JP3618857B2 - ゴマ種子処理物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴマ種子処理物に関する。各種のゴマ種子処理物が特有の風味を有する食品として広く利用されている。そして近年では、これらのゴマ種子処理物は、ゴマ種子中に生理活性物質としてセサミン、セサミノール、セサモリノール等の油溶性のリグナンの他に、ピノレジノール配糖体、セサミノール配糖体等の水溶性のリグナン配糖体が含まれているところから、機能性食品としても注目されている。本発明は水溶性のリグナン配糖体であるセサミノール3配糖体を高濃度で含有する新規のゴマ種子処理物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴマ種子処理物として、ゴマ種子を焙煎した煎りゴマ、煎りゴマを擂った擂りゴマ、煎りゴマを細かく擂り潰して練った練りゴマ等が使用されている。ところが、これらのゴマ種子処理物には、50重量%程度の脂質が含まれているため、高カロリーに過ぎ、とりわけ焙煎時に前記した水溶性のリグナン配糖体が殆ど分解してしまうため、その含有量が極めて少ないという欠点がある。
【0003】
別に、大量のゴマ種子がゴマ油の製造原料として使用されている。ゴマ油は一般に、ゴマ種子を機械的圧搾で搾油したものである。ところが、このゴマ油には、その性質上、前記した水溶性のリグナン配糖体が含まれていないという欠点がある。一方、上記のようにゴマ油を搾油すると、その圧搾残渣として所謂ゴマ粕が発生する。ところが、このゴマ粕には、ゴマ油の搾油工程で相当の熱を受け、水溶性のリグナン配糖体が殆ど分解してしまうため、その含有量が極めて少ないという欠点があり、そもそも蛋白分解物や油脂酸敗物等に起因して暗色を呈し、異味異臭を有するため、食品としては供し難いという欠点がある。所謂ゴマ粕は飼料或は肥料として使用されているに過ぎないのである。
【0004】
ゴマ種子から前記した水溶性のリグナン配糖体を分離する方法は公知である(特開平6−116282、特開平6−306093)。しかし、この方法はその操作が極めて厄介であり、前記した水溶性のリグナン配糖体の収率も低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のゴマ種子処理物では、生理活性物質である水溶性のリグナン配糖体、より詳しくはセサミノール3配糖体の含有量が少なく、或はまたそもそも食品としては供し難い色調、香味及び食感を有する点である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、セサミノール3配糖体を高濃度で含有しており、同時に食品として優れた色調、香味及び食感を有する新規のゴマ種子処理物を得るべく研究した結果、脱皮ゴマ種子に所定の溶剤抽出処理を施したものが正しく好適であることを見出した。
【0007】
すなわち本発明は、脱皮ゴマ種子を原料とし、下記の第1工程、第2工程及び第3工程を経て得られるゴマ種子処理物であって、乾物1g当たりセサミノール3配糖体を3.0mg以上の割合で含有するゴマ種子処理物に係る。
第1工程:脱皮ゴマ種子を、120℃以下の温度で、抽出溶剤として脂肪族炭化水素を用いた抽出処理に供して該脱皮ゴマ種子から油脂分を抽出し、次いでその抽出系から溶液分を分離して、該抽出溶剤を10重量%以下の割合で含有する脱皮及び脱脂ゴマ種子を得る工程
第2工程:第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子100重量部当たり水を10〜200重量部の割合で加えて含水物を得る工程
第3工程:第2工程で得た含水物から、20〜120℃の温度で、抽出溶剤を留去し、実質的に抽出溶剤を含有しない水分10重量%以下のゴマ種子処理物を得る工程
【0008】
本発明のゴマ種子処理物は、脱皮ゴマ種子を溶剤抽出により脱脂した、実質的に抽出溶剤を含有しない処理物であって、詳しくは後述するように、食品として優れた色調、香味及び食感を有し、とりわけ乾物1g当たり水溶性のリグナン配糖体であるセサミノール3配糖体を3.0mg以上の割合で含有するものである。したがって本発明のゴマ種子処理物は、単なる食品としてだけでなく、機能性食品として供し得るものである。
【0009】
かかるゴマ種子処理物は、下記の第1工程、第2工程及び第3工程を経ることにより得られる。第1工程では、脱皮ゴマ種子を、120℃以下の温度で、抽出溶剤として脂肪族炭化水素を用いた抽出処理に供して該脱皮ゴマ種子から油脂分を抽出し、次いでその抽出系から溶液分を分離して、該抽出溶剤を10重量%以下の割合で含有する脱皮及び脱脂ゴマ種子を得る。
【0010】
第1工程に供する脱皮ゴマ種子としては、ゴマ種子を公知の方法で剥皮したものが適用できる。かかる剥皮方法としては、ゴマ種子を水の存在下で摺り合わせることにより剥皮する所謂機械剥皮法、ゴマ種子をアルカリ水溶液を用いて撹拌することにより剥皮する所謂薬剤剥皮法等がある。第1工程に供する脱皮ゴマ種子としては、かくしてゴマ種子を剥皮し、そして乾燥したものを用いるのが好ましく、更に破砕したものを用いるのがより好ましい。溶剤抽出による脱脂効率を上げるためである。
【0011】
第1工程では、上記のような脱皮ゴマ種子を溶剤を用いた抽出処理に供して該脱皮ゴマ種子から油脂分を抽出する。用いる抽出溶剤は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素であるが、ヘキサンが好ましい。抽出には公知の抽出装置を適用できる。かかる抽出装置としては、回分式抽出装置、半向流多段式抽出装置、向流連続式抽出装置等がある。
【0012】
抽出は120℃以下の温度で行なうが、室温〜80℃の温度で行なうのが好ましい。抽出温度が120℃を越えると、ゴマ種子中に含まれる、したがって脱皮ゴマ種子中に含まれる水溶性のリグナン配糖体が急激に分解するからである。
【0013】
かくして脱皮ゴマ種子を溶剤を用いた抽出処理に供して該脱皮ゴマ種子から油脂分を抽出した後、その抽出系から溶液分を分離して固形分を得る。分離には公知の分離方法を適用できる。かかる分離方法としては、遠心分離法、加圧濾過法、減圧濾過法等があり、分離に際しては常圧下又は減圧下に抽出溶剤を留去する方法を組み合わせることもできる。いずれにしても、これらは120℃以下の温度で行なう。所望により、分離した溶液分からゴマ油を回収できることはいうまでもない。
【0014】
溶液分を分離して得た固形分は脱皮及び脱脂ゴマ種子であるが、この脱皮及び脱脂ゴマ種子中における抽出溶剤の含有割合を10重量%以下とすることが肝要である。後述する第2工程において、脱皮及び脱脂ゴマ種子中への水の吸収を容易にするためである。
【0015】
第2工程では、第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子に水を加えて含水物を得る。ここでは第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子100重量部当たり水を10〜200重量部の割合で加えるが、水を20〜80重量部の割合で加えるのが好ましい。含水物を得る方法としては、第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子に、水を加えて均一に撹拌する方法、水を噴霧する方法等が適用できる。
【0016】
第2工程では、水と共にエチルアルコールを加えるのが好ましい。この場合、水100重量部当たりエチルアルコールを50〜200重量部の割合で加えるが、エチルアルコールを75〜150重量部の割合で加えるのがより好ましい。エチルアルコールを併用する場合、当初から所定濃度のエチルアルコール水溶液を用いるのが有利である。
【0017】
また第2工程では、水としてpH7〜9の緩衝水を用いるのが好ましい。かかる緩衝水としては、公知のものを適用できるが、食品の安全性から見て、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、グリシン・塩化ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液を用いたものが有利である。
【0018】
第2工程で、水と共にエチルアルコールを併用すると、或は水としてpH7〜9の緩衝水を用いると、或はまたpH7〜9の緩衝水と共にエチルアルコールを併用すると、後述する第3工程において水溶性のリグナン配糖体であるセサミノール3配糖体をより高濃度で含有し、しかも色調、香味及び食感のより良いゴマ種子処理物を得ることができる。
【0019】
第3工程では、第2工程で得た含水物から抽出溶剤を留去して実質的に抽出溶剤を含有しないゴマ種子処理物を得る。抽出溶剤の留去には公知の方法及び装置を適用できるが、いずれにしても20〜120℃の温度で行なうことが肝要であり、この範囲内であっても可及的に低温且つ短時間で行なうことが好ましい。
【0020】
上記のゴマ種子処理物はその水分を10重量%以下とするが、好ましくは5重量%以下とする。水分が10重量%を越えると、特に12重量%以上になると、保存条件によっては腐敗等により異味異臭及び着色を生じ易くなるからである。
【0021】
ゴマ種子に含まれる水溶性のリグナン配糖体としては、1)セサミノール、セサモリノール及びピノレジノール等をアグリコンとするリグナン分子中の水酸基に対して多分子のグルコースが結合した構造不明のリグナン多配糖体(特開昭62−238287)、2)これらのセサミノール多配糖体にβ−グルコシターゼを作用させて得られるいずれも構造が決定されたセサミノールモノグリコシド及びセサミノールジグリコシド(特開平6−306093)、3)構造が決定されたピノレジノールトリグリコシド(特開平6−116282)が知られている。第3工程で得られるゴマ種子処理物には、かかる水溶性のリグナン配糖体としてセサミノールトリグリコシド(セサミノール3配糖体)が乾物1g当たり3.0mg以上、通常は3.0〜6.0mgの割合で含まれており、上記したその他のリグナン配糖体は殆ど含まれていない。
【0022】
以上説明した第1工程、第2工程及び第3工程を経て得られるゴマ種子処理物は、実質的に抽出溶剤を含有せず、乾物1g当たりセサミノール3配糖体を3.0mg以上の割合で含有していて、しかも食品として優れた色調、香味及び食感を有する。したがって本発明のゴマ種子処理物は、単なる食品としてだけでなく、機能性食品として供することができる。具体的に機能性食品として供するに際しては、ゴマ種子処理物を粉砕、分級、造粒等の手段により、任意の粒度や形状を有するものに加工することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態としては、下記の1)〜5)が挙げられる。いずれの場合も、実質的に抽出溶剤を含有せず、乾物1g当たりセサミノール3配糖体を4.0mg以上の割合で含有していて、食品として優れた色調、香味及び食感を有するゴマ種子処理物が得られる。
【0024】
1)先ず、市販の脱皮ゴマ種子をロール圧扁し、これにヘキサンを加えて、50℃で1時間抽出処理して油脂分を抽出した後、室温下で吸引濾過により溶液分を分離して、ヘキサンを1.5重量%含有する脱皮及び脱脂ゴマ種子を得る。次に、この脱皮及び脱脂ゴマ種子100重量部当たり水を40重量部の割合で噴霧し、撹拌して、含水物を得る。最後に、この含水物から、1KPaの減圧下に、80℃で抽出溶剤を留去し、ゴマ種子処理物を得る。
【0025】
2)上記の1)における水40重量部の代わりに、水/エチルアルコール=100/80(重量比)のエチルアルコール水溶液72重量部を用い、その他は上記1)と同様にしてゴマ種子処理物を得る。
【0026】
3)上記の1)における水40重量部の代わりに、水/エチルアルコール=100/120(重量比)のエチルアルコール水溶液88重量部を用い、その他は上記1)と同様にしてゴマ種子処理物を得る。
【0027】
4)上記の1)における水40重量部の代わりに、pH7.1の緩衝水40重量部を用い、その他は上記1)と同様にしてゴマ種子処理物を得る。
【0028】
5)上記の1)における水40重量部の代わりに、pH8.8の緩衝水/エチルアルコール=100/100(重量比)のエチルアルコール水溶液80重量部を用い、その他は上記1)と同様にしてゴマ種子処理物を得る。
【0029】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の構成及び効果をより具体的にするが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0030】
【実施例】
試験区分1{ゴマ種子処理物の製造(第2工程で水を使う場合)とその分析及び評価}
ゴマ種子処理物の製造
次の各例のゴマ種子処理物を製造した。
・実施例1
市販の脱皮ゴマ種子1kgをロール圧扁機により破砕して試料を得た。第1工程として、前記試料を撹拌機付き容器にとり、ヘキサン1リットルを加え、温度50℃で1時間撹拌し、次いで内容物を室温下、吸引濾過機にかけて固形分と溶液分とに分離した。ここで固形分として得た脱皮及び脱脂ゴマ種子の抽出溶剤含有率は1.5%であった。第2工程として、この脱皮及び脱脂ゴマ種子200gに水80gを噴霧し、撹拌して含水物を得た。第3工程として、この含水物280gを真空乾燥機に移した後、1KPaの減圧下、80℃で5時間かけて抽出溶剤を留去し、ゴマ種子処理物180gを得た。
【0031】
・実施例2
実施例1の第3工程において、含水物280gを熱風乾燥機に移した後、80℃で7時間、静置状態で抽出溶剤を留去し、その他は実施例1と同様にして、ゴマ種子処理物184gを得た。
【0032】
・実施例3
実施例1の第2工程において、水80gに代えて水120gとし、その他は実施例1と同様にして、ゴマ種子処理物180gを得た。
【0033】
・実施例4
市販の脱皮ゴマ種子1kgをエキスペラーにより圧搾して残脂分30%の試料を得た。第1工程として、前記試料を撹拌機付きオートクレーブにとり、ヘキサン1リットルを加え、1MPaの加圧下、温度100℃で1時間撹拌し、次いで内容物を室温下、遠心分離機にかけて固形分と溶液分とに分離した。ここで固形分として得られた脱皮及び脱脂ゴマ種子の溶剤含有率は4.3%であった。第2工程として、この脱皮及び脱脂ゴマ種子200gに水180gを噴霧し、撹拌して含水物を得た。第3工程として、この含水物280gを熱風乾燥機に移した後、110℃で4時間、静置状態で抽出溶剤を留去し、ゴマ種子処理物172gを得た。
【0034】
・比較例1
実施例1の第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子を第2工程を経由することなくそのまま真空乾燥機に移した後、1KPaの減圧下、80℃で5時間抽出溶剤の留去を行なったが、この時点で340ppmの残留ヘキサンが検出されたので、更に常圧下、150℃で3時間、抽出溶剤の留去を引き続いて行ない、ゴマ種子処理物177gを得た。
【0035】
・比較例2
実施例1の第1工程において、吸引濾過に代えて自然濾過を行ない、溶剤含有率20%の脱皮及び脱脂ゴマ種子を得た。この脱皮及び脱脂ゴマ種子について、実施例1と同様の第2工程及び第3工程を経由したが、第3工程において1KPaの減圧下、80℃で5時間抽出溶剤の留去を行なったが、この時点で230ppmの残留ヘキサンが検出されたので、更に常圧下、150℃で3時間、抽出溶剤の留去を引き続いて行ない、ゴマ種子処理物144gを得た。
【0036】
・比較例3
実施例1の第3工程において、抽出溶剤の留去を1KPaの減圧下、80℃で5時間行なう代わりに、常圧下、150℃で3時間行ない、その他は実施例1と同様にして、ゴマ種子処理物177gを得た。
【0037】
ゴマ種子処理物の分析及び評価
製造した各例のゴマ種子処理物について、ゴマ種子処理物の分析及び評価等をいずれも下記の方法により行ない、残留ヘキサン、セサミノール3配糖体及び水分を分析し、また色調を測定して、更に香り、味及び食感を官能評価した。結果を表1及び表2に示した。
【0038】
・残留ヘキサン
各例のゴマ種子処理物3gを2,2,4−トリメチルペンタン30mlと蒸留水20mlとの混合液に分散した。この分散物を2,2,4−トリメチルペンタンが蒸留される条件下で蒸留して、ヘキサンと2,2,4−トリメチルペンタンとの混合液20mlを蒸留した。この混合液に、内部標準としてノルマルドデカン1000ppmを加えた後、2,2,4−トリメチルペンタンで25mlにメスアップして分析試料とした。この分析試料を下記の条件でガスクロマトグラフィに供して、残留ヘキサンを分析した。尚、測定値が信頼限界の5ppm以下である場合は検出せずと表示した。検出せずと表示したゴマ種子処理物は実質的に抽出溶剤として使用したヘキサンを含有していないことを意味する。
・・ガスクロマトグラフィの条件
固定相:ガスクロ工業社製のTC−1
カラム径:0.53mm,カラム長:30m
キャリアガス:窒素,キャリアガス流速:6ml/分
注入口温度:150℃,検出器温度:200℃
カラム温度:50℃に8分間保持した後、1分間に10℃の昇温速度で200℃まで昇温、200℃で2分間保持
検出器:FID
検量線用標準液:ヘキサン成分として2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、ノルマルヘキサン及びメチルシクロペンタンを、また内部標準としてノルマルドデカンをそれぞれ用い、これらを2,2,4−トリメチルペンタンで所定濃度に希釈して検量線用標準液とした。尚、残留ヘキサンは2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、ノルマルヘキサン及びメチルシクロペンタンの合計量で表示した。
【0039】
・セサミノール3配糖体
各例のゴマ種子処理物50gを撹拌機付きの容器にとり、80%エタノール水溶液250mlを加えて、室温で12時間撹拌した。不溶物を遠心分離にて分離し、上澄液を得た。この上澄液をミリポアフィルターで濾過して、セサミノール3配糖体の分析試料とした。この分析試料を下記の条件で高速液体クロマトグラフィに供して、セサミノール3配糖体を分析した。尚、標準試料としてのセサミノール3配糖体は Phytochemistry 35巻,773〜776(1994)に記載の方法で得たものを使用した。
・・高速液体クロマトグラフィの条件
固定相:野村化学社製のデベロシルODS−10
カラム径:6mm,カラム長:250mm
展開溶剤:30%メチルアルコール水溶液から80%メチルアルコール水溶液まで、40分間のリニアグラジエント
展開溶剤流量:1ml/分
検出器:UV(290nm)
【0040】
・色調
各例のゴマ種子処理物について、色彩色差計(ミノルタカメラ社製のCR−100)で、L値、a値、b値を測定した。測定は3回行ない、平均値を表示した。
【0041】
・官能評価
各例のゴマ種子処理物について、香り、味及び食感を、下記の50人のパネラーにより官能評価した。評価は、1〜5点の5点法で行ない、評価の点数は良好なものほど高い点数とした。各評価項目ごとに50人のパネラーの評価結果を集計し、その平均値及び標準偏差を表示した。
パネラー:20才〜29才の男性6名と女性6名、30才〜39才の男性7名と女性7名、40才〜49才の男性5名と女性5名、50才〜59才の男性4名と女性4名、60才〜69才の男性3名と女性3名、以上合計50名
【0042】
【表1】
Figure 0003618857
【0043】
表1において、
*1:溶剤留去を1KPaの減圧下で行なった、以下同じ
添加水量:第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子100部に対する水の添加量、以下同じ
**:表2の比較例1に対して各実施例が1%以下の危険率で有意であることを示す、以下同じ
【0044】
【表2】
Figure 0003618857
【0045】
表2において、
*2:溶剤留去を、1KPaの減圧下、80℃で5時間行なった後、更に常圧下、150℃で3時間行なった
【0046】
試験区分2{ゴマ種子処理物の製造(第2工程でエチルアルコール水溶液を使う場合)とその分析及び評価
次の各例のゴマ種子処理物を製造し、これらを試験区分1と同様に分析及び評価して、結果を表3に示した。
・実施例5及び6
実施例1の第2工程における水80gに代え、実施例5では水/エチルアルコール=80/64(重量比)のエチルアルコール水溶液144gを、また実施例6では水/エチルアルコール=80/96(重量比)のエチルアルコール水溶液176gを用い、その他は実施例1と同様にして、実施例5ではゴマ種子処理物181gを、また実施例6ではゴマ種子処理物180gを得た。
【0047】
【表3】
Figure 0003618857
【0048】
表3において、
エチルアルコールの比率:水100重量部に対するエチルアルコールの添加量、以下同じ
【0049】
試験区分3{ゴマ種子処理物の製造(第2工程で緩衝水を使う場合)とその分析及び評価
次の各例のゴマ種子処理物を製造し、これらを試験区分1と同様に分析及び評価して、結果を表4に示した。
・実施例7及び8
実施例1の第2工程における水80gに代え、実施例7ではリン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液によりpH7.1とした緩衝水80gを、また実施例8ではグリシン・塩化ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液によりpH8.8とした緩衝水/エチルアルコール=80/80(重量比)のエチルアルコール水溶液160gを用い、その他は実施例1と同様にして、実施例7ではゴマ種子処理物182gを、また実施例8ではゴマ種子処理物181gを得た。
【0050】
【表4】
Figure 0003618857
【0051】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、実質的に抽出溶剤を含有せず、セサミノール3配糖体を高濃度で含有していて、しかも食品として優れた色調、香味及び食感を有する新規のゴマ種子処理物を得ることができるという効果がある。

Claims (3)

  1. 脱皮ゴマ種子を原料とし、下記の第1工程、第2工程及び第3工程を経て得られるゴマ種子処理物であって、乾物1g当たりセサミノール3配糖体を3.0mg以上の割合で含有するゴマ種子処理物。
    第1工程:脱皮ゴマ種子を、120℃以下の温度で、抽出溶剤として脂肪族炭化水素を用いた抽出処理に供して該脱皮ゴマ種子から油脂分を抽出し、次いでその抽出系から溶液分を分離して、該抽出溶剤を10重量%以下の割合で含有する脱皮及び脱脂ゴマ種子を得る工程
    第2工程:第1工程で得た脱皮及び脱脂ゴマ種子100重量部当たり水を10〜200重量部の割合で加えて含水物を得る工程
    第3工程:第2工程で得た含水物から、20〜120℃の温度で、抽出溶剤を留去し、実質的に抽出溶剤を含有しない水分10重量%以下のゴマ種子処理物を得る工程
  2. 第2工程において、水と共に該水100重量部当たり50〜200重量部の割合でエチルアルコールを加える請求項1記載のゴマ種子処理物。
  3. 第2工程において、水としてpH7〜9の緩衝水を用いる請求項1又は2記載のゴマ種子処理物。
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