JPH0323043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車体に昇降操作自在に取付けた苗植
付装置に、複数の苗植付爪を設け、その苗植付爪
の一部のみを停止させるクラツチを設け、畦際付
近での端数条植付を可能にした乗用型田植機の操
作装置に関する。

上記乗用型田植機は、端数条植付行程終了後、
次行程での全条植付けに際して端数植用クラツチ
の復帰操作を忘れ易い。そこで、従来は、特開昭
57−12913号公報に示される如く、苗植付装置の
昇降用レバーに、端数植用クラツチの操作具を機
械的に連係させて、旋回時の苗植付装置上昇操作
に連動して端数植用クラツチが自動的に入り状態
に切換えられるようにしてあつた。

ところが、このように、レバー同士を機械的に
連係するものでは、レバー操作が重くなり、操作
性が損なわれる問題が派生し、さらに改良の余地
があつた。

本考案の目的は、乗用型田植機の本来構造を利
用した合理的、かつ、極めて簡単な改良で、端数
植用クラツチの自動復帰を軽い操作で行なえるよ
うにし、しかも、端数植用クラツチの人為的な入
切操作そのものをも容易に行なえるようにする点
にある。

本考案による操作装置の特徴構成は、冒記乗用
型田植機において、前記クラツチの操作具を前記
車体に取付け、前記苗植付装置に、その上昇に伴
つて前記操作具に入り操作すべく接当する当り部
を設けてあることにあり、その作用、効果は次の
通りである。

つまり、次工程への旋回時に必ず上昇操作され
る苗植付装置の駆動上昇力を利用して端数植用ク
ラツチの操作具を当り部との接当により自動的に
入り側に復帰操作するから、復帰操作忘れを確実
に回避できることは言うまでも無く、従来構成の
如く苗植付装置昇降用レバーに操作具を連係する
に比して、苗植付装置の人為昇降操作を極めて軽
く行なうことができるようになつた。

しかも、操作具を車体側に設けたことにより、
その操作具の単独入り切り操作を、運転部から離
れること無く行なえるようにすることが可能とな
り、全体として、操作具の配置を変更し、かつ、
当り部を付加するだけの構造的に極めて簡単な改
良で、操作性を大巾に向上し得るに至つた。

次に実施例を例示図に基づいて説明する。

左右一対の推進後車輪１と左右一対のステアリ
ング用推進前車輪２とを備えた走行車体に、原動
部３、搭乗運転部４、及び、予備苗のせ台５を設
け、かつ、一定ストロークで横往復移動する苗の
せ台６、その苗のせ台６に左右に並べて載置した
６枚のマツト状苗の夫々の下端から順次一株分づ
つの苗を取出し泥面に植付ける６個の苗植付爪
７、及び、左右に並置した整地フロート８等諸装
置を備えた苗植付装置９を、リンク機構１０を介
して油圧シリンダ１１により駆動昇降操作自在に
車体の後部に連結装備し、もつて、乗用型田植機
を構成してある。

苗植付装置９に装備した植付ミツシヨンケース
１２と、前記原動部３とを、植付クラツチ１３、
及び、苗植付装置９の昇降を許容する伝動軸１４
を介して連動し、植付ミツシヨンケース１２内に
おいて、それに横往復摺動自在に支承した苗のせ
台駆動用摺動軸１５と、苗植付爪７とに、動力を
分岐伝達するよに構成してある。

苗植付爪７の２個づつを一体駆動自在に支承し
た３個の植付チエーンケース１６に対して、植付
ミツシヨンケース１２からチエーン伝動機構１８
を介して取出された変速動力を、一本の横向き回
転軸１９を介して分岐伝達するように構成すると
共に、植付チエーンケース１６に内装のチエーン
伝動機構１６Ａの夫々と回転軸１９との連動部
に、それらの連動を各別に断続する端数植用クラ
ツチ２０を、夫々入り側にスプリング２０Ａで常
時付勢した状態で介装してある。

そして、車体側において運転部４近くに並設し
た３個の揺動レバー２１と端数植用クラツチ２０
とを、レバー２１に付設の不安定切換機構２２、
及び、レリーズワイヤー２３を介して各別に連動
連結し、もつて、畦際付近での植付作業に際し
て、それらレバー２１の選択的な切り操作により
所謂端数条植付けを容易に行なえるように構成し
てある。

尚、図中２４，２５は、植付クラツチ１３の操
作レバー、及び苗植付装置昇降用油圧シリンダ１
１に対する操作レバーである。

前記端数植用レバー２１を車体左右方向に一列
に配置し、かつ、夫々の前方側への揺動操作で各
クラツチ２０が入り操作されるように配置すると
共に、前記リンク機構１０の上部リンク１０Ａ
に、その上昇揺動に伴ない切り位置（OFF）に
あるレバー２１に接当作用してレバー２１を入り
位置（ON）に切換え全てのレバー２１を入り状
態とする杆状当り部２６を取付け、もつて、端数
条植付け終了後、次工程での全条植付けに際し
て、行程移行のための旋回に伴なう苗植付装置９
の上昇時に全ての端数植用クラツチ２０を入り状
態に自動的に復帰できるように構成してある。

図中２７は、レバー２１に対する当り部２６の
接当を弾性的に行なわせると共に、苗植付装置９
の昇降量誤差を弾性作用で許容して、レバー２１
切換えを円滑かつ、確実にするために、当り部２
６とリンク１０Ａとの間に介装したスプリングで
ある。

運転部４において、左右ステツプ２８の外側端
の夫々に、そのステツプ２８面に沿う姿勢で外側
方に張り出して屈曲杆状の乗降用ガイド２９を取
付け、搭乗作業時におけるステツプ外側下方の見
通しを良好に維持しながら乗降を容易にするよう
に構成してある。

又、前記予備苗のせ台５を構成するに、左右予
備苗のせ台５の支柱５Ａの上端部どうしを、それ
らよりも上方で横向きに屈曲する逆Ｕ字状の補強
杆５Ｂにより連結し、補強杆５Ｂが運転部４から
の前方視界の遮げとならないようにしながら、左
右予備苗のせ台５の補強を図ると共に、補強杆５
Ｂを、その下端側横向き軸芯周りで倒伏揺動、並
びに、揺動固定自在に構成し、車体格納時には、
補強杆５Ｂを倒伏させることにより、その格納ス
ペースを小さくできるように構成してある。

次に別実施例を示す。

第６図及び第７図に示すように、前記杆状当り
部２６を上部リンク１０Ａに直接的に固設し、そ
の杆状当り部２６の各レバー２１に対する接当作
用部２６ａと当り部２６の本体との間に前記スト
ローク誤差吸収用スプリング２７を各別に介装す
ると共に、苗植付装置９に上昇状態、つまり、当
り部２６によるレバー２１の入り（ON）切換状
態において、スプリング２７の弾性変形作用で各
レバー２１の強制的な切り位置（OFF）側への
人為操作を許容するように、スプリング２７の長
さ、強さ、及び、配置を設定し、更に、強制切り
操作したレバー２１をスプリング２７の付勢力に
抗して切り位置（OFF）に保持する保持部２１
Ａを設け、もつて、当り部２６によるレバー２１
の自動入り復帰機能を維持しながらも、ストロー
ク誤差吸収用スプリング２７を有効利用する状態
で、苗植付装置９上昇時におけるレバー２１の切
り操作、及び、切り位置（OFF）保持を可能に
構成しても良い。

又、先の実施例の如く、当り部２６と上部リン
ク１０Ａとの間に介装した１個のスプリング２７
で、苗植付装置９上昇状態における各レバー２１
の強制切り操作を可能に構成しても良い。

尚、リンク機構１０をも含めて昇降操作自在な
苗植付装置９側に設ける前記当り部２６の具体的
な形状、構造、並びに、取付構造は、種々の改良
が可能である。

又、苗植付装置９の上昇に伴ない当り部２６と
の接当により入り側に操作される端数植用クラツ
チ２０の操作具２１は、揺動レバーに代えて、摺
動型に構成する等、その具体構造は種々の改良が
可能であり、かつ、その車体への配設位置も適宜
変更が可能である。

本考案は、複数条植の各種型式の乗用型田植機
を対象とするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用型田植機の操作装置の
実施例を示し、第１図は乗用型田植機の全体側面
図、第２図は同全体平面図、第３図は端数植用ク
ラツチの操作構造を示す概略平面図、第４図は同
拡大側面図、第５図は第１図における−線断
面図、第６図、及び第７図は、別実施例を示す側
面図と平面図である。 ７……苗植付爪、９……苗植付装置、２０……
クラツチ、２１……操作具、２６……当り部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に昇降操作自在に取付けた苗植付装置９
   に、複数の苗植付爪７を設け、その苗植付爪７の
   一部のみを停止させるクラツチ２０を設けた乗用
   型田植機において、前記クラツチ２０の操作具２
   １を前記車体に取付け、前記苗植付装置９に、そ
   の上昇に伴つて前記操作具２１に入り操作すべく
   接当する当り部２６を設けてある乗用型田植機の
   操作装置。