JPH01215282A - ごま培養細胞及び抗酸化性物質含有細胞 - Google Patents

ごま培養細胞及び抗酸化性物質含有細胞

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JPH01215282A
JPH01215282A JP63039580A JP3958088A JPH01215282A JP H01215282 A JPH01215282 A JP H01215282A JP 63039580 A JP63039580 A JP 63039580A JP 3958088 A JP3958088 A JP 3958088A JP H01215282 A JPH01215282 A JP H01215282A
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JP
Japan
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sesame
cells
culture
cell
temperature
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JP63039580A
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English (en)
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Morio Mimura
三村 精男
Keiichi Takebayashi
竹林 恵一
Yoshimasa Takahara
高原 義昌
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ごま(Sesamum indicum L
、)の増殖性細胞を育成し、これを用いて、高温度培養
ごま細胞を多量に増殖培養する方法に関するものである
本発明の方法は、ごま細胞中に含まれている各種の有用
成分、特に抗酸化性物質を生産することに利用でき、食
品産業、医薬品産業及び化粧品産業への原材料の提供に
広く応用されるものである。
(従来の技術) ごま(Sasa@us+ indicum L、)の種
子から得られるごま油中には、ごま油の精製中に・変化
したリグナン化合物による強力な抗酸化作用があるため
、ごま油は酸化劣化することのない優れた食品油として
重用されている。(「グランド現代百科事典」学習研究
社(1979−1−1)p123−124)一方、ごま
には、上記したようにごま油のみならず、ごま植物成体
中にもビタミンEやリグナン化合物などの抗酸化性物質
が含まれていることは既に知られている(アグリカルチ
ュラル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー(Ag
riculturaland Biological 
Chemistry)第49巻、301頁(1985年
)、日本食品工業学会誌、第32巻、407頁(198
5年))6しかし、ごま植物からの増殖性細胞、特に高
温度培養細胞の育成は全く知られておらず、本発明をも
って最初とされる。更に、ごま植物からのこれら増殖性
細胞に強力な抗酸化性物質が含まれでいること、しかも
それをいささかも変質劣化せしめることなく工業的に効
率よく抽出することにいたっては、従来全く未知であり
、その示唆すら見当らない。
本発明は、ごま植物等植物成体自体から有用成分を抽出
するのではなく、工業的辷且つ計画的に有用成分を大量
に抽出することができるよう、植物成体ではなく増殖性
細胞、特に高温度培養細胞を利用するものであるが、こ
のようなことは従来未知の新規技術である。
他方1本発明は、最適生育温度が35〜36℃程度の高
温にも達し得る高温度培養細胞を提供するものであるが
、従来、植物から誘導された培養細胞は、はとんどの場
合において、培養温度はせいぜい25〜28℃までであ
って、30℃以上で培養できるものは見当らない。もち
ろん、本発明のように上記した高温で培養できるごま植
物細胞については、全く知られていないのが技術の現状
である。
(発明が解決しようとする問題点) このように農業的手段によって植物体を栽培生産し、こ
れより有用な成分を抽出することは、実験室規模で非工
業的に実施するのであればともかく、こうした植物由来
の有用物質の供給は栽培による農業的手段によるため、
生産効率も限界があり、多量生産には広い農地を必要と
し、栽培も天候の影響を受けやすいため、工業原料とし
ての安定的な供給には多くの困難がともなっており、特
定の有用成分を一定量、計画的に生産することは困難が
あるなどの問題点があり、新しい技術の開発が望まれて
いたのである。
特にゴマ植物の場合は、上記したように栽培面積が減少
しているために安定供給が確保されておらず、また利用
される部位もゴマ種子に限定されているために植物全体
が有効に利用されているし、茎、葉や根部は徘棄されて
新たな公害源ともなっており、更に決定的には、有用成
分がごく微量しか含まれていないためにゴマ種子が大量
に必要であるし抽出工程の面でも非常な困難は不可避で
あった・ これら植物の有効成分の内、特に、抗酸化性物質はごく
微量しか含まれていないし、抽出自体が非常に困難であ
り、抽出中に成分が変化してしまうこともしばしばであ
って、この点からしても植物成体から抗酸化性物質を工
業的に大量に抽出。
製造することはできなかったのである。
また一方、酸化防止剤の面からみると、食品や化粧品そ
の他における酸化、あるいは生体内での過酸化を防止す
るために、ブチルヒドロキシトルエン(B)IT)、ブ
チルヒドロキシアニソール(BHA)等合成抗酸化剤が
開発され多用されてきた。しかしながら、その使用が増
加するにつれ食品公害上の問題も多発している。したが
って、安全性の高い、天然由来の抗酸化性物質は、生体
内における抗酸化的な生体の防御機構を支援する物質と
して食品、特に健康食品や栄養食品のほか、医薬品や化
粧品の技術分野において、非常に期待されている。
しかしながら1食品公害上問題のある合成抗酸化剤に代
ってその使用が期待されている天然の抗酸化剤は、その
起源が天候等自然条件に左右される植物や動物等であっ
て安定供給が困難であり。
また、その含有量も非常に微量であるし、抽出にも非常
の困難が伴い且つ抽出中に成分が変化するといった理由
から、現在はわずかに天然ビタミンEやビタミンC等が
実用化されているにすぎない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、これらの欠点を一挙に解決するためになされ
たものである。
つまり、このように天然の条件の影響を直接受ける植物
体を原料とし、また生産効率も非常に低い天然物からの
抽出法を改善するために、各方面から研究、検討した結
果、細胞を人工培養する方法が最適であるとの結論に達
した。
従来、植物細胞の培養装置内における多量培養技術によ
るごま細胞の生産技術は、多くの産業的な有利性をもっ
てはいるが、旺盛な増殖性をもったごま細胞は知られて
いなかったのである。
そこで、細胞の人工培養について徹底的に研究を行い、
このように有用な成分を含むごまの増殖性細胞を育種す
るために、植物成体から人工的に増殖性細胞塊(カルス
)を誘導し、これより安定にかつ迅速に増殖する細胞を
選択する研究を行ってきた。その結果、ごまの種子から
無菌的に発芽させたごま芽ばえを素材として、ごま細胞
のカルスを誘導し、安定に継代培養が可能な高温度培養
細胞を取得することに成功しただけでなく、増殖した細
胞内に有用成分が含有され−ておりしかもそれを有利に
抽出できることをはじめて見出し、この新知見を基礎に
して更に研究の結果、本発明が完成されたのである。
つまり本発明は、ごま培養細胞、特に高温度培養細胞の
誘導培養法という全く新規な方法を確保することに成功
したものであって、それによりごまの各種有効成分を大
量に生産する工業的方法を提供することができるのであ
る。
従来、植物から誘導された培養細胞は、はとんどの培養
細胞において、培養温度は、25℃ないしは28℃であ
って、30℃以上で培養できるものは見当らない、工業
的な培養においては、大気の温度より低い温度に維持す
ることは、冷却に要する設備費や、運転費が必要となる
ため、夏季でも冷却を必要としない培養温度でよく増殖
する細胞の育種が望まれていたのである。このことは、
微生物の発酵工程における温度管理が、冷却費を低減化
することを重視していることからも理解される。
また、高温度においては1代謝速度も早くなることが期
待されるため、目的とする有用物質の生産に好ましくな
ることがしばしばある。
本発明者らは、こうした工業的な植物細胞培養に適した
、ごま培養細胞を育種する研究を鋭意おこなった結果、
従来、植物細胞培養の可能な温度とは考えられていなか
ったごとき高温度において。
増殖活性の高い細胞を取得することに成功し、本発明を
完成したのである。
本発明に使用するごま培養細胞の高温度培養細胞は、3
3℃〜36℃の高温度で迅速に増殖し、その細胞中には
多量の抗酸化性物質を含有するものである。このように
高温度における培養によって、抗酸化性物質含有細胞を
調製することは、前記したように新しい知見にもとすく
ものである。
本発明の高温度でよく増殖するごま培養細胞の育種につ
いて以下に述べる。
先ず、ごまとしては、芽、根、又は種子を用いる。そし
て、無菌条件下で芽ばえを調製し、芽、茎、葉及び/又
は根の切片を固体及び/又は液体の培地で培養してカル
ス細胞を誘導する。得られた増殖性カルスは、継代培養
することにより大きなカルスに成長させる。次いでこれ
を固体及び/又は液体培養で、静置及び/又は撹拌培養
してカルス細胞を増殖せしめるのである。
培地としては、各種培地を使用することができ、炭素源
としては、グルコース、フラクトース等の単糖類、マル
トース、シュークロース等の二糖類のほか、オリゴ糖や
澱粉等の多糖類も使用することができる。窒素源として
は、硝安、硝酸カリウムといった硝酸態窒素、硫安、酒
石酸アンモニウム等のアンモニア態窒素のほか、カザミ
ノ酸、アミノ酸、ペプトン、コーンステイープリカー、
酵母菌体、イーストエキストラクト、麦芽エキストラク
ト等が使用できる。
そのほか、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、サイアミン
、葉酸、ビオチン等のビタミン類;イノシトール、アデ
ニル酸、グアニル酸、シチジル酸。
チミジル酸、サイクリックAMP等の核酸関連物質;鉄
、マンガン、亜鉛、ホウ素、ヨウ素、カリウム。
コバルト、マグネシウム、モリブデン、リン、銅等のミ
ネラルも使用する。
基本培地の1例を示すと、次の表1のとおりである。
表  1 硝酸アンモニウム          1,650mg
硝酸カリウム             1,900塩
化カルシウム            440硫酸マグ
ネシウム            370リン酸第1カ
リウム           170ホウ酸     
          6.2硫酸マンガン      
         22.3硫酸亜鉛        
        8.6ヨーソカリウム       
        0.83モリブデン酸ナトリウム  
        0.25塩化コバルト       
       0.025硫酸銅          
       0.025エチレンジアミン4酢酸ナト
リウム    37.3硫酸第1鉄         
     27.8ミオイノシトール        
    100グリシン              
  2塩酸ピリドキシン          ゛  0
.5ニコチン酸               0.5
塩酸チアミン              0.1蔗糖
                  30g水   
                1.000dpH5
,7 基本培地にはオーキシン、サイトカイニンを添加するの
が好ましく、オーキシンとしては、インドール酢酸、イ
ンドール酪酸、ナフタレン酢酸。
2.4ジクロロフエノキシ酢酸などが適宜利用される。
また、サイトカイニンとしては、ベンジルアデニン、カ
イネチンなどが使用できる。これらの植物ホルモンやサ
イトカイニンは単独でも使用できるが、組合せて用いる
ことが効果的である。
増殖性のカルスの培養には、表1に示した組成の培地で
もよいが、さらに増殖性を改善するためには、ココナツ
ミルク、カゼイン加水分解物、ジャガイモ抽出液、コー
ンステイープリカー、イーストエキストラクト、麦芽抽
出液などの天然有機栄養源を添加することが有効である
。培養温度は28〜37℃で培養操作できるが、好まし
くは33〜36℃である。培養液のpHは弱酸性(pH
5,6〜6.0)が増殖に有利である。
このようにして得られたごまのカルス細胞から高温度で
安定に増殖できる細胞を育成するには。
ジェランガムまたは寒天による固体平板培地に細胞の小
塊を移植し、これを後記の増殖条件で1〜2週間培養を
行なう、このときの培養温度は33〜36℃に維持する
ことが好ましい。
さらに、多数の高濃度培養細胞の培養系統の中より、増
殖性の高い培養系統を選択し、その細胞集団から、更に
細胞の小塊を多数取り出し、これらを新しい培地に移植
することによって、更に多数の培養系統を作る。こうし
た細胞の培養系統の継代培養を5〜10回、33〜36
℃の高温度で、くり返すことによって、高温度で安定に
増殖できる、ごま培養細胞を育成する。
培養して得た増殖性細胞から抗酸化物質を抽出するには
、セルラーゼやリゾチームを用いる生物学的処理、化学
的処理1機械的ないし超音波などの処理、又はこれを組
合わせたりして細胞を破壊し、メタノール、エタノール
、アセトン、クロロホルムその他の有機溶媒、水などの
単独ないしは、これらの有機溶媒と水との混合液で抽出
して回収できる。
抗酸化物質の活性の分析は、リノール酸を反応基質とす
る空気による自動酸化量をロダン鉄法によって測定する
方法を用いる。この方法は、脂質の過酸化を調べるのに
用いられる常法である。
(アグリカルチュラル・アンド・バイオロジカル・ケミ
ストリー(Agricultural and Bio
logicalChemisty)第45巻、735頁
(1981年))次に本発明により育種され、高温度培
養ができる。ごま培養細胞の取得について実験工程を追
って詳細に説明する。
1、無菌的に生育したごま芽ばえの調製ごま種子を、よ
く水洗したのち、75%エタノール水溶液に数秒間浸漬
する。これを別に用意した殺菌水で洗浄し、ついで0.
1%ベンザルコニウム・クロライド(市販殺菌剤)液に
2〜5分間浸漬して種子に付着している微生物を殺菌す
る。この種子を再び殺菌水でよく洗浄したのち、1%次
亜塩素酸ナトリウム(和光純薬製)(0,1%の界面活
性剤ツイーン20を含む)の殺菌剤液によって、30分
間処理して、ごま種子を完全に殺菌する。
いっぽう、殺菌した、ふた付きの広口容器(プラスチッ
ク製市販品)を用意する。これに表1に示した組成の基
本培地(ただし蔗糖は添加せず、固化剤として寒天の場
合0.8〜1.5%、ジュランガムの場合0.2〜0.
3%を添加した)を別途オートクレーブ殺菌したものを
、広口容器に注いで固化させ播種用の固型培地とする。
また、殺菌水と殺菌したガーゼを、広口容器に殺菌的に
入れて、播種用の床としてもよい、このような播種用の
培地又は床に、殺菌処理をしたごま種子を無菌操作によ
って播種する。28〜30℃の恒温室で蛍光灯の光のも
とで保温すると、殺菌処理したごま種子は死滅すること
なしに1発芽し、10日間程度で良さ3〜5c−のごま
芽ばえが調製できる。このごま芽ばえは、完全に無菌状
態であり、増殖性細胞の育種に利用される。
2、ごま由来の増殖性細胞塊の誘導培養表1に示した組
成の基本培地に、オーキシンとして、ナフタレン酢酸(
10−”〜10−’M)、あるいは、2.4ジクロロフ
エノキシ酢酸(10″″″〜10−’M)、サイトカイ
ニンとして、ベンジルアデニン(10−”〜lO−’M
) 、あるいはカイネチン(10″″′〜10−’M)
を組合せて添加した。各種組成の培地を調合する。これ
に、固化剤としてジェランガム0.2%または寒天0.
8%を加えて、pHを5.7に調整したのち、微生物培
養に常用されるペトリディッシュに分注して固化する。
これに、先に述べたように無菌的に調製したごまの芽ば
えの断片を移植し、温度28〜30℃の恒温室又は恒温
箱の中で、暗所で培養を行なうと、培養2〜3週間後に
は、ごま芽ばえの切断片の切り口より、細胞が増殖し、
塊となってカルスを形成する。この増殖性のカルスを、
同一組成の培地に継代培養することによって、大きなカ
ルスを育てることができる。
カルスの人工的な誘導に用いる基本培地は表1に示した
培地組成(ムラシゲ−スクーグの培地)を用いたが、植
物の細胞培養に通常用いられている培地ならいづれでも
使用できる。こうした培地の基本組成は、当業界におい
てよく知られている。
(植物細胞培養マニュアル、講談社(1984))3、
カルス細胞の増殖培養細胞の育成 ごまの芽ばえより誘導した増殖性細胞塊(カルス)は1
表1に示した組成の培地、ナフタレン酢酸(1〜5×1
0″″sM)、ベンジルアデニン(1〜5×10−’M
)などのオーキシンやサイトカイニンを添加したものに
、更に固化剤としてジュランガム0.2%又は寒天0.
8%を加えて滅菌、固化した培地を用いて、安定に増殖
する細胞を育成する。
ごま細胞は暗所でもよく増殖するが、明所の方が、更に
増殖は活発である。したがって3 、000〜30,0
00ルクス、好ましくはa、ooo〜15,000ルク
スの明所においてよく増殖することが観察される。
温度は、30〜37℃でも増殖するが、好ましくは、3
3〜36℃で培養することができる。
ごまのカルスから高温度で安定に増殖できる細胞を育成
するには、ジュランガム又は寒天による固体平板培地に
細胞の小塊を移植し、これを前記の増殖条件で1〜2週
間培養を行なう。
このときの培養温度はカルス細胞の誘導培養に用いた温
度よりも高温度にする。すなわち培養温度を33〜36
℃に維持して、旺盛に増殖する細胞を濃縮することがで
きる。
このようにして得た多数の培養系統の中より、増殖性の
旺盛な培養系統を選択し、その細胞集団から、更に細胞
の小塊を多数取り出し、これらを新しい培地に移植する
ことによって、再び多数の培養系統を調製する。こうし
た細胞の培養系統の継代培養を5〜10回くり返すこと
によって、33〜36℃の高温度で安定に増殖できる、
ごま細胞を育成する。
4、増殖性細胞の培養 安定に継代培養が可能なごま細胞の増殖培養には、表1
に示した組成の培地が用いられるが、植物細胞の培養に
通常よく用いられている組成の培地も利用できる。この
ような基本培地に、オーキシントして、ナフタレン酢酸
(1〜5 X 1G−’M)、サイトカイニンとして、
ベンジルアデニン(1〜5 X 10−”M)を加えた
ものを調合する。液体培養の場合にはそのまま増殖培養
に使用できるが、固体培地での培養の時には、これにジ
ュランガム0.2%又は寒天0.8%を加えて、滅菌、
固化させて使用する。細胞の増殖には光を照射するのが
有利である0通常3.000〜3G、Gooルクス、好
ましくはa、ooo〜15,000ルクスの照射であれ
ばよい。温度は28〜37℃で増殖するが好ましくは3
3〜36℃でよく増殖培養ができる。液体培養は、通常
の微生物の培養に用いられる振とう培養法や通気撹拌培
養法が適用できるが、微生物の培養に比較して、ゆるや
かな条件で操作するのが好ましい、微生物の培養に比較
して、酸素の必要盆は著しく少なくてよいから、わずか
に空気を通気しつつ、細胞が培養液の底に沈でんしない
程度の攪拌を行うことが増殖に好ましい。
増殖培養を更に効果的に行なうためには、培養液のpH
を5.6〜5.8に維持するのがよい。
通常の増殖培養では、1〜2週間で培養が終了するから
、培養液から細胞を遠心分離法などの常法で回収するこ
とが可能である。また固体培養の場合には、増殖した細
胞塊は容易に回収できる。
かくして、工業的な規模で、生産が可能なごま細胞の育
成を行い、これを多量に増殖培養することが出来るので
ある。
このような操作によって取得された高温度培養が出来る
ごま培養細胞の増殖量と培養温度との関係を第1図に示
す、植物細胞を通常培養する時に用いられている25〜
28℃の温度における増殖量に比べて、35〜36℃で
は、約2倍以上の増殖量を示しており増殖速度も早くな
ることから工業的な植物細胞の培養において、有効に使
用できるものである。
5、抗酸化性物質の抽出及び分析 上記によって得た増殖性のカルス細胞を、ブレンダー等
で細かく破砕したのち1石英砂と共に磨砕する。これを
メタノールなどの溶媒で抽出し、無水硫酸ナトリウムに
よって脱水し、30〜35℃で蒸発乾固する。再びメタ
ノールに溶解させて、抗酸化性物質を含んだ分画を得る
次に抗酸化活性の分析法について述べる。リノール酸を
反応基質とする方法であり、油脂の酸化の程度を測定す
るためによく用いられているロダン鉄法を利用するもの
である。即ち油脂の自動酸化により生成する過酸化物に
よって二価鉄イオンが三価鉄イオンに酸化され、これが
チオシアン酸アンモニウムと反応し赤色のロダン鉄を生
成させ。
その吸光度を測定することから、油脂の過酸化物の量を
求める方法である。
分析法の概略は次のとおりである。
50+aQの三角フラスコにリノール酸0.13afl
、99.5%エタノール10mQ、0.2Mリン酸バッ
ファ −1On+Qおよびメタノールに溶かしたサンプ
ルを適当量入れ、さらに水を加えて全量を25mQにす
る。これをパラフィルムで密封し、40℃の恒温筒中に
放置し。
経時的に測定する。測定は、これから0.2謙Ωをとり
、75%エタノール9.4mj1.30%チオシアン酸
アンモニウム水溶液0.2mfl、2X10−”M塩化
第1鉄の3.5%塩酸溶液0.2mflを加えよく撹拌
し正確に3分後に500ナノメーターの吸光度を測定す
る。
コントロールとしてはサンプルを添加しないリノール酸
とエタノールとリン酸バッファーと水だけのものを作り
、比較測定する。サンプル中に抗酸化物質があるときに
は、500ナノメーターの吸光度の上昇がコントロール
より低くなる。
以下に実施例及び試験例をもって本発明を説明するが、
これらは例示であって1本発明を制限するものではない
なお、本発明に係る各細胞は、通常のごま植物を用い、
前記した手法及び後記する実施例の手法にしたがってご
ま成体細胞をそれぞれ処理すれば容易に取得することが
でき、充分に再現性があることが確認された。原料の入
手にも何の困難性もなくその処理にも格別の困難は無い
ので、本発明に係る細胞は、何人も容易に入手すること
ができるのである。
実施例1 (1)ごま(Sesamum 1ndicua+ L、
)の種子を用意し、これを75%エタノール液に数秒間
浸漬したのち、殺菌した蒸留水で2回水洗した。これを
0.1%ベンザルコニウムクロライド液(せ槽化学産業
■fR)に2分間浸漬した。殺菌した蒸留水で3回よく
洗浄したのち、1%次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬)
0.1%ツイーン20(和光純薬)を含む殺菌剤液に3
0分間浸漬し、殺菌水で水洗して殺菌ごま種子を調製し
た。
植物培養用のプラスチック製容器(フロー・ラボラトリ
−社製)に殺菌水と殺菌したガーゼを入れ、その上に、
予め殺菌したごま種子を播種した。
30℃の恒温室で20ワツトの蛍光灯の光のもとで2週
間放置したところ、長さ5〜7c園のごま芽ばえが得ら
れた。
(2)表1に示した組成の培地2aを調製し、これを等
分し、それぞれの100mRに、ジュランガム(三栄化
学工業製)0.2%と、表2に示した実験条件のサイト
カイニン、オーキシンを添加して、増殖性細胞塊(カル
ス)の誘導培地とした。これらを常法どうり120℃、
10分間のオート多レープ殺菌処理をした。
これらの培地を、温かいうちに、直径10cmのプラス
チック製ペトリディッシュにそれぞれ3枚宛30mQづ
つ分注し、室温で固化させた。
これに(1)で調製した。ごま芽ばえを無菌操作によっ
て、茎1葉を5〜7m朧の切片に切断して、ペトリディ
ッシュの固型培地上に移植した。水分の蒸発を防止する
ためパラフィルム(アメリカン・カン社製)で封をし、
28〜30℃の恒温室にて暗所で3週間放置してごま芽
ばえ切片からのカルスの誘導を行ない、表2の結果を得
た。
表  2 サイトカイニン オーキシン  カルスの誘導状態1 
      ÷÷◆ 0.1       ◆◆ 0.01 2.4ジクロロフエノキシ酢酸 5X10””M l           ÷ 0.1       ++ 0.01       ◆◆÷◆ 1               十十十+0.1  
     ÷◆+ 0、Ol 2.4ジクロロフエノキシ酢酸 5X10−’M      ÷ 1          + 0.1       +÷+ 0.05       ++++ +:カルス誘導の量を示す、十印が多いほど良好である
−:カルス誘導なし。
(3)表1の組成の基本培地に、ジュランガム0.2゜
%、ナフタレン酢酸5X10−’M、ベンジルアデニン
1×10″″′Mを添加した培地600@Qを(1)と
同様にして殺菌調製した。これをプラスチック製ペトリ
ディッシュ20枚に、それぞれ30m!宛分注して固化
させた。(1)で誘導培養して得た増殖性カルスを。
ペトリディッシュ当り4ケ宛移植した。33〜36℃、
12、Gooルクスの光の植物細胞培養装置の中で、2
週間培養を行った。増殖性の良好な細胞集塊を選抜し、
これを種細胞として、33〜36℃で継代培養を4回く
り返した。かくして、高温度で安定に増殖する培養細胞
を育成した。この細胞をN、B、5−HT(ナフタレン
酢酸5X10−’M、ベンジルアデニンlXl0″″′
Mで継代培養したごま培養細胞)と命名した。
(4)表1の組成の基本培地にジュランガム0.2%、
ナフタレン酢酸5XIO−’M、ベンジルアデニンlX
l0−Mを添加した培地IQを(1)と同様にして殺菌
調製した。これを直径4cm、深さ13c園の植物細胞
培養用のガラス製容器に40−a宛分注して固化させた
。(3)で継代培養して育成してごまの増殖性細胞N、
 B、 5−HT細胞の5〜7IIIII角を移植して
35〜36−℃、12.OQOルクスの晃の植物細胞培
養装置の中で10日間培養を行った。その結果、培養容
器中に増殖した細胞の生重量は平均14.5gであった
この細胞のうち60gを乳ばちに取り、6gの石英砂を
加えて5分間磨砕したのち80%エタノール水溶液20
0園Ωを加えてよく撹拌し抗酸化性物質を抽出した。こ
れを遠心分離(2,500回転/分、10分間)して上
澄液を集め、細胞残渣には再び200w、 Qの80%
エタノール水溶液を加えて抽出した。3回の工タノール
水溶液による抽出液を集め40℃でロータリエバポレー
ターにて蒸発乾固し、黄褐色の抽出物4.8gを取得し
た。
試験例1 本発明によって調製した抗酸化性物質のすぐれた抗酸化
効果を次のようにして確認−した。
実施例によって得た抽出物100−gを100園gの8
0%エタノール水溶液に溶かしく1mg/鳳g濃度)抗
酸化性物質の分析サンプルとした。これの1+saをサ
ンプルとしてリノール酸の自動酸化の抑制の程度をロダ
ン鉄法によって測定した。その結果、第2図からも明ら
かなように、ごま増殖細胞から抽出した分画(1mg)
には、α−トコフェロール(0,2鵬g)あるいは、ブ
チルヒドロキシアニソール g)に相当する高い活性の抗酸化性物質が含まれている
ことが確認された。
(発明の効果) 本発明は、高温度増殖性ごま細胞を培養容器の中で多量
に調製するという全く新しい方法を提供し、それによっ
て、ごま細胞中に含まれている抗酸化性物質を工業的に
大量生産することを可能としたものである.したがって
本発明の方法によれば、栽培によらず工業的な手段によ
って安全な食品添加物として使用される天然物由来の抗
酸化性物質を計画的に且つ大量に供給することができる
という著効が奏されるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は,高温度培養細胞の増殖量と培養温度の関係を
示す。 第2図は、リノール酸を反応基質とした自動酸化の経過
をロダン鉄法により分析した,リノール酸の酸化曲線で
ある。 −・−:対照区 一〇ー:αートコフェロール区 一Δ− ニブチルヒドロキシアニソール区−・−:高温
度培養・ごま細胞区 代理人 弁理士 戸 1)親 男 第  1   図 増養温泉(0C) 第  2  図 反底・日数

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ごま(Sesamum indicum L.)
    の植物成体細胞を高温で馴養培養することを特徴とする
    耐熱性を有する高温度培養細胞の製造方法。
  2. (2)ごま(Sesamum indicum L.)
    の植物成体から誘導して得た高温度培養細胞。
  3. (3)ごま(Sesamum indicum L.)
    の植物成体から誘導して得た高温度培養細胞を培地で高
    温培養することを特徴とする抗酸化性物質含有細胞の製
    造方法。
JP63039580A 1988-02-24 1988-02-24 ごま培養細胞及び抗酸化性物質含有細胞 Pending JPH01215282A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991013165A1 (en) * 1990-02-20 1991-09-05 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Production and use of antioxidant glycoside

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991013165A1 (en) * 1990-02-20 1991-09-05 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Production and use of antioxidant glycoside
EP0471081A1 (en) * 1990-02-20 1992-02-19 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Production and use of antioxidant glycoside
EP0471081A4 (en) * 1990-02-20 1993-04-28 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Production and use of antioxidant glycoside

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