JPS6124031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、耕盤上を移動する昇降自在な左右一
対の走行車輪を備えた走行機体の後部に、泥面上
を滑走する整地フロートと後傾斜姿勢の苗のせ台
とを備えた苗植付け装置を装着し、前記走行機体
の前方側下部に、機体フレームの対泥面高さ変動
に伴なつて機体フレームに対して上下に変位する
感圧式の対泥面高さ検出フロートを設け、このフ
ロートの検出作動に連動して前記左右一対の走行
車輪を昇降させて機体フレームの対泥面高さをほ
ぼ一定に保つべく構成し、さらに、前記後傾姿勢
の苗のせ台の前方に予備苗のせ台を前記後傾斜姿
勢の苗のせ台に近接する状態で配設してある歩行
型田植機に関する。

上述のような、機体フレームに対して上下に変
位する感圧式の対泥面高さ検出フロートの検出作
動で左右一対の走行車輪を上下動する自動制御装
置を備えた歩行型田植機では、機体のピツチング
を防止して良好な苗植付け作業を行ない得る利点
を有し、又、後傾斜姿勢の苗のせ台の前方に予備
苗のせ台を近接して配設する構造のものでは、苗
のせ台に対する予備苗のせ台からの苗補給が操縦
位置から行なえて泥面を荒すことがないという利
点を有するものであるが、左右の耕盤深さの変動
に伴つて走行機体が左右に傾動した場合、慣性力
の大きい予備苗のせ台が左右に振れることによつ
て操縦操作が行ない難く、又、機体前方に位置す
る予備苗のせ台が左右に振られることによつて眩
惑されて、機体の直進操行が行ない難くなる欠点
がある。

本考案が解決しようとする技術的課題は、走行
機体に対する予備苗のせ台の配置、連結手段を工
夫することによつて上記欠点を解決する点にあ
る。

本考案の歩行型田植機の特徴とする構成は、走
行機体に対して苗植付け装置を前後方向軸芯周り
に揺動自在に枢支連結すると共に、前記予備苗の
せ台を前記植付け装置側に支持連設させてある点
にあり、斯かる構成から次の如くの作用効果を奏
する。

即ち、本考案によれば、冒頭で説明したよう
に、左右の耕盤深さの変動に伴なつて走行機体が
左右傾動するも、泥面に対して一定又はほぼ一定
姿勢、つまり水平又はほぼ水平な姿勢に位置保持
される苗植付け装置側に予備苗のせ台を支持連設
させることにより、前述の如き走行機体の左右傾
動に拘わらず、その予備苗のせ台を常に水平又は
ほぼ水平姿勢に維持させて、これに搭載された予
備苗を、左右傾動に起因する床土の崩れや苗の脱
落等のない安定姿勢に保持できるとともに、機体
全体の重心変動も少なくして、比較的、大型で大
重量の予備苗のせ台を有する田植機でありながら
も、走行機体の左右傾動時における機体全体の左
右方向の安定性を保持し易く、これによつて、機
体の操縦操作が行ない易く、また、予備苗のせ台
が左右に傾動することによる眩惑症状も生じない
ので、機体の直進操向も行ない易い。しかも、予
備苗のせ台と主苗のせ台との相対姿勢は常に一定
不変であるから、予備苗の、主苗のせ台への苗補
給も容易に行なえる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、耕盤ａ上を移動する昇降自在な左右一対の
走行車輪４，４、エンジン５、ミツシヨンケース
６を前後方向姿勢の機体フレーム７に組付けてな
る走行機体１の後部に、泥面ｂ上を滑走する横方
向並列状態の三つの整地フロート８…により、泥
面ｂ上に、この泥面に対して一定の姿勢および一
定の対泥面高さの状態で自立安定すべく構成した
４条同時植付け式の苗植付け装置２を、機巾中央
を通る前後方向軸芯Ｘ周りに揺動自在に連結し、
かつ前記走行機体１には、苗植付け装置２よりも
後方にまで延出する歩行作業者用操縦ハンドル９
を連設してある歩行型田植機において、予備苗を
収容した箱Ａの４つを左右２列、前後２段の並列
状態で載置可能なパイプフレーム構造の予備苗の
せ台３を、その中心が前記走行車輪４，４の接地
部を含む鉛直面近傍で機体横巾中央に位置する状
態で前記苗植付け装置２側にパイプステー１０を
介して支持連設させるとともに、前記予備苗のせ
台３をステー１０に対して、その中心を通る縦軸
芯Ｙ周りに回転自在に構成し、かつ、この回転予
備苗のせ台３の回転姿勢を、その長手方向が前後
方向に沿つた前後姿勢とこれに直交する左右姿勢
とにおいて夫々固定保持する機構と、これを手動
操作にて解除作動させる操作機構とを設けてあ
る。尚、前記予備苗のせ台３は、載置予備苗箱Ａ
…の横移動を規制する立上り部１１をその周囲に
有する。

前記固定保持機構は、回転予備苗のせ台３にロ
ツクピン１２とこれをロツク方向に弾性付設する
スプリングＳを付勢するとともに、ステー１０の
縦軸芯Ｙ周りに設けた部材１３に、回転予備苗の
せ台３が一方の前罪姿勢にあるとき、前記ロツク
ピン１２をその付勢力により自動係合させる主被
係合部１４と、回転予備苗のせ台３が他方の前後
姿勢および左右姿勢にあるとき、前記ロツクピン
１２を自動係合させ、かつ、回転予備苗のせ台３
に一定以上の回転用外力が作用したとき自動的に
係合解除させる副被係合部１４′…とを設けて構
成してある。

前記操作機構は、一方の前後姿勢にある回転予
備苗のせ台３の後端に、作業者が前記操縦ハンド
ル９操作位置から苗植付け装置２越しに手動操作
可能な操作レバー１５を付設し、この操作レバー
１５と前記固定保持機構のロツクピン１２とをロ
ツド１６を介して連動連結して構成してある。

前記苗植付け装置２は、４枚の苗を横方向に並
列させ、かつ、滑り供給可能な状態で載置する後
傾姿勢の苗のせ台２Ａを横方向で往復移動させつ
つ、苗のせ台２Ａ下端の苗取出し口と整地された
泥面との間で４本の苗植付け爪２Ｂ…を同時に循
環作動させることにより、載置苗を植付け簡単量
づつ取出して植付けるべく構成してあり、前記苗
のせ台２Ａ、苗植付け爪２Ｂ…および前記各フロ
ート８…ならびに予備苗のせ台３は、苗のせ台２
Ａ、苗植付け爪２Ｂに対するミツシヨンを内装
し、かつ、走行機体１における機体フレーム７後
端部に前記のように揺動自在に枢支連結されるケ
ース１７に取付けてある。

前記走行機体１は、機巾中央位置において泥面
ｂ上を滑走し、機体フレーム７の対泥面高さ変動
に伴なつて機体フレーム７に対して上下に変位す
る感圧式の対泥面高さ検出フロート１８を設け、
このフロート１８の検出作動に連動して車輪４，
４を昇降させることにより、機体フレーム７の対
泥面高さをほぼ一定に自動維持すべく構成してあ
る。

又、走行機体１のミツシヨンから苗植付け装置
２のミツシヨンへの伝動系は、機体フレーム７を
伝動ケースとする状態で構成してある。

尚、予備苗のせ台３は固定設置しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型田植機の実施例を示
し、第１図、第２図は全体の側面図と平面図、第
３図は要部の斜視図、第４図は要部の拡大横断平
面図である。 １……走行機体、２……苗植付け装置、３……
予備苗のせ台、４……走行車輪、７……機体フレ
ーム、８……整地フロート、１８……検出フロー
ト、２Ａ……苗のせ台、ａ……耕盤、ｂ……泥
面、ｘ……前後方向軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耕盤ａ上を移動する昇降自在な左右一対の走行
   車輪４，４を備えた走行機体１の後部に、泥面ｂ
   上を滑走する整地フロート８…と後傾斜姿勢の苗
   のせ台２Ａとを備えた苗植付装置２を装着し、前
   記走行機体１の前方側下部に、機体フレーム７の
   対泥面高さ変動に伴なつて機体フレーム７に対し
   て上下に変位する感圧式の対泥面高さ検出フロー
   ト１８を設け、このフロート１８の検出作動に連
   動して前記左右一対の走行車輪を昇降させて機体
   フレームの対泥面高さをほぼ一定に保つべく構成
   し、さらに、前記後傾斜姿勢の苗のせ台２Ａの前
   方に予備苗のせ台３を前記後傾斜姿勢の苗のせ台
   ２Ａに近接する状態で配設してある歩行型田植機
   において、前記走行機体１に対して苗植付け装置
   ２を前後方向軸芯Ｘ周りに揺動自在に枢支連結す
   ると共に、前記予備苗のせ台３を前記植付け装置
   ２側に支持連設させてあることを特徴とする歩行
   型田植機。