JP3150835B2 - リグナン配糖体およびリグナン類の製造法 - Google Patents
リグナン配糖体およびリグナン類の製造法Info
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Description
し発芽させたごま種子を原料とするリグナン配糖体の製
造法、および前記リグナン配糖体に特定の酵素剤を作用
させるリグナン類の製造法に関する。
糧種子として広く食用に供されてきた。近年、ごま種子
中の特徴的な化合物としてリグナン類が注目され、抗酸
化活性を初めとする様々な生理機能に関する研究がなさ
れている(たとえば、並木満夫、小林貞作編、「ゴマの
科学」、朝倉書店、1989年)。
を超える優れた抗酸化活性を有するセサミノール:(テ
トラヒドロ−1−〔6−ヒドロキシ−3,4−(メチレ
ンジオキシ)フェニル〕−4−〔3,4−(メチレンジ
オキシ)フェニル〕−1H,3H−フロ〔3,4−C〕
フラン)、P−1:(テトラヒドロ−1−(3−メトキ
シ−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔3,4−(メチ
レンジオキシ)フェニル〕−1H,3H−フロ〔3,4
−C〕フラン)、セサモリノール:(テトラヒドロ−1
−〔3−メトキシ−4−ヒドロキシフェノキシ〕−4−
〔3,4−(メチレンジオキシ)フェニル〕−1H,3
H−フロ〔3,4−C〕フラン)、ピノレジノール:
(テトラヒドロ−1,4−ジ(3−メトキシ−4−ヒド
ロキシフェニル)−1H,3H−フロ〔3,4−C〕フ
ラン)等のフェノール性リグナン類が含まれ、その多く
は糖化合物(リグナン配糖体)としてごま種子またはそ
の脱脂粕中に存在することが明らかにされている(Bios
ci.Biotech.Biochem.、56巻、2087〜2088
頁、1992年)。従って、これら強力な抗酸化活性を
有するリグナン類を工業的に採取し活用するためには、
より多量のリグナン配糖体を調製し、それを効率的に加
水分解することが必要であった。
て、トコフェロールやセサモール以外のフェノール性の
抗酸化性物質を生成することが報告されている(日本食
品工業学会誌、32巻、407〜412頁、1985
年)。また、ごま種子の植物成体から誘導した増殖細胞
から、抗酸化性物質あるいは抗光酸化性物質を抽出する
方法が報告されている(日本農芸化学会1991年度大
会要旨集、236頁、1991年、特公平4−2147
5号公報、特開平5−124949号公報)。しかしな
がら、これらに開示されている化合物は、いずれも微量
に存在する新規の抗酸化性物質であって、ごま脱脂粕中
に比較的多量に存在するリグナン配糖体類に関する知見
ではない。従って、ごま種子の発芽過程におけるリグナ
ン配糖体含量の変化はこれまで明らかにされていなかっ
た。
グナン類の製造法としては、ごま種子あるいは脱脂粕を
アルコールで抽出し、その抽出物にβ−グルコシダーゼ
を作用させ、糖鎖を切断し、酢酸エチル等の溶剤を用い
て分離する方法(特公昭62−44793号公報)等が
知られている。しかしながら、かかる方法ではβ−グル
コシダーゼの基質特異性により、ごま種子中のリグナン
配糖体の一部しか加水分解することができずリグナン類
の生産効率が低いことや、β−グルコシダーゼが比較的
高価な酵素剤であること等の理由から、この方法を用い
て工業的規模でごまリグナン類を製造することは行なわ
れていないのが現状である。
ま種子から多量のリグナン配糖体を容易に採取する方法
を開発すること、またβ−グルコシダーゼ法による前記
欠点のない簡便かつ安価なリグナン類の製造法を提供す
ることを目的とした。
を達成するため、ごま種子中のリグナン配糖体およびリ
グナン類の調製法について鋭意検討した結果、第一に
は、ごま種子は、その発芽過程において、種子そのもの
に比べ、リグナン配糖体の含有量を増加させ、蓄積する
ことを見い出した。第二には、ごま種子あるいは脱脂粕
から得られる酵素剤によってリグナン配糖体を加水分解
し、リグナン類を調製できることを見い出した。本発明
はかかる知見に基づき完成されたものであり、生のごま
種子を発芽条件下で加湿しまたは発芽させ、リグナン配
糖体を増加せしめ、リグナン配糖体を多量に製造する方
法であり、またこのリグナン配糖体にごま種子から分離
した加水分解酵素を作用させるリグナン類の製造法に関
する。
加熱のごま種子を原料とし、適当な条件下で加湿しある
いは培養して発芽させた後、これを粉砕物または脱脂粕
となし、含水アルコールで抽出することを特徴とする水
溶性のリグナン配糖体の製造法である。
び産地の如何を問わず使用することができる。これを、
水中または水分を含有できる適当な培地、例えば寒天、
石英砂、海砂、脱脂綿、砂、土等の好ましくは滅菌処理
した培地に均一に撒き、15〜50℃、好ましくは30
〜40℃にて水分を適時に補いながら、5〜100時
間、好ましくは24〜72時間培養を行なう。培養は照
光下または暗条件下のいずれでも構わない。水で膨潤ま
たは発芽したごま種子を培地から分離した後、食品用ミ
キサーやブレンダー、ホモジナイザー等の粉砕機に入れ
粉砕する。ここで粉砕物はヘキサン等の有機溶媒で油分
を抽出して除去した脱脂粕としてもよい。次にリグナン
配糖体を抽出可能な含水アルコールを、原料種子に対し
て1〜10倍容量/重量(以下、倍(v/wt)と表す)
添加し、要すれば粉砕および抽出操作を繰り返し行な
い、常法により固形物を除去して含水アルコール抽出物
を得る。
〜4の直鎖状もしくは側鎖状低級アルコール、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等と水を混合し、アルコール濃度を30
〜100%容量/容量(以下、%(v/v)と表す)、
好ましくは50〜95%(v/v)に調節したものがよ
い。30%(v/v)未満のアルコール濃度では、目的
物を含まない水溶性多糖類が多量に抽出されることにな
り好ましくない。なお該抽出物は、適宜に濃縮すればよ
いが、後述する酵素加水分解によるリグナン類の製造を
引き続き行なう場合は、少なくともアルコール分を除去
しておくことが必要である。該抽出物は、リグナン配糖
体の他種々の糖鎖化合物を含む混合物である。
の不純物を除くために以下の処理を行うことが望まし
い。すなわち、油溶性の不純物質を除く為に、抽出物に
対して2〜10倍(v/wt)の非水溶性の有機溶媒、例
えば酢酸エチルやヘキサンと水を加えて抽出し、遠心分
離等により二相に分離する。有機溶媒相を除き、水相を
濃縮乾固させる。このとき目的のリグナン配糖体は水相
側に濃縮される。また、水溶性の不純物を除く為に、抽
出物に対して少量、好ましくは1〜5倍(v/wt)の含
水アルコール(アルコール濃度30〜100%(v/
v))に分散させ、これを緩やかに撹拌している比較的
多量、好ましくは10〜200倍(v/wt)のアルコー
ルに滴下する。静置後、遠心分離または分別ろ過等によ
り沈殿物を除いた後、濃縮乾固する。なお必要であれば
これらの操作を繰り返す。かかる処理に用いるアルコー
ルは、前記ごま種子の粉砕物の抽出時に用いられるアル
コール類と同様のものでよい。
サミノールを主成分としてほかにセサモリノール、P−
1、ピノレジノール等のリグナン類とグルコース、ガラ
クトース等の糖類とが結合したものであり、特にグルコ
ースが2〜3分子結合したジおよび/またはトリグルコ
シドリグナン類を主要成分とするものの混合物である。
これはブタノール、エタノール、メタノール、水等に可
溶な水溶性の物質である。なお、必要に応じてシリカゲ
ル、ODS等の吸着剤を使用して、セサミノール−ジ−
グルコシドやセサミノール−トリ−グルコシド等の個々
の成分に分画、精製することができる。リグナン配糖体
の各成分の構造は、前記方法で高純度に精製した成分
を、例えば塩酸加水分解してリグナン部と糖部に分け、
これらをそれぞれトリメチルシリル化してガスクロマト
グラフィーに供し、あるいは核磁気共鳴スペクトロスコ
ピー、マススペクトロスコピー等により分析し確認でき
る。
化性を持たないが、抗酸化性成分の前駆体として存在
し、糖結合の加水分解を受けるような、例えば生体内に
おいて特異的にその活性が期待される成分である。また
抗酸化性を有するリグナン類に比較して、これらは熱等
に対する安定性も高い(50℃、24時間加温後の分解
率は5%以下)。これらリグナン配糖体は、ごま脱脂粕
中100gまたはごま種子200g中に、約0.2〜
0.6ミリモル含まれるが、ごま種子を前記の適当な条
件下で加湿すると、その膨潤ないしは発芽と共にリグナ
ン配糖体の種子中含有量が増加し、特にセサミノール配
糖体を多量に蓄積する。本発明の方法によれば、加湿し
ないごま種子中のセサミノール配糖体含量に比べ、例え
ば加湿48時間後には、少なくとも3倍以上のセサミノ
ール配糖体を得ることができる。
いは非加熱のごま種子を原料とし、これを水または緩衝
液存在下で粉砕して得られる水溶性画分中に存在するリ
グナン配糖体加水分解酵素剤を用いたリグナン配糖体の
加水分解によるリグナン類の製造法である。
ず、酵素活性を消失させるような焙煎等の加熱処理を施
さなければ、その粉砕物および/または圧搾油粕で例示
されるものも本法では使用できる。かかる原料を、水ま
たはpH3〜7、好ましくはpH4〜6の緩衝液ととも
に、食品用ミキサーやブレンダー、ホモジナイザー等の
汎用の粉砕機に入れ粉砕する。粉砕後、遠心分離または
ろ過等の適当な手段を用いて細胞組織片からなる残渣を
除去する。必要であればさらにこの分離操作を繰り返
す。かくして得られる水溶性画分は濃縮してそのままリ
グナン配糖体の加水分解処理に用いることができるが、
以下のようにさらに精製すれば、より好適に使用でき
る。
水溶性有機溶媒、例えばヘキサン、酢酸エチルまたはブ
タノールを50〜200%(v/v)添加し、二相に分
離後、有機溶媒相を除去する。ついで、水相に20〜9
0%飽和度の硫酸アンモニウム、好ましくは、30〜7
5%(wt/v)を添加し塩析を行なう。遠心分離または
分別ろ過して得られる沈殿を、透析あるいはゲルろ過等
で脱塩処理する。さらに脱塩溶液を凍結乾燥等で濃縮処
理し、本発明で用いる白色粉末状の酵素剤(以下、ごま
酵素剤という)を得ることができる。なお要すれば、さ
らにイオン交換クロマトグラフィーや分子篩クロマトグ
ラフィー等によって適宜に精製することもできる。以上
のごま酵素剤の製造工程は、0〜25℃、望ましくは0
〜4℃の条件下で行なうことが好ましい。
もβ−グルコシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−ガラ
クトシダーゼおよびセルラーゼの各活性を有しており、
リグナン配糖体を加水分解する目的において特に有用で
ある。すなわち、本発明で得られるごま酵素剤は、広い
基質特異性と高い活性により、ごま種子中のほとんど全
てのリグナン配糖体をほぼ完全に加水分解できる。従っ
て本発明の方法によれば、β−グルコシダーゼのみを用
いる従来法では、セサミノール配糖体の大部分を加水分
解できないといった欠点を克服し、多量のリグナン類
(例えばβ−グルコシダーゼ法によるセサミノール収量
の約9.7倍)を製造することが可能となる。
物すなわちリグナン配糖体混合物に、ごま酵素剤を作用
させ、リグナン類を製造する方法について説明する。ご
ま酵素剤による加水分解反応は、公知の加水分解酵素の
反応方法に準拠して行なえばよく、特に限定されるもの
ではない。また該酵素剤は、適当な基材に固定化し連続
使用が可能としたものであっても構わないが、通常以下
のように行なう。すなわち、リグナン配糖体混合物を1
〜20倍(v/wt)の水または緩衝液(pH2〜6)に
分散ないし溶解させ、該混合物に対して0.1〜30%
(wt/wt)、好ましくは1〜10%(wt/wt)のごま酵
素剤を添加し、10〜50℃で1〜50時間、好ましく
は5〜15時間、望ましくは緩やかに撹拌しながら、糖
鎖を加水分解反応せしめる。ついで該反応液に酢酸エチ
ル、ブタノールあるいはヘキサン等の非もしくは難水溶
性有機溶媒を加えて抽出することにより、目的のリグナ
ン類を得ることができる。
ールを主成分としてセサモリノール、P−1、ピノレジ
ノール等の混合物であり、酢酸エチル、ブタノール、ヘ
キサン、食用油脂等に可溶な油溶性かつ水に不溶性であ
る。なお、必要に応じてシリカゲル、ODS等の吸着剤
を使用して、個々の成分に分画、精製することができ
る。従来の天然抗酸化性成分を超える強い抗酸化活性を
有するこれらのリグナン類は、そのままで、あるいは必
要に応じて高純度化して、もしくは他の公知成分と混合
して、油脂類、食品、化粧品、農薬、飼料、医薬品等の
抗酸化剤として利用できる。
のバットに敷き、そのうえに中国産ごま種子10gを撒
き、蒸留水を十分に噴霧しながら、40℃の恒温槽中で
発芽させた。発芽率は80%以上であった。発芽状態が
同程度の一定量の発芽体を経時的にサンプリングし、各
々を100mlの含水メタノール(80%(v/v))と
ともにブレンダーで粉砕した。残渣をろ過し、ろ液を濃
縮乾固した後、得られた固形物をヘキサンおよび酢酸エ
チルで2度ずつ洗浄して含水メタノール抽出物(リグナ
ン配糖体抽出物)を得た。各含水メタノール抽出物を1
00mlの含水メタノールに再溶解し、HPLCに供して
組成を分析した。
ー社製)にカラム(Soken PakODS−W5μ、10mm
φ×250mm)、紫外吸収検出器(UV−8000、東
ソー社製)を接続し、溶出は、水:メタノールが90:
10から60分後に同10:90となる直線グラジエン
トを用い、流速を1ml/min、検出波長は288nmとし
た。
分取HPLCに繰り返して供し、各成分が単一になるま
で精製した後、各成分を構成するリグナン及び糖を次の
方法で分析した。すなわち各成分の精製物にIN塩酸を
加え、100℃で30分間加水分解せしめた後、酢酸エ
チルで抽出し、酢酸エチル層及び水層に分けた。酢酸エ
チル層は40℃以下で濃縮乾固、TMS−PZ(東京化
成工業社製)でトリメチルシリル化処理し、ガスクロマ
トグラフィー(GLC)に供してリグナンを定量分析し
た(外標準:セサミン)。
ューレットパッカード社製5890、カラム:DB−1
7HT(15m×0.319mm、film thickness:
0.15μm、J&W SCIENTIFIC社製)、
注入法:スプリット法(スプリット比1/10)、カラ
ム温度:270℃、キャリアガス:He。
(孔径:0.2μm、マイショリディスク W−13−
2、東ソー社製)で濾過し、濾液にアセトン5mlを加え
て減圧下で濃縮乾固後、TMS−PZ(前出と同じ)で
トリメチルシリル化処理し、これをGLCに供して糖を
定量分析した(外標準:グルコース、ガラクトース、フ
ルクトース)。
(15m×0.25mm、film thickness:1.0μ
m、J&W SCIENTIFIC社製)、注入法:ス
プリット法(スプリット比1/50)、カラム温度:1
80℃とする以外は前記リグナン分析の場合と同様であ
る。
糖体のうちの主成分であるセサミノール−トリ−グルコ
シドおよびセサミノール−ジ−グルコシドの含量を求
め、その合計値の経時変化を図1に示した。ごま種子は
発芽に伴い、リグナン配糖体の主成分であるセサミノー
ル配糖体を生成、蓄積し、24時間後には、セサミノー
ル−トリ及びジグルコシドの合計量が、発芽前に比べて
3倍量以上得られた。
0)300mlとともにブレンダーにて粉砕した。遠心分
離して残渣を除去後、水溶液に300mlのヘキサンを添
加し、軽く抽出後、再び遠心分離した。ヘキサンを除去
し、得られた水相に固形硫酸アンモニウムを75%飽和
度となるように少しずつ撹拌しながら添加した。添加し
て1時間放置後、遠心分離して沈殿を得た。この沈殿を
蒸留水5mlに溶解後、透析用セロファンチューブに充填
し、3リットルの蒸留水に対して15時間透析し脱塩し
た。脱塩後、凍結乾燥してごま酵素剤(300mg)を得
た。
β−D−グルコピラノシド、p−ニトロフェニル−α−
D−グルコピラノシド、P−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシドおよびセルロースパウダーを用い
て、常法により加水分解試験を行った結果、β−グルコ
シダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ
およびセルラーゼの各活性を有していた。
タノール抽出物(リグナン配糖体抽出物)100mgと、
実施例2で得たごま酵素剤10mgとを20mM酢酸緩衝
液(pH5.0)20mlに溶解し、50℃で15時間振
とうして加水分解反応を行なわしめた。反応液に酢酸エ
チル30mlを加えて2度抽出した。水層と酢酸エチル層
とを分離後、酢酸エチル層を常法により無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを減圧留去して抽出物
(10mg)を得た。該抽出物中のリグナン類含量をガス
クロマトグラフィーおよびマススペクトロスコピーによ
り分析した。ごま種子100g当たりのリグナン類の含
量および組成を表1に示した。表1から本実施例の方法
によれば後述する比較例に比べ、セサミノールは約29
倍量、リグナン類の総量としても8.3倍量が得られ
た。
発芽させずにそのまま含水メタノールにて同様に抽出し
た。得られた含水メタノール抽出物(リグナン配糖体抽
出物)100mgと市販のβ−グルコシダーゼ剤(スイー
トアーモンド由来、フナコシ社製、10000units/
g)20mgとを20mM酢酸緩衝液(pH5.0)20
mlに溶解し、以下実施例3と同様に加水分解、抽出およ
び分析処理した。リグナン類の含量および組成を実施例
3と同じ基準で求め、その結果を表1(比較例1)に示
した。
プリングした原料から得た各含水メタノール抽出物(リ
グナン配糖体抽出物)を、実施例3に記載の方法で加水
分解した。得られた各リグナン類の経時変化を図2に示
した。セサミノール量は、ごま種子の発芽条件下の加湿
ないし発芽にともない急速に増加し、24時間以降一定
に達した。
の加湿ないし発芽させることにより、種子中のリグナン
配糖体含量を増加せしめることができる。またこれを含
水アルコールで抽出することにより、加湿せずに抽出す
る従来法に比べ、多量のリグナン配糖体、とくにジまた
は/およびトリグルコシドリグナンを主成分とする水溶
性グルコシドリグナン類を容易に製造できる。さらにこ
の含水アルコール抽出物に、ごま種子から調製したリグ
ナン配糖体加水分解活性を有する酵素剤を作用させるこ
とにより、抗酸化性物質として知られるリグナン類(セ
サミノール、セサモリノール、P−1、ピノレジノール
等)を、従来法に比べて多量にかつ安価に製造できる。
/v)メタノールで抽出したときの抽出物収量と、該抽
出物中のセサミノール配糖体類の生成量とを、ごま種子
の培養時間とともにプロットしたものである。横軸は、
ごま種子の培養時間、縦軸は前記メタノール抽出物の重
量およびセサミノール配糖体の生成量を示す。
/v)メタノールで抽出したときの抽出物に、ごま種子
から調製した酵素剤を作用させた反応物中のリグナン類
生成量を、ごま種子の培養時間とともにプロットしたも
のである。横軸はごま種子の培養時間、縦軸はリグナン
類の生成量を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 ごま種子を発芽条件下の加湿ないし発
芽させることにより該種子中のリグナン配糖体を増加さ
せ、その粉砕物または脱脂粕を含水アルコールで抽出す
ることを特徴とするリグナン配糖体の製造法。 - 【請求項2】リグナン配糖体がジグルコシドリグナンお
よび/またはトリグルコシドリグナンを主成分とする水
溶性グルコシドリグナン類である請求項1に記載の製造
法。 - 【請求項3】 ごま種子を発芽条件下の加湿ないし発
芽させることにより該種子中のリグナン配糖体を増加さ
せ、その粉砕物または脱脂粕の含水アルコール抽出物
に、ごま種子より調製した少なくともβ−グルコシダー
ゼ、α−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼおよび
セルラーゼの各活性を有する酵素剤を作用させることを
特徴とするリグナン類の製造法。 - 【請求項4】リグナン類が少なくともセサミノールであ
る請求項1、2または3に記載の製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31607993A JP3150835B2 (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | リグナン配糖体およびリグナン類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31607993A JP3150835B2 (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | リグナン配糖体およびリグナン類の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07145066A JPH07145066A (ja) | 1995-06-06 |
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ID=18073023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31607993A Expired - Lifetime JP3150835B2 (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | リグナン配糖体およびリグナン類の製造法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3150835B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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JP3618857B2 (ja) * | 1995-10-02 | 2005-02-09 | 竹本油脂株式会社 | ゴマ種子処理物 |
JP4729660B2 (ja) * | 2005-01-07 | 2011-07-20 | 株式会社 シードライフテック | ブドウ種子を原材料としたポリフェノールの製造方法 |
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-
1993
- 1993-11-22 JP JP31607993A patent/JP3150835B2/ja not_active Expired - Lifetime
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