JPH0232006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗植付装置を、乗用車体の後部に連
結し、予備苗のせ台を、乗用車体の前部に設けた
乗用型田植機に関する。

上記乗用型田植機においては、例えば、畦上に
位置する補助作業者が予備苗のせ台へ予備苗を補
給することを行ない易くする等のために、予備苗
のせ台を乗用車体よりも前方へ突出させるとよ
い。そして、この場合、予備苗のせ台を極力低く
位置させれば、予備苗のせ台の上方を通した作業
者の前方視界を良好に保つことができるが、反
面、枕地等での旋回時に、予備苗のせ台が畦等の
他物と接当する不都合がある。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、簡単な改造によつて、作業者
の前方視界を良好に保つことができ、しかも、他
物との接当を回避させることができる状態で、予
備苗のせ台を乗用車体の前方へ突出させた状態で
設けるようにする点にある。

本考案の構成は、冒記乗用型田植機において、
前記予備苗のせ台を、前記乗用車体の前端部より
も前方へ突出し、且つ、少なくとも一部が前記乗
用車体の前端がわ部分の上端よりも下方に位置す
る予備苗支持位置とそれよりも上方に移動させた
退避位置とに位置変更操作可能に連結し、更に、
苗植付装置の昇降リンクと予備苗のせ台の支持リ
ンクとを、前記苗植付装置の上昇に伴つて前記予
備苗のせ台を退避位置に位置変更させる連係機構
を介して連係してあることを特徴とする。

すなわち、予備苗のせ台への予備苗補給時、及
び、植付作業用走行時には、予備苗のせ台を乗用
車体の前端部よりも前方へ突出し、且つ少なくと
も一部が乗用車体の前端がわ上端よりも下方に位
置する予備苗支持位置に位置変更させることによ
つて、畦上に位置する補助作業者が予備苗のせ台
へ予備苗を補給することを行ない易くするととも
に、予備苗のせ台の上方を通した作業者の前方視
界を良好に保つことができるのであり、そして、
上記利点を得ながらも、枕地等での旋回時には、
予備苗支持位置よりも上方に移動させた退避位置
に位置変更させることによつて、予備苗のせ台が
畦等の他物と接当することを回避させることがで
きるのであり、もつて、一層便利に使用すること
が可能な乗用型田植機を得るに至つた。

しかも、苗植付装置の上昇に連動させて予備苗
のせ台を上方に退避させるものであるから、手動
操作によつて予備苗のせ台を上方に退避させる場
合のように労力を必要とせず、又、畦際旋回時
に、苗植付装置のクラツチ切り操作、線引きマー
カーの格納操作、苗植付装置の上昇操作、機体の
旋回操作等を行つている間に予備苗のせ台を上昇
させるタイミングがズレて予備苗のせ台を畦に衝
突させてしまうことを回避し得る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図及び第２図に示すように、駆動回転可能
且つ向き変更操作可能な左右一対の前輪１，１及
び駆動回転可能な左右一対の後輪２，２を備え、
エンジン３及びミツシヨンケース４を、運転席５
の前方で且つ機体前端部に位置させる状態で設け
た乗用車体の後部に、４枚のマツト状苗Ｗを横方
向に並べて載置した状態で一定ストロークで横往
復移動する傾斜苗のせ台６、各マツト状苗Ｗ夫々
の下端部より１株分づつの苗を取出して植付ける
４個の植付爪７、及び、横方向適当間隔おきに並
置される３個のフロート８等を備えた苗植付装置
９を、上下一対の昇降リンク１０ａ，１０ｂを介
して昇降可能に連結し、更に、苗植付装置昇降操
作用油圧シリンダ１１を、昇降リンク１０ａ，１
０ｂを車体に対して上下揺動操作する状態で設
け、もつて、機体進行に伴い順次４条の苗を植付
けるよう構成し、又、植付深さの一定化を図るべ
く、及び、枕地走行時や路上走行時において苗植
付装置９の地面との接当を回避させるべく、苗植
付装置９を車体に対して昇降操作できるように構
成してある。

第１図乃至第３図に示すように、前記各フロー
ト８の後端部を、苗植付装置９に、横軸心Ｘ周り
で上下揺動自在に枢支し、各フロート８の前端部
を、苗植付装置９に止着したブラケツト１２に、
屈伸可能な二つ折れリンク１３を介して一定範囲
で上下動自在に連結してある。そして、各フロー
ト８のうちの中央のもの８Ａを、下降がわに付勢
するスプリング１４を、リンク機構１３に作用さ
せる状態で設け、前記油圧シリンダ１１の作動状
態を切換える制御弁１５の揺動操作アーム１６と
リンク１３とをワイヤ１７にて連動連結してあ
る。

そして、前記フロート８Ａの対苗植付装置揺動
位置が適正設定範囲にあると、前記制御弁１５を
油圧シリンダ１１の作動を停止させる昇降停止状
態に、適正設定範囲から上昇がわに外れると、前
記制御弁１５を油圧シリンダ１１を伸長作動させ
て苗植付装置９を上昇させる状態に、更に適正設
定範囲から下降がわに外れると、前記制御弁１５
を油圧シリンダ１１を短縮作動させて苗植付装置
９を下降させる状態に自動的に切換操作し、もつ
て、前記フロート８Ａの対苗植付装置揺動位置を
自動的に設定範囲内に維持させるようにして植付
深さの安定化を図るように構成してある。

要するに、フロート８Ａの上下揺動に基づいて
苗植付装置９の対泥面高さを検出させながら苗植
付装置９を自動的に昇降させて植付深さの安定化
を図るように構成してある。

又、図中１８は、前記フロート８Ａにて下降操
作がわに付勢されている前記制御弁１５を係止ア
ーム１９にて上昇操作がわに係止揺動させる手動
昇降レバーであり、上昇位置Ｕ、昇降停止位置
Ｎ、下降位置Ｄ及び前記制御弁１５を自由作動可
能状態にして上述の如くフロート８Ａにて自動操
作させるための位置Ａとに切換操作可能に構成し
てある。そして、このレバー１８を、下降位置Ｄ
と自動位置Ａとの中間点Ｍよりも前方自動位置が
わへ操作すると植付クラツチを入り操作し、且
つ、中間点Ｍよりも後方がわへ操作すると植付ク
ラツチを切り操作するよう、ワイヤ等を介して植
付クラツチと連動連結し、もつて、１つのレバー
１８にて、苗植付装置昇降と苗植付装置駆動断続
とを行なえるように構成してある。

前記フロート下降付勢用スプリング１４の付勢
力を変更調節する前後揺動レバー２０を、スプリ
ング１４の一端に対して、それを引張り操作する
ようワイヤ２１を介して連動連結し、レバー２０
の係止枠２２を、レバー２０の横揺動により係止
を解除する状態で設けてある。泥の硬さ検出用板
状体２３を、前記ブラケツト１２に前後揺動自在
に枢支するとともに、板状体２３を前方がわへ付
勢するスプリング２４を設け、さらに、運転席５
の近くに設けた泥硬さ表示具２５を、泥硬さに応
じて目盛付読取板２６に対してスライド操作され
るよう、前記板状体２３と押引きワイヤ２７を介
して連動連結し、もつて、機体進行に伴い泥にて
後方揺動される板状体２３の後方揺動量に基づい
て泥の見掛け硬度を検出し、それを作業者に表示
できるように構成してある。

要するに、実際の泥硬さに応じた付勢力にする
ようスプリング１４の付勢力を調節して、泥硬さ
の変動に拘らず良好な昇降制御を行なえるように
構成してある。

第１図及び第２図に示すように、予備苗WAを
載置する予備苗のせ台２８の複数個を両横側部に
振り分ける状態で、且つ、上下に並べる状態で支
持する枠体を、車体の前部に枢着した前後一対の
支持リンク３０Ａ，３０Ｂによつて、下方移動さ
せるほど前方へ移動させるよう支持し、もつて、
予備苗のせ台２８を、その全体が乗用車体の前部
よりも前方へ突出し、且つ、少なくとも一部が乗
用車体前端がわ部分の上端よりも下方に位置する
予備苗支持位置と、それよりも上方後方へ移動さ
せた退避位置とに位置変更できるように構成して
ある。そして、前記リンク３０Ｂを、昇降リンク
１０ａに、それが対昇体一定高さよりも上昇され
るに伴つて上方がわへ引張り揺動されるよう、連
係機構としてのワイヤ３１を介して連動連結し、
もつて、予備苗のせ台２８を、苗植付装置９が植
付作業用高さに下降されると苗支持位置に自重下
降させ、苗植付装置９が非植付作業用高さに上昇
されるに伴つて退避位置に上昇させるように構成
してある。

要するに、植付作業用走行時や予備苗のせ台２
８への予備苗補給時には、予備苗のせ台２８を苗
支持位置に位置させることによつて、予備苗のせ
台の上方を通した作業者の前方視界を良好に保つ
ことができるようにするとともに、畦上に位置す
る補助作業者が予備苗のせ台２８へ予備苗WAを
補給することを行ない易くし、しかも、枕地走行
時や苗のせ台２８への苗補給時には、予備苗のせ
台２８を退避位置へ位置させることによつて、予
備苗のせ台２８が畦等の他方と接当することを回
避させるとともに、作業者が予備苗WAを予備苗
のせ台２８から取出すことを行ない易くしてあ
る。

予備苗のせ台２８を退避位置に位置変更させる
に、苗支持位置の直上方箇所に位置変更させるよ
うにしてもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号をを記すが、該記入によ
り本考案は添付図面の構造に限定されるものでは
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は乗用型田植機の側面図、第２図は同機
の概略平面図、第３図は苗植付装置昇降操作構造
の概略図である。 ９……苗植付装置、１０ａ……昇降リンク、１
１……連係機構、２８……予備苗のせ台、３０Ｂ
……支持リンク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 苗植付装置９を、乗用車体の後部に連結し、
   予備苗のせ台２８を、乗用車体の前部に設けた
   乗用型田植機であつて、前記予備苗のせ台２８
   を、前記乗用車体の前端部よりも前方へ突出
   し、且つ、少なくとも一部が前記乗用車体の前
   端がわ部分の上端よりも下方に位置する予備苗
   支持位置とそれよりも上方に移動させた退避位
   置とに位置変更操作可能に連結し、更に、苗植
   付装置９の昇降リンク１０ａと予備苗のせ台２
   ８の支持リンク３０Ｂとを、前記苗植付装置９
   の上昇に伴つて前記予備苗のせ台２８を退避位
   置に位置変更させる連係機構１１を介して連係
   してあることを特徴とする乗用型田植機。 ２ 前記予備苗のせ台２８を、前記退避位置にお
   いて前記予備苗支持位置よりも後方へ移動させ
   るように連結してあることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の乗用型田植
   機。