JPH1180001A - 高脂血症予防剤 - Google Patents
高脂血症予防剤Info
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- JPH1180001A JPH1180001A JP9261019A JP26101997A JPH1180001A JP H1180001 A JPH1180001 A JP H1180001A JP 9261019 A JP9261019 A JP 9261019A JP 26101997 A JP26101997 A JP 26101997A JP H1180001 A JPH1180001 A JP H1180001A
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Abstract
る。 【解決手段】有効成分として、ごま種子から分離される
特定構造のセサミノールトリグルコシドを用いた。
Description
する。現在、死亡率の高い成人病疾患の一つとして心臓
血管疾患が挙げられており、その予防と改善に係る成人
病対策が大きな社会的関心を呼んでいる。心臓血管疾患
の危険要因として、高コレステロール血症が指摘されて
おり、血清コレステロール値と冠状動脈疾患並びにそれ
による死亡率との間には、因果関係が存在することが既
に知られている。高コレステロール血症の進行により逐
次循環器系各部へのコレステロールの沈着や軟細胞組織
中への蓄積がおこり、各種の心臓血管疾患が発生する。
本発明はかかる高コレステロール血症、すなわち高脂血
症に対する予防剤に関し、特にごま種子由来のセサミノ
ールトリグルコシドを有効成分とする高脂血症予防剤に
関する。
の過剰摂取を避け、更に油脂を摂取する場合にはコレス
テロールや飽和脂肪酸の少ない油脂として植物油や魚油
が良いと巷でいわれているが、その効果は疫学的に見て
必ずしも信憑性の高いものではない。植物油との関係で
は、ごま油中に含まれる油溶性リグナン(例えばセサミ
ン)や米糠油中に含まれるα−オリザノールが血清中の
コレステロール値を降下させることが報告されているが
(特開平4−145021)、これらのものはいずれも
油溶性であるため、その使用に制約が伴い、油脂類と一
緒に摂取しないと効果的でなく、これらを効果的に摂取
しようとすると、必然的に脂質の過剰摂取につながる危
惧がある。
する課題は、その使用に制約を伴わず、脂質を過剰摂取
することなく高脂血症を予防できる剤を提供する処にあ
る。
上記の課題を解決するべく研究した結果、ごま種子中に
含まれる特定構造を有する水溶性のセサミノールトリグ
ルコシドを有効成分とするものが正しく好適であること
を見出した。
セサミノールトリグルコシドを有効成分とする高脂血症
予防剤に係る。
ールトリグルコシドは、セサミノール2’−O−β−D
−グルコピラノシル(1→2)−O−[β−D−グルコ
ピラノシル(1→6)−β−D−グルコピラノシドであ
り、自然界にはごま種子中に存在する。本発明は式1で
示されるセサミノールトリグルコシドをごま種子から分
離する方法を特に制限するものではなく、その分離方法
としては例えば勝崎らの開示した方法(ヒトケミストリ
ー( phytochemistry )35巻3号、773−776
頁、1994年)が適用できる。すなわちごま種子を脱
脂しそして破砕したものを80%エタノール水を用いて
抽出処理した後、その抽出物をシリカゲルカラムを用い
て分画し、更にその分画物をODSカラムを用いた液体
クロマトグラフィーに供して、式1で示されるセサミノ
ールトリグルコシドを高純度品として分取する。
ドは、詳しくは後述するように、優れた高脂血症予防作
用を有する。したがって、本発明に係る高脂血症予防剤
の有効成分としては、ごま種子から分離されたセサミノ
ールトリグルコシドそれ自体を使用することができる
が、いずれもかかるセサミノールトリグルコシドを含有
する以下に説明するような分離処理物、更には脱脂物も
使用することができる。
に係る高脂血症予防剤の有効成分として使用する分離処
理物は、ごま種子を脱脂処理し、その脱脂物を水、水溶
性溶媒又はこれらの混合溶媒を用いて抽出処理した抽出
液から分離処理を行なって得られるものである。かかる
分離処理物には、1)前記した抽出液から溶媒を除去し
て得られるもの、2)前記した抽出液を吸着剤で処理し
て、セサミノールトリグルコシド以外の抽出溶媒に対し
て可溶性の不純物を除去した抽出液から溶媒を除去して
得られるもの、3)前記した抽出液を吸着剤で処理し
て、セサミノールトリグルコシドを含む吸着性成分をこ
れに吸着させ、次いで該吸着性成分を吸着剤から脱着・
溶出させて得られるものが包含される。
ための水溶性溶媒としてはエタノールが好ましく、また
混合溶媒としては水−エタノール混合溶媒が好ましい。
これらの1)〜3)の分離処理物のうちでも3)のもの
が好ましく、なかでも下記の第1工程、第2工程及び第
3工程を経て得られるものがより好ましい。 第1工程:ごま種子を脱脂処理し、その脱脂物から50
℃以上の熱水を用いて熱水可溶性成分を抽出して、該熱
水可溶性成分が溶解した抽出液を得る工程 第2工程:第1工程で得た抽出液とビニル芳香族炭化水
素系重合体製の高分子系吸着剤とを接触させて該抽出液
中の熱水可溶性成分に含まれる吸着性成分を該高分子系
吸着剤に吸着させ、該吸着性成分が吸着した高分子系吸
着剤を得る工程 第3工程:第2工程で得た高分子系吸着剤から40〜8
0容量%のエタノール水を用いて該高分子系吸着剤に吸
着した吸着性成分に含まれるセサミノールトリグルコシ
ドを脱着溶出させ、該セサミノールトリグルコシドが溶
解したエタノール水を得る工程
リグルコシドの溶解したエタノール水から適宜の方法に
よって溶媒を除去することにより分離処理物が得られ
る。
水の温度は50℃以上とするが、60℃以上とするのが
好ましい。脱脂物に対する熱水の使用割合は脱脂物10
0重量部当たり熱水を700〜1000重量部とするの
が好ましい。抽出処理により得られる抽出液は脱脂物に
含まれる熱水可溶性成分が溶解したものとなる。
とビニル芳香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤と
を接触させて抽出液に含まれる吸着性成分を該高分子系
吸着剤に吸着させる工程である。ここで用いるビニル芳
香族炭化水素系重合体製の高分子系吸着剤としては、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体製の高分子系吸着剤
が好ましいが、なかでもBET表面積が80〜1000
m2/gであって且つ気孔率(ヘリウム気孔率、以下同
じ)が0.1〜1.5ml/gのものが好ましい。高分子
系吸着剤の使用割合は抽出液の1/10〜1/30倍量
とするのが好ましい。
出液の中に加えて30〜70℃の温度で撹拌するのが好
ましい。かくして抽出液と高分子系吸着剤とを接触させ
ることにより、抽出液中の熱水可溶性成分に含まれる吸
着性成分が高分子系吸着剤に吸着されるので、吸着性成
分が吸着した高分子系吸着剤を公知の固液分離方法によ
って取り出す。
系吸着剤から40〜80容量%のエタノール水を用いて
高分子系吸着剤に吸着した吸着性成分中に含まれるセサ
ミノールトリグルコシドを脱着溶出させる工程である。
脱着溶出に用いるエタノール水は45〜75容量%のエ
タノール水が好ましく、またセサミノールトリグルコシ
ドを脱着溶出させるときの温度は15〜50℃とするの
が好ましく、更に高分子系吸着剤に対するエタノール水
の使用割合は高分子系吸着剤の2〜4倍量とするのが好
ましい。高分子系吸着剤からセサミノールトリグルコシ
ドを脱着溶出させる方法としては、1)吸着性成分が吸
着した高分子系吸着剤を充填したカラムにエタノール水
を常圧又は加圧下で通液する方法、2)吸着性成分が吸
着した高分子系吸着剤をエタノール水中に加えて撹拌す
る方法等が挙げられる。2)の方法でセサミノールトリ
グルコシドを脱着溶出させた場合には、脱着溶出後の高
分子系吸着剤を、デカンテーション、遠心分離、濾過等
の公知の方法で分離する。
トリグルコシドを脱着溶出させると、セサミノールトリ
グルコシドが溶解したエタノール水が得られるので、こ
のエタノール水からエタノール及び水を除いて分離処理
物を得る。この分離処理物は、乾物換算でセサミノール
トリグルコシドを20〜30重量%含んでいる。
トリグルコシドを分離する場合も、またごま種子から前
記した分離処理物を得る場合も、ごま種子としては脱皮
されていないごま種子或は脱皮されたごま種子を使用で
きるが、後の脱脂処理、更には抽出処理をし易くするた
め、脱皮されたごま種子を使用するのが好ましく、脱皮
に加えて破砕されたものを使用するのがより好ましい。
またごま種子としては未焙煎のものを使用するのが好ま
しい。かかるごま種子の脱脂処理としては圧搾搾油する
方法或は溶剤抽出する方法がある。圧搾搾油により脱脂
処理する場合、脱脂物は圧搾搾油残渣として得られ、ま
た溶剤抽出により脱脂処理する場合、脱脂物は抽出残渣
として得られる。溶剤抽出により脱脂処理する場合の溶
剤としてはヘキサンのような脂肪族炭化水素或はエタノ
ールのような脂肪族低級アルコールを使用できる。
成分として使用する脱脂物について説明する。この脱脂
物はごま種子を溶剤抽出により脱脂処理した脱脂物であ
る。この場合も、ごま種子としては脱皮されていないご
ま種子或は脱皮されたごま種子を使用できるが、後の脱
脂処理をし易くするため、脱皮されたごま種子を使用す
るのが好ましく、脱皮に加えて破砕されたものを使用す
るのがより好ましい。またごま種子としては未焙煎のも
のを使用するのが好ましい。具体的には例えば、ごま種
子に抽出溶剤として5〜10倍量のヘキサンのような脂
肪族炭化水素を加えて撹拌した後、抽出系から固形分を
取り出し、取り出した固形分から抽出溶剤を留去して、
抽出残渣として脱脂物を得る。
係る高脂血症予防剤の有効成分として使用する脱脂物と
しては、乾物換算でセサミノールトリグルコシドを0.
3重量%以上且つ油分を10重量%以下の割合で含有す
るものが好ましく、油分を3重量%以下の割合で含有す
るものが特に好ましい。このような脱脂物は下記の第1
工程、第2工程及び第3工程を経ることにより得ること
ができる。 第1工程:脱皮されたごま種子に抽出溶剤として脂肪族
炭化水素を加えて撹拌した後、その抽出系から溶液分を
取り除いて、抽出溶剤を10重量%以下の割合で含有す
る固形分を得る工程 第2工程:固形分に水を加えて含水物を得る工程 第3工程:含水物から抽出溶剤を留去し、脱脂物を得る
工程 上記のような第1工程、第2工程及び第3工程を経て得
られる脱脂物それ自体は公知であり、特開平9−987
50号公報に記載されている。
以上説明したような、1)セサミノールトリグルコシド
を有効成分とするもの、2)分離処理物を有効成分とす
るもの、或は3)脱脂物を有効成分とするものである。
これらは経口投与することができ、その投与量は通常、
成人1日当たり、セサミノールトリグルコシドとして数
100〜2000mgの範囲である。これらを有効成分と
する本発明に係る高脂血症予防剤は、高脂血症疾患症状
を呈していない健康成人に対して高脂血症疾患症状が発
現しにくいという予防効果を有し、また高脂質(高コレ
ステロール)含量の食事を日常的に摂取している健康成
人に対しても高脂血症疾患症状が発現しにくいという予
防効果を有する。
1)〜3)が好適例として挙げられる。 1)ごま種子を破砕し、その破砕物にヘキサンを加えて
抽出処理し、抽出系から固形分を取り出して、取り出し
た固形分を乾燥し、脱脂物を得る。この脱脂物に80重
量%のエタノール水を加えて抽出処理し、その抽出系か
ら抽出液を取り出して、取り出した抽出液を乾燥し、抽
出物を得る。この抽出物に80重量%のエタノール水を
加え、その溶液をポリスチレンゲルカラムに吸着させた
後、60%メタノール水溶液による溶出画分を分取し、
これを濃縮する。その濃縮物をODSカラムを用いた液
体クロマトグラフィーに供し、メタノール/水=1/1
(V/V)を移動相として、保持時間15〜17分で流
出する画分を回収し、その回収溶液を乾燥して実質的に
純粋な形態のセサミノールトリグルコシド(S−1)を
得る。このセサミノールトリグルコシド(S−1)を有
効成分とする高脂血症予防剤。
る。この脱脂物に100℃の熱水を加えて抽出処理し、
その抽出系から抽出液を取り出す。取り出した抽出液に
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製の乾燥粒状高分
子系吸着剤(BET表面積300m2/g、気孔率0.
70ml/g)を加え、撹拌した後、溶液分を取り除い
て、湿潤状態の高分子系吸着剤を得る。湿潤状態の高分
子系吸着剤をガラス製カラムに充填し、このガラス製カ
ラムに60容量%エタノール水を通液して、溶出液を得
る。この溶出液を乾燥してセサミノールトリグルコシド
を27.0重量%の割合で含有する分離処理物(S−
2)を得る。この分離処理物(S−2)を有効成分とす
る高脂血症予防剤。
これに抽出溶剤としてヘキサンを加えて抽出処理し、そ
の抽出系から固形分を取り出す。取り出した固形分に水
を噴霧して含水物とする。この含水物から減圧下に抽出
溶剤を留去してセサミノールトリグルコシドを0.43
重量%の割合で含有する脱脂物(S−3)を得る。この
脱脂物(S−3)を有効成分とする高脂血症予防剤。
果を具体的にするが、本発明がこれらの実施例に限定さ
れるというものではない。尚、以下の実施例において、
別に記載しない限り、部は重量部を、また%は重量%を
意味する。
り、ヘキサン1リットルを加えて室温で5時間撹拌した
後、濾過した。濾過後の固形分に対して同様の操作を更
に2回繰り返し、固形分を室温で通風乾燥して、脱脂物
115g得た。この脱脂物115gをフラスコに採り、
エタノール736g及び水184gを加えて、室温で1
5時間撹拌した後、濾過して、濾液355gを得た。こ
の濾液を40℃以下の温度で減圧下に80gまで濃縮
し、更に凍結乾燥して、抽出物2.7gを得た。この抽
出物0.5gを80%エタノール水溶液に溶解し、ポリ
スチレンゲル(商品名アンバーライトXAD−2、ロー
ムアンドハース社製)を充填したガラス製カラムの上部
より流入して、ポリスチレンゲルに吸着させた。そして
移動相として、水75mlから始めて、20%メタノール
水溶液75ml、40%メタノール水溶液75ml、60%
メタノール水溶液75ml、80%メタノール水溶液75
ml、メタノール75mlと順次流し、60%メタノール水
溶液で溶出した溶出液を集め、濃縮した。この濃縮物を
下記の条件で液体クロマトグラフィーを用いて更に分画
した。
野村化学社製) カラム径:10mm カラム長:250mm 移動相:メタノール/水=1/1(v/v) 移動相流量:2.5ml/分 検出:UV280nm ここで保持時間15〜17分で流出する区分を回収した
後、40℃以下の温度で減圧下に濃縮し、更に凍結乾燥
して、実質的に純粋な形態のセサミノールトリグルコシ
ド(S−1)19.0mgを得た。このものが式1で示さ
れるセサミノールトリグルコシドであることを、すなわ
ちセサミノール2’−O−β−D−グリコピラノシル
(1→2)−O−[β−D−グルコピラノシル(1→
6)]−β−D−グルコピラノシドであることを以下の
各種分析結果により確定した。
6nm(3.80) 比旋光度[α]D;−9.75
素) 2.88(H−1),4.65(H−2),3.76
(H−4a),4.16(H−4e),2.88(H−
5),5.16(H−6),3.98(H−8a),
4.16(H−8e),6.91(H−3’),6.7
5(H−6’),6.75(H−2”),6.77(H
−5”),6.75(H−6”),5.87(−O−C
H2−O−),5.91(−O−CH2−O−),5.1
9(G1),3.84(G2),3.81(G3),
3.50(G4),3.72(G5),3.80(G6
a),4.09(G6b),4.85(G1’),3.
29(G2’)3.48(G3’),3.40(G
4’),3.30(G5’),3.58(G6a’),
3.65(G6b’),4.39(G1”),3.21
(G2”),3.39(G3”),3.29(G
4”),3.17(G5”),3.60(G6a”),
3.62(G6b”)
素) 55.4(C−1),83.0(C−2),73.5
(C−4),55.4(C−5),87.4(C−
6),74.5(C−8),125.4(C−1’),
150.0(C−2’),100.4(C−3’),1
49.4(C−4’)144.8(C−5’),10
7.5(C−6’),136.3(C−1”),10
8.8(C−2”),149.6(C−3”),14
9.0(C−4”),110.5(C−5”),12
2.0(C−6”),103.4(−O−CH2−O
−),103.4(−O−CH2−O−),101.1
(G1),82.4(G2),77.7(G3),7
1.4(G4),77.4(G5),70.5(G
6),103.9(G1’),76.0(G2’),7
7.7(G3’),71.4(G4’),78.0(G
5’),63.0(G6’),104.7(G1”),
75.3(G2”),77.9(G3”),71.8
(G4”),78.1(G5”),62.4(G6”)
た脱脂物100部に100℃の熱水900部を加え、5
分間撹拌した後、減圧濾過して、抽出液700部を得
た。この抽出液700部にBET表面積300m2/g
で気孔率0.70ml/gのスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体製の高分子系吸着剤35部を加え、60℃に保
持して3時間撹拌した後、デカンテーションにより湿潤
状態の高分子系吸着剤40部を得た。湿潤状態の高分子
系吸着剤40部をガラス製カラムに充填し、このカラム
に60容量%エタノール水100部を20℃で通液し
て、溶出液100部を得た。この溶出液を濃縮し、更に
凍結乾燥してセサミノールトリグルコシドを27.0%
の割合で含有する分離処理物(S−2)を得た。尚、分
離処理物(S−2)中のセサミノールトリグルコシドの
含量は、分離処理物を60容量%エタノール水に溶解
し、高速液体クロマトグラフィー法で求めた。この際の
標準試料としては、試験区分1で得たセサミノールトリ
グルコシドを用いた。
砕して容器にとり、ヘキサン1リットルを加え、温度5
0℃で1時間撹拌した後、内容物を室温下で吸引濾過機
にかけて固形分と溶液分とに分離した。固形分の抽出溶
剤含有率は1.5%であった。この固形分200gに水
80gを噴霧し、撹拌して含水物とした。この含水物2
80gを真空乾燥機に移し、1KPaの減圧下に80℃
で5時間かけて抽出溶剤を留去して、セサミノールトリ
グルコシドを0.43%且つ油分を1.5%の割合で含
有する脱脂物(S−3)を得た。脱脂物(S−3)は実
質的に抽出溶剤として用いたヘキサンを含有していなか
った。尚、脱脂物(S−3)中のセサミノールトリグル
コシド、油分及びヘキサンの含量は特開平9−9875
0号公報記載の方法にしたがって求めた。
を1群8匹とし、A〜Eの5群に分けた。各群に対し
て、表1に示すような成分組成の飼育用餌をそれぞれ1
匹当たり120g/日(表1中のC〜E群についてはセ
サミノールトリグルコシドとして100mg/日)の割合
で与え、90日間飼育した。
12.5%、灰分8.7%、炭水化物46.1%の分析
値を有するウサギ用餌CR−3(商品名、日本クレア株
式会社製)。この普通食120gはカロリー300ca
lに相当する。
ム)の評価 90日間飼育後、実験動物を生体解剖に付し、心臓から
後脚付根部分までの大動脈を摘出し、これを縦方向(血
管の方向)に切開した。粥状斑(アテローム)の発生し
た血管内壁部分の占める面積の全血管内壁面積に対する
割合を算出し、各群毎の平均値を求めた結果を表2に示
した。
れ飼育開始後90日の時点で採血した。採取した血液か
ら、常法に従い血清を分離採取した。得られた血清につ
いて、段階的に遠心力を上げて超遠心分離処理を行な
い、LDL区分を分離した。分離したLDL区分を、
0.01%のEDTAを含むリン酸塩緩衝サリン(PB
S)に対し4℃で12時間透析処理した後、更にEDT
Aを含有しない2000倍量のPBSに対し4℃で12
時間透析処理して、低比重リポたんぱく(LDL)を得
た。
ぞれ血清LDL200μgを10μMの硫酸銅を含むP
BS1ml中に懸濁させ、これを37℃で2時間、温水浴
中でインキュベートし、血清LDLに対して、銅イオン
存在下で強制的に酸化処理を行った。インキュベーショ
ン後、酸化反応の停止のためにEDTAを添加してゆ
き、最終濃度が1mMとなるようにした。
脂質の量として常法により、1)TBA法によるチオバ
ルビツール酸反応性物質(TBARS)値及び2)HN
E−ELISA法によるHNE−変性たんぱく量を測定
した。これらの結果を表3に示した。
明には、優れた高脂血症予防作用を有するという効果が
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記の式1で示されるセサミノールトリ
グルコシドを有効成分とする高脂血症予防剤。 【式1】 - 【請求項2】 ごま種子を脱脂処理し、その脱脂物を
水、水溶性溶媒又はこれらの混合溶媒を用いて抽出処理
した抽出液から分離処理を行なって得られる分離処理物
を有効成分とする高脂血症予防剤。 - 【請求項3】 分離処理物が下記の第1工程、下記の第
2工程及び下記の第3工程を経て得られるものである請
求項2記載の高脂血症予防剤。 第1工程:ごま種子を脱脂処理し、その脱脂物から50
℃以上の熱水を用いて熱水可溶性成分を抽出して、該熱
水可溶性成分が溶解した抽出液を得る工程 第2工程:第1工程で得た抽出液とビニル芳香族炭化水
素系重合体製の高分子系吸着剤とを接触させて該抽出液
中の熱水可溶性成分に含まれる吸着性成分を該高分子系
吸着剤に吸着させ、該吸着性成分が吸着した高分子系吸
着剤を得る工程 第3工程:第2工程で得た高分子系吸着剤から40〜8
0容量%のエタノール水を用いて該高分子系吸着剤に吸
着した吸着性成分に含まれるセサミノールトリグルコシ
ドを脱着溶出させ、該セサミノールトリグルコシドが溶
解したエタノール水を得る工程 - 【請求項4】 ごま種子を溶剤抽出により脱脂処理した
脱脂物を有効成分とする高脂血症予防剤。 - 【請求項5】 脱脂物が脱皮ごま種子を脱脂処理したも
のであって、乾物換算でセサミノールトリグルコシドを
0.3重量%以上且つ油分を10重量%以下の割合で含
有するものである請求項4記載の高脂血症予防剤。 - 【請求項6】 脱脂物が油分を3重量%以下の割合で含
有するものである請求項5記載の高脂血症予防剤。 - 【請求項7】 経口投与剤である請求項1、2、3、
4、5又は6記載の高脂血症予防剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9261019A JPH1180001A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 高脂血症予防剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9261019A JPH1180001A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 高脂血症予防剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180001A true JPH1180001A (ja) | 1999-03-23 |
Family
ID=17355929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9261019A Pending JPH1180001A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 高脂血症予防剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180001A (ja) |
Cited By (5)
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