JP2007274985A - トゲドコロ由来処理物を含有する食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ヤムイモの中でも特にジオスゲニン含量の高い品種を原料として用いる、滋養強壮作用を有する機能性食品又は化粧料、もしくはその原料の製造方法を提供すること。
【解決手段】
ジオスゲニン含有率の高いトゲドコロ由来処理物含有食品又は化粧料を提供する。また原料として、トゲドコロ由来処理物を用いることを特徴とするジオスゲニンもしくはその配糖体の製造方法に関する。トゲドコロ由来処理物としては、トゲドコロの乾燥粉末、磨砕物が例示される。
【選択図】なし

Description

本発明は、健康食品分野および化粧料分野において有用な素材に関する。
ヤムイモには多くの種類があり、日本ではダイジョ、ジネンジョ、ナガイモ等の品種が主に栽培され、食用とされている。ヤムイモの一種であるトゲドコロは九州以南で栽培されており、その原産地はタイ、ベトナム辺りの地域であると言われている。
ジオスゲニンはサポニンのアグリコン部分であり、その分子内にdehydroepiandrosterone(DHEA)骨格をもつ。DHEAは体内では性ホルモンの前駆物質であることから、ジオスゲニンの摂取により性ホルモンの代謝に影響を与え、滋養強壮作用や骨粗しょう症、アルツハイマー病に対して効果を示すことが示唆されている(例えば、特許文献1および2)。また、ジオスゲニンは化粧料素材としても有用であることが示されている(例えば、特許文献3〜5)。
ヤムイモ類にはジオスゲニンやその配糖体が含まれていることが知られているが、その含有率は満足できるものではなく、よりジオスゲニン配糖体含有率の高いヤムイモが必要とされている。
特表2000−503020 特開2004−217666 特開2003−321344 特開2003−300862 特表2003−519647
本発明の目的は、ヤムイモの中でも特にジオスゲニンもしくはその配糖体含量の高い品種を原料として用いる、滋養強壮作用を有する機能性食品又は化粧料、もしくはその原料の製造方法を提供することにある。
種々のヤムイモの中から、トゲドコロが特にジオスゲニンもしくはその配糖体含有率の高いヤムイモであることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の第1の発明は、ジオスゲニンもしくはその配糖体含有率の高いトゲドコロ由来処理物を含有する食品又は化粧料に関する。本発明の第1の発明において、トゲドコロ由来処理物としては、トゲドコロの乾燥粉末、磨砕物が例示される。また、本発明の第1の発明において、トゲドコロ由来処理物中のジオスゲニン含有率としては、ジオスゲニン量換算で0.001重量%以上が例示される。
また、本発明の第2の発明は、原料としてトゲドコロ由来処理物を用いることを特徴とするジオスゲニンもしくはその配糖体の製造方法に関する。
本発明により、ジオスゲニンもしくはその配糖体含有率の高いトゲドコロ含有食品や化粧料が提供される。本発明の食品は、特に滋養強壮作用を有する機能性食品として有用である。また本発明により、食品や化粧品素材として有用なジオスゲニンもしくはその配糖体含有率の高い処理物の製造方法も提供される。
本発明において使用されるトゲドコロとは、学名Dioscorea esculentaと呼ばれる主に九州以南で栽培されているヤムイモの一種を示す。これまでにヤムイモ類にはジオスゲニンやその配糖体が含まれていることが知られていたが、本発明者らの試験の結果、すべてのヤムイモ類にジオスゲニンやその配糖体が含まれているわけではなく、特に大部分の国産ヤムイモにはジオスゲニンやその配糖体は含まれていないか、もしくは極めて低含有率であり、特定のヤムイモにのみ高含有率で含まれていることが判明した。中でもトゲドコロは特にジオスゲニンやその配糖体含有率が高い種であることが明らかになった。日本での栽培を考慮すれば、ジオスゲニンやその配糖体含有率の高い国産種のヤムイモを見出したことは、極めて有用なことである。
トゲドコロはいずれの部位由来でもよく、特に限定はないが、例えば茎塊、根、茎、葉、又はこれらの混合物を使用することができ、特に好適には、茎塊を使用することができる。また、ジオスゲニンやその配糖体は茎塊の外皮の部分に多く含まれていることから、特に限定はないが、よりジオスゲニンやその配糖体含有率の高いトゲドコロ処理物を得るためには茎塊の外皮を除外せずに処理物を取得することが好ましい。トゲドコロは特に限定はなく市販のものを使用することができる。また、トゲドコロの収穫時期は、特に限定されるものではないが、ジオスゲニンやその配糖体の含有率が高いという観点からは、1〜5月、特に3〜4月に収穫されたものを使用することが好ましい。
ジオスゲニン配糖体には糖鎖の違いにより通常数種の分子種がある。そのため、ジオスゲニン配糖体の含有量を測定する際には直接測定するのではなく、それらを酸加水分解によりジオスゲニンに変換した後に「ジオスゲニン含有量」として測定することが多い。本発明においても、ジオスゲニンもしくはその配糖体の含有率は、ジオスゲニン量換算で行なう。本発明において、「ジオスゲニンもしくはその配糖体含有率が高い」とは特に限定はないが、例えば生イモの場合1mg/100g以上、好適には2mg/100g以上、さらに好適には3mg/100g〜5000mg/100gが例示される。ジオスゲニンもしくはその配糖体含有量の測定方法については、特に限定はないが、例えば下記実施例1のとおり、トゲドコロから含水エタノールにより糖結合型のジオスゲニン配糖体を抽出し、その後、酸加水分解して結合している糖を除去してジオスゲニン量換算で定量を行なうことができる。
本発明において、処理物とは特に限定はないが、例えば、原料のトゲドコロに対し何らかの加工を施したものであってジオスゲニンもしくはその配糖体含有率が高いものであれば特に限定はなく、例えば磨砕物、乾燥粉末、抽出物、粉砕物、搾汁液、破砕物、化学処理物、酵素処理物をいい、特に好適には磨砕物、乾燥粉末が例示される。
本発明において磨砕物とは、トゲドコロの塊茎を摩り下ろしたもののことをいい、通常は種々の自動すり機を使用するか、もしくは手作業により摩り下ろして調製する。
また、本発明において、乾燥粉末としては、例えば、本発明に使用されるトゲドコロ由来の粉砕物(以下、本発明の粉砕物と称することがある。)が例示される。本発明の粉砕物の製造方法としては、例えばトゲドコロの塊茎を乾燥させ、粉砕機を使用して粉砕することで粉状のトゲドコロ由来の粉砕物を得る方法が挙げられる。また、凍結粉砕や、凍結乾燥後粉砕することにより粉砕物を得てもよい。
抽出物とは原料植物に対し抽出溶媒を用いて抽出操作を行う工程を経て得られる物質そのもののことをいう。抽出は、公知の抽出方法により以下のように行うことができる。例えば原料を粉砕もしくは細断した後、溶媒を用いてバッチ式もしくは連続式で行うことができる。抽出物を得る際の抽出溶媒としては、特に限定はないが、水、クロロホルム、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等の親水性もしくは親油性の溶媒を挙げることができ、所望により単独で、もしくは適宜混合液として用いることができる。混合液を抽出溶媒として用いる例としては、特に限定はないが、例えば各種水溶液を用いることができ、例えば10〜95%、好適には15〜90%、さらに好適には20〜85%のアルコール水溶液を使用することができる。抽出溶媒の量は適宜決定すればよいが、通常、原料植物に対し、使用時の原料植物の形態そのまま(例えば原料植物が生の植物であれば生の植物)の重量の、好ましくは2〜100倍量の抽出溶媒を使用すれば良い。抽出温度も適宜、目的に応じて決定すれば良いが、水抽出の場合は通常、好ましくは4〜130℃、より好ましくは25〜100℃である。また、溶媒中にエタノールが含まれる場合は安全性の観点から4〜60℃の範囲が好適である。抽出時間も、抽出効率を考慮し決定すればよいが、通常、好ましくは数秒〜数日間、より好ましくは5分〜24時間の範囲となるように、原料、抽出溶媒、抽出温度を設定するのが好適である。抽出操作は、たとえば、攪拌しながら又は静置して行えばよく、また、必要に応じて数回繰り返してもよい。以上の操作により、本発明に使用される抽出物を得ることができる。抽出物は必要に応じ、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、分子ふるい等の処理を行うことで、ジオスゲニン配糖体が濃縮された抽出物を調製することができる。また、原料植物から異なった抽出法で得られた抽出物を2種以上含有させて使用することもできる。
また、本発明においては、本発明の抽出物を公知の方法で分画することによって得られる画分や、分画操作を複数回繰り返すことにより得られる画分についても本発明の抽出物に包含される。上記の分画手段としては、抽出、分別沈殿、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等が挙げられる。また、このように分画を繰り返して精製を進めることでジオスゲニンもしくはその配糖体を単離、精製することもできる。
また、本発明に使用されるトゲドコロ由来の搾汁液も、本発明の処理物として使用できる。当該搾汁の製造方法としては、公知の植物の搾汁方法であれば特に限定はないが、例えばスクリュー式、ギア式、カッター式等の搾り機やジューサーを用いて搾汁することができる。また、前処理として細断あるいはすりつぶして、上述のジューサー又は布等で絞って搾汁液を得ることもできる。
破砕物とは、原料植物を砕き壊したものであり、一般には粉砕物よりも組織片が大きく、例えば、破砕機を使用することにより製造することができる。また、化学処理物とは、特に限定はないが、原料植物を酸処理、アルカリ処理、酸化処理、還元処理等に供して得られた物をいい、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酢酸等の無機酸や有機酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基や有機塩基を含む水溶液に原料植物を浸漬することにより製造することができる。化学処理物には、前記のような化学処理を受けた植物体に由来するすべてのものを含む。酵素処理物とは、例えば、ペクチナーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、グルコシダーゼ等による酵素処理物、微生物による酵素反応物(例えば、発酵物)をいい、例えば、トゲドコロに対して上記酵素を適当な緩衝液中で作用させることにより製造することができる。酵素処理物には、前記のような酵素処理を受けた植物体に由来するすべてのものを含む。
本発明において、本発明の処理物の形状としては、特に限定はないが、粉状、固形状、液状のいずれの形状であってもよい。また、処理物を公知の方法で造粒して粒状の固形物として使用することができる。造粒方法としては、特に限定はないが、転動造粒、攪拌造粒、流動層造粒、気流造粒、押出し造粒、圧縮成型造粒、解砕造粒、噴射造粒又は噴霧造粒等が例示される。粉状の当該処理物を液体、例えば水やアルコール等に溶解して液状とし、本発明のトゲドコロ由来の処理物として使用することもできる。
また、本発明は、本発明の処理物を含有する食品を提供する。ここで、「含有」とは、含有、添加及び/又は希釈を意味する。本発明の食品は、ジオスゲニンもしくはその配糖体を高濃度に含むことから、前述するような生理作用を期待することができる。
なお、本明細書において、前記「含有」とは食品中に本発明で使用される有効成分が含まれるという態様を、前記「添加」とは食品の原料に、本発明で使用される有効成分を添加するという態様を、前記「希釈」とは本発明で使用される有効成分に、食品の原料を添加するという態様をいうものである。
本発明の食品の製造法に特に限定はない。例えば、配合、調理、加工等は一般の食品のものに従えばよく、それらの製造法により製造することができ、得られた食品に前述の本発明の組成物が含有されていればよい。
本発明の食品としては特に限定はないが、例えば、本発明に係る前記有効成分が含有されてなる、穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅など)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレッシングなど)、大豆加工品(豆腐類、味噌、納豆など)、食肉加工品(ハム、ベーコン、プレスハム、ソーセージなど)、水産製品(冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮など)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリームなど)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料など)、菓子類(ガム、飴、チョコレート、クッキー、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類など)、アルコール飲料(日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュールなど)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料など)、調味料(しょうゆ、ソース、酢、みりんなど)、缶詰・瓶詰め・袋詰め食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済み食品)、半乾燥または濃縮食品(レバーペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなど)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツカクテルなど)、固形食品、液体食品(スープなど)、香辛料類などの農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品などが挙げられる。特に本発明においては、トゲドコロの磨砕物、すなわちトロロイモをそのまま食用とすることが好ましい。
本発明の食品には前記有効成分が単独もしくは複数含有、添加及び/又は希釈されていれば特にその形状に限定はなく、タブレット状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取が容易な形状物も包含する。
本発明の食品中の前記ジオスゲニンもしくはその配糖体の含有量は特に限定されず、その官能と活性発現の観点から適宜選択できるが、例えば、食品100重量%中、ジオスゲニン量換算で0.001重量%以上、好ましくは0.002〜10重量%、より好ましくは0.003〜5重量%である。
本発明の化粧料は本発明の処理物をそのまま、もしくは適当な化粧用担体と配合して使用することができる。本発明の化粧料におけるジオスゲニンもしくはその配糖体の含有率は、通常、好ましくは0.0001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.01〜3重量%である。
また、本発明の化粧料には、本発明の処理物以外のその他の成分として、所望により1,3−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸塩等の保湿剤、流動パラフィン、ワセリン、オリーブ油、スクワラン、ラノリン、合成エステル油等の皮膚柔軟剤、ヤシ油、パームオイル等の油脂類、ビタミンE等のビタミン類、ミツロウ、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリン酸等の界面活性剤、ステアリルアルコール等の乳化安定助剤、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の可溶化剤、メチルパラベン等の防腐剤、顔料、抗酸化剤、紫外線吸収剤、薬理活性物質、基剤、界面活性剤等を含有させることができる。さらに、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸に代表される多糖類等の保水作用を有するものを併用してもよい。
本発明の化粧料の形状としては、有効成分の前記生理作用を期待しうるものであれば特に限定はなく、たとえば、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、浴用剤、洗顔剤、浴用石ケン、浴用洗剤または軟膏が好適である。
本発明の化粧料は、本発明の有効成分および所望により前記その他の成分を原料として用い、化粧品分野における公知の方法に従って適宜製造することができる。
また、本発明により、原料としてトゲドコロ由来処理物を用いることを特徴とするジオスゲニンもしくはジオスゲニン配糖体の含有量の高い、ジオスゲニンもしくはその配糖体の製造方法も提供される。当該製造方法については、トゲドコロを原料とし、公知の製造方法を採用して実施することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。
実施例1 ジオスゲニンの定量方法
市販のトゲドコロをすりおろしてトロロイモ状態にし、そのうちの5gに77%エタノールを50ml加えて、1日間攪拌した。その後、16000gで30分間、10℃で遠心分離し、その上清を分取した。得られた上清をエバポレーターで乾固し、その乾固物を5mlの80%イソプロパノールに懸濁後、0.5mlの10M硫酸を加えて、100℃で2時間処理した。得られた処理物に、7.5mlの水を加えた後、「そこにブチルメチルエーテルを5ml加えて強く攪拌し、300gで2分間、25℃で遠心分離し、そのブチルメチルエーテル層を分取した。残った分を水層とした。」以下、「」内の操作をブチルメチルエーテル抽出という。残った水層に対してブチルメチルエーテル抽出をさらに2回行い、3回のブチルメチルエーテル抽出により得られたブチルメチルエーテル層を集め、そこに2.5mlの1M水酸化ナトリウムを添加後、300gで2分間、25℃で遠心分離し、そのブチルメチルエーテル層を分取した。残った水層に、2.5mlの1M水酸化ナトリウムを添加後、300gで2分間、25℃で遠心分離し、そのブチルメチルエーテル層を分取した。これらの2回分のブチルメチルエーテル層を集め、そこに2.5mlの水を添加後、300gで2分間、25℃で遠心分離し、そのブチルメチルエーテル層を分取した。残った水層に、2.5mlの1M水酸化ナトリウムを添加後、300gで2分間、25℃で遠心分離し、そのブチルメチルエーテル層を分取した。これらの2回分のブチルメチルエーテル層を集め、スピードバックで乾固した。得られた乾固物を2mlの80%アセトニトリルに溶解させ、14000gで20分間、30℃で遠心分離し、その上清を分取した。
得られた上清をHPLCにより分析し、ジオスゲニン量を測定した。標準物質には、市販の試薬であるジオスゲニンを使用した。HPLCによる分析の際は下記の条件で行った。
カラム L−column ODS(化学薬品検査協会社製)
カラム温度 45℃
溶出液 80%アセトニトリル
流速 1.0ml/分
検出方法 波長205nmの紫外線の吸光度測定による
ジオスゲニンの定量に際しては、まず、80%のアセトニトリルにジオスゲニンを1mMとなるように溶解したものを上記の条件のHPLCにより分析し、その分析結果よりジオスゲニンの溶出時間と単位量あたりの面積強度を算出した。次に、測定用サンプルの分析結果より、標準物質のジオスゲニンと同じ溶出時間に形成されるピーク(以下ジオスゲニンピークという)の面積強度から測定用サンプル中のジオスゲニン量を算出した。
測定用サンプル中のジオスゲニン量の算出には以下の計算式を用いた。
Cs = (As/Ad) x (Vd/Vs) x (414/1000)
なお、上記式中において、Csは測定用サンプルのジオスゲニン濃度(mg/ml)を、Adは、1mMジオスゲニン分析時に検出されたピークの面積強度を、Asは、測定用サンプル分析時のジオスゲニンピークの面積強度を、Vdは、1mMジオスゲニンを分析した際の試料量(ml)を、Vsは、測定用サンプルを分析した際の試料量(ml)を使用する。なお、414はジオスゲニンの分子量である。
上記の方法により測定後、算出したトゲドコロ試料中のジオスゲニン含有率は、12月に採集した約200gの個体では、20mg/100g・生いも、約60gの個体では、28mg/100g・生いも、3月に採集した約160gの個体では、44mg/100g・生いも、約40gの個体では、69mg/100g・生いも、であった。
実施例2 トゲドコロ粉末の製造方法
トゲドコロ370kgを水洗し、厚さ5mmに薄切り後、60℃で21時間乾燥させた。得られた乾燥物を粉砕し、トゲドコロ粉末を93kg得た。
実施例3 トゲドコロ磨砕物の製造方法
トゲドコロ56kgを水洗後、150℃で100秒処理後、皮をむき、その後、すりおろして、35kgのトゲドコロ磨砕物(トロロイモ)を得た。
実施例4 ジオスゲニンの定量1
実施例2の方法で調製したトゲドコロ粉末のジオスゲニン含有量を実施例1の方法により測定したところ、84.5mg/100g・粉末であった。但し、本サンプルは粉末であるため、測定には5gのトゲドコロ磨砕物の代わりに1gの粉末を使用した。また、最初に加える77%エタノールの代わりに70%エタノールを使用した。
実施例5 ジオスゲニンの定量2
実施例3の方法で調製したトゲドコロ磨砕物のジオスゲニン含有量を実施例1の方法により測定したところ、4.2mg/100g・粉末であった。
実施例6 種々のヤムイモに含まれるジオスゲニンの定量
種々のヤムイモを入手し、それらのヤムイモのジオスゲニン含有量を実施例1の方法により測定し、その含有率を計算した。その結果を表1および2に示す。なお、表1には国内品種、表2には海外品種を示す。その結果、ヤムイモの中でもトゲドコロのジオスゲニン含有量が最も高いことが明らかになった。
Figure 2007274985
Figure 2007274985
本発明により、ジオスゲニンもしくはその配糖体含有率の高いトゲドコロ含有食品や化粧料が提供される。本発明の食品は、特に滋養強壮作用を有する機能性食品として、極めて有用である。また、本発明により、原料としてトゲドコロ由来処理物を用いることを特徴とする、食品や化粧品素材として有用なジオスゲニンもしくはその配糖体の製造方法も提供される。





Claims (5)

  1. ジオスゲニンもしくはその配糖体含有率の高いトゲドコロ由来処理物を含有する食品又は化粧料。
  2. トゲドコロ由来処理物が、トゲドコロの乾燥粉末である請求項1記載の食品又は化粧料。
  3. トゲドコロ由来処理物が、磨砕物である請求項1記載の食品又は化粧料。
  4. トゲドコロ由来処理物中のジオスゲニンもしくはその配糖体の含有率が、ジオスゲニン量換算で0.001重量%以上である請求項1〜3記載の食品又は化粧料。
  5. 原料としてトゲドコロ由来処理物を用いることを特徴とするジオスゲニンもしくはその配糖体の製造方法。





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