
性を示したものである。 ム:粗抽出物 ・:中間精製物 II:精製物(物質1) ◎;ブチル・ヒドロキシ・アニソール(BHA)第1O
図は、リノール酸を反応基質とした自動酸化の経過をロ
ダン鉄杭により分析した。リノール酸の酸化曲線である
。 −・−:対照区 〇−:α−トコフェロール区 一△−ニブチルヒドロキシアニソール区−◎−:ごま細
胞よりの粗抽出物

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ごま(Sesamum indicum L)の植
    物成体から誘導した増殖性細胞を培地に培養し、その培
    養物から、下記の構造式( I )を有する配糖体を製造
    する方法。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) 2、ごま(Sesamum indicum L)の植
    物成体から誘導した高温度培養細胞を培地に培養し、そ
    の培養物から構造式( I )を有する配糖体を製造する
    方法。 3、構造式( I )で示される配糖体を有効成分とする
    抗酸化剤。
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